非凡な身に灯る唯1つの光   作:Aoi2873

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0話目での暈された表現や透明文字は主人公も知らない扱いで進めていきますので、読者の皆さんもそのような認識でお願いします
初めて予約投稿を使ってみましたが、なかなか良いものですね










あ、本話は残酷な描写が少し仕事するのでよろしくお願いします


1.振り返ってはならない。貴方は多くの才能を踏み潰してきたのだから

今世で生まれてから既に6年。シングルファザーを立派に務め上げている父から頂いた名は鳴海 響(なるみ ひびき)

そして今日は小学校の入学式…と言うわけで、僕は親にあるお願いをしようと思っていたやめろ。お前はもう普通に生きていいんだ

「父さん」

「響!入学おめでとう!俺に似てかっこよかったぞ」

 

そう言ってわしゃわしゃと僕の頭を豪快に撫でる。こんな感じでガタイも良く人が見ればボディービルダーでもやってるのかと思うほど筋肉で礼服が盛り上がっている父だが、意外にも大学でボカロにハマった口らしく家にはボカロを作曲するのに必要なミクやバンドをやってた頃の名残らしいギターにベース、僕の出産のタイミングで出血多量が原因で亡くなってしまった母が趣味でやっていたキーボードとドラムが鎮座しているやめてくれ。こいつに音楽を関わらせないでくれ

「それで、響。友達はできたか?」

「できるわけないでしょ。入学したばかりなのに」

 

今世では、普通に前世の口調で喋っている。その影響かは分からないが、親には人より成長が早いと思われている…らしいもう少し年相応に遊んでもいいんだぞ

 

「父さん。帰ったら1つお願いをしていい?」

「別に今言ってくれてもいいんだぞ?」

「曲作りをしたい」

 

絶句。響の父である鳴海 渚の心の内を表すのなら間違いなくこの2文字が当てはまるだろう。まだ小学校に入学したばかりの子供が「曲作りをしたい」などと言い出すのだ。人より成長が早いのだろうとなんとなく理解しているとはいえ正直意味がわからないし、バンドをやっていた経験上こう言うのはいずれのめり込んでしまうのも人よりは理解している…つもりだ

 

「使うのは俺のパソコンのミクか?」

「そのつもりだけど?ギターとかは正直大きすぎてまだ扱えないし」

「…まあ、やりたければやってみればいい」

 

どうせ6歳の戯言だ。すぐに飽きてやめるだろう、と渚は考えていた。多少ファイルなどがごちゃつく分は多めにみよう…と

 

「あと、WeTubeに投稿したいんだけど」

「…ふむ」

 

子供の成長は早い。渚はしみじみとそう感じていた。まあ俺も響に色々と曲を聞かせていたから、そこから「自分もやりたい」とでも思ったのだろう

 

「なら聞きたいことがある」

 

流石に、人様に聴かせるんだったら最低限のクオリティは必要だ

 

「まず1つ目。サムネはどうするんだ?」

「僕が描く」

 

確かに響には、俺とは比べ物にならないほど絵が上手い。*1まあ、ここはいいだろう

 

「2つ目。MVはどうする」

「サムネの1枚絵をそのまま使うけど?」

 

勝負するなー。渚は素直にそう思った。6歳にして「音でわからせればいい」とか考えてないだろうか少し心配になるくらいだ

 

「3つ目。まあ、これはお願いだ。完成した曲は俺に聴かせろ」

「え?それだけ?」

 

何を言うか。これでも大学でかなりの人数を盛り上げた経験があるんだ。と言っても、その時の曲はMr. BAD APPLEの曲だったのだが

 

「まあ、分かった。完成した曲は毎回必ず父さんに聴かせるよ」

「おう。楽しみにしてるぞ」

 

この提案を後悔すると、この時の俺はカケラも考えてなどいなかった

 


 

あれから僕は早速チャンネルを開設。チャンネル名は...しばらく悩んだ後『欠星(かげぼし)』と名づけることにした。星のように輝きたい。だが自分では星になることなどできない、せいぜい欠けた星がいいところだ、と言う意味を込めた。さてチャンネルもできたし早速1曲作ってみるか『欠星』か。ああ、お前に星なんて似合わない。お前は凡人だ。凡人でいてくれ。俺をその輝きで照らさないでくれ

 

 

 

 

そうして、3時間が経った頃。『欠星』のデビュー曲が完成した

「たった3時間か。これが良くある転生特典とか言うやつなのかな」そんなわけあるか

 

どうやら、前世ではネット小説も読んでいたらしい

 

「父さん」

「おう、どうした?まさかもう曲ができたのか?なんてな。よし、父さんが教えてやろう」

「...いや、できた」

 

瞬間、辺りの空気が固まる。フリーズした父が再起動するまで数秒を要したのはまあ当然だろう。渚からすれば、初めてミクを触ったはずの息子がたった3時間程度で1曲完成させてしまったのだ。逆に驚かない方が無理がある

 

「聴いて欲しいんだけど」

「...あ、ああ。そうだな」

 

そして曲を再生する。大体5分程度の曲。いつもなら1ヶ月半ほどじっくり丁寧に作ったのだが、考える前に手が動くと言えばいいのか。迷いなく曲を作ることができたこの世界は本当にこいつが救われるのか?またあいつは絶望しないのか?

「聴き終わったぞ」

「ん。ありがと。...それで、どうだった?」

 

渚は考える。正直曲は最高だった。ソフトを見たが自分に見つけられるようなミスらしきものもなく、このまま投稿しても1000再生程度ならすぐに行ってしまうのではないかとさえ思っていた

 

「これも、母さんの血か」

「母さんがどうしたの?」

「...いや、なんでもない。疲れただろ。サムネはどうするんだ」

「サッと描いちゃうよ。色を絞れば2時間もあれば描けると思う」

「そうか。無理はするなよ」

「しないって」

 

俺は改めて自分の子が才能を持って生まれたことを自覚した

 


 

そしてそれから9年。投稿した曲は3000本を超え、チャンネル登録者は大体900万人。最多再生回数は驚異の7億回。まあ、これはボカロではなく、自分のボーカルを入れたもので、ボカロの最多再生回数は2.3億回。正直言って自分でもここまで伸びるとは思っていなかった。ちなみにかの有名なJ◯SRACには管理は依頼していない。理由は単純で面倒だからだ。自分は未成年だし、前世では一応やったのだが、前世であれだったのだ。今の自分だと前世の約30倍の作業量になる。そんなの面倒すぎてやってられないのだ。そんなことをしてる暇があったら作曲したい前世とはえらい違いだな。幼稚なまま成長したなんて考えるだけでも恐ろしい

「響。入るぞ」

「何かあった?」

「いや。入学式の準備ができてるか気になってな。その様子だともう終わってそうだな」

「当たり前でしょ。さっさと帰って次の曲作りたいから」

「全く、どこからそんなにアイデアが降ってくるのやら」

「そうだ。入学式が終わったらお願いがあるんだけど」

「…考える時間も欲しいから今言ってくれ」

「SNS初めてもいい?」

「おう。いいぞ」

「てっきりもう少し渋ると思ったけど」

「もう高校生だからな。自己責任でしっかりやれよ」

「了解」

 

そう言って手を顔の横に持ってくる警察官にはお馴染みのあのポーズを取ると、父さんも乗ってくれたのか同じポーズをして、二人で笑ったこうしてこいつが笑っているだけで、俺は幸せだったのにな

「よし。じゃあ行こうか」

「了解」

 

扉を閉める。前世で見た数々のボカロPがいないことに一抹の不安を覚えてお前が潰したんだよ。くそっ、豁悟ァォはまだ俺たちを苦しめるのか

*1
前世でサムネを描いてた影響。え?サムネも描いて作曲・作詞もした上で2ヶ月に1本投稿するってバケモンじゃね?そうに決まってんだろ




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