比企谷八幡に転生した俺は平和に生きたい   作:れぜ

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第13話

 

「―――抹殺のラストブリッド!!」

 

「ぐはっ!?」

 

「比企谷、これで少しは反省したか?」

 

「あ、あのそよ最高……」

 

「やれやれ、まるで反省の色が見えないな……だがしかし。君がどんなに問題児であろうと拒絶しないさ、何故なら私は教師だからね」

 

「平塚せんせー、しゅき」

 

「い、いきなり何を言うんだ!?そそ、その台詞は卒業後まで取っておきたまえ。今はまだ早いぞフフ……」

 

 

遅刻の罰として平塚先生の拳を食らいその場に倒れる俺、ちなみに遅刻の理由は夜遅くまで推しCPの二次創作漁りに夢中になって寝坊したからである。あのそよいいよね、最近MyGO!!!!!見てから沼っちゃった。

 

そんな百合オタ語りはさておき、こちらをねっとりと見つめてくる平塚先生に軽い恐怖を感じた俺は目を逸らすと……ちょうど教室に入ってきた1人の女子生徒が視界に入った。

 

 

「全く、このクラスは問題児が多くてたまらんな―――川崎沙希、君も遅刻かね?」

 

 

答えはせずに小さく頷く彼女、そしてこのやり取りを見て俺はアニメ5話目に突入したのを確信した……いや気づく下り何回やるねんとか言わないでください。エピソードは知っていても起きる具体的な日付までは分からないんです、だからポンコツ転生者とか言わないでね。ザコメンタルな俺は多分泣いちゃうよ??

 

何か勝手にダメージを受けていた俺だったが、こちらに向かって歩いてくるかわさ……かわなんとかさんを見てある重大な事実を思い出した。

 

そう、このまま同じように倒れていると彼女の―――黒のレースを見てしまうという事だ。

 

 

 

 

 

「―――雪ノ下アアアアア!俺ちゃんと目つぶって見なかったよ!脳内で天使と悪魔の戦いがあったんだけど悪魔のささやきに負けなかった!!」

 

「……先ほどからそればかり言ってきてうるさいわよ比企谷君、あなたが頼んでくるから仕方なく勉強会に誘ってあげたのだから少しは黙っていなさい。それが出来ないのなら目をつぶったまま一生開かない事をオススメするわ」

 

「それってつまり死ね……ってコト!?」

 

「よ、よく分からないけど八幡は頑張って耐えたんだね?僕は偉いと思うよ!」

 

 

そう言って俺を励ますように頭を撫でてくれる彩加、天使だ―――ナデナデで無事元気出たので状況説明します。あの後の事だが、ラキスケならまだしも把握した上で見るという行為に良心の呵責を苛まれた俺は目をつぶり黒のレースを諦めたのだ。川なんとかさんについての問題は「お前さ、スカラシップって知ってる?」が最終ゴールだけれど、そこまでの過程も無しにいきなり俺が言った所で聞く耳を持ってはくれないだろう。やはり出来事はしっかり重ねる必要がある。

 

だから俺はこの勉強会に参加した、そうしなければ会えないからだ。

 

 

「あれっ、お兄ちゃん?」

 

「―――我が妹よ、こんな所で奇遇だな」

 

「何そのキャラ……」

 

「お、お兄さんっすか!俺は同級生の「貴様にお兄さんと呼ばれる筋合いはない!!」え、えっと」

 

「お兄ちゃん、ここファミレスなんだから静かにしなきゃダメだよ?マナーの悪いお兄ちゃんは小町的にちょっとポイント低いかなー」

 

反省します

 

「急にめっちゃ小声っすね……」

 

 

愛する小町にね、後もう1人の事は知らない。お兄ちゃんは絶対に認めませんわ!

 

 

「大志君ごめんねー、うちのお兄ちゃんったらシスコンなの。困っちゃうなぁえへへ……」

 

「全然困ってるように見えないっす……」

 

 

こうしてお兄ちゃんとしては不服ながらもメンバーは揃い、まずは自己紹介。

 

 

「クラスメイトの比企谷小町です!私の兄がいつもお世話になっています!」

 

「はっ、初めまして、クラスメイトの戸塚彩加……です」

 

「可愛い人ですねー!ねぇお兄ちゃん??

 

 

口調こそいつもと変わらないのに小町から溢れ出るこの威圧感は一体何なのだろう、彩加も怯えて声が震えてしまっていた。隣に座る俺も同様で、普段なら彩加は女の子だと言い張る所を即座に「……彩加は男の子だよ」と訂正する事態。今はプライドにこだわる場合ではない、そうしろと本能が訴えているのだ。

 

男の子だと伝えると一瞬圧は消えたものの、ガハマさんの自己紹介になるとまたドス黒い何かが小町の周りに薄っすらと見え始めてしまった。

 

 

「……チッ、巨乳枠か」

 

 

小声で何を言っているのか分からないが、明らかに良くはないような……そんな中ふとポケットに入ったスマホが振動し、目線だけ下に移して画面を確認した所。

 

 

「こ、小町ちゃんがちょっと怖いんだけど……私何か怒らせる事しちゃったかな!?」

 

 

流石陽キャ、悟られないように顔の向きはそのままに素早く指で操作して送ってきたようだ。ただ俺も小町の態度の理由が理解できないので返せる言葉が……いやガハマさんもかなり怯えているようだし安心させなければ。

 

 

「大丈夫、ガハマさんが不安がる必要は微塵もないよ。ここは俺に任せて……ね?」

 

「ヒッキー……うんっ」

 

 

目線を戻すと顔を赤くして微笑むガハマさんの姿が―――そして隣では何故か更にドス黒いオーラが強くなる小町、わけがわからないよとつい口に出したくなるのを抑えた。

 

最後に自己紹介するのはゆきのんだ、彼女ならこの空気だろうが気にしないという確信があったのだが……

 

 

「……」

 

 

あのゆきのんが軽く汗を流しながら、「……シスコン谷君、妹さんを何とかしてちょうだい」と目で訴えてきているのを見て素直に絶望した。嘘、俺の妹強すぎ!?

 

 

「すっごい美人さんだなぁ―――小町的に一番優先すべきなのはこの人かもね」

 

 

ゆきのんの俺への睨み(焦り)が強くなる、一番優先すべきって何する気なんですかね小町さん??あーしさんのときは頼れる存在であったゆきのんですら勝てないか……もうこの状況を何とか出来るのは俺しかいないようだ。

 

あのニナイセリが可愛く思えるほどにドス黒いオーラとトゲを飛ばしている小町、選択肢を間違えればDEADEND直行に思えるが大丈夫。何故なら―――

 

 

「小町」

 

「……ごめんお兄ちゃん、今ちょっと考え事しててさ」

 

 

小町の耳元に口を近づけ、優しく囁くように。

 

 

「今夜―――久しぶりに一緒に寝よっか」

 

 

俺はお兄ちゃんだからだ、ちなみに小町の機嫌が悪いときにこれを言うと一発で上機嫌になってくれる。証拠に今も。

 

 

「……そ、その提案は小町的にポイント超高いよぉ~」

 

 

こうして原作通りに相談内容を聞き、奉仕部で川崎さんの問題を何とかすると決まった。脱線回避である、何かあのまま行くと地獄の惨劇ルートに突入してた気がするような?

 

後約束通りに小町と一緒に寝る事になったのだが、ファミレスのときと違いいつもの小町で仲良くお喋りしながら気づけば彼女は先に寝てしまっていた。可愛さMAXの寝顔、結局あの態度は何だったのか分かりませんでした……でもまぁ、可愛いからいいよね!

 

 

眠気からか半ば強引に結論付けて、俺も眠りにつくのだった。

 

 

 

 

 

 

「―――よし、寝たフリは完璧♪」

 

 

全く、お兄ちゃんは騙されやすいなー?いつか詐欺に合わないか心配ですよ。まぁ小町がずっと一緒にいるし守ってあげるんだけどね!

 

 

「……にしても意外」

 

 

お兄ちゃんの知り合いが3人ともすっごく可愛いから驚いちゃった、だからかつい内側を出しすぎちゃったのは反省だし次会うときは普通に接しなきゃな……彩加さんは男の子ってのは正直未だに信じられないけど警戒対象が1人減ったと思えばラッキー。問題は残りの2人、結衣さんと雪乃さん。しかもお兄ちゃんと同じ部活なんてね?でも。

 

 

「―――お兄ちゃんは渡さないよ」

 

 

私はお兄ちゃんの頬にそっと口づけをした。

 

 

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