第一話
春が来ない異変も解決して、しばらく。
僕こと明乃は現在、
「はぁー、遠い」
絶賛迷子です。
――― 少女回想中。
「ええ?! 魔理沙が風邪? この時期に?」
今初夏って感じの時期だよ?
「そうなのよ。見舞い行ってきたら?」
「あー、うん。霊夢は?」
「昨日行ってきた」
んな薄情な。
「そうなんだ。だったら一緒に連れてって欲しかった」
「何でよ? 道知ってるでしょ?」
「まあ、そうなんだけど」
――― 少女回想終了。
「魔法の森ってこんなに深かったけ?」
迷子in魔法の森。割とシャレにならないんだよなぁ、これ。魔理沙の家ってほとんど行ったことないし。
そういえば、迷いの竹林って言うのもあるんだけどそこは行ったことないなぁ。
「魔理沙の家どこだっけ?」
さて、どうしようかなぁ。
「あら、あなた迷子?」
「誰?!」
初めて見た人だ。金髪に青のカチューシャ、蒼の目に青をベースにした服。背後には人形が浮いている。手には本ときのこの入った籠を抱えていた。
「あなたみたいな子がこんな辺鄙な森に何か用事かしら」
「えっと、魔理沙の家知りません?」
「ああ、なるほどね。案内するわ」
――― 少女移動中。
魔理沙の家に簡単に着いた。迷ってた僕っていったい。
魔理沙の家の扉を叩く。
「魔理沙ー?」
「ごほっ、明乃?」
ちょっとふらふらして顔が赤くなった魔理沙が扉を開けた。
「大丈夫? 寝てないと! てか、生活状況大丈夫?」
前に来たとき凄かったけど、食べ物ないし家の中も凄いことになってたし。
「だ、大丈夫だぜ?」
「はいはい、全く。大人しくして! なんか作るから」
中に入ればまーまー小奇麗にはなっていたけど、相変わらず食材の類がない。持ってきて正解だなぁ。
――― 少女調理中。
とりあえず作ったものを持って、魔理沙の部屋の扉の前に立つ。
「貴女にあんな可愛らしい知り合いがいるなんてね。魔理沙」
「アリス、何しに来たんだよ」
「食材くらい恵んであげようかと思ったのよ。彼女、迷ってたわよ」
「しょうがないだろ? わたしが会いに行った方が色々と都合がいいんだ。けほっ」
「はいはい、黙る。そういえば彼女って妹か何か?」
「あ? 何処を見ればそうなるんだか。霊夢に聞いてなかった、こほっこほっ」
「まさか、あの子が噂の?」
何話してるんだろ? まあ、とりあえず。
「卵酒できたけど飲む?」
「のむ」
「熱いからゆっくりね」
「はーい」
「ほら、体ちゃんと温めて、今からおかゆ作るから」
また台所に戻った。全く、ちゃんと大人しくしてないとダメなんだよ。下手に動いて風が悪化したらどうするんだ。
「どっちかっていうとあの子の方がお姉ちゃんね」
「うるせー」
当分のんびり行きます。出番がなかったアリスさんようやく登場です。
明乃さんのオカンスキル発揮、それくらいできてもいいかなって思います。