アルトリア・ペンドラゴンが行くオーバーロード【王国救済編】 作:アルトリア・ブラック(Main)
たっち・みーとウルベルトの現実世界での出来事を捏造しています
ー王宮内ー
ガゼフにとって番外席次がもたらした情報は王にすぐさま報告しないとならない事柄だったが、あの王に相談した場合、すぐに宮廷会議に流れるだろう。
ブルムラシュー侯の耳に入ってしまったらどうなるか分からない。
故に…
「王国戦士長殿が私を頼って来るなんて天変地異だな」
ザナック王子とレエブン侯へ先に頼ることにした。
「先日の法国の漆黒聖典との戦いからアルトリアの元に法国の使者が訪れたのです」
そう話すとザナックは何かを考え
「使者殿が一体何を?」
「……」
規格外の話題にどう説明したら良いか分からなかったが
『法国が王国を滅ぼさない理由はアルトリア・ペンドラゴンがいるから』
そう番外席次が話していたのを思い出す。
「…スレイン法国はアルトリアがいるから王国を滅ぼすことはしないと、もし万が一、アルトリアが他国に行くような事があれば王国には用はないと」
そう伝えるとザナックは考え込みながら
「つまりは王国の命運はアルトリア・ペンドラゴンに掛かっていると」
「…王子」
「まぁ、こんな話題他の貴族は納得しないな、それ以前に法国も落ちたかと言った楽観的な考え方しかしないだろうな」
レエブン侯が頭を抑える
「我が国は魔法より勇敢な騎兵への憧れがあるからな、魔法の凄さを説いても理解出来ないのなら騎兵としての凄さを貴族達に知らしめなければならないな」
「王子…もしや…」
「私とレエブン侯の力でとりあえず貴族や市民達が観覧出来るよう騎兵戦をするのはどうだ?」
「騎兵戦…」
ソファーに寄りかかりながら大袈裟に手を広げ
「そこでアルトリア・ペンドラゴンの強さを見せつけ貴族派閥を黙らせるのはどうだ?力は誇示してこそだ」
「騎兵戦ですか?」
自宅に帰った後、アルトリアにザナックから言われたことを説明すると『別に私は構いませんが、王族も参加するんですよね…?』と不安そうに呟く
「ザナック王子からは『王族だろうとなんだろうと死なない程度には本気になってかまわない』とのことだ」
「…えぇ…」
「その騎兵戦には冒険者も参加して良いんだろ?最近出たアダマンタイト級冒険者・漆黒は参加しないのか?」
ブレインの言葉にガゼフは首を振り
「彼らは参加しないが、蒼の薔薇は参加するそうだ」
「蒼の薔薇…冒険者も参加するんですね、ブレインは行くんですか?」
「俺は行かねえよ、この観覧会のメインはアルトリアだしな」
「……」
それから一時間後、アルトリアは一応武具で武装し観覧会に行くと小規模なコロッセオで行われることになった。
(…活気があって良いけど…)
登場する戦士は大体が弱く返って手加減が難しかった。
ある程度勝ち残って行く中…
「リ・エスティーゼ王国第一王子!バルブロ・アンドレアン・イエルド・ライル・ヴァイセルフ!法国の戦闘部隊に勝ったと言われるアルトリア・ペンドラゴンに勝負を申し込む!!」
「!?(王子!?)」
目視的にレベルはかなり弱く、今まで相手にしていた戦士より遥かに弱かった。
これは負けた方が正解なのか、とガゼフの方を見ると王の近くにいたザナックが『死なない程度には本気を出して良い』と言っているのが見えた。
「(…えぇ…)」
バルブロの攻撃を避けながらどう勝つのが正解なのか考えていた。
バルブロの剣の振り方はかなり無駄が多く、頭上に掲げて狙って来る攻撃が多かった。
胴体もガラ空きでその攻撃をして来るのを待つという無駄な時間があった。
「本気になれ!」
そう怒鳴って来る
(…うーん。どう勝てば良いか分からない)
頭上から振って来た剣を白刃どりではなく、真横から叩き折る
拳一つで簡単にへし折れた剣の弱さに驚きつつ審判も動揺しつつも勝利宣言をして来る。
バルブロは顔を真っ赤にさせていたが、次に入場して来た人物がジッとバルブロを見つめていた。
「貴女は…」
フードをかぶっている番外席次が手を振って来る。
バルブロが退場し、番外席次が笑いながら
「手加減してね、アルトリアさん」
そう言ってから物凄いスピードで剣が飛んでくる
「ちょっ」
大慌てで剣戟を捌く
「魔法は一切使わないから、貴女も魔法縛りしてね」
「なんで貴女が観覧会に出て来るんですか」
響き渡らないように話すと
「だって、貴女の凄さを伝えるには雑魚を相手にするより比較的強い雑魚を相手にした方が良いと思って来たのよ」
「それとこれとは話が違います!」
地面に剣を振り下ろす、番外席次は軽やかに避けると地面に亀裂が走る
ー王宮内ー
王国の国民達はアルトリア・ペンドラゴンの強さを知り、街の話題になった。
なぜ彼女が一介の兵士としているのか不思議でならないと人々は口にした。
しかも、アルトリアの性格が聖人君子ともなれば王国民達は腐敗し切っている貴族と比べアルトリアに爵位をと望む声も無論増えた。
「そのアルトリア・ペンドラゴンに爵位をって話になったのか?」
イビルアイの言葉にラナーは『はい』と頷く
「騎士の地位をお父様は授与されたようです。市民達からの声も増えレエブン侯やお兄様の尽力もあってこそです」
「ガゼフ戦士長も嬉しいはずね」
ラキュースの言葉にクライムが何か言おうとしていた。
「なんだ?」
「あ、いえ…」
「ガゼフ戦士長の地位は検討中なんです。アルトリア・ペンドラゴンの地位授与だけでもかなり反感はありましたから…」
貴族達の反感を買ってまで一市民に、しかも女性に爵位を授与したのは市民への印象もあるのだが
「そのアルトリア・ペンドラゴン。確か法国にスカウトされた経緯もあるんだったか、秘密裏に神官長直々に来てまでとの話だが」
「そんなに凄いの?そのアルトリア・ペンドラゴンは…」
「そのスカウトを蹴ってガゼフ・ストロノーフと共に王国にいることを選んだそうだ。法国が王国への嫌がらせを全面的にストップさせるくらいの傑物だ。おそらくは神話レベルのな」
アルトリア・ペンドラゴンの強さをあの悪魔騒動の時に見てしまえば、法国が下手に出てまで彼女を勧誘する理由もわかる。
「神話レベル…」
「スレイン法国への建前もあるんです。法国が喉から手が出るほど欲しがる人材を王国の騎士に出来るならそれに越したことはないと」
「幸いにも一代貴族として爵位を与えられたわけだが、王女様が不安に思っている理由はそこじゃないだろう?」
イビルアイの言葉にラナーはハイと頷き
「法国の動きを抑制出来るアルトリアさんの重要度が貴族達の間でピンと来ていないんです。女で強いだけだからという感覚で見ている人たちが多く…」
「愚鈍だな。神話レベルの人間に強いだけとは…」
ラナーは紅茶を飲み終え
「クライム。紅茶のおかわり貰えないかしら?」
「は!至急用意を持ってまいります!!」
ラナーにとってこれから起こることに頭を抱えたくて仕方なかった。
ーナザリック地下大墳墓ー
デミウルゴスが殺され、復活した後、事情を聞けば王国にアルトリアさんがおり、そのアルトリアさんにやられたとのことだった
(…アルトリアさんが王国にいるなら王国に手を出すのはあまりにも愚策だ…でも、シャルティアを洗脳したプレイヤーを見つけたい…アルトリアさんは洗脳系のアイテムを持っていなかったように思えるし…)
玉座の間にて今後の方針を守護者達に話す。
冒険者として王国に行くと言っても守護者達は危険だと反対してやまなかった。
(…とりあえず、アルトリアさんのいる国には手を出さないように話したけど…)
守護者達の必死さに頷くしなかった。
「アインズ様にご迷惑をかけないんでしょうね?」
アルベドはデミウルゴスにそう聞くと『勿論です』と答える
「世界征服のためにアルトリア・ペンドラゴンは邪魔でしかありません。しかし真っ向から挑んでも何人かは犠牲になってしまう」
「そうなれば心優しいアインズ様が世界征服を諦めてしまわれるわ」
「一つ妙案があります。とは言っても失敗した私に出来ることはありません。アルベド、手伝ってくれますか?」
「勿論だけれど、その作戦に失敗はないのよね?」
「勿論です」
【観覧会にて】
・番外席次
法国から抜け出して参加しに来た。一応竜王にバレないようにレベル隠しのアイテムは付けている。
【王国内でのアルトリア】
魔法への無理解がある故法国からの話も全部聞き流している。騎兵での戦いで調子に乗ったバルブロ王子がアルトリアに立ち向かったものの、拳で剣をへし折られた為、それを観覧していた市民達からの印象は地に落ちた。
・ザナックの動き
法国からの話は重く受け止めている反面、アルトリアの凄さをイマイチ理解していなかった故に騎兵戦を見た時に価値観を変えた。ガゼフが王より自分の方に意見を求めているというのを隠しつつアルトリアに騎士の爵位をやや強引に授与した。
・ラナーの動き
デミウルゴス殺害事件以降、ナザリックから梯子を外された挙句に敵視されてしまい、難易度ハードモードで王国を繁栄させた上でナザリックからの攻撃を凌げるくらいの強国にしなければならなくなり静かに怒っている。
・ガゼフの動き
王に忠誠を誓っているのは変わりないが、法国関連や、アルトリアが人らしく生きていけるよう国を変えたいと思い始めている。それと同時にアルトリアが探しているゴウン殿を捜索したりしている。
・ランポッサ三世の動き
案の定、爵位を授与した程度で、ザナックに王位継承を進めたわけでもなんでもない。ただ様子を見ているだけ