Infinite・Avenger -無限の彼方の復讐者ー   作:MAI²

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どうもmai²=デス。
もういくつ寝るとクリスマスとお正月が来るので初投稿です。

友人「AC8ィ⁉︎」(Armored Coreのことだと思ってる)
「⁈」(Armored Coreのこと以下略)
友人「あ、ちげぇやacecombatの8が出るってさ」
「ビックリシタ…」
友人「何処でⅦを見落としたのかと…」
「おあーーーっ⁉︎」
友人「Ⅶ違いだ…止めておけ」


第六話

 

 

迎えた決闘の日。

 

指定されたピットで出番を待つ。

 

「……………………」

 

目を瞑れば、自分の呼吸する音と、心臓の鼓動だけが残される。

 

布仏さんの手を借りながら、武装の選定、機体の出力調整まで済ませた。

あとは、翔んで直接感覚を確かめれれば、御の字だったのだが……無理なものは仕方が無い。

 

「実質ぶっつけ本番、かぁ……」

 

脳裏をよぎる、四方八方から降り注ぐレーザーの雨、その隙間から見えた、こちらを見下す奴の目。

 

思わず震える手を、無理矢理握り込んで鎮める。

 

「シナリオは組んだ……後はただ、それをなぞるだけ……」

『雪待、たった今、織斑の機体が到着した。今から初期化と最適化処理を行うが、アリーナの使用時間は有限だ。順を繰り上げて、雪待とオルコットの試合を行う……行けるな?』

「……分りました」

 

出番だ。

 

「起きろ」

全展開 ラファール・リヴァイヴ 起動(やっとね、待ち侘びたわ)

 

胴体をカバーする為に追加装甲を加えた、深緑の装甲を身に纏う。

各部の出力や、ハイパーセンサーとのリンクに誤差が無いかも確かめ、準備が整った。

足部をカタパルトにロック。

 

〔接続を確認 電圧上昇〕

〔進路クリア〕

〔スラスター 点火〕

 

“You have control.”(さぁ、翔びましょう?)

「“I have.”」

 

「雪待 薊、ラファール・リヴァイヴ改……出ますッ!」

 

加速────機体が空中に躍り出る。

視界で流れる景色、一面の青、体で感じる負荷。

それら全てが、最早愛おしくまで感じる。

 

「…………ハハッ!」

 

思わず、久方ぶりの笑みが漏れる。

 

(あぁ、やっぱりこの瞬間が、俺は一番────)

 

通常規格よりも機動力に特化させた仕様。

スラスターだけじゃ無い、各関節部の出力にも手を加え、より運動性を伸ばした、俺のための機体。

 

この風を、この加速度を、この感触をもっと味わいたい──俺の意思を汲んだISが、さらに出力を上げる。

アリーナの縁を、ぐるりと一周回り、中央付近まで寄ってから停止する。

視界の端に、一瞬だが布仏さんやその他のクラスメイト達が見えた。

何処から聞きつけたのか、その他の生徒や教員までもちらほらといる。

 

(一応授業中の筈なんだが……暇なのかね)

『逃げずに出てきた事、褒めて差し上げますわ』

 

オープンチャンネルでオルコットが呼びかけてくる。

その表情には、圧倒的な自信が現れている。

 

「勝ち戦で逃げる理由も無いんでな」

『吠えましたわね……!』

 

ギリッと歯噛みするオルコット。

少し煽っただけでこれだ。

 

『まぁ、良いでしょう、最後のチャンスを差し上げますわ!今すぐ棄権し、泣いて詫びれば、観衆の前で無様を晒さずにすみますわよ?』

「………………」

『私とアナタ、代表候補生と唯の素人、結果は見えてますもの。この私の勝利は約束されているも同然ですわ』

「………………御託は終わりか?」

 

アサルトライフル、サブマシンガンを装備(コール)

スラスター出力を、巡航状態から戦闘状態へ移行。

 

メインシステム:戦闘モード 起動(さぁ、翔けましょう?)

『それが答えですか……ならば踊りなさい、このセシリア・オルコットと、ブルー・ティアーズの奏る円舞曲(ワルツ)で!』

 

『試合 開始』

 

即座に横方向へ飛び出す。

先まで頭のあった空間を、レーザーが通過する。

 

『避けますか』

「当然……!」

 

ライフルから弾を放つ。

飛行しながらの射撃、システムからのアシストもあるとはいえ、加速に追いつけてない。

狙いがブレる。

それが、奴にとっては隙となる。

 

『甘いですわ!』

「ッ!(思ったより反応速度とロック距離の精度が酷い!後で要見直しだな……!)」

 

反撃で放たれる一撃をスレスレで回避する。

ただ飛んで避けるだけなら、この機体のスペックなら可能だ。

しかし、こちらも撃ちながらでは、余裕をもった回避とはいかない。

 

加えて、あの銃にリロードの概念は無い。

銃身の過加熱によるオーバーヒートはあるだろうが、オルコットがそれを把握していない訳がない。

そうなると、弾切れの隙を狙う戦法も取れない訳だ。

 

ならばどうするか?

 

(狙撃の合間を掻い潜っての、近距離射撃……!)

『このっ……!』

(っ、今!)

 

飛んでくるレーザーの射線上、からギリギリ外れた直線を翔ける。

掠った装甲が、一瞬焦がされる。

両手の獲物を前に向け、目一杯引き金を引いた。

 

「当たれ……!」

 

反動制御もお構いなしの乱射。

しかし、狭まる距離が、奴に弾を届かせる。

 

『くっ、この……!』

 

距離を空けようと後退するが、速力はこちらが上だ。

狙撃を回避しつつ、ジワジワと距離をつめる。

このままいけば、確実に奴の元に手が届く。

 

しかし、そうはならないのが世の常だ。

 

『しつこい……!行きなさい!ブルー・ティアーズッ‼︎』

 

背後のウィングユニットが展開、分離。

機体と同じ名を冠する、遠隔無線攻撃機、BT兵装が、牙を剥く。

 

奴の一瞬の静止の直後、複数のレーザーが襲いかかってくる。

 

「チィッ!」

 

回避、射撃も諦め、ひたすらにフィールドを翔ける。

地面スレスレを翔べば、前後左右上方向と、様々な方向から襲いくるレーザーを、緩急、転換、バレルロールと、機動力に物を言わせて回避する。

 

『この……!ちょこまかと……!』

 

視界の端で捉えた奴の姿は、不動。

奴の弱点は、あのBT兵装を使用すると、ビットと機体のどちらかの制御しか出来ないこと。

つまり────

 

「(奴の意表を突く……!)そら!」

『投擲?届かせるとでも?』

 

空いた両手に呼び出したソレを投げつける。

案の定、奴はビットで撃ち落とし、濃密な煙が吐き出される。

二個分だ、かなりの量の煙幕が拡がり、俺も、オルコットも飲み込まれる。

 

『煙m……いえ、センサ……さかチャフ⁉︎』

 

ただの煙であれば、ハイパーセンサーを誤魔化す事は出来ない。

対IS戦において、煙幕は戦術的価値は低い。

 

だから、さっき投げたのは、対ハイパーセンサー用のチャフだ。

ほんの一時的にだが、ハイパーセンサーを無力化できるとんでもない代物だ。

尤も、巻き込まれれば俺もハイパーセンサーは使い物にならない。

ならないが、視界そのものは生きてる。

 

なんの為に地面スレスレを飛んでたか。

何も、奴のビットに攻撃させる点を制限するだけが目的じゃない。

 

あのチャフは、僅かにだが光の影響を受ける欠点がある。

 

見上げると、陽の光で、若干だが、確かに奴の影が浮かんでいるのが見える。

影の大きさからして……距離がある、チャフからの離脱を優先したようだ。

つまり、ビットの操作が疎かって訳だ。

 

灰の鱗殻 装備(コール)

加速停止、エネルギー放出、再吸収。

圧縮、スラスター……再点火

 

「かっ飛べ!」

 

瞬時加速(イグニッション・ブースト)

 

チャフを突っ切れば、もう奴は目と鼻の先。

 

「なっ⁈この視界の中、どうやって⁉︎」

「っらぁ!」

「きゃあ⁈」

 

腕のシールドに、サブアームのシールドも添えて前面に押し出し、壁となって突貫。

鉄の塊となった、即席大質量攻撃。

弾かれ、体勢を崩した奴目掛け、しっかりと構える。

 

「パージ!内部機構、加圧開始!」

 

シールド面が剥がれるように脱落。

盾殺し(シールド・ピアース)”の渾名を持つ、この灰の鱗殻の大本命が姿を現す。

 

「胴体ガラ空き……!」

「がっ⁈」

 

二度目の瞬時加速(イグニッション・ブースト)

構えのまま直当てし、腕を振り抜く────

 

「吹ッ……飛べッ!」

 

──と同時に、トリガー。

 

再び、しかし、先ほどとは比べ物にならない勢いで弾かれるオルコット。

アリーナの壁に激しく激突し、ブザーが鳴り響いた。

 

『試合終了 勝者:雪待 薊』

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

「直感的に言わせて貰えば、その出自が本当か、尚更疑わしくなった、と言ったところね」

 

「これで彼も代表候補生として訓練を受けていたのなら、まだ分かるわ」

 

「でも、彼は機体を動かした時間なんて精々数時間程度」

 

「それであの動きをする素人が、そうそう居てたまるもんですか」

 

「何処かの密偵と言われた方がまだ納得出来るわ」

 

「実技試験、今回の決闘騒ぎ……既に彼は二回に渡って、大きずぎる爪痕を残しました」

 

「IS学園の生徒の長、生徒会長であると同時に、暗部更織家の長である私、更織 楯無が命じます」

 

「本音、何が何でも彼の正体を掴みなさい。期間は問わないわ、手段もね。無論、私自身も動くけど」

 

「事と場合によっては、然るべき“対処”が、必要になるわ」

 

 

「雪待 薊君……貴方は一体、何処の何者……?」

 

 

 





『僕』:一度も勝った経験の無い、負け癖のついてしまった可哀想な男の子。
好きな子の前でもカッコつけれない自分が大嫌いだったけど、同時に諦めてもいた。
只々飛ぶのが好きで、その為だけにISに乗り続けた。

布仏 本音:気になる男の子が傷ついていく様を見ている事しか出来なかった。
時には自分の目の前で大怪我を負うこともあったので、本当はもうISに乗って欲しくなかった。
周囲と、他でもない本人がそれを許さなかったが。

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