東方氷娘記   作:亜莉守

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第十四話

 

「それにしてもなんで魂が逃げ出したんだろう?」

「さあ、それは私にもはかりかねます」

 

逃げ出す理由がわからない。魂にも意思があると考えていいのかな?

いや、意思はあって当然だよね。もともとは自我のある人間だし。

 

「おーい、そこ行くのー」

「えっと、どちら様?」

 

目の前に現れたのは魔理沙そっくりな白黒の魔法使いだった。魔理沙を十歳前後成長させた感じ、博夢さんと同年代っぽいイメージかな。ただし半透明。

 

「あぁっ!」

「お、庭師も居たのか」

「な、な、何でここに居らっしゃるんですか?!」

「いいだろ。みんな出てきてるんだし、たまにはシャバの空気も吸いたいってもんだ」

 

なんか本当に魔理沙そっくりなんだけど。言葉の内容はともかく口調の感じとか笑った顔とか。

 

「そういえばどちらに向かっているんですか?」

「ん、新しい神が生まれるんだとさ」

 

あっち、と彼女は親指で指し示す。

 

「えっと、つまり見物をしに?」

「そーそー、あたしら娯楽があんまりないからねぇ。ついでに言うなら同族から神になるってんで見物し甲斐があるってもんだ」

 

同族? もしかして。

 

「幽霊ってなれるんですか」

「なれるよ。思いの結晶みたいなもんだからな。なんかしらの思いがあればいいってわけだし?」

「初めて知りましたよ」

「あたし自身受け売りだけどなー。暇ならあんたらも見に行くか」

 

 

――― 少女移動中。

 

 

「お、見えてきた」

 

えー、幽霊魔法使いさんの箒の後ろに乗って移動中です。正直言っていい? 飛べるよ。僕。何で魔理沙にしろこの人にしろ乗せたがるの? というよりよく乗れてるよね僕。幽霊の箒に何で乗れてるの?!

 

「って『太陽の花畑』?」

「お、知ってるのか。そう、こここそが四代前の博麗の巫女『博麗霊夢』本名『博麗博夢』の死んだ土地だ。自己中心的な村人の身勝手な行為の犠牲となった博麗の巫女のな」

 

そう語る幽霊さんの目はどこか遠くを見ていた。もしかしたら霊夢と魔理沙が友達のようにこの人と博夢さんも友達だったのかもしれない。かける言葉なんて見つかるわけもなくて、ただただ無言になる。

 

「あ、悪い悪い。ちょっと重たい話しちまったな。で、神になるのはそいつってわけ」

「え、博夢さんが?」

「あれ? 知り合いか、あいつが人間の知り合いを持ったことに驚いたぞ」

「いい人……? ですよ」

「疑問形になるあたりが奴らしいがびっくりだ」

 

心底びっくりした顔になる幽霊さん。そこまで言うのか

 

「びっくりとは何かしら? アリサ」

 

幽霊さんの背後にはいい笑顔をした博夢さんが立っていた。

 

「よ、ハク。久しぶり」

「久しぶりじゃないわよ。あんた何でここに居るのよ!」

「暇を持て余したから」

「理由になってないわよ。あー、もういいわ! あたしと弾幕勝負しなさい!」

「は? 弾幕?」

「そーよ。あんたが居ない間にこっちには随分と面白いものが増えたんだもの。たまにはあたしが新しいもの自慢したっていいじゃない」

「む。言ってくれたな! この霧雨(キリサメ)亜里沙(アリサ)様にハクが自慢なんぞ百年早いね!!」

 

口げんかがヒートアップする。でもさ、幽霊さんは弾幕知らないと思う。

 

「弾幕勝負とはなんでしょうか?」

「あれ、妖夢も知らない?」

「はい」

「しょうがないか、説明するよ」

 

 

――― 少女説明中。





新キャラ登場。

霧雨亜里沙
名前でもわかる通り魔理沙の先祖、博夢とは友人のようだ。今は幽霊らしい。
能力は「魔法を使う」能力。そのままのようだが「魔法」と名のつくものはすべて操れるのだから末恐ろしい。それから箒に乗って移動する。
性格は魔理沙をさらに男っぽくしたもの、魔理沙はまだ女らしいイメージ。博夢とはよく口喧嘩をしていたようだ。
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