Infinite・Avenger -無限の彼方の復讐者ー   作:MAI²

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どうもmai²=デス。
今回は一応キャラ崩壊注意と書いておきますね。

あとお気に入り500超えてました、皆様方に感謝を。




第十三話

 

 

「「…………………………」」

 

(なんで、なんでこうなった…⁉︎)

 

控室を支配するのは痛いほどの沈黙。

非常に、ひっっっじょぉぉぉぉぉに不本意だが、抽選で組む事になったボーデヴィッヒと俺。

互いに会話が弾むなどという事が起こるはずも無く。

只々会場の準備が終わるのを待つばかり。

 

俺の思考を埋めるは疑問の嵐。

何故俺がここに居る?コイツのペアは篠ノ之の筈では?

クジでの抽選だろう?何故俺の知り得ない結果を叩き出すに至った?

それともなにか、俺の行動は遂に無作為な筈の事象にまで干渉を及ぼすようになったか。

 

今世(?)こそは宝くじに当たるかもね。

前世(?)も含め一度も買った事無いくせに何言ってんだ。

 

「いやいやそうじゃなくてだな…」

「さっきからブツブツと何を言っている…?」

 

現実を見たくないが余り、さっきから思考が逸れて仕方がない。

雑念を払おうと必死になって、思いがけず沈黙を破ることになってしまった。

なんだコイツ…みたいな目で見てくるボーデヴィッヒと目が合う。

 

「「……………………」」

 

互いに気まずい沈黙が再び…いや、気まずいのは俺だけか。

 

「悪りぃ……」

「……………構わん」

 

言葉も短く、目線も外れ再び沈黙が下りる。

時間を見るが、まだ予定よりも少しばかり時間がある。

相手である織斑とデュノアは今頃作戦会議でもしてる頃合いだろうか。

 

(……畜生、喉乾いたな……)

 

ストレスからか、口の奥がざらつく様な感覚に襲われる。

ついでに、()()()()()()()()も含めると胃が痛む。

幸い近くに自販機があった筈だ、何か買おうと腰を上げ「おい」。

 

「…どこに行くつもりだ」

「ここは息が詰まってしょうがねぇ、外の空気ぐらい吸わせろよ」

 

分かりやすく「ここに居たくない」と伝える。

しかし、奴は特に反応を示すでもなく「フン…」と鼻を鳴らしてそっぽを向く。

特にお咎めは無いらしい、ロッカーに突っ込んだジャージの袖に腕を通す。

控室を出ようとドアに向かって足を進めて、背後から声が掛かる。

 

「…一つ、聞かせろ」

「あ?」

「雪待 薊、今この学年において最強と呼ばれる貴様は、その強さを以って何を望む?」

「強さ?お前が?俺を強いだぁ?」

「学園内の資料は可能な限り確認した。有象無象共(生徒共)の戯言にも、並ぶのは貴様の名ばかり。代表候補生に並び、それを超える実力を示した貴様は、確かに強者と呼べる存在だ。無論、私とシュヴァルツェア・レーゲンの前では敵では無いがな」

 

……………………………………コイツ本当にボーデヴィッヒか?

なんか、背筋がゾワゾワするんですケド。

 

「なんだ、まだ不服か?ならば、先ずは私が強さに拘るようになった理由から説明してやろう。コレは私がまだ「分かった分かった、いい!要らん!結構!」むぅ…」

 

待て、本当に本人かコイツ⁉︎

すっごい饒舌に喋るじゃん⁉︎アンタ誰よ⁉︎

 

ハァ…試合前からなんか疲れた………んで、俺の望みだったか?……………(『僕』)は、ただ飛びたいだけだよ、コイツ(IS)とな」

「飛ぶ…?」

「ISは、本来は宇宙(ソラ)を飛ぶ為に生まれたものだ。それが他でも無い生みの親に在り方を歪められただけでな」

「………………」

(『僕』)は、ただコイツ(IS)らが在るべき姿で、在るべき使命を全うして欲しいだけだ」

「………しかし、それは「世界は、認めないだろうな。どうしたってISは、兵器として優秀すぎた」………」

 

「だから(『僕』)は、世界がどんな目でコイツ(IS)らを見てようと、(『僕』)だけは、コイツ(IS)らを翼として受け入れ、共にありたいと考えてる。それだけだ」

 

無駄に時間を取られた。

今度こそと足を進める。

 

控室を出れば、六月も末だというのに、通路の空気はひんやりと感じた。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「あ、ユッキーだ〜ラッキ〜」パタパタパタ…

「布仏さん?なんでここに…」

 

ペットボトル片手に壁に寄り掛かっていた。

乱れた精神を落ち着けていると、通路の向こう側、生徒用客席側から布仏さんが向かってきた。

気持ち早足に見えるが、実はアレで結構小走りなのが分かるのは本人を除いて何人だろうか。

にしても、ラッキー?

 

「いや〜着替えてる時に対戦表が発表されたじゃん?まさか一回戦からユッキーの出番だとは思ってなくて焦っちゃった〜さてさて、お手を拝借〜♪」

 

そう言って、徐に俺の手を取って…って。

 

「あ、あの布仏さん??」

「えっとえっと〜ジャガイモジャガイモジャガイモ〜〜」

「ソレは人と書くのでは…?」

 

俺の掌にジャガイモと三回書いて……?

 

「はむ!」

「???」

 

可愛らしい擬音と共に、掌のジャガイモがのほとけさんのくちのなかにのみこまれた。

てのひらにやわいなにかがふれて?????。

 

「?????????」

「緊張しなくなるおまじない〜…あれ?何か間違えた?ま、いっか!」

 

???????????????

 

「じゃ、じゃあ頑張って〜〜」パタパタパタパタパタ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

「………む、戻ったか、もう間も無く予定時刻に…待て、どうした、何があった?何故目を見開いてうわ無表情で準備しだすななんでそんな昂っておい人の話を聞いているのか貴様ちょ、待っ──

 

 

 

 

「ハッ」

 

真っ白な光が奔ったかと思えば、瞬間目の前の視界が開く。

 

「ピットのカタパルト…?」

「漸く気がついたか…」

 

呆れた声に反応して横を向けば、漆黒の装甲を身に纏ったボーデヴィッヒ。

見下ろして、自身も既にISを纏っている事に気がつく。

 

(一体何が……何か、物凄いことを経験した気がするけど…)

「惚けたままであれば、肉壁にするつもりだったが、まぁいい。精々私の邪魔はしない事だ。貴様はフランスの(デュノア)を墜とせ」

【You have control】

「ったく、勝手にやってろ、俺は俺なりにやるだけだ──I have」

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ、シュヴァルツェア・レーゲン──出撃する」

 

「雪待 薊、ラファール・リヴァイヴ改二──出ます!」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「まさか雪待君と組まれるとはね…!」

俺もなんでここにいるか分からねぇんだよなぁ……

 

「一戦目で当たるとはな。待つ手間が省けたというのものだ」

「そりゃあなによりだ。こっちも同じ気持ちだぜ」

 

「「叩きのめす…!」」

 

互いが抱える因縁で闘志を燃やす二人。

開幕のブザーで、両者が激突するのは当然の帰結だった。

 

「おおっ!」

「フン」

 

瞬時加速(イグニッション・ブースト)で突っ込む織斑に掌を向け迎えうつボーデヴィッヒ。

奴の機体に搭載された第三世代型兵器“AIC(Active Inertial Canceller)”──「慣性停止結界」によって織斑は自身の動きを拘束される。

織斑の“零落白夜”なら、ソレを斬り伏せる事も出来ただろうが、動きの読みやすい腕を止められれば意味は無い。

 

「くっ…!」

「開幕直後の先制攻撃、分かりやすいな」

「…そりゃどうも。以心伝心で何よりだ」

「であれば、私が次にどうするかも分かるだろう?」

 

大口径リボルバーカノンがその砲口を定める。

 

「させないよ」

 

そこに差すオレンジ色の影。

デュノアのアサルトカノンによる援護射撃(バースト弾)が炸裂する。

カノンの砲口を逸らされ、砲弾は空を切る。

それだけでは終わらんと、追撃を浴びせるデュノアに、後退するボーデヴィッヒ。

 

「チッ…!何をしている雪待 薊!」

「逃がさn「俺は俺なりにって言ったろ」っとぉ!」

 

奴の得意技能、“高速切替(ラピッド・スイッチ)”のタイミングに差し込むように、スナイパーライフルによる妨害を挟む。

当たるとも思っていなかったそれが回避されたのを見るよりも早く、俺も即座に武装を切り替えつつ突っ込む。

自動拳銃による射撃、直後にすかさずブレードで斬りかかる。

 

「シャルル!」

「うん!」

 

その瞬間、瞬時加速で向かってきた織斑と宙返りしたデュノアが互いの位置を入れ替える。

瞬間的なスイッチによる前衛と後衛の交代。

俺のブレードが織斑の“雪片弐型(ゆきひら にがた)”に受け止められる。

 

「大した連携だ、な…!」

「アザミも、訓練に、来いよ!」

 

そのまま打ち合う俺と織斑。

しかし、近接特化の白式と織斑相手には分が悪い。

押し込まれない様に逸らすのに忙しい。

下がろうにも、鬱陶しいぐらいに張り付いてきて振り切れない。

 

「しつけぇ…!」

あの時(決闘の時)は、マトモに勝負出来なかったからな!」

 

俺には距離を取らせないつもりらしい。

ここで足を止めれば、奴の背後で控えるデュノアの銃火器が火を吹くのは明確だ。

 

(が、別に俺に策が無い訳じゃねぇよ…!)

「剣ばかり見過ぎだ!」

「グッ⁉︎」

「一夏⁉︎……わぁ⁈」

「………チッ」

 

機体を捻り、奴の胴部を足場に下に跳ぶ。

織斑と俺は上下に弾かれ、互いの背後で控えていたデュノアとボーデヴィッヒの射線が通る。

その時、鋭利なワイヤーブレードが先まで俺が居た空間を薙ぐ。

前のめりになっていたデュノアも、咄嗟に距離を離す。

下手人は、言うまでも無いだろう。

 

「味方の雪待君ごと⁉︎」

「んにゃろ……当てる気だったなぁ…!」

「言った筈だ、奴は私の獲物だと…!」

 

お相手(織斑)に余程ご執心と見た、味方でもお構いなしらしい。

地表で体勢を整え、視線を上げれば、斬り結ぶ織斑とプラズマ手刀も携えたボーデヴィッヒによる剣戟。

俺の正面にはデュノアが降りてくる。

 

「こうやって直接戦ったことはまだ無かったよね」

「…そうだ、な」

「「……………………」」

 

一瞬の沈黙。

 

「「!」」

 

どちらから、という事もなく、同時に武装を構え撃ち合う。

 

「俺を先に潰そうってか、先に奴が落とされるぞ?」

「そうならない為にも、此処で僕が頑張らなきゃ、ね!」

 

不意を突いてブレードを振るうも、鏡合わせのようにブレードで対処される。

"砂漠の逃げ水(ミラージュ・デザート)"、臨機応変に武装を切り替えながら自身の間合いを保つ戦法。

奴の“高速切替(ラピッド・スイッチ)"も合わさることで、ソレはより凶悪さを持つ、が……。

 

その()り方は何度も見てんだよ…!

 

「なら、その間合いに合わせるだけだろ!」

「マジかぁ……!」

 

奴の間合いで、俺の得意を押し付ける!

射撃には、散弾で面を制圧する。

回避先には、グレネードを投げ込みルートを狭める。

苦し紛れの反撃で出来た隙に、斬撃を浴びせる。

 

「しっかも、さっきからソレ…!」

「お前だけの専売特許じゃないんだよ!」

 

高速切替(ラピッド・スイッチ)

ソレはあくまで技術。

であれば、ソレを(『僕』)が修められない道理は無かった。

 

離れた所で、土煙が上がる。

……………頃合いだろう、そろそr「ハハッ」

 

「ちょっとズルくないかなぁ…………⁉︎」

「────」

 

まぁ、今俺がやってることって、コイツの上位互換みたいなことだし。

人生は一度きり、これは世の常。

分かる分かる、それは『僕』も通った道だから。

やり直しなんて、効くはずないのに。

 

「…………ハッ、ホントにな」

「え?」

 

瞬間、視界が煙に覆われた。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

ラウラの一撃で地面に叩きつけられた一夏。

 

(すぐに体勢を立て直さねぇと!)

 

そう思った一夏が目にしたのは、レールカノンが既に此方に照準を合わせたところだった。

 

「とどめだ」

 

無慈悲に放たれる対ISアーマー用特殊徹甲弾。

先の視界の端で捉えたパートナーであるシャルルは、敢えなく薊に苦戦を強いられていた。

援護は期待出来ない。

 

(回避は間に合わない!それなら…斬る!)

 

一抹の希望を切り拓かんと右手に力を込めて──違和感。

 

「⁈」

 

動かない。

叩きつけの際に右腕に絡みついていたワイヤーブレードが、未だ一夏の動きを阻んでいた。

 

(あぁ!ちくしょ「ぉぉぉお待ぁたぁせぇ!!」

 

ガギィィィン!

 

弾丸の如き速度で割り込んだそれが重厚な音を響かせ、ラウラの砲撃が間一髪の所で逸らす。

オレンジの鮮やかな装甲を煤けさせ、汗で髪を肌に張り付けたシャルル。

瞬時にワイヤーブレードを切断し、一夏を引き上げた。

 

「シャルル!…助かった!ありがとうな。でも、アザミは…?」

 

まさか何か逆転劇が…?

 

「………………………彼は」

 

そのセリフに、シャルルの脳裏に先の少ない僅かな会話が思い起こされる。

 

 

 

『な、コレ、煙m『聞け』わ、近っ⁉︎』

 

二人を覆って余りある過剰な煙幕によって、観客からの視線は遮られる。

シャルルの機体の胸部装甲を掴み、引き寄せる薊。

その距離は、ISの拳一個分しか無い。

 

『お前は織斑の援護に行け』

『え、何を』

『邪魔はしない、そのままボーデヴィッヒを墜とせ』

『は、ちょ、何を言っ『時間はないぞっ』なんっ振りかb』

 

『オラ、行ってこい…よっと!』

『うわああぁぁぁぁぁ⁉︎⁈』

 

 

 

シャルルはそれはイイ笑顔で笑った。

 

「うん、絶対後でぶん殴る!」

「本当に何があった⁉︎」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「チッ、使えない奴め……!」

 

「なーんて考えてんだろうな」

 

この後の事に備えて、シールドエネルギー補充剤で機体のシールドエネルギーを回復させておく。

このトーナメントのルール上でも、一つまでなら使用が許可されている所謂回復アイテム。

尤も、使用中は無防備になる上、回復量も全体量の数割にも満たないから、そうそう使う奴はいないが、まぁないよりマシだ。

観客の視線はあの三人に釘付けなんだ、壁際に寄っておけば注目もされんだろ。

仮に気づかれたところで、これからの事で全部持ってかれるんだ、と信じよう。

 

「にしてもまぁ、良くやるよ本当に」

 

雪待 薊にとって、織斑 一夏は好ましい人物か。

 

何時の(『僕』)かにもよるだろうが、最終的な総評は当然「否」だ。

すぐに問題を起こす、人を巻き込む上、毎度割りを食うのはこっち。

アレと親友を続けていられる五反田君には敬意を表する、割と真剣に。

 

だが、嫌になる程共にいたからこそ、俺は奴の努力も知っていた。

 

圧倒的に出遅れた環境で、必死に食らいつき、錆を落とし磨き上げた、奴の研鑽。

 

一年分先に進んだ経験値と三年による肉体改造を経た自分と、ISに乗って僅かな2ヶ月の織斑。

既に、近接戦でなら奴が上回るだろう。

それは先の打ち合いで嫌になる程分かった。

機体の性能差に目を瞑っても、結果は変わらないだろう。

 

速すぎる(眩しすぎる)んだよ、お前()は」

 

ガス欠を起こした事で意識から外された織斑による不意打ち(援護射撃)

“零落白夜”が使えない織斑に価値(勝ち)はない、という先入観を逆手に取ったアクション。

それに気を取られた奴に向けられた“灰色の鱗殻(グレー・スケール)”、通称『盾殺し(シールド・ピアース)』。

奴はソレを阻止──し損なう。

詰みだ。

 

アレの痛みはよぉく分かる。

ま、この後がもっとキツいから、精々気張れや。

 

あぁ、知らない人のために補足。

アレ、俺はまだ使ってない機能だが、リボルバー式で炸薬を装填出来るようになっているのだ。

だからまぁ、連射、出来るんだよね。

 

勝利を告げるゴングは四度鳴る。

 

シュヴァルツェア・レーゲンのシールドエネルギーが、底を突いた。

 

 

 





オリ主:Q.なんかキャラ違くない?
    A.過度なストレスと“おまじない”を受けたことによる温度差

『僕』:隠キャ特有のテンション上がると饒舌になる機能は標準装備。尚、それが発揮される機会があったかは不明。

この頃の『僕』にとっては、まだ憧れ。

シャル◯◯◯・デュノア:強い言葉を使うでもない、暴力に訴えるでもない。ただ、そこに在るだけの明確な拒絶。
理不尽なまでの「生理的嫌悪」。
これだけなら他人からのソレと変わりはない。
『僕』に効いてしまったのは、一瞬でも友情があると信じてしまったが故の反動から。
それでも彼にとって、織斑 一夏が『憧れ』であれば、シャルル・デュノアは『手本』だった。

のほほんさん:オリ主の視線には全部気がついている上、ここ最近思い詰めているのにも気がついていたから、激励に行ったつもりらしい。
その後クラスメイトに顔が赤いと指摘される。
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