「おう、助けに来たぜ?」
「はぁ、こんなとこに居たのね。心配したわよ」
「全くこっちの苦労も考えなさいよね」
「え?」
まさかの形で答えが返ってきた。
そこには魔理沙、霊夢、咲夜さん、それに妖夢の姿があった。
「で、何しろって?」
「……封じてって、もう嫌だって。死に誘うのも死ぬも嫌だって。辛いよ、
「分かったわ。紫の奴がよこしたこれを使いましょう」
霊夢の手には人形と札のようなものがある。
「見て! 桜が」
ギチギチと音がする方を向けば妖怪桜が動き出した。いやいやいやいや、なにこの妖怪対戦のラスボス的な絵は。
「どうしよう」
「流石にあの状態で封印はちょっと……」
「弱らせればいいの?」
「弱らせればいいんだな。分かったぜ」
咲夜さんがナイフを、魔理沙がレーザーを放って応戦を始めた。霊夢が呪を唱えだし。博夢さんが僕らを守るように結界を張り出した。
「お嬢様っ!!」
妖夢の声がした方を向けばあのもう一人の人が消えかかっていた。
傍らに膝をつく。そして、感じたことを素直に言った。
「……あなたが僕を呼んでいたんですよね」
「……そうよ。答えてくれたのは貴女が初めてね」
少しだけ見た儚い雰囲気とは打って変わって芯の通った雰囲気の彼女……いや、
「でも何で?」
「自分じゃどうしようもないのよ。西行妖を自分の死体で穢しても、所詮は霊魂の身であり人間としての意識は無い、体がどうなろうが気にならないもの」
「……妖怪桜はその身が穢れることを恐れて叫んでいました。でも、あなたは人を殺すことを、死に誘うことを恐れていた、本当の意味で叫んでいたのはあなたではないですか?」
叫び、助けを求めていたのはこの人だ。素直にそう感じる。だからこそ封印を解こうとしてまで……異変を起こすほどのことをしてまで外から誰かを呼ぼうとしたんじゃないのかな?
「……貴女は優しいのね。そして真摯に相手に向かい合おうとする。ハクが気に入った理由も妖怪さんが気にかけていた理由もよくわかるわ。ねえ、優しい貴女。これからも声に耳を傾けるつもりかしら?」
「……はい」
彼女が何を言っているのか僕にはちょっとわからなかった。でも答えるべきだと感じた。
「そう、貴女は貴女のままで居てね。私はもうそろそろ行かないと」
「行かせませんよ。そのために僕らがここに呼ばれた……そうじゃないんですか?」
「お嬢様、私を置いて何処へいくおつもりですか?」
「知らないよ。それはどちらも「今」の私に問うべき質問ね」
薄くなっていた彼女が元の濃さへと戻った。
「あら、妖夢どうしたの? それに貴女は……ううん、答えなくていいわ」
雰囲気が元に戻る。ああ、彼女は本当に行ってしまった。そう、感じた。
「ありがとう」
「どうなさったのですか? お嬢様」
「急に言いたくなっただけ」
ちょっとまぶしい光が起こったかと思ったら妖怪桜は元へと戻った。いや、元にじゃないかな。下にある死体が取り去られた今、妖怪桜は妖力を大幅に減らしたはずだ。
ほっとした途端に意識が朦朧として、意識がブラックアウトする。でも、今度のは嫌な消え方じゃなかった。
大団円といきましょう。
わかる方にはわかるネタ。死体って穢れているそうです。
次回は宴会です。本編は何故かサクサク進みます。