「で、私のところに来たと」
「うん、無理かな?」
ここは里の寺子屋。道すがら野菜を貰った。チルノって有名人なんだね。そしてここに住んでいるのが上白沢慧音さん。二十歳くらいだろうか、背が高い。あと不思議な帽子をかぶっている。
「無理じゃないが、この子は…人間か?」
「へ? 何でさ」
いきなりな発言に驚いた。僕は普通に人間のはずだけど。少なくとも自分はそう思ってるし紫もそう言っていた。
「冬場のこいつや冬の妖怪と一緒に居たのに凍らないとはな」
「えっと…それはどういう意味ですか?」
「こいつは冬になると力が強くなるんだ。本人も制御しにくくなるくらいな。それに冬の妖怪は寒さを操るというし………」
まあ、寒かったのは当然かな? そこまで寒くなかったし、レティがなんとかしてくれたのかな?
「ちょっと寒いなぁとは思ってましたけど、別に何ともなかったし」
「つまり「寒さに耐える程度の能力」ってことか」
考え込みだす上白沢さん。そんな能力はどんな役に立つのだろう? 冬場しか活用の糸口がないように思える。
その様子にチルノが呆れて声をかけた。
「それよりけーねー、いい?」
「それは構わないぞ。いつからにする?」
「いつにしようかなぁ? 明乃、どう思う?」
この母親が娘を習い事に出すかのような雰囲気。あれ、まさかとは思うけど。
「えっと、チルノ 僕の年齢わかってる?」
「え? 八か九くらいじゃないの?」
「………ごめん、僕、今十五だから」
ぴしりと二人が固まる。ごめんね、身長が普通の子よりちっちゃくて。
こほんと慧音さんがから咳をして仕切りなおす。チルノがじぃっと僕のことを見た。
「へぇ、じゃあどっちかというと知識がいるって感じね」
「ごめん、文字とかはちゃんと書けるから」
学校じゃあそこそこ成績良かったんだよ? こっちだと色々オーバーテクらしいけど。紫にちょっと釘を刺されたし。
「じゃあ、私の助手を頼めるか?」
「助手? 妹紅がいるのに? あいつなら普通に手伝うでしょ?」
知り合いかな? チルノも知っているみたいだ。
「妹紅は文字は書けるがあまり上手くないんだ。阿求に頼むのもしのびないしな」
「わかりました。僕なんかでよければ手伝います」
僕は慧音さんの手伝いをすることになったのだ。
その後、慧音さんに通貨事情を教えてもらったり、付近の地図などを貰って一時帰宅の途に就いた。
――― 少女移動中。
「チルノ、湖の真ん中になんか陸地が書いてあるけどこれ何?」
家に帰り、貰った地図をさっそく広げてみる。
湖の真ん中に陸地が書いてある。こんなの見たことないけど……。
「あーそこ? 紅魔館っていう吸血鬼の館があるのよ。基本的に近寄らないようにね。門番はともかく、そこの主は食えないし面倒だから。そういえば人間の従者がいるとか誰かが言ってたわね」
「へぇ、吸血鬼の従者が人間なんだ」
「大方能力持ちね。紅魔館にはなるべく近づかないこと」
「はーい」
人間かぁ。男の人なのかな、女の人なのかな。仲良くしてみたいなぁなんて考えていた。まあ、行かないけど、チルノみたいに空を飛べるわけじゃないから。
慧音先生登場、ついでにフラグを立ててみた。
明乃、いつか飛べるようになるさ。
明乃とチルノの家は湖のほとりにある設定。さすがにかまくら違うよ。溶けちゃいますし。