転生者の(非?)日常 作:公開
書物庫の扉は綺麗な木製の扉で、鍵などはかかっていないので難なく開けることが出来る…のだが何故かシーウーはまたしてもドアを無理やりぶち壊して侵入した。
「何でドアをぶち破るんだよ…さっきのアレはともかく、今回はカギ掛かってなかったぞ…?」
「何となくだウー。」
「何となくで扉壊すなよ…」
中央には小さな四足の古い机があり、その上にあるキャンドル皿に乗せられたろうそくがうっすらと部屋を照らしている。どうやら半分ほど溶けているようだ。
また、四隅には本が一杯に詰められた本棚が置いてある。
「…危険な物は無さそうやな。」
「タイムリミットの1時間まで後どれくらいか分からないしここからは別行動でいいかウー?」
「そういやタイムリミットあったんだったな…あぁ、それで大丈夫だ。」
「…健闘を祈るで。」
「そんな戦いみたいな…いや、ある意味ここの黒幕との戦いか…そっちも気をつけろよ。」
シーウーとメガスターミーは礼拝堂へと行き、
二組に分かれた。
「さて、と。…こんな大量の本から手がかりを探せるか…?…いや、じーっとしててもどうにもならねぇな。
よし、いっちょやるか!2人も手伝ってくれ」
「「…!」」
サクラとセイカも手伝い、毒の情報を探した。
図書館
零:失敗
サクラ:クリティカル
セイカ:成功
…一応零の図書館70あるんだけどなぁ?
初期値なはずの子供組の方が成功してる…
本を探して5分ほど経過した時、サクラはある本を見つけた。
『スープの夢について』と記された真っ黒な本だ。。
本はべったりと湿っていて、本に触れると僅かに甘い香りのする黒い液体が付いている。
サクラはそれが直感で"毒"と言うことに気がついた。*1
「…!」
「ん?どうしたサクラ。って、この本ベトベトじゃ…いや、もしかして…そういう事か?」
サクラは頷いた。
「す、凄いぞサクラ!!やったな!」
零はサクラの頭を思いっきり撫でた
「///」
サクラは嬉しそうだが同時に恥ずかしそうでもある。
この後自分にもナデナデをせがんできたセイカも撫でてあげたそうな。
そうして毒を手に入れた零と子供2人は最初の部屋に戻っていた。
「後はあの2人…いや二匹?を待つだけだな…少しの間だけくつろいどくか。
…そういや奴隷…奴隷か…実はな、俺もある意味似たような状況なんだ。」
「「…!」」
「しかも、知らない誰かでも偉い立場の誰かでもない
…実の母親にな。」
「「!?」」
零は自らの過去を語り始めた。
「…俺は昔からずっと"女の子"として育てられてきた。
物心ついたときには髪は女の子みたいに長くされて、家に用意されてあった服も全部女の子向けの服だった。
いや、服だけじゃないな。日用品からランドセル、筆箱、家具、部屋の壁紙…挙げるとキリがないレベルだ。もうほぼほぼ全部の物が女の子向けのデザインだった。
」
「だけど、どれだけ上辺だけ取り繕っても…俺は心も身体も男だった。
だから俺は母親に反抗した。「こんなのイヤ」「恥ずかしい」って。俺には姉ちゃんが3人いるんだが、姉ちゃん達も俺に賛同してくれた。…でも、そしたら俺の母親、ブチギレてさ。俺にビンタするわ怒鳴りつけるわ、終いには真っ暗な部屋にカギかけられて閉じ込められるわ…本当に理不尽だよな。しかも姉ちゃん達には何もしなかったらしい。普段は結構優しめで大好きとか言ってくるんだけど"男の子"としての俺は大っ嫌いだったのかもな…何でかは分からねぇけど。
もし父親がいればまた変わってたのかもしれないが…生憎母子家庭だったもんでな…」
「「…!!」」
「そこからはもう仕方なく"女の子"として学校生活を送った。
だけど…水泳の授業とか修学旅行とか、そういった"俺の本当の性別"がバレそうなものには参加させてもらえなかった。他のクラスメイトは皆楽しくプールで泳いだり、バカ騒ぎして青春してるのに…俺は…灰色の青春を今まで送ってきた。
1回、やっとできた男友達と一緒にカラオケとかいろいろ行った時もあったが…その後帰ったらブチギレられて無理やり絶縁させられたこともあったか。」
「1回、一番近くの自動相談所に相談したこともあったんだが…うちの母親、無駄に権力と金だけは持ってるから…全部お金で有耶無耶にされた。
…腐ってるよな、こんな世の中。」
「「………」」
「それで、俺ももう15歳、高校生だ。…仮に、もしこのまま"女の子"として…
"母親の操り人形"として生きていくなら…きっと楽できると思う。さっきも言ったけど、うちの母親は無駄に権力と金があるからな。
…でも、俺は思うんだ。「本当にそれでいいのか」って。
楽できるとしても、一生母親の操り人形として生きていくよりはマシなんじゃないかって。
…だけど、そうすると学費とか住む場所とかの問題が出てくる。
だから…本気で悩んだことがあった。
もういっそのことこのまま…
((ポカッ))っ痛っ…!?」
サクラとセイカ、どちらも零のことを涙目に鳴りながらポカポカと叩いている。
きっと今から零が言うことを察して「死なないで」と、そう言っているのではなかろうか。
「…大丈夫だ。それはちょっと前の話。今の俺は死ぬつもりなんてないさ。」
まだ涙目ではあるものの、その言葉に2人は安心したようで、叩くのをやめて抱きついた。
──────────────────────
時は少し遡り、シーウーとメガスターミーはは礼拝堂の扉の前にいた。
扉は小窓付きの一回り大きな厚い鉄扉となっている。
多分これもぶち壊されるだろう。
聞き耳
シーウー:成功
メガスターミー:成功
どちらも部屋の向こうから何かの荒い呼吸音と、ズルズルという何か重いものを引きずるような音を耳にする。
「…なんか呼吸音がするんやが…これ番人の呼吸音か?」
「引きずる…文字通り何かを引きずっているのか、それとも番人が這って移動しているのか…まぁ入れば分かることだウー。」
そうしてやはりシーウーは扉をぶち壊して、2体とも中へと侵入した。
中には一枚だけの翼を持った巨大なクサリヘビのような怪物、駆り立てる恐怖、もしくは忌まわしき狩人がいた。
駆り立てる恐怖を目撃したメガスターミーは0/1d10
直接見てはいない(というか目が退化して見れない)シーウーも冒涜的な気配を感じ0/1d4のSANc
シーウー:成功減少なし
メガスターミー:失敗2減少 64→62
「キッショ!?」
「どんな見た目してるウー?」
「クサリヘビとセフィロス混ぜたみたいな奴や」
「?????」
セフィロス…片翼であるというのは確かに間違ってはいないが…
駆り立てる恐怖はシーウーとメガスターミーに襲いかかる。
戦闘開始
行動順
シーウー>メガスターミー>駆り立てる恐怖
「…ヘビって事は食べたら美味いのかウー?」
「いやあんなん食べても美味しくないやろ…」
「どうかウー?ゲテモノはなんたらかんたらとかいうし。食べたら意外と美味しいかもウー。」
シーウーは会話しながら瞬時に触手の先に刃を形成する。この刃ははシーウーの粘液から作られており、
粘液は空気に触れると瞬時に硬化する性質を持ち、薄く生成すれば即席の鋭い刃物として機能する。
持続性はないものの無尽蔵に生成することが可能である
「だけど食べる前にはまず弱らせないとウー。」
そしてシーウーは触手を駆り立てる恐怖に突き刺そうとする。
シーウー
触手突き刺し:成功
駆り立てる恐怖
回避:失敗
ダメージ:??d??
シーウーの触手は駆り立てる恐怖の硬い皮膚を貫き、ダメージを与える。
ちなみにdb有りにしてしまうと圧勝してしまうのでdbを無くす硬派な調整をしますしました。
自らの守りに自信を持っていた駆り立てる恐怖は衝撃を受ける
「!?」
「うまいか不味いかは置いといてやな…恨みはないけどそこどいてもらうで!」
メガスターミー
すてみタックル:自動成功
駆り立てる恐怖
回避:失敗
??d??
メガスターミーのすてみタックルは駆り立てる恐怖に無視できないレベルのダメージを与え…るが、メガスターミーもダメージを受ける
メガスターミー
HP 60→56
「コイツ…もしかしてハブネークやアーボックよりも弱いんか?」
「きっとガブラスに毛が生えた程度ウー。」
「───!!!」
駆り立てる恐怖は舐めるなとでも言うように咆哮を上げる。
駆り立てる恐怖
噛み付き:成功 対象:シーウー
尾:成功 対象:メガスターミー
回避
シーウー:クリティカル
メガスターミー:成功
駆り立てる恐怖はシーウーに噛み付こうとしたが跳躍し避けられ…
さらにシーウーは空中で、無数の爪牙が同心円状に生えたヤツメウナギのような悍ましい口を露出させた後、着地した瞬間に体勢を整え、駆り立てる恐怖に対して回転しながら突進した。
「───!?!?」
??d??
駆り立てる恐怖は回転するシーウーの口内にある爪牙により肉を裂かれズタズタに抉り取られ、致命傷を負い死んだ
そしてシーウーはその死体に覆い被さり飲み込んだ。
哀れ駆り立てる恐怖。
護竜の捕食者と進化を超えた進化をしたポケモンには敵わなかった。
「お味は?」
「…腹の足しにはなるウー。」
「不味かったんか…」
「盲目だから部屋の探索は任せたウー。口内掃除しないと…」
と言ってシーウーは壁に向かい口を広げ、触手で口内を掃除し始めた。
そしてそれと同時にメガスターミーは部屋の奥に人間の体を持つ象のような何かの像を見つけた。
SANc
メガスターミー:失敗5減少 62→57
アイデア:失敗
一次的狂気:なし
「何やこの像…気味悪いな。」
メガスターミーは像の近くをよーく見てみる
目星
メガスターミー:成功
メガスターミーは紙切れを見つけた。
紙切れの内容
真ん中の弱々しい太陽の中。
もしくは、黒染めの夢の知識。
そこに調味料は隠れている
「手がかり来たでー!!!」
そしてシーウーにもこの情報を共有した。
「夢の知識は多分書物庫にあると思うウー。で、弱々しい太陽は…」
「多分豆電球ちゃうか?」
「あ、多分そうだウー。」
「よし戻るで!」
メガスターミーとシーウーは最初の部屋に戻った。
残り時間、約20分
──────────────────────
「お、戻ってきた。何かあったか?」
「調味料=毒は黒染めの夢の知識の中と真ん中の弱々しい太陽…つまり豆電球の中にあるってことが分かったウー。」
「夢の知識…間違いなくこの本だよな?」
零は『スープの夢について』と記された真っ黒な本をシーウーに見せた。
「絶対それや!」
「ならこの黒い液体をスープに入れて…そういやサクラ達も帰るにはコレを飲む必要があるのか…?」
「多分。」
「…」
そうこうして毒入りスープが完成した。
「…なぁシーウー、このスープを飲む前に一つだけ質問していいか?」
「なんだウー?」
「もし…もしも、約束された将来があるけど一生誰かの操り人形として鎖に縛られて生きていくか、
それとも約束された将来はないし、もしかしたら道半ばで倒れるかもしれないけど自由を求めて鎖を断ち切って生きるか
もしもどちらか一つを選べと言われたら…どうする?」
「…」
シーウーは"自由""鎖"と言ったワードを聞いて、ある存在を思い出していた。
かつて夢にまで見た楽土を探し求め…白光に響く生命の叫びを上げ…遂には楽土へ辿り着くことは叶わなかった孤独な影を…ある一頭の竜を。
「…例え道半ばで倒れるかもしれない、苦難しかないかもしれない…それでも、シーは自らを縛る鎖を断ち切って、自由を求めるウー。
鎖で縛られて、一生を散らす人生なんて人生とは言えないウー。人生は冒険の連続。その冒険があるからこそ人生と呼べるのだウー。」
「…そうか。」
そして、遂に毒入りスープを飲むときが来た。
サクラとセイカも、震えながらではあるものの、毒入りスープを飲もうとしている。
そして全員で毒入りスープを飲んだ。
まず人間組が感じたのはドロリとした気味の悪い感触と味。
アイデアに成功で1/1d3
失敗で1d3/1d8のSANc
アイデア
零:失敗
サクラ:成功
セイカ:失敗
SANc
零:成功1減少 44→43 不定再発
サクラ:失敗8現象 ??→??
セイカ:失敗3減少 ??→??
アイデア
サクラ:成功
一次的狂気:奇妙なもの、異様なものを食べたがる
零はスープを飲み切ることはできたが、次の瞬間から再び止まらない首無し死体BBが四方八方から例の曲付きで迫ってくる幻覚を見る。
サクラは異様な感触と味のスープを嬉しそうに飲み干した。
次に人外組。
メガスターミーはドロリとした気味の悪い感触と味により、アイデアに成功で1/1d3、失敗で1d3/1d8のSANc
(シーウーはもうこの味に慣れているのでなし)
アイデア
メガスターミー:成功
SANc
メガスターミー:失敗5減少 57→52
不定の狂気:フェティッシュ
1d4=3
メガスターミーはサクラに異常な執着心を抱いた。
…まぁ、これらの狂気も少し経てば意味をなさなくなるが。
CON25との対抗
シーウー:自動成功
メガスターミー:自動成功
零:自動失敗
サクラ:自動失敗
セイカ:自動失敗
人間組は幻覚を見て、呼吸と心拍が激しくなっていき、一分以内に心臓は疲れ果て、動かなくなった。
人外組は逸脱した生命力により生き残るが、それでも毒は強く、肉体は内部から傷付く
シーウー
HP115→57
CON122→61
メガスターミー
HP56→28
CON60→30
さらに幻覚により0/1のSANc
シーウー:クリティカル
メガスターミー:成功
スープを全員がすべて飲み、その効果が出ると、突然、視界が真っ白に染まった。盲目のシーウーも例外ではない。
そして吠えるような声で
「勇敢なる者よ!現へと還るがいい!」
と言う声が響き…
──────────────────────
シーウーは目が覚めた。
先程の毒による苦しみも肉体の損傷も全てが消えている。
「さっきのは夢…にしては鮮明すぎるウー。それに…」
シーウーは最後に零が聞いてきた質問について考えていた。
(操り人形として楽に生きるか
苦難が待ち構えていても自由に生きるか…何故彼はあのタイミングでこんな質問を…?
…まさかとは思ウーけど…一応保険をかけておいたほうがいいかもウー。)
そうしてシーウーは寝床(タコツボ)から這い出て、特注のスマホで"ある人物"に電話をかけようとした
その時
「あ…の、こ、こんにちは…?おはよう、ございます?」
女の子のたどたどしい声が響いた。
「誰だウー?名前を教えてほしいウー。」
シーウーは声の主の名前を問う。だがその答えは…
「私、は、セイカ…です。」
シーウーすらも予想外なものだった
「…」
「あれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」
シーウーの咆哮が木霊した。
──────────────────────
メガスターミーは目が覚めた。
先程の毒による苦しみも肉体の損傷も、狂気も、全てが消えている。
「さっきのは…夢か?にしては妙にリアルやったな…
…仮に夢じゃなかったらアレやで。あの零とか言う子、多分…よしこういう時こそワシのツテを使うときや!」
そうしてメガスターミーは中央の宝石らしき部位を光らせ通信に入ろうとする…が、眼前に白い髪と赤い目を持った、明らかに見覚えある少女がいる。
「Hello…!」
「…」
「アイエエエ!?サクラ!!サクラナンデ!?ガイセイジンゼロゴウメフィラスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!?」
何言ってんだお前
──────────────────────
零もまた、目が覚めた。
先程の毒による苦しみも、狂気も、全てが消えている。
「あれは…あぁ、やっぱ夢だったのか…」
(鎖で縛られて、一生を散らす人生なんて人生とは言えない。
人生は冒険…か。)
「…よし。」
零は決意した。
──────────────────────
「【善は急げ】、私の好きな言葉です。さて、"彼"の言う通り、少しあの青年を手伝ってあげましょう。」
「あれがシーウー君の言っていた子ヌね。流石にバレるのは不味いから裏側からしか協力できないけど…ヌが
しっかりとサポートするヌ。」
──────────────────────
その後、零はどうなったのかは分からない。ただ一つ言えるのは…
「速報です。〇〇県知事の白風唱子氏が児童虐待や傷害罪などで逮捕されました。警察はさらなる余罪の調査を進めており…」
彼もまた、鎖から解き放たれたということだけだ。
暗い方のモンハンタコとなぞのポケモンの毒入りスープ 〜巻き込まれただけの一般人を添えて〜 完
登場人物
暗器蛸シーウー
なぞのポケモンメガスターミー
白風零
サクラ→夏川サクラ
セイカ→暗夜セイカ
ナレーター
チャウグナー・フォーン
駆り立てる恐怖(忌まわしき狩人とも言う)
ツァトゥグァの無形の落とし子(出番なし)
獄焔蛸ヌ・エグドラ(ヌッさん、エグドラ先生)
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