東方氷娘記   作:亜莉守

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第二幕 赤月の夜、濃霧の湖  【unknown】


第二話

僕らはさらに先へと進んだ。霧で目の前も見えづらくなってるよ。

 

「ますます濃くなっていくな」

「それだけ中心に近くなっているんじゃない」

「……月が赤い」

 

上を見てみればいつの間にか出ていた月が赤く染まっている。なんて言うか不気味だよね。

 

「お、本当だ」

「へぇ、赤くなるなんてあるのね」

「見るなら青い月の方がいいな。願い事叶うって言うし」

 

ロマンチックと言えばあれそうだよね。この世界でもあるといいのに。

 

「ん? 何だそれ」

「ブルームーン、数年に一回しか見れないことから見ると願いが叶うっていう伝説があるんだよ」

 

そんなに見れないらしい、僕は実物見たことないけど。

 

「なるほどな。あれか、星が流れてる間に三回唱えると願いが叶うってやつ」

「あー、それもあるよね」

 

空関係ってちょっとロマンがあるものが多いよね。なんて言っていたら霊夢が口を挟んできた。

 

「大体叶わないのが願掛けじゃない?」

「ロマンがないなぁ。霊夢は、それとも神頼みとかはしないタイプ?」

 

僕がそう尋ねれば霊夢は思いっきりため息をついた。

 

「はぁ、神頼みで何事もどうにかなったら幸せよね」

「そうか? わたしとしては自分でどうにかする方が幸せだと思うぜ」

 

努力家の魔理沙らしい一言だ。でも人間楽をしたくもなるよね。そこまで考えてふと気が付いた。

 

「あー、そっか霊夢は頼まれる側だもんね」

「そういうこと」

 

神社の巫女さんも大変だ。

 

 

―― 少女移動中。

 

 

「霧が邪魔に思えてきた」

「同じく」

「ここまで濃いと面倒よね」

 

もう本当に霧が濃すぎて何が何だか分からなくなってきた。ふと殺気といべきか気配と言うべきか、そんな何かを感じた。

 

「! 魔理沙、霊夢」

「おう」

「わかってるわ」

 

次々と弾幕が飛んでくる。弾幕だけが飛んできて弾幕を飛ばしている人の姿は無い。霧が邪魔で見えないよ。

 

「弾幕だけか」

「どうすんだ 霊夢」

「生憎狙い撃ちなんて器用なマネはできないわよ」

 

その言葉を聞いてふと思いついた。そうだ、あの新しく作ったスペルカードを使えばいいかも。

 

「んー、僕が行くよ」

「何かいい案があるのか?」

「ううん、昔からよく言うじゃないか『下手な鉄砲数撃ちゃ当たる』ってね」

 

スペルカードを取り出し、宣言する。

 

 

永氷符『こおるせかい』

 

 

分厚い弾幕が数回に分けで周囲に拡散される。広範囲の敵を撃ち落とすのに最適なんだよねこれって、魔理沙のアイデアを拝借した『フリーズ・スパーク』は一点集中型だからカバーするために広範囲の弾幕が欲しかったのでこんなものを作ってみた。回想していると、そこに追撃音がした。

 

「お、当たり」

「うわぁ、周りの敵ほとんど消えたぞ」

「えげつないわね。しかも配置が絶妙」

「ん?」

 

二人からの評価が妙にだだ下がりした気がするけど……まあいいかな。

ようやく見えるようになった霧の中に人影を発見した。

 

「くそ、とりあえず逃げるぞ」

「あ、あっち」

「いい具合に案内役が出来たぜ」

「そうね」

 

そのまま追いかける僕らなのだった。





明乃さんのモチーフは氷の予定です。それから『青』

ファイナル咲夜様がコラボしてくださいました。ぜひそちらもご覧ください


新スペカ:永氷符『こおるせかい』
・元ネタは某魔法先生のロリ吸血鬼の詠唱呪文より
・厚めの弾幕を弾幕同士の隙間を上手いこと埋めつつ広範囲に拡散する。その様はまるで使用者を中心にして周囲が凍っていくかのようである
・ちなみに対となる『おわるせかい』もあるよ

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