Infinite・Avenger -無限の彼方の復讐者ー 作:MAI²
もういくつ寝るとクリスマスとお正月が来るので初投稿です。
友人「AC8ィ⁉︎」(Armored Coreのことだと思ってる)
「⁈」(Armored Coreのこと以下略)
友人「あ、ちげぇやacecombatの8が出るってさ」
「ビックリシタ…」
友人「何処でⅦを見落としたのかと…」
「おあーーーっ⁉︎」
友人「Ⅶ違いだ…止めておけ」
迎えた決闘の日。
指定されたピットで出番を待つ。
「……………………」
目を瞑れば、自分の呼吸する音と、心臓の鼓動だけが残される。
布仏さんの手を借りながら、武装の選定、機体の出力調整まで済ませた。
あとは、翔んで直接感覚を確かめれれば、御の字だったのだが……無理なものは仕方が無い。
「実質ぶっつけ本番、かぁ……」
脳裏をよぎる、四方八方から降り注ぐレーザーの雨、その隙間から見えた、こちらを見下す奴の目。
思わず震える手を、無理矢理握り込んで鎮める。
「シナリオは組んだ……後はただ、それをなぞるだけ……」
『雪待、たった今、織斑の機体が到着した。今から初期化と最適化処理を行うが、アリーナの使用時間は有限だ。順を繰り上げて、雪待とオルコットの試合を行う……行けるな?』
「……分りました」
出番だ。
「起きろ」
〔
胴体をカバーする為に追加装甲を加えた、深緑の装甲を身に纏う。
各部の出力や、ハイパーセンサーとのリンクに誤差が無いかも確かめ、準備が整った。
足部をカタパルトにロック。
〔接続を確認 電圧上昇〕
〔進路クリア〕
〔スラスター 点火〕
〔
「“I have.”」
「雪待 薊、ラファール・リヴァイヴ改……出ますッ!」
加速────機体が空中に躍り出る。
視界で流れる景色、一面の青、体で感じる負荷。
それら全てが、最早愛おしくまで感じる。
「…………ハハッ!」
思わず、久方ぶりの笑みが漏れる。
(あぁ、やっぱりこの瞬間が、俺は一番────)
通常規格よりも機動力に特化させた仕様。
スラスターだけじゃ無い、各関節部の出力にも手を加え、より運動性を伸ばした、俺のための機体。
この風を、この加速度を、この感触をもっと味わいたい──俺の意思を汲んだISが、さらに出力を上げる。
アリーナの縁を、ぐるりと一周回り、中央付近まで寄ってから停止する。
視界の端に、一瞬だが布仏さんやその他のクラスメイト達が見えた。
何処から聞きつけたのか、その他の生徒や教員までもちらほらといる。
(一応授業中の筈なんだが……暇なのかね)
『逃げずに出てきた事、褒めて差し上げますわ』
オープンチャンネルでオルコットが呼びかけてくる。
その表情には、圧倒的な自信が現れている。
「勝ち戦で逃げる理由も無いんでな」
『吠えましたわね……!』
ギリッと歯噛みするオルコット。
少し煽っただけでこれだ。
『まぁ、良いでしょう、最後のチャンスを差し上げますわ!今すぐ棄権し、泣いて詫びれば、観衆の前で無様を晒さずにすみますわよ?』
「………………」
『私とアナタ、代表候補生と唯の素人、結果は見えてますもの。この私の勝利は約束されているも同然ですわ』
「………………御託は終わりか?」
アサルトライフル、サブマシンガンを
スラスター出力を、巡航状態から戦闘状態へ移行。
〔
『それが答えですか……ならば踊りなさい、このセシリア・オルコットと、ブルー・ティアーズの奏る
『試合 開始』
即座に横方向へ飛び出す。
先まで頭のあった空間を、レーザーが通過する。
『避けますか』
「当然……!」
ライフルから弾を放つ。
飛行しながらの射撃、システムからのアシストもあるとはいえ、加速に追いつけてない。
狙いがブレる。
それが、奴にとっては隙となる。
『甘いですわ!』
「ッ!(思ったより反応速度とロック距離の精度が酷い!後で要見直しだな……!)」
反撃で放たれる一撃をスレスレで回避する。
ただ飛んで避けるだけなら、この機体のスペックなら可能だ。
しかし、こちらも撃ちながらでは、余裕をもった回避とはいかない。
加えて、あの銃にリロードの概念は無い。
銃身の過加熱によるオーバーヒートはあるだろうが、オルコットがそれを把握していない訳がない。
そうなると、弾切れの隙を狙う戦法も取れない訳だ。
ならばどうするか?
(狙撃の合間を掻い潜っての、近距離射撃……!)
『このっ……!』
(っ、今!)
飛んでくるレーザーの射線上、からギリギリ外れた直線を翔ける。
掠った装甲が、一瞬焦がされる。
両手の獲物を前に向け、目一杯引き金を引いた。
「当たれ……!」
反動制御もお構いなしの乱射。
しかし、狭まる距離が、奴に弾を届かせる。
『くっ、この……!』
距離を空けようと後退するが、速力はこちらが上だ。
狙撃を回避しつつ、ジワジワと距離をつめる。
このままいけば、確実に奴の元に手が届く。
しかし、そうはならないのが世の常だ。
『しつこい……!行きなさい!ブルー・ティアーズッ‼︎』
背後のウィングユニットが展開、分離。
機体と同じ名を冠する、遠隔無線攻撃機、BT兵装が、牙を剥く。
奴の一瞬の静止の直後、複数のレーザーが襲いかかってくる。
「チィッ!」
回避、射撃も諦め、ひたすらにフィールドを翔ける。
地面スレスレを翔べば、前後左右上方向と、様々な方向から襲いくるレーザーを、緩急、転換、バレルロールと、機動力に物を言わせて回避する。
『この……!ちょこまかと……!』
視界の端で捉えた奴の姿は、不動。
奴の弱点は、あのBT兵装を使用すると、ビットと機体のどちらかの制御しか出来ないこと。
つまり────
「(奴の意表を突く……!)そら!」
『投擲?届かせるとでも?』
空いた両手に呼び出したソレを投げつける。
案の定、奴はビットで撃ち落とし、濃密な煙が吐き出される。
二個分だ、かなりの量の煙幕が拡がり、俺も、オルコットも飲み込まれる。
『煙m……いえ、センサ……さかチャフ⁉︎』
ただの煙であれば、ハイパーセンサーを誤魔化す事は出来ない。
対IS戦において、煙幕は戦術的価値は低い。
だから、さっき投げたのは、対ハイパーセンサー用のチャフだ。
ほんの一時的にだが、ハイパーセンサーを無力化できるとんでもない代物だ。
尤も、巻き込まれれば俺もハイパーセンサーは使い物にならない。
ならないが、視界そのものは生きてる。
なんの為に地面スレスレを飛んでたか。
何も、奴のビットに攻撃させる点を制限するだけが目的じゃない。
あのチャフは、僅かにだが光の影響を受ける欠点がある。
見上げると、陽の光で、若干だが、確かに奴の影が浮かんでいるのが見える。
影の大きさからして……距離がある、チャフからの離脱を優先したようだ。
つまり、ビットの操作が疎かって訳だ。
灰の鱗殻
加速停止、エネルギー放出、再吸収。
圧縮、スラスター……再点火
「かっ飛べ!」
チャフを突っ切れば、もう奴は目と鼻の先。
「なっ⁈この視界の中、どうやって⁉︎」
「っらぁ!」
「きゃあ⁈」
腕のシールドに、サブアームのシールドも添えて前面に押し出し、壁となって突貫。
鉄の塊となった、即席大質量攻撃。
弾かれ、体勢を崩した奴目掛け、しっかりと構える。
「パージ!内部機構、加圧開始!」
シールド面が剥がれるように脱落。
“
「胴体ガラ空き……!」
「がっ⁈」
二度目の
構えのまま直当てし、腕を振り抜く────
「吹ッ……飛べッ!」
──と同時に、トリガー。
再び、しかし、先ほどとは比べ物にならない勢いで弾かれるオルコット。
アリーナの壁に激しく激突し、ブザーが鳴り響いた。
『試合終了 勝者:雪待 薊』
◇◇◇
「直感的に言わせて貰えば、その出自が本当か、尚更疑わしくなった、と言ったところね」
「これで彼も代表候補生として訓練を受けていたのなら、まだ分かるわ」
「でも、彼は機体を動かした時間なんて精々数時間程度」
「それであの動きをする素人が、そうそう居てたまるもんですか」
「何処かの密偵と言われた方がまだ納得出来るわ」
「実技試験、今回の決闘騒ぎ……既に彼は二回に渡って、大きずぎる爪痕を残しました」
「IS学園の生徒の長、生徒会長であると同時に、暗部更織家の長である私、更織 楯無が命じます」
「本音、何が何でも彼の正体を掴みなさい。期間は問わないわ、手段もね。無論、私自身も動くけど」
「事と場合によっては、然るべき“対処”が、必要になるわ」
「雪待 薊君……貴方は一体、何処の何者……?」
『僕』:一度も勝った経験の無い、負け癖のついてしまった可哀想な男の子。
好きな子の前でもカッコつけれない自分が大嫌いだったけど、同時に諦めてもいた。
只々飛ぶのが好きで、その為だけにISに乗り続けた。
布仏 本音:気になる男の子が傷ついていく様を見ている事しか出来なかった。
時には自分の目の前で大怪我を負うこともあったので、本当はもうISに乗って欲しくなかった。
周囲と、他でもない本人がそれを許さなかったが。