Infinite・Avenger -無限の彼方の復讐者ー   作:MAI²

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どうもmai²=デス。
ヒロインの影も形も出て来なかったので初投稿です。

友人「曇らせやシリアスが好きとは言うがよ」
「うん」
友人「持ってくる設定もそう悪くないし、ちゃんとお前なりに考えてるのも分かるがよ」
「よせやい照れるz」
友人「存在自体がシリアルのお前にホントに書けんの?」
「なんてことを」



第一話

 

 

周囲は燃え盛っているのに、不思議と静かに感じた。

距離だって離れている、コアネットワークだって切ってるんだから、オープンチャットでの会話だって出来やしない。

だってのに、その声は何に遮られることも無く俺の鼓膜を揺らす。

 

『…一緒に戻ろうよ、皆、待ってるよ……?』

『皆…?誰だよ、皆って。ここまで堕ちた俺を、今更誰が待つってんだよ…………!』

『……そうかもね。でもね、例えそうでも、私は、私だけはって、待ってたの。待ってたんだよ』

 

『でもね、我慢、出来なかった。だから来ちゃった、この子とね』

 

『っ…………俺の前に立つ意味、分かってんだろうな』

『うん、言ってたもんね』

『二度目は無いっても、言ったぞ』

『言ったね』

『だったら、なんで…なんでソレ(IS)まで持ち出して………!』

『君に、帰って来て欲しかったから』

『…今までで一番の我儘だな』

『そうだね、今の私は、我儘だよ。…もっと早く言えれば、変わってたかな』

『……………………』

『ううん、今からでも遅くはないよね』

『ふざけろ…!』

 

変われる(止まれる)ものかよ、今更…!』

変われる(止める)よ、今からでも、きっと!』

 

きっとこれは、初めて(最期)喧嘩(殺し合い)

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春の日差し、散った桜の花びらを舞い上げる海風、それが遠くから運ぶ僅かばかりの海の香り。

 

それらを感じながら、既に何度も読み込んだ教科書を流し見る。

 

何ともごきげんな高校生活の始まりだろうか。

尤も……………

 

アレが2人目…

目つきワル……

いや、あれはあれで……

 

此処がIS学園で、教室の周りに群がる女共がいれば話は別だが。

何を言ってるのかまでは聞こえてないが、どうせ俺のことを貶すようなことを言ってるに違いない。考えるだけで鬱だ。

 

中三の冬、偶然にも(予定通り)適正検査でISを起動させた俺は、保護の名目でホテルに軟禁され、その間に何人もの政府やら研究所のお偉いさんがやって来ては一方的に小難しい言葉を並べて、小難しい言葉が並んだ書類にサインを書かせてきたりした。

まぁ一度見たことのある内容だったので、落ち着いてきちんと中身を理解してから署名したが。

一部俺の身に不利になりそうなモノはNOと言って突き返しやった。

あの時の顔は見ものだったな。

 

一度帰宅した際、郵便受けに大量の手紙やらが入っているのも確認したが、一々中身まで目を通してないし直ぐにゴミ箱に突っ込んだ。

どうせ誹謗中傷やらモルモットへの志願書やらだろうさ。

前の時はだいぶ応えた記憶がある。

 

この学園への入学に際して実技試験も受けさせられ、その際に少々トラブルも発生したが、特筆することもないだろう。肩慣らしには丁度良く、何処まで俺の知ってる流れで事が進むかの確認にもなった程度だ。

 

「織斑 一夏です!……………以上です!」

 

幸いにも今の所俺の知識の範囲外の出来事は起こっていない。

 

「げぇ⁈関羽⁉︎」

「誰が三国志の英雄だ馬鹿者」

「っだぁ⁈」

 

(うん、なんか笑う気力も湧かねぇわ)

 

呑気な光景(茶番)にウンザリしつつ、担任(世界最強)の登場に湧き上がる生徒の歓声から鼓膜を守る。

ついでに次に振られる台詞にも備える。

 

「雪待、このままお前も自己紹介を済ませておけ」

「分かりました」

 

ほら来たと立ち上がる。

一気に視線が集中して少々ゾッとするが、それを表に出さぬよう努めながら口を開く。

 

「雪待 薊、これと言った趣味はありません」

 

「以上です」と言って席に着く。

織斑先生の目がスゥと細まり、見えない圧力が襲ってくるが努めて無視。

他の生徒に興味を持たれても面倒なだけだ。

一切の会話の取っ掛かりをなくしてやる。

そもそも…

 

(三年間鍛えるので忙しくて趣味どころの話じゃなかったし、そもそも俺の事知りたいなんて考える奴がいないのはハナから知ってるし……)

 

言い訳じみたそれを内心並べて、少し虚しくなった。

 

最後に人の温もりってやつに触れたのは、いつだったか……なんて。

 

(あー、やめやめ。考えるだけでまた死にたくなる)

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

(全く、これでは一夏共々先が思いやられるな…)

 

周囲の視線をものともせず、鬱屈そうに窓へと目を向ける2人目を視界に収めながら、織斑 千冬は思案した。

 

初めて会ったのは、保護されたホテルへと教材や制服を持って行った時。

第一印象はいつぞやの、世界に対して深く諦めてしまった時の友のようだった。

 

もう何にも期待しないと、自分で証明して見せると言って、衝動のままに世界に大立回りをしてみせた「あの日(白騎士事件)」。

 

お前も敵かと語るその目には、深い諦めと確かな怒りがあった。

アレ()以外でも、こんな目が出来たのかと一種の畏怖さえ覚えたほどだった。

 

雪待 薊。

弟の後に見つかった2人目の男性操縦者。

両親は行方不明という、奇しくも似通った、天涯孤独の境遇。

 

違ったのは、その後ろ盾の存在。

一夏はまだいい、自分(世界最強)という存在が、周囲への牽制になる。

だが、雪待はそうもいかない。

案の定、国内外を問わず、多くの組織や機関が接触を試みた。

その中には、倫理や人道に反する物も多く含まれていたことに怒りを覚えたのは記憶に新しい。

 

両親を失ってからの彼の来歴が、この女尊男卑社会の被害者とも言えるモノだったのも、自身の中で確かな負い目になっていた。

 

ISの台頭により、元より危うかった社会のバランスが完全に崩れた。

女に生まれたというだけで自信を誇示する存在が増え、ありもしない権威を振り翳し、それを見た者も増長し、ソレに倣う。

 

いじめ、嫌がらせ、果てには冤罪と、幼い身ながらに多くの負を抱えて生きてきた雪待。

そんな世界を生み出してしまったのは、間違いなく自分達だ。

 

“今の世界を、どう思う”

 

入学前に、ふと気になって、そう問うた時があった。

思えば、今も逃亡生活を続ける友も、こんな気持ちで問いかけてきていたのだろうか。

 

「別に、なんとも」

 

そう答えた奴の目は、暗く昏く濁り澱んでいた。

自分より幾つも下の、弟と同い年の目だとは、思いたくなかった。

 

織斑 千冬、背負うは負い目と責任。

 

 

 

 






・冒頭…いずれ訪れる未来。

・オリ主…Q.担任について A.「ブラコン、公私混同、体罰に躊躇いが無い。教師向いてないよ」

期待はしない、もう出来ない。

スタート前から好感度がマイナスとかいう乙女ゲーの敵。

・ちっふー…青い時のやらかしのツケを払う時が来た。直接の指導は出来ないけど、事の根回しぐらいはしてくれそう。

・分岐:一定以上の(薊側の)好感度で師事することになりちっふー√、攻略最大の壁は天災。

・織斑 千冬…弟の身代わり程度にしか考えていなかった。負い目もなけりゃ引け目も無い。
基本無干渉、でも責任は被せる。
基本無関心、でも実力不足は指摘する。

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