東方氷娘記   作:亜莉守

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第六話

「うぅ……」

 

何かいい匂いで目が覚めた。

覗き込んでくる顔があった。茶色の髪に暗い青色の眼、顔だちは随分と子どもっぽい。

 

「あ、起きた? びっくりしたよ、なんかよくわからない山をのけたら倒れてる君がいたし」

 

誰だ?!

 

                  ☆

 

「つぅ……」

 

い、痛い。頭をぶつけられた。正確に言うと覗き込んだ僕が悪かったんだけど。

ここは懐中電灯泥棒こと魔理沙さんの家。とりあえず、片付けるだけ片づけて食べ物になりそうなものが見つからなかったので咲夜さんのものを少し借りてご飯を作った。

 

「おおおおおお前、誰だよ!」

「いたた………」

 

頭を押さえてしゃがみこんだ。

様子が変だと気が付いたのか声をかけてきた。

 

「えっと、大丈夫か?」

「う、うん。痛かった」

 

本当になんて石頭なんだろう。

 

「大体なんでお前わたしの家に?」

「……香霖堂から持って行ったものが必要だったから取りに」

「ああ、あの借りたのか」

 

世間的には強奪っていうんだけどなぁ。

 

「そんなわけで魔理沙さんがぶっ倒れているうちに持って行ったので」

 

咲夜さんはもう帰っている。買い物の途中だったんだししょうがないよねー。

あ、唖然としてる。

 

「事後承諾になるけどいいかな?」

「それを世間では泥棒っていうんじゃないか?」

 

魔理沙さん。まずはじめに君のやったこと、それを世間では泥棒って言うんだよ?

 

「ううん、泥棒から泥棒はしてもいいんじゃないかな?」

「わたしは借りてるだけだ! 死ぬまで!!」

「よし、ここで魔理沙さんをこ「待て! それは立派な犯罪予告だ!!」

「そう? だったらちゃんと返さないと」

 

にっこりと笑えば向こうは冷や汗をかいた。……レティのにこにこ笑顔って怖いね。

 

「わ、わかりました」

「よろしい、ちゃんと返せばまた貸してくれるよ」

「そういうもんか?」

「うん、そういうものでしょ。魔理沙さん」

「だぁぁ、なんかむず痒い! わたしのことは魔理沙でいいから!」

「そっか、僕の名前は明乃。よろしくね、魔理沙」

 

 

――― 少女食事中。

 

「へぇ、明乃は外から来たんだ。外来人なんてはじめて見たぜ」

「確かに珍しいらしいね。来た最初は珍しいものを見る目で見られてたし」

「外の技術って何か持ってないのか?」

「あー、オーバーテクなので極力幻想郷では見せないようにって釘を刺されているんだ」

「ふーん、極力だろ? だったら一回くらいいいんじゃないか?」

 

そうもいかないんだよね。下手に紫怒らせたくないし。

 

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