東方氷娘記   作:亜莉守

41 / 52
第三話

 

魔法の森にあるアリスさんの家にやってきた。この前魔理沙にくっついて遊びに来たことがあるんだよね……着せ替え人形にされましたが何か?

それはさておき、森も奥まで来ると暑さが和らぐんだなぁ。とは言え何だかんだで暑いし魔理沙が避暑地に行った理由も分からないでもない。

 

「アリスさーん」

「あら、明乃いらっしゃい」

 

アリスさんが出迎えてくれた。恰好は夏らしい薄着に切り替わってる。やっぱりそうじゃないとやってられないんだ。

 

「こんにちは」

「めずらしいわね。私の家に来るなんて、魔理沙は居ないわよ」

 

知ってるよ。避暑地に行ってるんだよね。なんて言わない。もしかしたらこっちには遊びに来てるのかもしれないし。

 

「まあねー。今日はアリスさんに用事だから」

「あら、そうなの? 何かあったの?」

 

うん、今日用事があるのはアリスさんの方だし。

 

「えっとね」

 

 

―― 少女説明中。

 

 

「なるほどね。七夕の人形劇……面白そうね」

「まあ、まだまだ具体的なことあまり決まってないからさ。とりあえず、それ用の人形とか頼むことだけ言っておこうかなって、大丈夫?」

 

一応確認取りたかったんだよね。これで拒否られたら計画練り直しだけど。

 

「まあ、いいわよ。でも具体的なイメージないと全然作れないから急ぎなさいよ」

「はーい」

 

締切ギリギリに人に頼むとロクなことがないからなぁ。とりあえず早めに考えよう。

 

「そうだ。明乃、お茶してく? 知り合いからいいお茶とお菓子もらったの」

「あ、いいの?」

 

一応連絡とろうみたいなゆるい理由で来たのに。

 

「ええ、かまわないわよ」

 

 

―― 少女茶会中。

 

 

アリスさんが淹れてくれた紅茶と用意してくれたクッキーを食べながらとりあえず他愛もない話をする。

 

「そういえば明乃って夏服持ってるの?」

 

アリスさんがふいに聞いてきた。夏服……チルノのお下がりくらいしか思いつかないなぁ。

 

「な、夏服ねぇ。適当に着回ししてるし大丈夫だよ?」

「それじゃあつまらないじゃない。私、色々と作ったんだけど着る?」

 

アリスさんが期待するような目でこっちを見てきた。くっ、これが目的だったのか。

 

「……あんまり趣味に合わないのでお断り! そういうかわいいのはフランとかレミリアとかその辺のかわいい系の女の子が着るべきなの! 僕には似合わないよ」

 

似合わないもの着てどうしろっていうのさ? 笑われろとか?

 

「そんなことないわよ。着るだけでいいから、ね? ね?」

「う、うぅ……」

 

アリスさんの押しに毎回負けてる気がするよ。

 

 

―― 少女着替中。

 

 

「……なんで僕が」

「似合うじゃない」

 

今、僕は青と白を基調としたフリルのワンピースを着ていた。夏らしくてかわいいとは思うけどさ。

 

「そんなことないよ。僕としてはお断りしたいっていうか、違和感半端ないっていうか」

 

僕じゃちょっとなぁ。こういうのだったらチルノに似合いそうだよなぁ。

 

「そんなことないわよ。すごく似合ってるわ」

「……ありがとう」

 

その後、アリスさんに服を隠された僕は渋々これを着て帰ることになってしまった。明日には届けてくれるだろうけど、毎回何でこんなことするのかなぁ?

 

 

―― 少女外食中。

 

 

もう完璧に人もまばらになった定食屋で惣菜を買って、そのまま店主である白髪褐色の知人の青年に事のあらましを説明する。

 

「ほう、そんなことがあってその服装なのか」

「そうなんだよ。個人的にはこんな男の子みたいな女の子がこんな服着てもしょうがない気がするんだけど」

 

こういうものは似合う人間が着るべきで、僕みたいな奴が着るべきじゃないと思うんだけどなぁ。そうこぼすと彼は真剣に考え込むような表情をしてからこっちを真っ直ぐ見て言った。

 

「いや、普通に似合ってるぞ。それとも他の服がほしいのか?」

 

え、なんでさ。

 

「……今、鳥肌立った。美少女に囲まれるような過去を持ってる君の口から似合ってるとか聞くと思わなかったよ?! 他の服もほしいけどさー」

 

こいつの過去って女難っちゃあ女難の人生だったんだけど、出会う人出会う人美人ばっかりだよ。だから目も肥えてると思うんだけど、それなのに僕のこの恰好が似合ってるって。ナイナイ

 

「それは余計だ。全く、私が作るか? ある程度であれば作れると思うが」

「マジ?!」

 

思わず食いついてしまった。そんな僕の様子にちょっと驚いた顔をしたが、彼はすぐにその表情を引っ込めて笑った。

 

「ああ、簡単だな」

「ならねー」

 

思わず細かい指示まで出してしまう。だってこんなチャンス滅多にないんだもの!

 

「……ずいぶんと注文が多いな」

「ゴメンナサイ、自作するにはいろいろと手間がかかるからさ」

 

多分彼の場合は得意の手品のように物を出すアレでベースを作るんだろうって考えたら思わず自分じゃあ作れないであろう品の数々を頼んでしまった。

 

「まあ、その程度であれば大丈夫だ」

「さんきゅ」

 

新しい服が手に入るってなってちょっとわくわくする僕だった。

 

 





ぐだぐだだべっている方が書きやすい今日この頃、シリアスなんて書けないんだぜ。
明乃さんが妙に自分に否定的なのは仕様です。


明乃さんの相方って何故か男前な人が組み合わさってる件、何ででしょうか? 自分としては最初は咲夜さんとかだったはずなのにあれよあれよという間に魔理沙がかっさらいました。なんでさ てか、こっちの人も背中で語る男っていうか男前ですよね

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。