THE IDOL M@STER in 池袋ウエストゲートパーク 作:minmin
主人公が誠な分、どうしてもそちらの登場人物が多くなりますが、できるだけ双方のキャラを登場させるつもりです。
Pによると今菊地真はレッスン場でダンスレッスンを受けているらしい。1ヶ月後に控えているオーディションに合格すると、そこそこの大きさのコンサートホールで単独ライヴを開けるそうだ。今東京のあちこちで行っている路上ライヴはその宣伝兼予行演習とのこと。
それに、好きなダンスに打ち込むことで、ストーカーのことを無理にでも忘れようとしてるんじゃないかな。そういって嗤ったPの顔は、担当アイドルの力になれないことへの悔しさと悲しさが入り混じっているようだった。この男は本当に菊地真のことが大切なのだ。俺に相談事を持ち込んでくる奴の中ではまれに見るいい男。金銭抜きでも力になってやりたいと思えるそんな男だ。
とにかくこちらでも少し調べてみるよ。
そう約束してファミレスを出てPと別れた。これからのライブの日程や先ほどの地図情報は俺のMACに送信してくれるらしい。最近は事務所に泊まるようにしてるからいつ連絡してきてもいいそうだ。某牛丼チェーンの深夜1人業務、サービス残業、過労死問題、etc・・・、社畜という言葉が声高に叫ばれ批判されるこのご時勢、Pの働き方がいいことなのか悪いことなのかは俺にはわからない。本人のやる気があれば疲労が取れるというものでもないだろう。それでも菊地真のために全力を尽くす姿は俺にはかっこよく見えていた。
帰りに覗いたウエストゲートパークは今日も平常運転。冬はもうすぐそこで、辺りは真っ暗。だっていうのに、どう見ても肌を露出している面積の方が多いファッションで男を品定めしている女たち。それをどう見ても欲望丸出しの目(女たちにはばれてないと自分では思い込んでいる)で見つめる男ども。雄と雌が交わって子孫を残すことが動物の最も重要な仕事だというのなら、ここは素晴らしく勤労精神の高い奴らが集まる場所だ。何せ1円にもならならいどころか一時の快楽も得られないことのほうが多いのにサービス残業を延々続けてるんだからな。
勿論全員が全員そうだってわけじゃない。俺の目に留まったのは残念ながら露出満載の女じゃなくてそのまま夜に溶け込んんでしまいそうなミルクブラウンの肌をした男だった。
「久しぶりーマコトさん。今夜も最高にクールだねー」
実にいい笑顔でGボーイズのハンドサインを出す山口英臣・ウィリアムス。筋金入りのドラッグマニアは珍しくキメてないのにえらく機嫌がいい。
「久しぶりだなエディ。素面にしちゃご機嫌じゃないか。どうしたんだ?」
ハンドサインを返しながら聞いてみる。何せエディはまさに小躍りをするって状態だった。
「それがねマコトさん。この前いい曲見つけちゃって。マコトさんも一緒に踊ろうよ。最近のアイドルにしちゃダンサブルで本格的だよ。その子のダンスもキレてるし、俺ファンになっちゃったよ」
そういってエディは大音量で曲をスタートさせた後文字通り前に躍り出た。流れるのは俺がファミレスに来る前に聞いてきた曲。
菊地真の『エージェント夜を往く』だ。
というわけで続けて投稿です。
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