Infinite・Avenger -無限の彼方の復讐者ー 作:MAI²
ちょっと勢い任せな感じもしますが、一先ず纏めです。
あと前話のルビ振りが上手くいってないのに関しては一応運営様に報告してます。
プレビュー上では問題なかったんですけどねー?
ちょこっと編集してみたんですけど、変化無かったからバグだと思うんですけどねー。
追記:スッキリしないんで力技でルビ振りを修正しました。どうも一定以上の文字数にルビ振りしようとするとバグるみたいですね。
いつまで自分自身から目を背けるつもりだ?
そんな中途半端じゃ、また繰り返すぞ?
他ならない、自分の所為で。
「ん………」
陽の光を浴びて、目が覚める。
「……ここは、保健室か」
奇しくも、見知った天井。
(……確か、無人機の襲撃があって…そうだ、三機目の無人機にやられそうになって、それで…)
思い出される、高揚感、全能感。
そして、それらすら塗りつぶさんと頭を支配した──
怒り。
「…はぁ」
思わずこぼれるため息。
自分はあの
振り切ろうとした過去と重なって、自分自身の不甲斐なさに怒りが湧いた。
それは、つまり、未だ自分はみっともなくあの人に────
「…クソッ、情けねぇ………」
我ながら愚かな男だと、手で顔を覆い隠す。
今はただ、指先の冷たさで、思考に走るノイズを誤魔化したかった。
「…………………………」
少しずつ、それでも確かに、自分を取り巻く状況は変わりつつある。
自分の記憶が通用しなくなるのではないか?
今回の一件でそれをひどく痛感した。
思考を回す。
少なくとも知識をアテにして受け身のままでいるのは悪手。
かと言って、どう動く?
動くにしたって、独力で?それとも協力者を?
織斑、はもれなくあの女共がセット、話にならん、論外。
担任…無理だな、身内ですら無い俺が、個人的協力を取り付けるのは不可能だろう。
副担任も織斑以外の男はダメだって話だし、それ以外の教師との面識は無いし。
なら外の企業?モルモットコースまっしぐらだろう、却下だ。
残された候補の一人は……まだ、気持ちの整理も踏ん切りもついて無い。
今のままじゃ、また一人で拗れるだけだ…。
他に自分が全幅の信頼を置けるもの……
ダメだ、自分の持つ人脈、というか、人間関係が終わってる。
「…一先ず、人を呼ぶか」
問題から目を逸らした俺は、職員を呼び出すボタンを押すのだった。
◇◇◇
保健室に飛び込んできた保健医の先生と共にやってきた織斑先生。
曰く、俺はあの日から既に丸一日寝たきりだったらしい。
恐らくの原因は、戦闘による過度のストレスと多量の出血だそうだ。
映像を見せられた。
ボロボロになったISを纏った俺が、無人機に突っ込み、アリーナから飛び出す。
内心、あ〜そういやこんな感じだったな…と納得する傍ら、織斑先生から説明が入る。
「この後のことに関しては情報が無くてな。教員が駆けつけた時には既に終わっていたとの事だ」
そう言われ、同時に翼のアクセサリーが付いたネックレスを渡される。
それは俺のISの待機形態。
「整備と共にログやシステムを精査した結果、ある一点を除いて、不審なログは見られなかった。ともすればそのまま戦闘して勝利した、という事になるだろうが」
「そうですね、俺も無我夢中だったけど、概ねそんな感じだったと思います」
首に掛け、件のログを確認する。
「コレは、
【単一使用能力“復讐者”】
ロックが掛かっている上、文字化けしている為詳細を確認することは叶わないが、唯一読み取れるのは、俺のISには
本来は、例外を除けば
「何故今、そもそも文字化けて……」
予想外の事態に頭を抱える。
考えなければいけない事が増えた。
一先ず────
ぐぅ〜
「腹減ったんで、飯食いに行っていいですか……」
◇◇◇
目覚めたのが早朝だったという事、体調面は既に万全だった事、聞きたいことや
それらのお陰で早速クラスに復帰する事になった。
教室に入って早々、視線が集まる。
「…ッ」
『…生きてたんだ』
『運が良かっただけでしょ』
『大人しく引きこもっとけば良かったのに』
フラッシュバックする過去の、蔑む視線と言葉の数々。
出来るだけ周囲の言葉や視線が入ってくる前に、意識から外すようにして────
「おはようアザミ!聞いたぞ、のほほんさん達を守ったんだろ?しかも二機も倒したって!すごいじゃないか!」
「…………」
鬱陶しい声で捲し立てられ、肩を叩かれる。
一々反応するのも面倒だし、コイツの言う事に反応するのは時間の無──
「皆もすごかったって言ってるぞ!」
「…は」
「マジ助けられたって感じだったわ〜」
「あのままじゃ私達どうなってたか分からなかったよね〜」
「いやー、さすが一組最強は違うわ」
「お待ちなさい、それは聞き捨てなりませ──」
既視感。
少し前にも、似たようなことが──。
ズキン
「ッ────!」
「アザミ?どうし、あ、おいアザミ⁉︎どこ行──」
「あ、ユッキーおは──」
頭が痛い。
おかしい。
変わることを望んだのは俺なのに。
こんなに簡単に変われるなんて!
今朝の威勢はどうした。
なんで、こんなにも変わる事を受け入れられない?
なんで『僕』は受け入れられなかった⁈
アタマがイタい。
「ハァッ、ハァッ…!」
これが変わる?
違う、『俺』が望んだのは変化はこんな物じゃ──
本当に?
決して、決してこのクズ共と馴れ合うことじゃ……。
どうして?敵じゃ無いなら、受け入れたって良いじゃないか!
「違う…『僕』は、そんなものは………そんなものは…?」
…そうだよなぁ!お前が本当に求めているのは──
「ユッキー!」
ハッと息を呑む。
気がつけば、屋上まで来ていたらしい。
フェンスの凭れ掛かるように座り込んでいた。
振り返る。
数メートル後ろで、心配そうに此方を見つめる視線。
そういえば、さっき教室ですれ違ってたっけ。
「大、丈夫…?」
チッ、今日はここまでかな……
フッと体から力が抜けた。
浅い呼吸が続く。
心臓がうるさい。
「ユッキー…?」
「あ、あぁ、ごめん…まだ少し、疲れが残ってたかな……」
無理がある言い訳だ。
思わず自嘲する。
情緒の乱高下の反動か、未だ体に力が入らない。
そのままフェンスに背を預ける。
(この調子じゃ、授業は出れないな……)
先生への言い訳を考えて、無駄な事だと即座に切り捨てる。
そういうのが通用する人じゃない。
「布仏さん、もう教室に戻ってて良いよ」
「………え、あ、ユッキーは、どうするの?」
「もう少し、ここで休むよ」
「…………………」
ちょっと疲れた。
頭がぼーっとするし、『俺』を取り繕う事すら出来ていないが、そんなことを気にする余裕も無い。
そのまま、瞼が落ち────
「じゃあ、私もサボっちゃお」
は?
「お隣失礼しま〜す」
「えあ、ちょ」
「それと〜……えいっ」
気がついた時には既に横を陣取られ、そのまま流れるように視界が90度傾く。
頬には、柔らかな感触が────
「あ、な、はぁ⁉︎」
「な〜でなで…」
「じゃなくて!」
急いで体を起こし──駄目だビクともしない⁉︎力つっよ!⁉︎
撫でてる手で押さえられただけで微塵も動けない⁈
「ちょ、何を…!」
「よ〜しよし」
「は、離し…」
「よ〜しよし」
「は、はなしを……」
「よ〜しよし」
あ、まず…おち……
◇◇◇
「あっさり寝ちゃった」
さっきまでの取り乱し様が嘘のようだ。
少し前の荒い呼吸も、今は穏やかなものに落ち着いている。
でも、少し強引すぎたかな?
スカート越しの髪の感触が少しくすぐったい。
不思議な男の子。
『何かあったら、連絡する様に』
たっちゃんの言葉が過ぎる。
ポケットにある端末に手が伸びて、辞めた。
少し疲れちゃった友達を、私が休ませてあげただけ。
わざわざ報告するまでも無いだろう。
そう結論付けて、再び彼の髪を撫で付ける。
ユッキー
不思議な、男の子。
なんで私を見てあんなに動揺したの?
なんで整備の仕方が私と同じなの?
なんで私を見る目は、あんなに優しくて苦しそうなの?
君は私を通して何を見てるの?
君にとって私は、何?
なんでこんなにも君は私の心を乱すの?
オリ主&のほほんさん:この後仲良く担任に怒られる。
今回の纏め
目標:翔びたーい、見返したーい
手段:ISに乗って力をつける。
:しかし、本当にそうでしょうか?