東方氷娘記   作:亜莉守

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第四話

 

それから季節は梅雨へと移る。毎日のように雨が降り、憂鬱な日々を過ごしていた。

最近また頭痛がひどい気がする。あれかな、天候が不安定だと体調不良になるってやつ。

 

「ゆーうつです」

「大丈夫? 頭痛薬飲む?」

「あ、ごめんねチルノ。そういうわけじゃないんだ」

 

最近僕は家で大人しくしている。雨の中で飛ぶ気力はない。

 

「……あ、薬切らしてたんだった」

「あの兎印の?」

 

随分とファンシーなマークだなって思ったよ。それによく効くし。

 

「まあね」

「配達には来ないの?」

 

人里だと置き薬の形式をとっているそうだけど。

 

「こんな人里はずれたところまで来ないわよ。どうしよう…雨だしなぁ」

「僕が行くよ。気分転換ってやつ、傘あったよね?」

「あー、なんか悪いけど頼める? あたいどうもあそこの竹林に住んでるウサギが苦手でさ」

「いいよ」

 

僕は立てかけてある傘を手に取った。里の人に作り方を教えてもらって自力で作った普通の傘だ。

 

「はい、これメモね」

「うん、行ってきまーす」

 

 

――― 少女外出中。

 

 

「あめあめ、ふれふれ……」

 

そういえば、ふと思ったけどじゃのめって何? あ、そうだ。あとで慧音さんに聞けばいいんだ。

ちなみに歩くのは止めた。この世界って長靴がないんだよね。濡れるのを防ぐために数センチ浮いています。

 

「ぴっちぴっち、ちゃっぷちゃっぷ、らんらんらん♪」

 

さて、着きました。迷いの竹林の入り口。どうしよう

ぴょこん

ん? ふと足元を見れば兎が居た。竹林に住んでる兎ってこの子のことかな?

 

「ねーねー、この辺で兎印の薬屋見なかった?」

 

ぴょんぴょんと兎は跳ねて行ってしまった。どうしよう。

考えていると目の前に黒髪に白いウサギの耳、目はルビーのような赤、服はピンクを基調とした…てかピンク一色のちょっと長めの半袖を黒い紐で腰辺りで縛ってスカートのように見せている。下は白ズボン、足は裸足だ。それ以上に不思議なのは全く濡れていないこと。

 

「『あたしは幸運にも濡れていない』」

「はい?」

「ん? こっちの話だから気にしないでちょうだい。あんたが永遠亭に用があるやつ?」

 

なんだろう。身の覚えのある雰囲気の感じがするんだけどこの人。

 

「あ、はい。置き薬がなくなって」

「うんうん、じゃあ案内するよ。ついて来て」

 

その人の指示に従って竹林の中を抜ける。うわぁ、一歩はずれたらずっと迷いそうだ。

しばらくすると結構豪華な日本家屋が現れた。貴族が住む場所みたいだ。

 

「ここだよ。ところであんた何処から来たの?」

「あ、湖の方から」

「あーそりゃ配達もないわけだ……あれ? あんな辺鄙な場所で薬取ってる奴なんて居たかしら?」

「えっと、今氷精の家でお世話になっている人間です」

 

これでありとあらゆる場所に通じるんだから幻想郷って凄いよね。

 

「……ひょ…まさかあんたがあれの娘?」

「いや、拾われっ子ですよ」

 

あわてて訂正を入れる。最近、人間扱いされなくなってきたんだけど。

 

「はぁー、こりゃあたしに見せないわけだ。こんなにかわいい子だったとは」

「?」

「まあ、いいか。何の薬をご所望で?」

「あ、メモ貰ってきました」

 

メモの中身を見てびっくりした。読めないほど汚い。

 

「あー、これはまた……しょうがないね。そうだ、中でお茶飲んで行きな」

 

兎さん(兎の耳付いているし)に誘われるままに僕は日本家屋の中に入っていった。





カリスマ第二弾、登場。名前はまだだけど皆さんお分かりですよね。

個人的なイメージは身長が鈴仙よりちょっと下、明乃よりは遥かに上、髪は背中まで届くくらい。つまり何が言いたいのかといいますと、外見完璧崩壊中です。

発生したカリスマは、後もう一人います。登場はそこそこ後になりそうだ。
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