THE IDOL M@STER in 池袋ウエストゲートパーク 作:minmin
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時間も場所も予定通り。きっかり1時間半後、ウエストゲートパーク最寄のファミレス。俺とPは、喫煙席の一番奥のテーブルで向かい合っていた。昨今の禁煙、分煙ブームのおかげで喫煙席は年々隅っこに追いやられているし、吸ってる奴は吸ってる奴で、自分のことだけで他の席にまで気は回らない。内緒話をするのにはもってこいだ、というのはPの弁。確かに、今売り出し中のアイドルがストーカーにあってるなんて、ちょっと人には聞かせたくないだろう。というか、俺のところにくる話なんて大抵がそんな話だ。
「じゃあ、改めて。相談したいのは、さっき渡したCDにも写ってるウチのアイドル、菊地真のことなんだ。彼女は今ストーカーにあっていて、それはこの池袋の誰かなんじゃないか・・・って俺は思ってる。マコト君に依頼したいのは、そのストーカーが誰か突き止めること。できれば、ストーカー行為をやめさせて、再発防止までやっておきたいところだけど・・・さすがにそれは難しいかな」
なんてわかりやすい状況説明。普段俺のところにくるやつらも、これくらいスマートに喋ってくれればいいのに。
「アンタの目的はわかった。それで、どうしてそのストーカーが池袋の奴だって思ってるんだ?」
俺のところにくるってことは、それなりの確信があるんだろう。相手がどこの誰だか見当もつかないなら、多少値が張ってもそこらの興信所、いわゆる探偵に依頼したほうがいい。この男が、それくらいわからないとは思えなかった。
「そうだな。最初から説明していこう。とりあえず飲み物でも頼もうか。ちょっと長い話になる」
Pによると、ストーカーが現れたのはおよそ2ヶ月前。特に危害を加えられたあけでもないんだが、時折誰かに跡をつけらている、と菊地真がPに訴えたらしい。そう感じるのは主に仕事先から直接自宅に帰る時や、次の仕事場への移動の時。どちらも夜のことだった。そいつが池袋の奴だと推測したのは、ストーカーが始まる直前の仕事が池袋にあるCDショップ前でのサイン会と路上ライブだったから。それ以前は、次の大きなライブと、そこで発表する新曲の打ち合わせで、ほとんど事務所とスタジオにこもりっきりだったそうだ。
「ただ後をつけているだけで、実害は何もでてないからね。これくらいじゃ、警察は動いてくれない。それと、なんどか真を先輩のプロデューサー・・・以前765プロでアイドルをやってた秋月律子っていうんだけれど。彼女にまかせて、僕が後ろからストーカーを捕まえようとしたことがあるんだ。暗くて顔や服はよくわからなかったけど、2度ほど見つけて追いかけたんだけどね・・・」
Pはそこまで言って苦虫を噛み潰したような顔をした。
「ろくにつけることもできないまま撒かれたよ。俺が素人っていわれればそれまでだけど、あれは池袋にかなりの土地勘がある人物だと思う」
なるほど。この町で四六時中遊んで、染み付いてる奴。たとえばGボーイズなんかが本気で逃げようとしたのなら、唯のサラリーマンには絶対に捕まらないだろう。あいつらにとって、夜の池袋は自分達の庭みたいなもんだ。
「それに、これを見てくれないか」
そういってPはタブレットPCを取り出すと慣れた手つきで操作する。どうやらアイドル業界でも年々電子化が進んでるらしい。いまだに昭和生まれの手打ちレジを使ってるうちの果物屋とはえらい違いだ。あっという間に画面いっぱいに表示された地図には、所々赤い印がついてあった。
「サイン会をしたCDショップはここ。真が最初につけられてた、っていったのはこのあたり。次がここ。その次がここ・・・」
「・・・段々池袋から場所が遠ざかってるな」
「そうなんだ。このままだと、自宅にまでついてこられかれない。そうなる前に、なんとしてでも食い止めたいんだ。・・・真もすっかり怖がってる」
「ネットで評判を見た限りじゃ、ストーカーなんてふっ飛ばしそうな感じだったけどな」
いつぞやの出稼ぎのイラン人にセットアップしてもらったMACで、ここに来る前に菊地真っていうアイドルについて調べてみた。菊地真、16歳。性別、女。得意なのはダンスと、小さい頃から道場で習っていた空手。そのボーイッシュなルックスと性格で、男性ファンよりも女性ファンに大人気らしい。ついたニックネームは"王子様"だそうだ。
俺がそのことを言うと、Pは首を振ってため息をついた。
「それは皆が勝手に抱いてるイメージだよ。ファンが多いのは嬉しいことだけど・・・。本当の真は、誰よりも可愛くありたい、って思ってる、シンデレラを夢見るか弱い女の子なんだよ」
そういうPは、その真のことを本当に大事に思ってる様子だった。
「そういうわけで、真を早く安心させてやりたいんだ。報酬は・・・そんなに多くはだせないけど、ここに30万用意した。どうかな?」
札束が入ってるんだろう袋を取り出すP。
「金が欲しくてやってるわけじゃないよ。まあ、くれる分は経費込みで貰うけどね。それに・・・」
「それに?」
Pの声に、おれはなんでもない、といってごまかした。依頼は受けることにしたけどね。
それに、俺も男だからな。本当のところ、可愛い女の子の役にもたちたい、って思うこともあるんだよ。
加筆修正した部分にもあるように、Pは律子の後輩です。
竜宮小町はデビュー済みですね。
ただこの世界線は原作のいずれにも属さないオリジナルなので細かい所は色々と違います。
私は765プロの人々は全員好きですが、プロットを思いついた時にヒロインは真になりました。高槻さんかわいい。
まあ、個人的ランキングでは真はかなり好きなほうです。高槻さんかわいい。
誰が1位なのかはご想像にお任せします。
感想お待ちしてマース。