Infinite・Avenger -無限の彼方の復讐者ー 作:MAI²
もらった感想読んでニヨニヨしながら書いてます。
文字数って、何文字ぐらいがみんなちょうどいいんですかね…?
友人「Apexとガンダムのコラボか…」
ワイ「(息をしてない)」
友人「FPS、に限らずシューターゲー下手だもんな」
ワイ「(爆発四散)」
翔ぶ。
設定されたコースに従い、ひたすらに加速を重ねる。
「フッ!」
上がって、曲がって、下がって、時に切り返し、僅かな隙間に捻じ込む様に機体を滑り込ませる。
四つのスラスターを、常に稼働させ、加速を途切れさせない。
二転三転、目紛しく変わる視界と重力の流れを、無意識レベルで認識するまで体を振り回す。
より鋭く、より繊細に。
「────ッ!」
最終直線、瞬時加速。
しかし、届かない。
ゴールの前で加速の勢いが途切れる。
ならば、失速直前に、再度加速を!
「────ぁああ!」
PICを以て尚、殺しきれない加速度Gで肺の中を空っぽにしながら、最後の足掻きと手を前に伸ばす。
『Goal!』
つんのめった姿勢から、勢いを失い、地面に向かって一転二転。
「っと!」
気合いで姿勢制御、脚部で地面を抉りながら停止。
一拍の後に、緊張が解けた様に息を吐く。
「ッ、ハァ…ハァ…の…布仏さん…タイム…は?」
『4分59秒89、ベスト更〜新〜。5分の壁を切ったよ〜』
「…っしゃ!」
ISを解除するのも忘れ、肺の中の空気を交換する。
気を抜いてしまうとこのまま倒れ込みそうだったが、下はモロに土な為、なんとか我慢する。
そのまま数分、息を整えていると足音が届く。
視線を向ければ、俺の水筒とタオル、タブレットを手に持った布仏さんが。
「はい、お疲れ〜」
「……ありがとう、助かった」
「いや〜、良かった良かった〜。新しいラファールも、調子良さそうだね〜」
腕の装甲だけを解除し、飲み物とタオルを受け取り汗を拭いながらスポドリを口に流し込む。
一方の布仏さんは、手際良く機体の装甲の一部を外し、コード類をタブレットに接続してデータの収集と解析、調整を始める。
あの日から変わった事は二つ。
一つ、今まで一人でこなしていた訓練に、時々彼女が手伝いに現れる様になったこと。
今までは、基本的に整備だけを手伝ってもらって、訓練は一人でずっと繰り返してきた。
あの日以降、気が付けば記録やサポートを手伝ってくれるようになった。
彼女が加わる事で、自分だけでは出来なかったデータの収集や、訓練直後の解析が可能になったし、今の様に飲み物やタオルを持ってきてくれるのは、凄くありがたい。
そして、もう一つ。
それが俺のIS、ラファールについて。
剥き出しの身体部分をカバーするように増設していた装甲を変更、胸部をカバーする装甲のみにする事で機体の軽量化を図る。
さらに、サブアームにあったシールドを、予備のウィングスラスターに換装することで翼は4枚に。
更に機動力を得たことで、先のような高等技術も使えるようになった。
また、各部の出力値を改めて調整する事でより繊細な制御を可能に。
先日の戦闘を経て得た経験から成長した、ラファール・リヴァイヴ改二である。
一見、防御力がネックに感じられる機体だが、更に伸びた機動力があれば、被弾そのものを減らせる。
俺の頑張り次第、といったところ。
「布仏さんのお蔭だよ」
「むふふ〜、もっと褒めてもいいんだよ〜♪」
自慢気に腰に手、というより袖を当てて胸を張る。
短期間で此処まで大幅な改修が出来たのは、偏に彼女の力あってこそだった。
改めて彼女の凄さを思い知らされると同時に、自身の力不足を痛感する。
(っと、そろそろ時間か……)
アリーナの使用時間も迫ってきている。
彼女が作業を終えたのを見計らって立ち上がる。
「片付けは、やっておくから」
「いいの?それじゃ、お先〜」
「ごは~ん♪」と鼻歌を歌う彼女を帰し、一人後片付けに入る。
抉れた地面を整備し、機体の推進剤やシールドエネルギーを補充。
手早く更衣を済ませ、帰路に就く。
(ベスト更新、加えて二連加速の成功も安定してきた)
最近はなんだか調子が良い。
少し怖いくらいだ。
多分、これもきっと布仏さんのお蔭なんだろう。
心に余裕を感じる。
なんて事を考えながら部屋でシャワーを浴び、部屋着に着替え、その上からパーカーを羽織って食堂に向かう。
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
人の混む時間帯ではあるが、何やら今日は一段と騒々しい。
何かあったか…?
見れば食堂の一角で女子がスクラムの如き密集を見せていた。
生憎と学年別トーナメント以外で思いつくものが無いんだが──
「────?」
「そんなことっ」
「あるわけっ」
「ないよ⁉︎」
突然の声に、反射的振り返る。
織斑と女子の一団が何かを話して…?
あぁ、思い出した。
今日は『僕』が、織斑に誘われて奴の友人──五反田君の元へ遊びに行った日だったか。
その日の夕食の時がこんな感じだった筈だ。
…彼は元気にしているだろうか。
いや、切り替えよう、今の俺と彼じゃそもそも接点が無いんだから。
知り合いですらない、ただの赤の他人だ。
えっと、それで確か、女子が噂か何かで盛り上がっていて…女子の間だけの秘密?だったか?
生憎と男子である織斑と、それ以前に女子から嫌悪されていた『僕』ではその真相を知り得たことは無かったが。
まぁ、大方織斑絡みなんだろう…さっさと思考の隅に追いやって、飯を手に空いてる席を探す。
右に左に視線を走らせると、一人目立つ装いが目に入る、布仏さんだ。
ダボっとしたパジャマと大きめのナイトキャップが良く目立つ。
同じ席には既にクラスの女子。
…邪魔するのも悪い、か。
(いや、なんで見つけただけで一緒に食うことまで想定して……)
……心に余裕と言ったが、思考が緩み切ってるだけかもしれない。
距離感が少しづつ近づいてるかも、なんて思い上がりも甚だしい。
ソレが大きく鮮明になる程、その先にある絶望も大きい事なんか、とっくに知ってるくせに。
飛んで火にいる虫のような愚かさだ。
ミシリ…
思わず手元に力が入り、盆が軋む。
脳裏に走る薄暗い感情から意識を逸らし、空いてる一人席を探すのだった。
◇◇◇
「──また、このスーツは耐久性にも優れ、一般的な小口径拳銃の弾丸程度なら完全に受け止めることができます。あ、衝撃は消えませんのであしからず」
翌朝、クラスでは女子がISスーツカタログを囲んで盛り上がっている。
学園指定のものとは別の個人用の案内がきているからだ。
尤も、専用機を持っている奴や俺や織斑の様な異例は既に持っているから関係無い話ではあるが。
ちなみに、俺のは、臍が出ている織斑の物とは別タイプ、腹を出さないタイプだ。
肌の露出量による機体との反応の差異を調べるだかなんだかで支給された。
並の肌着類より優秀な性能があるから、今だって制服の下に着用している。
何より、有事の際にISを展開させた時、スーツを着用しているか否かで、エネルギーの消耗も大きく変わってくるんだ。
着ていて損はないだろう。
(んな事どうでも良いんだよ)
織斑先生の台詞も頭半分で聞きながら、教室の入り口を見つめる。
どちらも織斑に用があるんだから、今から警戒してた所で特段何がある訳でもない。
だが、思わず体に力が入る。
「ええとですね、今日はなんと転校生を紹介します!しかも二名です!」
「え…」
「…………」
「「「えええええっ⁈」」」
俄かに騒がしくなる教室。
「失礼します」
「…………」
しかしそれも一瞬で静まり返る。
無理もない、なんせその片方は──男子(笑)だったんだからな。
(くわばらくわばら……)
気休めにもならないまじないを内心唱えつつ俺は一先ず静観の姿勢を取るのだった。
◇◇◇
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことも多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします」
爽やかな笑顔を振りまいて満点の自己紹介。
呆気に取られたクラスも僅かながらに動き始める。
「お、男…?」
誰かがポツリと呟いたそれも、静まり返った教室ではよく聞こえた事だろう。
声の方向を向いたデュノアは、またも柔らかな笑みを浮かべながら口を開く。
「はい。こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入を────」
後ろに纏められた濃い金髪。中世的な顔立ちに、華奢な体。
なんとも人当たりの良さそうな笑み、それに見合った振る舞い。
正しく「貴公子」が似合う様相だ。
その“正体”を知らなければ多少の疑惑は残れども信じてしまえただろう。
「「「………スゥ」」」
一瞬訪れる静寂。
この後はお察しの通りだ。
耳を塞いで衝撃に備える。
「「「きゃ────────!」」」
重低音という訳でも無いはずなのに、体が芯から揺さぶられた気がした。
「男子!3人目の男子!」
「しかもうちのクラス!」
「正統派王子様系の織斑君!ミステリアス一匹狼系の雪待君!」
「そして守ってあげたくなる系の美形!」
「地球に生まれて良かった〜〜〜!」
他のクラスは普通にHR中だろう。
このクラスだけこんなんじゃ、苦情ものだろうな……。
完全に呆気に取られてるデュノアを放って勝手に盛り上がる女子共。
「あー、騒ぐな。静かにしろ」
「まだ自己紹介は終わってませんから〜!」
担任達の手によって何とか鎮静化が図られたらしく、耳を開放する。
一息ついて、もう一人の転校生に視線が集まる。
目を引くのは腰まで伸ばされた白銀の長髪と片目を覆い隠す黒い眼帯。
先の騒々しさの中でも一切の動揺を見せず、不動を貫く様は鉄の如く。
小柄な体格に見合わぬその空気は正に軍人のそれ。
「………………」
その視線は先の騒がしさを見せたクラスメイトを見下すような目付き。
「…挨拶をしろ、ラウラ」
「はい、教官」
すぐさま佇まいを直し、先生に返事をする。
突然の出来事にぽかんとする生徒、敬礼を向けられた張本人は、面倒くさそうな表情をしている。
「ここではそう呼ぶな。もう私は教官ではないし、ここではお前も一般生徒だ。私のことは織斑先生と呼べ」
「了解しました」
直後気をつけの姿勢を取る。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「「「……………」」」
沈黙。
続く言葉を待つクラスメイトだが、それ以上が続かない。
「あ、あの、以上…ですか?」
「以上だ」
にべも無い。
あんまりにも素っ気ない態度、これには山田先生も涙目。
そこで初めて奴から動きがあった。
視線の先は、織斑。
「!貴様が──」
バシン!
ボーデヴィッヒ渾身の一撃。
無駄の無い平手打ちが織斑の頬を襲う。
いいぞ、もっとやってやれ。
「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど、認めるものか」
そう告げた奴は、憤る織斑を無視して席に着く。
そのまま腕を組み、目を閉じて再び微動だにもしなくなった。
「あー…んん!ではHRを終わる。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。今日は二組と合同でIS模擬戦闘を行う。解散!」
手を叩いた織斑先生が必要事項を伝えた。
直後、すぐさま荷物を手に席を立つ。
「織斑、雪m────」
先生の声よりも早く教室から出る。
巻き込まれるのは御免だ。
足早にアリーナの更衣室へと向かう。
道中、早速話を聞きつけた女子が寄ってきたが、無心で足を進める。
そも、『僕』の時じゃ存在しないもの扱いだった癖して、何を
あちらも、噂の転校生が一緒じゃないと分かった途端に別方向へと向かっていった。
ほら、俺に対する価値なんて所詮そんなもんだろ。
それでも何人か声を掛けてこようとしてくるうっとおしいのがいる。
しつけぇ、奴らの事なんざ知ったことかよ。
耳に入る雑音を無視してその場を後にする。
『僕』はアイツらの引き立て役じゃないってのに。
更衣室のロッカーに荷物を入れ、さっさと制服を脱ぐ。
ところで、多少の改造が許容されているこの制服。
これで自分らの個性を出す生徒も少なくないとの話ではあるが、生憎と俺は
ゴテゴテしたものになった結果着替えに時間が掛かるようなら…というのが本音だし。
わざわざ改造してる奴らも、どうやってしてるんだ…?業者?まさか自前で…?
閑話休題。
思考を切り替え、さっさとグラウンドを目指す。
更衣室のドアが開いた直後、織斑達と出くわす。
「よーし、到着!ってアザミ!なんで置いてくんだよ、大変だったんだぞ」
「えっと、君は…」
「…………」
気にせず歩き出す。
そもそも、駄弁っている時間など元より無いんだから。
「アザミー!千冬姉から、同じ男だから面倒見ろってさー!頼むぞー!」
尚も声を張る織斑を無視して目的地へと足を進める。
同じ男、ね…笑えるよ。
◇◇◇
「一夏、彼って…」
「2人目の男子 雪待 薊。まぁ、ご覧の通り、シャイなんだ」
「本当にシャイで済ませて良いのかなぁ…?」
「今度は、シャルルも一緒に声掛けようぜ。そしたら話してくれるさ!きっと、多分、メイビー…」
「それは多分ダメなやつじゃないかな………」
◼️◼️◼️
6月△日
驚くべき事が起きた。
なんと転校生が来たのだ。
それも二人である。
一人はドイツから来たボーデヴィッヒさん。
出身は本人から直接聞いた訳じゃないが織斑君曰く、だ。
織斑先生はかつて訳あってドイツで教官をしていたらしい。
恐らくその時の関係者じゃないかとのこと。
織斑君へのビンタは驚いた。
…僕も出来れば関わらない方が良いだろうか。
もう一人はフランスから来たデュノア君。
なんと、3人目の男子だというのだ。
とっても喜ばしいことだ。
ただでさえ男子二人で肩身が狭いIS学園、同性の仲間が増えるなんて思いもしなかった。
まだ学園に慣れてないんだろう、少しよそよそしい感じはするが、僕自身コミュニケーションが不得手なんだ、下手は下手なりに根気よく行こう。
デュノア社社長の息子さんで、使ってるISも僕のと同じラファールのカスタム機らしいし、先ずはそこから話してみようかな。
実技実習は、少ししんどかったな…というか、ISに関してはまだまだド素人の域を出ないんだから、僕も習う側に回りたかった。
僕無しでも出来ていたし、本当に僕の存在は必要だったかな?
布仏さんだけが唯一の味方だった……。
もっと頑張らなきゃ。
追記:最近、翔ぶのが楽しい。僕は戦闘よりこっちの方が向いてるのかもしれない。今日は瞬時加速も全部成功した。コツも掴めた気がする。
布仏さんから聞いた話だと、翔ぶ事がメインの競技なんかもあるらしい。そういう方面の実力を伸ばすことも視野に入れてみようか。
織斑君も布仏さんも応援してくれたし、色々調べてみようかな。
【死亡した2人目男性操縦者の日記より抜粋】
オリ主:心が軟化したり硬化したり忙しい人。
日本人とは思えないくらい整ってる鼻筋がポイント。
ネーミングセンスがありきたり。
顔は割といい。上の中か下くらい。
そもそもここは女子高だからコッソリファンがいても不思議じゃない、イイネ?
改二:イメージは翼をコピペしたなんちゃってカスタムⅡ(緑)。
布仏さん的にはもっとカッコいい名前にしたいそう。
(本当はもっと早く書かなきゃいけなかったけど、タイミング忘れてた)
鳳 鈴音:好きな男に金魚のフンがいたら嫌だよね?だからせめて独立したフン程度にはしてやる。
好きな男は相変わらずにぶちんだし、こっちの気も知らないで女を山のように惚れさせて…イライラしてきたからサンドバッグにしてやる。
『僕』の中の痛みの記憶の由来の4割。