戦神騎士物語   作:神父三号

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第50話 ノーラの道・動き出す闇

 大河川に目を光らせ、月の国マーブリス北辺を守る、二つの城塞都市。

 

 西のルネシア。

 東のセルヴァルド。

 

 それらでは北方の二勢力、"蛮地"と神聖国家オラトリアの侵攻に備え、日々激しい調練が行われている。

 しかし今日のルネシアでの調練は一部のみ、いつもの活気溢れるものとは異なっていた。

 

「っ……お、落ち着け! まだ何もされてない!」

「大人しくしろ、こらっ……!」

 

 ルネシアの守備兵達が動き回る場から、東へ離れた野原。

 そこで騎兵達が必死の形相を浮かべ、勝手に逃げ出そうとする馬を御する。

 相対している相手は、たった一人のみ。

 

 戦神騎士ノアだ。

 

 戦神の大剣を正中に構えたノアが武の気配を前方のみに集中させ、騎兵達へ叩きつけているのである。

 

「落ち着くべきなのは皆さんですよ。ノエリア先輩の武の気配に、すっかりあてられてます」

 

 戦神騎士ニコルがノアの偽名を呼びつつ、立ち並ぶ騎兵の前を自身の馬で悠然と横切る。

 

「騎手がどっしり構えてれば、馬もすぐに落ち着きます。その辺の荷馬じゃなくて、戦のために調教された馬なんですから。相手がいくら強くても、皆さんのやるべきことは決まってますよね?」

 

 まずはしっかりと武器を構えましょう、とニコルは助言した。

 

 北方からの侵略者達が擁している可能性のある、"百人力"の最精鋭に備えるための調練だ。

 大河川から二つの城塞都市までは、ほぼ平地。

 騎兵は歩兵よりも優先的に、こういった経験を積まねばならない。

 

「周知の通り、都は次の侵攻が本命だと予想してます。戦闘の規模は間違いなく、万単位がぶつかり合う大戦になるでしょう。"蛮地"とオラトリアは、大河川を渡ってルネシアとセルヴァルドを同時に攻める連携が取れるほどの勢力です」

 

 ニコルが一度切った言葉に同調するかのように、馬がカツッと蹄を大きく鳴らした。

 今朝がた、少年騎士が厩で適当に選んだ馬である。

 

「"百人力"かどうかはともかくとして、敵にも最精鋭がいる可能性は非常に高い。激突するのは主に僕達"月影騎士"ですが……皆さんも図抜けた強者の威圧には、慣れないといけません。たくさん頑張りましょう!」

 

 ニコルは剣を抜き、あえて幼い激を飛ばした。

 兵士達の緊張が和らぎ、僅かに笑んだ後、再び引き締まる。

 ノアは依然、尖らせた武の気配を発し続けている。

 ひたすらそうしていろと、旗頭のノーラに命じられているからだ。

 

「ニコラス殿! よろしければ、何かコツのようなものを教えていただけませぬか!」

「うーん、場数を踏むのが一番なんですが……手っ取り早いのは、若干意識を逸らすことですね」

「意識を逸らす? しかし、戦の最中に……」

「相手の本体を見極め、あえて枝葉に意識を向けるんです。少しだけ、緊張が和らぎます」

 

 偽名で呼ばれたニコルは手綱も引かず足腰だけで器用に馬を後退らせながら、ずっと大剣を構えているノアへと剣の切っ先を向ける。

 

「枝葉に……意識を……」

「相手の何が武力の要なのか? 本人なのか、武器なのか、あるいは騎乗してる馬や魔物なのか? ……特に将の皆さん! あなた達がこれを考えることは、とても重要です。例えばオズワルドの飛竜兵なら、騎手はただの木偶で飛竜が本体。飛竜が怖ければ、しがみついてるだけの木偶を意識して、笑ってやればいいんです」

「理屈は何となく分かりますが……相手の本体から意識を逸らせば、かえって危険なのでは?」

「そうですね、危険なことも多くあります。特に目の前の敵に集中すべき兵士さん達は。ですけど、指揮を執る将の皆さんは違います! 考えてみてください。人馬一体で"百人力"の騎兵がいたとしても、馬さえ仕留めればそれは歩兵になります。自慢の特別な武器だって消耗させてへし折ってやれば、もうその辺の適当な武器で戦うしかない。どれだけ強くても支えを失えば、戦場での影響力は大きく落ちるんです。相手の何が本体で何が支えなのかを見極めることは、そういう駆け引きにも繋がります!」

 

 騎兵を率いる将達が、神妙な顔で頷いた。

 

「さあ、馬を馴らして一歩ずつ進んでください! 目標、月影騎士ノエリア!!」

 

 ニコルの号令によって、騎兵達が声をあげて馬を勇気づける。

 そしてゆっくりと、ノアめがけて前進していった。

 

 

「なっさけないのぉ……あんな小僧に手を引かれおってからに」

 

 

 それを後方から眺めていた老将が、馬上でポツリと呟いた。

 

「仕方がありません、ドレヴァン将軍。マーブリスは、戦場における"百人力"の敵を知らないのですから。用兵の知識はあっても実感が無ければ、土壇場で狼狽えてしまう」

「分かっとるわい、ノーラ殿。それでも他国の少年騎士に軍を手取り足取り指導されるのは、西方の覇者として恥じ入るばかりじゃ」

「今の私達はマーブリスの月影騎士ですよ。秘匿され続け、ようやく表舞台に現れた自国の最精鋭に教えを乞う……自然なことです」

「建前上は、な。だからなおのこと、情けなくて仕方が無いと言うとるんだ」

 

 老将は轡を並べるノーラに対し、ぶすっとした表情で言い放つ。

 そして、ノアの武の気配に一切怯えず堂々としている馬のたてがみを、乱暴にもしゃくった。

 

 ドレヴァン。

 

 この戦時下で城塞都市ルネシアの指揮を任され、都から赴任してきた将軍。

 マーブリス軍の重鎮である。

 

 どこか飄々とした風情のある、皺くちゃ顔。

 短く乱雑に切られた白髪と白髭。

 その一方で、綺麗に伸びた背筋。

 銀と黒で絢爛に彩られ、しかし使い古された鎧。

 得物である長柄の三日月斧もまた、傷まみれの状態で鋭い石突が地面に突き立てられている。

 武の気配だって、老いてなお立派なものだった。

 

 一方、ノーラ達のお目付け役である本来の月影騎士ナギッサはといえば、遠く離れた場所でしゃがみ込み、何やら地面を見つめている。

 小さな気配がもう一つあるが、何をしているのだろうか。

 

「はっはっは。新兵に剣の握り方を一から教えるような、やさし~い指導じゃ。……ノーラ殿。かつてのフォルラザでも、ああいうことをしとったのかな?」

「いいえ、私達の軍には戦神騎士団がありましたので。死人が出るような激しい模擬戦も、時と場を選ばず繰り返しておりました。"百人力"の存在感には自然と慣れます」

「道理でのぉ。ああいう成人するかしないか程度の小僧でも、ワシら月の民とは踏んだ場数が違うということか」

「軍で調練を受けるのは成人してからですよ、将軍。ニコルは戦神の民の中でも例外です」

 

 ほぉー、と気の抜けた応答をノーラに返し、ドレヴァンは鎧の胸元をかいた。

 ノアの元へ辿り着いた前方の騎兵達が、一斉に駆け戻ってくる。

 ニコルが将達に混じって馬を走らせながら、身振り手振りを交えつつ何かを話している。

 すると将達は騎兵を小分けにして散らし、ノーラとドレヴァンを通り越して素早く密集。

 かと思えばまた散開し、また密集し、それを繰り返しつつ後方のルネシアまで駆けていった。

 どうやらニコルは、強大な業を振るう敵から上手く撤退する術も教えているようだ。

 

「良い動きですね。騎兵で散開と密集を咄嗟に繰り返すのは、相当難しい」

「まあ、ワシらとてあのくらいはな。……ニコル殿は、フォルラザの名家の出か?」

「ありふれた村育ちです。読み書きだって、国が滅んでから学びました。ただ、史上最年少で戦神に認められ、飛竜相手の大戦を生き延びた者ですから」

「なるほど、天賦の才というものか。物心ついた頃から剣を握らせる……そういうことをひたすらやっとれば、ああいう人材も出てくるわな」

 

 砂塵を巻き上げ、将兵を率いて戻ってくるニコル。

 そんな少年を肩越しに見つめるドレヴァンの目は、羨望と警戒が入り混じった複雑な色を帯びていた。

 

 ノーラ達戦神の軍はマーブリスと正式な協力関係になってから、このルネシアとセルヴァルドを巡る防衛戦に二度参加した。

 

 一度目は"蛮地"と神聖国家オラトリアの一千ずつの軍を奇襲して、瞬殺。

 だが、二度目はどちらも容易く崩れず、三千と二千の軍で多少は粘ってきた。

 

 マーブリスには今まで、公的な最精鋭はいなかった。

 領内のエルフ達を"月影騎士"として遇し、密かに協力してもらっている状態だった。

 ノーラ達が偽名を使って月影騎士を称し始めたのは、北方より侵略を受け出してからである。

 

 それにもかかわらず、"蛮地"もオラトリアも二度目の交戦で既に、戦神騎士と相対してなお士気を保てるようになっていた。

 特に"蛮地"の用兵は南方一帯で広く見られたような、"百人力"の相手を前提としたものに変わっていた。

 大河川を渡ってきた兵士達は殲滅し、向こう岸へは誰一人返さなかったというのに。

 

 それは彼らが強力な個の存在を熟知していて、かつ特殊な伝達の業を有する勢力であることの証明だ。

 

「そういえば将軍。東方にある探究の国ラガニアでは逆に、物心つけばまず杖を振らせて、魔術の素質を見るそうですよ」

「知っとる知っとる。エルフや商人を通して、あちら側の情報も色々入ってくるからのぅ」

 

 ドレヴァンは地面に突き立ててあった長柄の三日月斧を拾い、頭上に掲げた。

 接近してきていた騎兵がそれを見て真っ二つに分かれ、再びノーラ達を通り越していく。

 

 この国難の最中に防衛の要を任されるだけあり、ドレヴァンは将軍としてこの月の国の全てを知り尽くしていた。

 エルフ達月影騎士のことも、ノーラ達戦神の軍のことも。

 月の王と戦神の旗頭ノーラが結んだ、協力と見返りの内容についても。

 もう片方の城塞都市、セルヴァルドにいる将軍も同様である。

 おかげで戦神の軍と城塞都市の連携は、予想以上に円滑に進んだ。

 

「おう、今度はニコル殿も臨戦態勢か」

「味方の最精鋭をどう活かすのかも、将来を考えれば学ぶべきことです」

「うむ……それにしても、やはり凄まじい武の気配よな。抜き身の刃のように鋭い。……ずっと構えとるノア殿もじゃ。こんな初歩的な調練の格下相手に、あれだけ長く気が張れるとはの」

 

 そう言いつつ、ドレヴァンも彼の愛馬も泰然として揺るがない。

 マーブリスは大陸西方を統一した後、領内を長らく安定させてきた国である。

 戦闘経験などせいぜい賊徒を蹴散らす程度で、まともな戦をしたことはほぼ無いはずだ。

 それでも老将は、心身をよく鍛えている。

 

 ザスッ。

 

 三日月の刃が勢いよく、地面を割った。

 

「貴公らを見とると改めて思う。いくらエルフの協力があり、国が安定しとるとはいえ……やはり自前の最精鋭は、しっかりと軍の中で育て上げとくべきじゃった」

 

 ドレヴァンが呻くように語る。

 

「国力の増強という大きな動きにしてもそうじゃ。戦神の民の生き方も探究の民の生き方も、ワシらは知っとった。オズワルドの南方総督府が今やっとるような兵士を使った大規模な開墾も、太陽の国シンガという前例を知っとった」

「…………」

「数年に一度の、月の都の盛大な祭り。その際には西方全土から大量の人が集まってくる。そこで格好をつけるためだけに、この国の軍人は鍛えてきたようなものよ。ワシの武具の傷とて、ほとんどは調練の中でついたものじゃ。どうにものんびりとした……いや。覇者の地位にかまけてだらけた生き方をしとったな、ワシら月の民は」

 

 青空に浮かぶ、白い月。

 それを見上げる老将軍の、悔恨の言葉。

 

 ノーラも、彼の言葉には一理あると感じた。

 

 いくらこの大陸西方が大河川とその支流、そして大山脈に囲まれているとはいえ、北方の"蛮地"やオラトリア以外の勢力にも攻め込まれる可能性はあったのだ。

 特に南方一帯を蹂躙して全盛期を迎えたフォルラザは、戦神の託宣次第では北の砂漠越えでなく、西の山越えを目指しただろう。

 エルフ達の諜報が大陸で最高水準であっても、彼らは人間の争いごとには直接関わらない約束をしている。

 これほどの領土を抱えているのだから、その気になれば最精鋭の育成のみならず、もっと多くのことが成し遂げられていたはずである。

 

 底の知れない、下手に刺激すべきではない巨大勢力。

 マーブリスはそういう立て札一枚で、長く国を守ってきた。

 覇道に大きく貢献した傑物が歴史の中にいても、それを積極的に見出し、育て上げる土壌を作らなかった。

 だから今のように攻め込まれれば、「戦場に出せる最精鋭がいない」という大国としての致命的な脆さがどうしても影響してしまう。

 

 そう考えると確かに今までのマーブリスは、だらけた在り方だったかもしれない。

 しかし、傷だらけの武具。

 将軍の意を的確に汲み取る軍勢。

 

「……私がもしも月の民として生まれ、軍人の道を選んだとしたら」

 

 ノーラは隣の老人と同じく、白い月を見上げた。

 

「この豊かで平和な国の中でドレヴァン将軍のように老いるまで真摯に鍛え上げるなど、到底出来なかったように思います」

「……ほぉ。ノーラ殿は存外、根っこは不真面目な部類か?」

「ご想像にお任せします。ですが『民の前で格好をつけるために己を鍛えろ』と言われても、おそらくはその気になれなかったでしょう」

「よう分かる。それなり以上の軍事貴族に生まれたワシとて、軍に入りたての頃はそう思っとった。大陸中央のオズワルドは都を飾りつけ、飛竜を養うだけで精一杯。北方には大河川、南方には大山脈。この大国へ無理に攻め込んでくる敵もそうはおらんだろうに、どうして厳しく鍛えなければならんのか、とな」

「ならば将軍は、何故これほどに軍を保ってこられたのですか? やはり、フォルラザやオズワルドへの危機感でしょうか?」

 

 ドレヴァンはノーラに向かい直し、両耳を指でつまんで伸ばして、舌をちろっと出した。

 それが何を意味するか、ノーラにはすぐ分かった。

 

「『腐るな、腐らせるな』……一端の将となった時、上官に言われたわ。そしてそれはことあるごとに、決まり文句のように繰り返された」

「エルフ達の目を常に意識せよ、と?」

「まあ、ワシが王家とエルフの繋がりを知ったのは、完全に出世の道筋が決まった時だったがな。ある日陛下に居室へ召し出され、王族の方々の御前で"月影騎士"の存在を知らされた」

 

 領内の森に住まうエルフが王家と懇意であることを知っているのは、ごく一部の重臣だけ。

 ノーラはエルフの友であり本来の月影騎士でもあるナギッサから、そう聞かされていた。

 

「ワシが背筋を伸ばしたまま老いられたのも実際のところ、あの気まぐれな友人達に見られておったからよ。王族もまた人品を自分なりに磨くよう、代々厳しく言われておったそうだしの」

「難敵はおらずとも、常に品定めしてくる協力者がいた。……なるほど。それもまた、長く苦しい戦のようなものですね」

「はっはっ。まあ、どこまでいっても結局は『腐るな、腐らせるな』じゃよ。この言葉は、マーブリスという国家の基礎のようなものじゃ」

 

 国家の基礎。

 確かに、この老将が語る通りなのかもしれない。

 だからこそ、月の王が各地へ高札を立てた時に、民は皆して素早く動いたのだ。

 時間と力を持て余した育ちの良い若者達が、調練の真似ごとをしていたのだ。

 それは腐るまい、腐らせまいとしてきたが故のことに違いない。

 

 かつてエルフのナギッサは月の民について、「何か芯の通った生き方をしているようには思えない」と評した。

 しかしおそらくこの姿勢こそが、彼らの生き方なのだろう。

 平和の中で腐らずに生き、危機にあっては団結する。

 それは決して容易いことではない。

 まさしく、月の民独自の生き方と呼べるものである。

 

「大陸西方の覇者、か……」

 

 ノーラは笑みをこぼしつつ、調練の様子に視線を戻した。

 ニコルがノアも呼んで、マーブリスの騎兵達にまとめの話をしている。

 どうやら、ひと区切りがついたようだった。

 将兵は皆、激しく打ち合ったわけでもないというのにかなり疲弊していた。

 

 この次は、現在五十人の戦神の軍と模擬戦をしている歩兵達にも、同じような指導をすることになっている。

 城塞都市の軍勢を小分けして順番に、他国の最精鋭を敵に回すことがどういうことなのかを実感として教えていくのだ。

 もう片方の城塞都市セルヴァルドでも、同様の調練をする予定である。

 

 本来、最初に加勢した直後からこういう取り組みはすべきだったが、まだノーラ達が名乗っている月影騎士の実力が当時、城塞都市の守備軍に完全には信じられていなかった。

 "蛮地"とオラトリア合わせて五千の軍を殲滅した段階で、ようやく信頼を勝ち得たのだ。

 

「……ワシがもしも戦神の民として生まれ、飛竜に手も足も出ず敗れ続け、祖国の滅亡を体験したとしたら」

 

 ドレヴァンが、厳かに語る。

 

「貴公のように旗槍一本と僅かな生き残りで復讐を成し遂げようなどと、考えもせんかったろうな。自決か玉砕して、人生を終えたように思う」

「……大戦時のフォルラザは、全盛期を迎えていました。それでもなお、飛竜に何度も敗れ去って滅んだ。絶望に打ちひしがれ、信仰の篤さ故に苦しみ、死を選んだ同朋は大勢おります」

「であろうな。仕方の無いことじゃ。それにつけても、貴公らの毅然として前向きなことよ。その姿勢は眩しくもあり……しかしそれ以上に、末恐ろしくもある」

 

 そう言って見つめてくる将軍の眼差しにはニコルの調練を見物していた時と同様に、羨望と警戒が入り混じっている。

 その目を見て、ノーラは改めて感じた。

 世捨て人の魔術士エリオットの言う通りだ。

 やはりどうしても、復讐を成し遂げた先のことを考えておかねばならない。

 

 とはいえ、今はとにかく北方の二勢力への備えが最優先だ。

 

「私が率いる戦神の軍には、調練の中で光る素質を見せた者を各自挙げるように命じてあります。彼らを抜擢して集中的に鍛え上げれば、いずれ最精鋭と呼べるような存在の基礎になることでしょう。軍内の人材の見定めは、そうして抜擢した者達にもやらせればよろしいかと」

「うむ、ありがたい。では、また戦神の軍に有望な若者を預けるとしようかの」

「それは構いませんが……今預かっている二人の将のように、予め脅しておいていただきたい。『軍人として、一度死ぬと思え』とね」

「はっはっは、分かっとるわい。まったく、戦神の民は凄まじいわ」

「月の民の勤勉さも称賛に値すると、私は感じます」

 

 会話が、ふと途切れる。

 ノーラは僅かに俯くような、ささやかな会釈をした。

 ドレヴァン将軍もまた、それに応じた。

 二人はそれ以上、言葉を交わさなかった。

 

 

 

 ………

 ……

 …

 

 

 

 日没とほぼ同時にひと通りの調練が終わり、月が輝き出した頃。

 城塞都市ルネシアに予め建てられていた、戦時のための将軍の屋敷。

 

「ほう、ノームの老婆が?」

「うん。ちょっとお話したいって、声かけてきた。あたしもノームとは初めて関わったよ」

 

 その落ち着いた風情の客間で戦神騎士三人と月影騎士一人が机を囲み、茶を飲んでいた。

 残りの戦神の軍は、与えられた宿屋で休んでいる。

 

「へぇ、ノームってやっぱり西方にもいるんですね。ナギッサさんはどんなこと話したんです?」

「単なる世間話。でもあのお婆さん、結構色々なことを知ってたよ。マーブリスが北から攻められてるってだけじゃなくて、攻めてきてる奴らが変な業を使うのも知ってた。あと、月の民が皆して大きく動いてるのも。流石に、あたしが容姿や気配を誤魔化してるエルフだってことには気づいてなかったけど」

 

 ノームは極めて臆病であり、他種族にまず関わらない存在であるという。

 主に平地の洞穴に隠れ住むらしいが、あちらから接触してきたというのは非常に珍しい。

 

「……大陸東方でイオさんがノームの少年を仲間にした、という報告を"砂粒"から受けている。『種族の未来を見据える』という名目で、東方の長老が積極的に同行させた、ともな。あるいはその影響が、西方のノーム達にも出てきたのかもしれん」

「でもイオ先輩曰く、ノームは大地と語らう種族……だったはずですよね? 東方と西方は大陸中央に加えて、大河川とその支流でがっつり分断されてるのに、どうやって東西で情報共有したんですかね?」

「そりゃあ、川には底があるからでしょ。あたしらエルフも閉鎖的なノームの業は全然知らないけど……『大地と語らう』なんて言う以上、地下深くの石や土を通して遠方の同朋に連絡する業とか持ってるんじゃないの?」

「なるほどな。味方に出来れば心強そうだ。……とはいえ、国としていきなり大々的に手を貸してもらうのは、少し難しいか」

「だね。一応ドレヴァンの爺さんには報告してあるけど、ノーラと同意見だった。まず何回か軽く交流してみて、それで仲良くやれそうなら……ってところかな」

 

 ナギッサがそう言ってぐいと茶を煽る横で、ノアが興味なさそうに窓の外を見やり、茶をちびちび飲んでいる。

 ノーラは無愛想な後輩の、碧眼の先を追った。

 今夜は、月が見えない日だ。

 明日にはまた、か細く輝き始める。

 

 コンコンコンッ。

 

 客間の外に突如現れた気配が、扉を性急に叩いてきた。

 ノーラはすぐにその正体を察した。

 ナギッサと同じ、月影騎士のエルフだ。

 気配からして、北方の様子をよく報告してくれる者である。

 

「ナギッサ、ちょっといいか。ノーラ達を連れて、ドレヴァン翁の居室へ来い」

「……分かった」

 

 戦神騎士達は席を立ち、武具を装備した。

 将軍の居室へ向かうと、人間で言えば三十半ばほどに見えるエルフの男が、ドレヴァンと並んで深刻そうな表情を浮かべていた。

 

「北の奴ら、動いたの?」

「ああ、オラトリアの方だ。だが、"闇の吹き溜まり"から出てきたのは一騎だけ。どう見ても死んでいる馬を、大河川に向けて全速力で……いや、馬とは思えない速度で駆けさせていた」

「馬の脚がもたないでしょう、いくら死んでても」

「普通はな。あれじゃ途中で脚が折れて、潰れるはずだ。だからどうするつもりか、予想出来ん」

 

 尋常ならざる報告に、ニコルが口元へ手をやって考え込み始める。

 北方からの侵略者、神聖国家オラトリアは領土の周辺を分厚い"闇の吹き溜まり"によって、隙間無く囲まれている国だ。

 

 "闇の吹き溜まり"は、人間の屍の怨念を啜りに沸いた闇の魔物の群れが作り出す、暗黒の巣。

 そして闇の魔物は、魔術か特別な祝福が施された武器でなければ倒せない。

 エルフ達も戦神の諜報集団"砂粒"も、巨大に膨れ上がった"吹き溜まり"の中に潜れはしないのである。

 

「……そいつの武の気配がどれほどか、探れただろうか?」

「一切無い。おそらく制御もしていない。何せ、ニコルより小柄で幼い娘だ。代わりに、闇の気配を強く纏っていやがった。俺が遠目に見ているだけでも、気絶しそうなほどにな」

 

 ノーラの質問にエルフの男は極めて端正な顔立ちを嫌悪に歪め、吐き捨てるように言った。

 エルフは種族の特性として、闇と極めて相性が悪いのだ。

 

「闇の魔物を使って、屍を無理やり動かしてるってところですか? そういう無茶苦茶が出来る可能性はありますけど……」

「分からん。だが、反吐が出る。生命を愚弄しきった業だ。……ノーラ。北方にいる戦神の諜報にも、伝達はしておいたぞ。『むやみに近づくな』って忠告も」

「ありがたい。……ドレヴァン将軍、ニコルと戦神の軍五十をお預けします。ナギッサに頼んで、私とノアだけで大河川の岸辺まで偵察へ」

「いや、ノア殿を残しとくれ。武の気配を尖らせて強く威嚇出来る者がおった方が、都合が良い。貴公らの留守にここで何かあっても、ワシが確実に抑えよう」

 

 老将のさりげない気遣いに、ノーラは視線で感謝の意を表した。

 

「ノア。私が留守の間は戦神の軍皆で、ドレヴァン将軍の命令通りに動け。それが出来ない状態になれば、私達に常時同行しているマーブリスの将二人だ。それも出来なくなれば、お前が部隊長と一緒に考えて戦神の軍を動かせ。……いいな?」

「はい」

「いつでも跳べるよ、ノーラ」

 

 敵のおおよその移動経路を同朋から聞いたナギッサが、草笛を取り出す。

 

「行くぞ、ニコル」

「……何が目的でしょうか。僕より下の娘が、死んだ馬なんかで……」

「分からない。だが、間違いなく最精鋭の類だろう」

「うむ。その上、何をしてくるかもまるで見当がつかん。最悪の場合、そのまま大戦になろうな……ルネシアもセルヴァルドも全軍、臨戦態勢を取らせる。すまんが、もうひとっ跳びしてもらうぞ」

「大丈夫だ、ドレヴァン翁。セルヴァルドにも俺が報せに行く」

 

 マーブリスの将軍と月影騎士が、頷き合う。

 

「ノーラ殿、ニコル殿。必ず戻られよ」

「承知しております、将軍」

 

 ノーラとニコルはドレヴァンに拝礼して、ナギッサの草笛の音と共に、跳んだ。

 

 

 

 ………

 ……

 …

 

 

 

 マーブリスの最北を流れる大河川の岸辺には、異様な静けさが漂っていた。

 草花や虫が、息を殺している。

 ノーラ達戦神の軍が大山脈を越え、初めて大陸西方の大地を踏んだ時と同じだ。

 

「……いや、あの時とは違うな」

「ええ。僕達なんて見向きもしてません」

「生き物が皆、怖がってる……ぅ……何、これっ……!? こ、こんな闇、知らない……!」

 

 ナギッサがふらつき、震えながら口元を抑えた。

 

「今すぐ離れろ、ナギッサ。ルネシアへ戻れ」

「でもあんたらが……!」

「人間の争いごとは、あくまで人間同士がやる。そういう約束の上での"月影騎士"でしょ、ナギッサさん。ここまで運んでくれて、ありがとうございます」

「っ……はぁ、はぁ……!」

 

 膝から崩れ落ちたエルフの友をノーラは抱きかかえ、ルネシアの方角へ駆けた。

 

「ノーラ……!」

「心配するな。たった一人の小娘が大河川を挟んで、何か出来るものか」

 

 ノーラの言葉に、ナギッサは下唇を噛む。

 互いに理解している。

 おそらく何かが出来るから、たった一人で向かってきているのだ。

 

「……気をつけてね。危ないと思ったら、すぐ逃げて」

「分かっているさ。私達はまだ、道半ばだからな」

 

 ある程度回復したナギッサが、後ろめたそうに魔術で跳ぶ。

 ノーラはすぐさま、大河川の水際まで進んだニコルに合流した。

 

「暗いですね、ノーラ先輩」

「ああ。月のありがたさがよく分かる」

「大河川が真っ黒ですよ」

「私の魔力感知に、水中の魔物が一匹も引っかからない。奴らも深く潜ったか」

 

 ノーラとニコルは会話をやめて息を殺し、じっと北方を見つめる。

 通常の馬より速かろうが、エルフのように直接跳んでくるわけではない。

 "闇の吹き溜まり"に包まれたオラトリアから大河川までは、それなりの距離がある。

 果たして本当に、この夜の間に辿りつけるのだろうか。

 

 そのまましばしの時が流れ、やがて。

 

「……ニコル」

「分かってます」

 

 ニコルが白銀の双剣を抜いた。

 ノーラもまた、戦神の旗槍を構える。

 戦神に祝福された武器は、獲物を見定める獅子のように微かな光を帯びている。

 とはいえ、それは月影騎士のエルフが作った首飾りによって、他者が感じ取ることは出来ない。

 

 暗闇の彼方で霞む向こう岸に、おぞましい気配が一つやってきた。

 

「っ……」

 

 寒気か。腐臭か。

 いや、違う。

 

 ノーラは直感する。

 これはもっと本質的な、生物としての不快感。

 闇に対する嫌悪感だ。

 報せてきたエルフが言っていた、"闇の気配"と呼ぶべきものだ。

 

 フォルラザがあった頃、ノーラはいくつかの"闇の吹き溜まり"を処理した。

 しかしそれらは内部に入らなければ、こういう感覚を生まなかった。

 だというのに大河川を隔ててなお、このおぞましさ。

 

 異常だ。

 異常極まる。

 

 

『何じゃ、こノ駄馬め。脚が千切れオった』

 

 

 声。

 幼い少女の、呟き。

 

 何故届く。

 大陸を切り分けるほどの川を、挟んでいるのに。

 

 ノーラはニコルへ目配せし、武の気配を剥き出しにした。

 戦神騎士二人分の威圧によって、暗黒の水面が向こう岸へと、波打っていく。

 だが、その波は途中で相殺された。

 

 ぶつかってきたものはやはり、武の気配ではない。

 

『……ああ、なんト鬱陶しい気配よ。ただの人間でハないな?』

「人のこと言える立場じゃないですよ、そちらさんも。自覚無いんですか?」

 

 ニコルが対面へ話しかけるような声量で発した、挑発の言葉。

 ただの独り言だ。

 そのはずだった。

 

『聞こえる、聞コえておるぞ……! やハり、特別な存在じゃな? オヒ、オヒヒヒヒヒッ!!』

 

 少女の甲高い嗤いが、鬱陶しく耳に障る。

 

 向こう岸が、大きく黒く染まった。

 夜の暗闇よりもなお、どす黒く。

 おそらくは、"闇の吹き溜まり"と同質のものだ。

 

『シかし、どこか妙じゃな。そなたら、何らかの業で実態を欺いテおろう。耳長や飛びトカゲどもノ同類……神の裔か?』

「…………」

『早く正体を現さヌか、無礼者どもめ。わらわを誰ジゃと思うておる』

「知らん。こうしている限りでは、礼を尽くす価値があるようには思わない。……お前はオラトリアの最精鋭か?」

『"最精鋭"……それはそなたらのような、特別な人間のこトよな? 確かダグルの者どモが言葉は違えど、近いことを言っておった』

「ダグル……」

『ふん。そんな者は、わらわの美しいオラトリアには要ラぬ。人間なド、下僕か家畜でよい』

 

 もうこれ以上、問い質すまでもなかった。

 ダグルとはおそらく、"蛮地"のことだろう。

 そして今対峙している少女は、人間ではない。

 

「……闇の魔物風情が。人の皮を被って、何様のつもりだ?」

『わらわの下僕どもが、あマりにも情けないのでな。神聖国家オラトリアの名を貶めオって。それも川を渡らせる度に、わらわの元へ帰ってくルはずの闇が、いくらか帰ってこぬ。ダグルも最近は洞窟の奥に引き篭もり、託宣を寄越しテやってもあまり動かぬようになってしもうた。……全てそなたらの仕業でアろう?』

「べらべら事情を喋ってくれますね。もう少し差し出す情報を考えた方がいいですよ、魔物さん」

『はっ、情報モ何も無いわ。もう次で、終ワりにするからのう』

 

 大河川に生じ、せめぎ合っていた波が、こちら側へと一気に押し返された。

 不快な闇の気配が伝わってくる。それも極大。

 

 だが言葉を話し、国を治めて人間を支配する闇の魔物など、ノーラは聞いたことが無かった。

 一体どれほどの屍の怨念を啜ってきたのか。

 少なくとも幼い少女の身一つに収まりきる量だとは、到底思えない。

 

『決メたわ。一千じゃ』

「……何?」

『わらわが一千の軍を率イて、大陸の西を闇に染めてやろう。腰抜けのダグルも使ワぬ』

「あ? 舐めてるんですか? 屍漁りごときが」

「ヒヒッ。これまでの戦と今宵のやりとりで、そなたらの力はおおヨそ測れた。今のわらわなラば、一千で充分じゃ! オヒ、オヒッ、オヒヒヒヒィッ!!」

 

 珍しく怒気を孕ませたニコルに、闇の魔物は不愉快な嗤い声をあげる。

 

『そういえば、月の国とかいウらしいな? そなたらの国は』

「…………」

『ふむ……ならば、これより三度目の満月の夜に始めよウか。せめて五万は兵士をかキ集めておくがよい。まず、そやつらから蹴散らしてくれルわ』

「……一応は聞いておこうか。なぜ兵数と時期を、馬鹿正直にわざわざ予告する?」

『なゼ、じゃと? オヒヒッ! わらわが戦ウ以上、勝って当然なのじゃ。単なる気まぐれの施しに決まっておロう』

 

 ノーラの足元を、暗い波がぐしょりと濡らした。

 

 

 

『そうトも、全ては気まぐれよ。わらわの気まグれで、そなたらの国は滅ぶ。そしていずれ大陸中に闇が満ち、この世はわらわの物にナるのじゃ。この、オラトリアの聖なる"姫神"のな』

 

 

 

 向こう岸で、闇が音もなく破裂した。

 大河川に住む魔物達が、我先にと陸地へ這い上がってくる。

 そして、ノーラ達の周囲で苦しそうにのたうち回った。

 陸地で生きる魔物ではないのだから、当然のことだ。

 

「……さて、と。ノーラ先輩、どこまで気まぐれだと読みますか?」

「気まぐれは一切無い」

 

 ノーラは即座に断言する。

 

「今夜は月が見えない日だ。これから三度目の満月の夜までに五万の軍勢をルネシアに集めるのは、マーブリスならばおそらく可能だろう。そしてその上で、戦の準備には半端な時間しか取れない。屍漁りの癖に、国を治めているだけはあるな」

「同感です。あと、これまでの攻め方や『今のわらわならば』って言葉ですね。余裕ぶってましたけど、実際は力を蓄えながらこちらの地力を慎重に探ってたように思います。多分"蛮地"……ダグルからも色々情報を貰ってた感じかな」

 

 ニコルの意見に、ノーラは賛同した。

 

 闇の魔物は本来、低俗な存在だ。

 肥え太り、人間の真似ごとを上辺だけこなせるようになる個体は珍しくないが、それでも知性など持ちえない。

 あるいは人間における天賦の才と、似たようなものかもしれない。

 集団の中から偶然に一匹だけ、突出した個が生じたのだろう。

 

「フォルラザとオズワルドの大戦後に動き出したのも、時機を図ってのことでしょうよ」

「ニコル。奴の吐いた気色悪い言葉を、一言一句余さず文書に起こせ。皆でしっかり話し合おう」

「分かりました。……聖なる姫神、か。随分面白い考え方をしますね」

「面白いな。闇の魔物がどういう生き方をしたら、あんな馬鹿げた自認が芽生えるのだろうか」

 

 ノーラは獰猛な笑みを浮かべて、足元で震えている小さな魔物をつま先で小突き、川へと返してやった。

 握りしめた戦神の旗槍が、火傷しそうなほどに熱い。

 風も吹いていないというのに、雄々しくはためいている。

 ニコルの双剣の輝きも、夜の暗闇を明からせるほどだ。

 

「……だが、『一千で五万を蹴散らす』とほざいた威勢は認めてやる」

「月の王様に、本当に五万揃えていただきますか?」

「それは将軍達のご判断次第だな。いずれにせよ……」

 

 ノーラは旗槍の石突を、地面に深々と突き刺した。

 衝撃に怯えた魔物達が、必死に跳びはねながら大河川へと逃げ帰っていく。

 

 

「先鋒は戦神の軍がいただくぞ。姫神の一千とやらを、返り討ちにしてやる」

 

 

 エルフ達が語る、大陸に実在する四つの神。

 それらに並び立つかのように"神"を自称した、強大な闇の魔物。

 

 本当に"神"なのか、ただの増長した魔物なのか、そんなことはどうでもいい。

 

 挑まれた。

 だから迎え撃つ。

 それだけの話である。

 

「まあ、ろくな実入りがなさそうなのだけが不満ですかね。あの言動だとオラトリアの内部はたかが知れてますし、闇の業なんて欲しくありませんし……いたっ」

「小賢しいことを言うな、クソガキ。醜悪な魔物の国から何か有意義なものを得るつもりなど、一切無い」

「ですね。戦神に、勝利を」

「ああ。戦神に、勝利を」

 

 戦神騎士達は眩しく輝く白銀の武器を掲げ、強くぶつけ合った。

 

 三度目の、満月の夜。

 それまでに為すべきことを為し、万全の状態で戦に臨まなければならない。

 

 いいだろう。

 オズワルドの飛竜へ挑む前の、肩慣らしだ。

 

 ノーラの心の中で、獅子が吼えた。

 




大陸地図に、マーブリスの城塞都市「ルネシア」と「セルヴァルド」を追加しました。
「蛮地」を「ダグル」へと更新しました。

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