アルトリア・ペンドラゴンが行くオーバーロード【王国救済編】   作:アルトリア・ブラック(Main)

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こっから先はオリジナル。完全ではないけど


第五話『交流、そして…』

ーガゼフー

 

法国は王国と戦争状態に無いにしろ、お互いの関係は冷え切っているような関係だった。

 

法国は王国からSOSが来たとしても理由を付けては救援に来てはくれない。

 

挙句の果てには王国の戦士長を暗殺しようと暗殺者を向かわせる始末だ。

 

そんな法国の最大戦力である【神人】がアルトリアを前に敗北した。

 

(…アルトリアの攻撃もみな初めて見た…アルトリアは…なんなんだ…?)

 

アルトリアが大人の姿から元の姿に戻ると、倒れていたフードの少女が起き上がる

 

「負けたわ…こんな完膚なきまでにやられたら、困るわね」

 

そう呟くとフードの少女の後ろで戦いを見ていた隊長らしき人物が我に返り、前に出てくる

 

「ーー大丈夫ですか」

 

その言葉にフードの少女に駆け寄り、無事を確認すると…

 

「騒ぎ立てしてしまい申し訳ありません。王国戦士長殿」

 

深々と頭を下げる隊長はガセフに謝罪した後、アルトリアの方を見るとスッと膝をつく状態になる。

 

「!?」

 

アルトリアはビクつき彼を見る

 

アワアワとしているアルトリアにガゼフは少しだけ笑いがこみ上げてきそうになる。

 

あれほど、戦闘時は凛々しくしていたというのに、敬われるのは慣れていないのか本当に慌てている。

 

「と、とりあえず、膝をつくのはやめてください。私はそんな偉い人では無いので…」

 

アルトリアがそう言うと隊長は笑い『失礼しました』と言って立ち上がる

 

「此度の無礼、誠に申し訳ありませんでした。番外席次がご迷惑をおかけしました」

 

そう言って番外席次を立たせて帰らせようとしたのだが…

 

「貴女、法国に来ない?」

 

番外席次の言葉によってガゼフ達が静まり返る

 

王国の兵士をヘッドハンティングすることは別に悪くない。

 

冒険者達をスカウトすることを王国は特に責めてはいない。

 

しかし、アルトリアの場合はそうは行かない。

 

王国戦士長直下の部下であるアルトリアを引き抜くということは王国側に多大な不利益があるのだ。

 

「王国にいたってなんのメリットも無いと思うわ、だって、あの国は放っておいても滅びると思うわ」

 

番外席次は立ち上がり、鎌を持ち上げる

 

「腐敗した貴族に腐敗した政治。あんな国に何か未練でもあるの?」

 

番外席次の言葉にガゼフは何も言えなくなる。

 

アルトリアはそんな番外席次を見て苦笑いに似た笑顔を見せる

 

「…私は、あの国が良いとは思いません。正直に上層部は腐り落ちてる。国に未練はありませんが、人には未練があります」

 

アルトリアは聖剣を鞘にしまう。

 

「……私は、ガゼフによってこの世界のことを知り、多くの人々に出会えた。巡り会えました。あの国の人々は犯罪で苦しんでいるけれど、すごく優しい人々でとっても過ごしやすい国です」

 

アルトリアはそう言って笑いかける

 

「私は、人々を護りたいだけなんです。お誘いありがとうございます」

 

そう言ってガゼフの元に向かって歩き出す。

 

番外席次はため息をついて隊長に向けて『帰るわよ』と言う。隊長も続いて行く

 

 

 

ースレイン法国ー

 

 

『私は人々を護りたいだけなんです』

 

そう話す神に等しい彼女を見て番外席次と共に法国上層部に報告を入れた。

 

100年の揺り返し、六大神と同じ神が人の味方をしてくれていると、その神は王国のガゼフ・ストロノーフと共にいることを伝えれば神官長達は神官長達だけで話すと言って居なくなってしまった。

 

「下手にこちら側に付かせるよりも王国にいさせて国の繁栄を担わせた方が良いと思うのだけどね」

 

番外席次の言葉に頷きも否定もせず黙って聞く

 

神が人間に対して好意的なのは喜ばしいことだが、あの王国は明らかに詰んでいる。

 

どう足掻いても腐敗し切って行くのが目に見えている。そんな国に神がいるとなれば法国も出方を考えなければならない。

 

神の力が法国の上に降って来ないよう、慎重に進めなければならない。

 

出方を間違え王国を滅ぼす後押しなんぞして神の力が降ってきた場合、かつての神々が残した遺物が現存している神の力に勝てるか未知数である。

 

「…少なくとも神官長達はガゼフ・ストロノーフの暗殺を取り下げなければならなくなりましたね」

 

「そうね、あの人がガゼフ・ストロノーフに肩入れしているのは事実だし、友好的関係を築く為には少なくとも王国から切り離せないか、どうやって法国を売り込んで行くか考えないといけないわね、大変ね」

 

「……他人事ですね」

 

あまりにも他人事のように話す番外席次…アンティリーネからは毒気が無くなっていた。

 

強者と戦いたい、子を産みたいと言っていた彼女の目に邪気は無かった。

 

「この国のことは好きではいるけど、ああも簡単に負ければねぇ、あの人は男じゃなかったからアレだけど、私あの人とは友達になれるとは思うの」

 

「…神と友達…?」

 

何を言っているのか分からなかったが、アンティリーネは天窓を見上げ

 

「神がスレイン法国に来てくれるように話をつけると言うつもり、まぁ?期限は期待しないでとは伝えておくけれど」

 

アンティリーネは振り返り

 

「人間、半妖精、神は同じ時を生きない。だからこそ、何百年かけてでもアプローチした方が良いのよ」

 

 

 

 

ーアルトリアー

 

法国との一件でも王国の上層部はいまいちピンと来ていないのか興味がないのか、アルトリアに対する対応が何もなかった。

 

唯一あったのはザナック王子とレエブン侯のみだった。

 

「近々ザナック王子から王宮内で会えないか、という話があるそうだ」

 

ガゼフ、ブレインと焚き火をしながらその話になる。

 

「王族に…私はいつでも良いんですが…なんで急に…」

 

「アルトリアの強さを今更になって気づいたんだろうな、少なくともスレイン法国の最高戦力を打ち負かしたんだ。むしろその二人しか気づかないってのが終わりだと思うけどな」

 

ブレインの言葉にガゼフがなんとも言えない表情をしていた。

 

「ガゼフ…?」

 

「王に直接仕えているガゼフの前で言うことじゃなかったな、悪い」

 

「…いや、いい」

 

ガゼフはコップを置き、アルトリアを見る

 

「アルトリア」

 

「はい」

 

「…アルトリア、気分を害してしまうかもしれない質問を一つしていいか?」

 

その言葉にアルトリアは少し身構えたが、ガセフの性格を考え苦笑いし答える

 

「えぇ、良いですよ」

 

「…お前は本当に人間なのか?」

 

その言葉にアルトリアは表情一つ変えずに『いいえ』と頷く

 

「!」

 

ハッとなるガセフにアルトリアは頭を下げると

 

「私は竜人という異形種です。ですが、寿命以外は人間の姿そのものです」

 

アルトリアの種族は『竜人』で異形種に近しい形態を持っているのだが、アルトリアはある職業を取っているため竜人の形態にならずとも本気を出せる。

 

「そうだったのか…人間と言われたら驚いていたかもしれないな…」

 

そう言って再び飲み始める

 

「俺も、人間だって言われてたら持ち直してたプライドがズタズタになってたぜ、まぁ、異形種って知れて良かったわ」

 

ブレインが大袈裟に笑う

 

「…普通は、差別すると思うんですが…」

 

リアルの事を思い出し呟くと

 

「ここまで一緒に暮らしといてそりゃねぇぜ、ガゼフも妹みてぇに可愛がっておいて今更なぁ?」

 

「‥なんだその顔は…」

 

「?」

 

「いーや?少なくともアルトリアと一緒にいりゃスレイン法国からも勧誘されるんじゃねぇか?お似合いの二人だって思われてるだろうし」

 

「……!?」

 

ブレインの言うことに気づきコップを割りそうになる。

 

「ガゼフとは、そんな関係ではないですよ!第一歳の差だって…!」

 

「アルトリア…そこで動揺するとかえって疑われるぞ」

 

「!!!」

 

ガハハと大笑いするブレイン

 

「そもそも!歳の差関係ねえだろ!歳の差以前に種族の差だぞ!」

 

「ブレイン、酒飲みすぎだ」

 

3人でぎゃあぎゃあ騒ぎながら過ごすこの日々が楽しくて仕方なかった。

 

願わくばこの暮らしが続くように祈ってやまなかった。

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