アルトリア・ペンドラゴンが行くオーバーロード【王国救済編】   作:アルトリア・ブラック(Main)

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たっち・みーとはリアルでは兄妹設定になります。たっち・みーとウルベルトのリアルでの生死を描写しております


第一話『アルトリアとガゼフ』

ーアルトリアin王国ー

 

アルトリアはゲーム《ユグドラシル》に最終日にログインし、気づいたら知らぬ土地にいた。

 

(…こんな平野の真ん中に女一人なのも危ないから【騎士王】の状態になっておくか…)

 

【騎士王】アルトリアは『獅子王』とは違い、女性ではあるのだが、少年と言われたら少年のように見える形態である。

 

『獅子王』は聖槍を主武器にしており、【騎士王】は聖剣を主武器にしている。

 

何も分からず右往左往、その際、魔獣に襲われて聖剣バサバサ斬っていたところを王国戦士長『ガセフ・ストロノーフ』と出会い、行く宛がないというと宿を紹介されたが、泊まる為の金銭もないし、見たこともない字で混乱したアルトリアは横に付き添っていたガセフを見てある事を提案した。

 

『言葉が読めないので教えて頂けたら嬉しいです』と頼み込み、なんとかガセフから交友関係を広げることが出来た。

 

そうこうしつつ、ガセフに教えてもらうがてら王国の事を知れる良い結果になった。

 

(…さてと、お邪魔してるんだし…何かご飯でも作るべきか…)

 

外に干していた洗濯物を取り込み食事を作っていると…

 

「アルトリア」

 

ガセフが帰って来た音がし、そちらを見ると一人の男を担いでいるような状態だった。

 

「お帰りなさい。その人は?」

 

タオルを持ってそちらに行くとガセフが『ブレインを寝かしてくる。服が濡れてるから部屋に入らないように』と言われ、タオルを渡して料理の準備をしていると…

 

「ふぅ…」

 

ガセフが降りて来て疲れたように椅子に座る

 

「彼、お知り合いですか?」

 

そう言ってコーヒーを出すとそれを飲みながらガセフは話し始める。

 

「路地裏で倒れていてな…かなり憔悴しきっていたので連れて来てしまった。見境なく襲うタイプではないと思うが、二階には立ち入らないようにな」

 

ガセフの言葉に『はい』と頷く

 

「ところで…知り合いは見つかったか?」

 

「いえ…それがまだ見つからなくて」

 

この世界に転移して来てからかなり経っているが、いまだに他のプレイヤーは見つからない。

 

というか、アルトリアが探しているのは《アインズ・ウール・ゴウン》のメンバーなのだが

 

(…兄さんからの伝言を伝えないといけないのに、最終日間際でこんな事になるなんて…モモンガさんのチャットに行くことすらできなかったし…)

 

アルトリアは《ユグドラシル》を兄から勧められて始めたようなものだった。

 

現実世界で友人を自殺に追いやった両親に嫌気が指し、政治運動をしていた。

 

貧困層の彼らにも平和な生活をと動いていたのだが、変化を嫌った両親と親戚に好きでもない男と結婚させられ、思い通りにいかない世界に失望し、やる気が何もかも湧かなくなった際に心配した兄が《ユグドラシル》を勧めてくれた。

 

結果的にそのゲームにはどハマりしたのだが、そのゲーム世界で兄が所属しているギルド《アインズ・ウール・ゴウン》と何度か戦闘して遊んだりなどした。

 

「そうか、見つかるといいな」

 

「はい」

 

ガセフの言葉に笑顔になると台所に向かって行く

 

 

 

 

 

 

 

 

ー数日後ー

 

目を覚ましたブレインはガセフと数度会話し、街を放浪する日々が続いた。

 

シャルティア・ブラッドフォールンという自分では到底勝てない存在に打ちのめされ、強さの高みに登る事は出来ないと諦めていた。

 

ブレインは街をブラブラ歩いていると…

 

「ありがとうね、アルトリアさん、いろいろ手伝ってくれて」

 

「いえ、何かあったら言ってください」

 

(…アイツは…)

 

ガセフと暮らしているアルトリアという少女だったはずと思い様子見をしていると…

 

「あ、ブレインさん」

 

視線だけで気づいたのか、アルトリアが振り返ってくる

 

両手には大きなカゴが握られており、とても女性一人が持てるような荷物ではなかった。

 

それを軽々と持ちやってくる

 

「買い物中だったのか?」

 

「はい、薬草を取りに行ってから王国の近辺にいる魔獣を狩ってました」

 

「魔獣を一人で狩ってたのか…?」

 

「はい」

 

ブレインはアルトリアの格好を見ると確かにマントの下に立派な鎧を着ており、腰には立派な剣をぶら下げていた。

 

(…どこかの国の王女なのか?)

 

見目は普通によく、下手したら王国の黄金とも呼ばれるラナー王女以上の美人かもしれない容姿で、このままアルトリアが成長すれば、王国の中では随一の美女になるのではと思っていた。

 

女に興味のないブレインでも、アルトリアの美貌には見ほれてしまう自信はある。

 

(そもそも、ガセフとはどういう関係なんだ?)

 

ガセフのことだから手は出していないはずだろうが、どういう経緯でガセフと暮らしているのか気になった。

 

「そういえば、ガセフと一緒に暮らしてるのか?」

 

「一緒に、というと正しいか分かりませんけど、ガセフは王国の宮殿で住み込みですし、あそこは実質私一人で使わせてもらってます。流石に家主が帰ってきた時は宿泊施設で暮らしてます」

 

持ち家がないという事なのだろうか?ますます分からなくなってきたと悩んでいると…

 

「さっき、魔獣を狩ってきたって言ってたが、その報酬はどこからもらってるんだ?話から察するに冒険者組合には所属していないんだろ?」

 

「秘密です!ガセフにも言っていないので」

 

そう言われてブレインは余計に考えてしまうが、女性に深く介入するのは良くないと思い、そのままアルトリアと共にガセフの家に帰宅する。

 

 

 

 

 

ーその夜ー

 

ガセフが帰宅し、アルトリアについての話題になり、ブレインはガセフからアルトリアを見つけた経緯を聴いて信じがたい話に「嘘だろ?」と言うとガセフは真顔で「本当なんだ」と言ってくる

 

「アルトリアを見つけたのはカッツェ平野付近で一人で魔獣を狩りまくっていた所を見つけたんだ」

 

それも、アルトリアは王国のオリハルコン級の冒険者ですら倒すのに手こずっていたギガント・バジリスクを一振りで倒したりなどしていた。

 

「『只者ではない』と感じ、保護の名目のもと王国に来てもらったんだが…王国の字を知らない、王国の情勢についても何も知らなかったから何処か滅びた国の王女か、あるいは戦士だったのではないかと思うんだ」

 

出身が分からない以上、むやみに放り出す事が出来ないとガセフは言う。

 

「……アルトリアの作る料理は美味しいんだ…」

 

酒を飲みながら言うガセフにブレインは大笑いする。

 

 

 

 

 

 

 

ーアルトリアと…ー

 

王国に来てからアルトリアは治安の悪さに少し嫌な思いを抱いていた。

 

犯罪の温床、それを見て見ぬフリをする兵士

 

(…普通に買い物に来ただけなのに暴漢達に出くわす始末…なんか、嫌だなぁここ…)

 

鉢合わせた暴漢の男二人を張り倒して路地裏に放置して歩いて行く

 

テクテクと歩いていると…

 

(…アレは…)

 

ゴォォオオ!という炎の音が響き、王都周辺が炎に包まれる。

 

(ゲヘナ…?)

 

アルトリアは魔力を探知されないように魔力隠匿スキルをかけ、武装状態になると屋根の上に登る

 

「いやぁああ!!」

 

「やめてぇ!!」

 

「離してっ!!」

 

住民の叫び声が聞こえてくる

 

「!!」

 

アルトリアは住民を捕まえている悪魔を視認し、屋根の上から飛び降りる

 

聖剣を振るい、悪魔を斬り殺す

 

「あ、ありがとうございます…!」

 

住民はアルトリアを見てお礼を言ってくる

 

「大丈夫ですか?!」

 

「は、はい」

 

「ここにいるのは危険です。広場の方に向かってください。なるべく路地裏を通るように!」

 

「はい!」

 

住民達が逃げて行く時間を稼ごうと聖剣を構えて巨大な悪魔を見据える

 

(…急に何処から現れた?誰かが召喚してるのか…?とりあえず、救援に回らないと…)

 

アルトリアは悪魔を倒して辺りを見渡す

 

(…とりあえず、どこに誰がいて敵がどんな奴かある程度知らないと話しにならない)

 

深呼吸をし、辺りに気配を張り巡らせる

 

そして、一つの異常な所を発見する

 

(…レベル30相当の戦士と51レベルの何かが戦っている…近くにレベル100がいる。これは危ないな…)

 

周囲を見渡し、敵に襲われている住民がいないのを確認し、目立たないように道を走りながらそちらに向かって行くことにした。

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