何処か暗い地下室、そこで金色の髪をした赤い目の女の子が泣いていた。
外に出たいんだよね。そうなんだよね?
でも、彼女の答えは違った……そう、彼女は―――――
「あ、よかった目が覚めたのね。急に倒れるからびっくりしたよ」
気が付けば知らない天井。ここは何処だ。
……あ、そっか永遠亭に来てたんだ。
起き上れば因幡さんがホッとした顔をした。
「永琳が言うには精神的なものらしいよ。顔色がまだよくないね。もうちょっとの間大人しく寝ておきなさい」
「うん」
もう少しだけ眠ることにしよう。そしたら『彼女』ともまた会えるかもしれないから。
――― 少女就寝中。
その頃、湖の中に建つ紅の館。紅魔館
「……まただわ」
「お嬢様、どうなされましたか?」
主の部屋で館主である少女レミリアが呟く。それを耳ざとく聞きつけたメイドの咲夜は主に問いかけた。
「あと少しなのよ。あの子を運命から解き放てる存在、それがすぐそばまで来ているのに……」
歯ぎしりをするレミリア、そんな彼女の目の前に咲夜は紅茶を出した。何事かと咲夜を見るレミリアに咲夜が言う。
「お嬢様、急ぎすぎてはせっかくの機会を逃してしまいますわ。ここが正念場です。辛抱強く参りましょう?」
「……そうよね。ありがとう咲夜」
「いえ、当然のことをしたまでですわ」
さっと咲夜が去り、一人になったレミリアが呟く。
「早く着て頂戴。あの子のためにも……わたしのためにも」
――― 少女夢見中。
「そっか、もう壊したくないんだ」
「うん。でもね、物を見ると壊したくなっちゃうんだ。どうしてなのかな」
僕は今、金髪のあの子と話をしている。あの子はここが夢の中だと知っているようだ。
夢の中なら大丈夫という彼女が不憫で仕方なくなる。
現実だと全然大丈夫じゃないってことじゃないか。
「あのね、また夢の中でお話してもいいかな?」
「うん。会えるかわからないけど」
「……そうだよね」
あ、落ち込ませた。
何か気の利いたこと言わないと。
「でもさ、君が本当に助けてって呼んだなら僕はそれに『応える』よ」
そういう能力持ちなんだし。それ以上にこの子を何とかしてあげたいって思いがある。
「そっか……ありがとう。私はね、フランドール・スカーレット。貴女は?」
「僕は――――――」
名乗ろうとしたところでホワイトアウトが襲ってきた。全く、空気は読んでほしいものだよ。
――― 少女起床中。
「……最悪」
思わずそうつぶやいた。なんてタイミングが悪いんだろう。
「開口一番ひどい一言ね」
「あれ? 紫?」
「そうよ。貴女が倒れたって聞いてこっちに来たんだから」
「そう………」
あの子は大丈夫だろうか。暗い地下室の中で泣いていたあの子は
「その様子だと何かあったみたいね」
「……まあ」
「言いたくないの?」
「……うん」
言ったところで信じてくれるわけがない。
「なら言わなくていいわ。あなたが正しいって思ったことをしなさい」
紫は僕の頭を撫でてから去って行った。入れ替わるように因幡さんが入ってくる。
「お、目が覚めた? 顔色もちょっとよくなっているようだね。はい これ、依頼された薬だよ」
「あ」
すっかりお使いを忘れていた。そうだよね。そのためにここに来たんだよね。
えー、短編の方にかまけまして遅れました。
時間軸としては『妖々夢』→『紅魔郷』の順です。