結界を越えれば満開の桜が出迎えた。頭がくらくらくる、と言うか痛すぎ。
「……桜が満開だね」
「だな。ここは暖かいぜ」
「はぁーあ、不吉な予感」
「出て来な」
目の前に白髪のおかっぱ髪にカチューシャに二本の刀、おもちみたいなの。妖夢だ。
「皆が騒がしいと思ったら人間だったのね」
口調、前と変わってない?
「私が死体なら騒がないのか?」
「騒がない」
「そーなのかー」
「! 明乃さん?!」
「久しぶりー。妖夢」
「明乃、こいつとも知り合いかよ」
「うん、ちょっと前にねー。ところで春が来ないんだけど君のところのせい?」
「っ、それでも
「「さいぎょうあやかし?」」
何それ?
「うちの自慢の妖怪桜よ」
嫌な予感しかしないんだけど。てかもうそろそろ痛すぎて意識が……。
「ともかく、あとほんの僅かの春が集まれば、この西行妖も満開になる。あなたたちが持ってきたなけなしの春が満開まであと一押しするってものよ」
「せっかく集めたものをあげるほどお人好しじゃないわよ」
「明乃、降りとけ」
「……うん」
もうダメだ。頭がホワイトアウトしそう。
そこで僕の意識が切れた。
――― 少女気絶中。
「……妖怪が鍛えたこの楼観剣に、切れぬものなど殆ど無いっ!!」
妖夢が弾幕を張り出した。
咲夜が三人をかばうように弾幕を張る。
「私がやるわ。二人は奥へ」
「おい、明乃はどうするんだよ」
「私が守ればいいでしょ」
「ぐぬぬぬぬ」
「行くわよ魔理沙……って、嘘でしょ?!」
「どうしたんだよ霊夢……ってええ?!」
二人が後ろを見れば、居たはずの明乃が居なくなっていた。
――― 少女行方不明中。
大きくそして妖しく美しい桜の前に桃色の髪に水色と白を基調とした服を着た女性が立っていた。その横に目から光がなくなった明乃が並ぶ。
「あら、新入りかしら?」
「……(ふるふる)」
「そう、あともう少しで満開なのよ」
憂鬱気に呟く女性、その様子を横目に見ながら明乃が紫から預かったお守りを桜にかざした。
「―――――」
明乃の口から言葉が零れる。足元には複雑かつ幾何学模様な円が浮かび上がりだした。
『お招きご苦労さまね。明乃』
突如現れたスキマのような出入り口から元巫女にして、現神博麗博夢が現れた。明乃の頭をすぅっと撫でる。すると明乃の目に光が戻った。
「あれ? 博夢さん……」
――― 少女復活中。
気が付けば知らない場所に知らない人、神々しいまで……いや、間違えた。その存在を堂々と主張する雰囲気の博夢さん。そして禍々しい雰囲気の桜の木があった。桜の木からまるで人間を死に誘うようなネガティブな感じがする。
「博夢さん、この桜……」
怖くなり、思わず博夢さんの服の袖をつかんでしまう。
『気が付いたのね。こいつは人間を死に誘う能力があるの』
「ハク…貴女」
『久しぶりね、幽々子。相変わらず大食いの亡霊様かしら?』
「貴女、今までどこで!」
『あたしの最後を知っているでしょ? あの場所でずっと留まっていたわ』
「……そうなのね。でも遅いわ」
桜の禍々しさが増す。これは一体……。
「その子が持っていたなけなしの春、それが最後の一押しだったのよ」
『ばっかじゃないの? あたしを誰だと思っているのよ。植物の神なんだから』
博夢さんが桜に触れた。すると桜がもだえ苦しみだす。あ、それじゃあ……
「だめっ!」
『明乃?!』
「違う。そんなこと望んでない。望んでないよ」
違うんだよ。違うんだよ。気づいてよっ!
「……助けて、助けてっ!!」
わけわかんなくなってきた。書いている自分がわけわかんなくなってきました。
ダメですよねー。
明乃の能力はまだ内緒です。能力がわかれば今回と次回の話の内容もちょっとわかる……かも?