世界で一番幸せな女の子と犬(成人男性国家公務員) 作:mimi11111111
俺は、主の命令をうけ、夜の闇に潜む。
しかし、俺も獲物に加えられることは想定外だった。俺を自身の獲物に加えた理由は明確だ。ボスに目を付けられている。迂闊に動けば俺の命はない。いや、むしろ俺が妙な動きをせずとも殺すつもりなのかもしれない。
あの人は、娘であり後継者の
そして今、ボスは俺が
だが、絶対にそうはさせない。俺には、
張りつめた空気の中、木陰から2人の様子をうかがっていた。息を殺したその瞬間__背後から気配もなく何者かが俺の肩を叩いた。
息が止まる。反射的に身を翻し、拳を構える。背後の人影は両手を上げ、無抵抗を示す。
「ひさしぶりだな、ヒロ」
時間が逆行したような錯覚を覚える。懐かしい青い瞳がまっすぐに俺を見つめていた。
「…ゼ、ゼロ!?なんでここに!?」
俺は驚きのあまり声を挙げる。一年ぶりの再会に、胸の奥が熱くなる。再会の喜びと困惑に混乱する。しかしそんな俺とは対照的にゼロは冷静に答える。
「…説明をしている暇はない。この山は今、公安によって包囲されている。」
「な、なんだって?」
「匿名の通報があった。その通報を受けた黒田管理官の指揮のもと、俺らはこれから突入に入る」
「!?」
ゼロから次々と告げられる情報に俺は困惑する。重ねられる言葉をどうにか受け止めようとする。
ー匿名の通報?
ーボスの目を欺き、外部と連絡を取った人物?
脳裏に一つの仮説が浮かび上がる。
「ヒロ、お前も保護対象に入っている。このまま下山して__」
「っ!」
一瞬の思考の後、俺は弾かれたように山頂へ駆け出す。先ほどまでそばにいた
まさかあの人が?いや、そんな……だが、もしそうなら_
血の気が引いていく。俺を追いかけてきたゼロが肩を掴むが、俺はそれを振り払う。
「おい、ヒロ!どこへ行くつもりだ!」
ゼロの声が背後で響く。風が頬を切り裂く。
「公安の動きは、すでに感づかれているかもしれない!」