方言詳しく無いので容赦を!
あのNとの激戦から早1ヶ月が経っていた
ここ最近はあんまり観光とか行けてない
カントーにいる組スタッフの報連相を電話で聞き流したり、私がいない間に起こった問題点の解決策についての提案などで頭がいっぱいになり、楽しい事にも集中できずにいた。
手持ちのみんなー構ってあげれなくてーごめんねー
今度埋め合わせするわ 仕事なければねーたぶんねー
「組長お疲れさまです。一息つけましょうか」
「ああ 頼む」
私は目の前のスジモンにビビりながらも休憩の為に入れてくれたコーヒーに手をつける。
めちゃうま!バリスタ顔負けの美味さ‥!
何でスジモンやってるんだよ‥
さて私は今クルーザーでは無く、陸に上がりキキョウシティとエンジュシティの間にある隠れ家的でかなり小さなホテルにいる。ワビ組の資金でホテルほぼ貸し借り状態で最近は私の監視の為かカントーから組員が来るのでホテルは満室。ほぼアジトと化している
オーナー大喜び、私大泣き、組員大歓喜
はぁー‥辛いぜ イライラしてきた
「おい。なぜジョウトに組員が来ている? カントーの方は大丈夫なんだろうな」
「ええ大丈夫です 皆組長の事が心配なんです 最近ジョウトに妙な連中がいるので」
妙な連中?新たな挑戦者ニュースジモン?
まさかカントーから密入国して来てんのか?
おいおい勘弁してくれ
スジモンはこいつらだけでいいだろ
「この前タンバで組長とあの青年が捕まえた密猟者たち‥そいつらを泳がせてたんですが、そいつらの取引相手が‥ある組織と関係があるらしくて‥」
「何だと‥?」
「詳しくはまだですがポケモンが失踪する事件が相次いでまして、その事件を裏で引いているのがその組織かと」
「‥‥!」
ああ! 頭まわんねぇ! ジョウトにもスジモン増えるとか何なんだよ!今度は組織ぐるみとかかよ!
今まで、そういう組織潰してきたけど話聞く限り規模デカそうじゃないか!!!
カントーの仕事の確認とかもあるし、やる事多すぎて発狂しそうじゃよ!!!
ムカつきすぎて気絶しそうよおおお!
私はつい目を見開き、目の前のスジモンに目をやる
「ひぃ!く、組長!落ち着いてください‥!」
「‥しばらく出かける。後は任せた」
あかんわー イラつきが抑えられん!
ここにいると大泣きするくらい追い詰められている
ちょっと外に出て、気分転換や、手持ちの子も連れてキャンプするぞ!もしくはピクニック!
「組長‥お気をつけて‥」
私は扉を閉めてホテルを後にする
折角だし色々と甘いもんとかも食べたいね!
確かエンジュとキキョウの境目‥36番道路にキッチンカーのクレープ屋があった様な‥ 行ってみるか!
(組長‥行ってしまったか)
ワビ組組長が去った一室 ジョウト進出にあたっての補佐役の1人が組長が出ていった扉を見つめていた。
(相当お怒りの様だ‥無理もない。ポケモンの失踪なんて耐えられるものではないからな‥)
最近のジョウトは物騒だ。ワビ組を立ち上げる以前のカントーとは比べ物にならない程に
以前からジョウトの治安は乱れつつあったそうだが、ここ1ヶ月過ぎでここまで悪化するものなのか
(おそらく組長はこれを読んでいたんだろう‥現場を考えての行動もあったが、ジョウトで暗躍する組織を牽制する為に‥何という先見さだ。恐ろしい位に‥)
組長がジョウトに来たのはその組織による被害を少しでも食い止める為だ 組員を動員するには時間がかかる だからこそ組長が率先して動いた。
組の現状を把握した判断力とジョウトで暗躍する組織を牽制する計算高さは流石としか言えない。
(組長!俺たちはその組織にケジメをつけさせます!だからあいつらもカントーからあなたを慕って馳せ参じてきたんですから!)
ワビ組の組長を慕うものは多い。若頭自ら仁義、礼節、義侠心を叩き込み、社会の為の必要悪として存在し、自尊心を満たす教育のお陰で社会では生きづらい人間やポケモン達の居場所となっている。
それにジョウト出身の者も多くいる。
故郷を守るためにも力になりたいものがいるのだ。
そんな組織を作り上げた組長は彼らにとっての大恩人である。だからこそ彼に忠誠を誓う者は多い。
(しかし、4ヶ月前に組織としては解散したみたいだが何故ジョウトで活動を?何が目的だ‥?)
組長補佐役の1人がテーブルに置いてある資料に目を通す。ジョウトで暗躍すると言われている ある組織についての調査資料だ。
その組織は主に海外で暗躍した組織
かつてポケモンの解放を謳い
ポケモンの強奪や破壊工作などでイッシュ地方を震撼させた組織。
その組織の名前は━━
(プラズマ団‥!)
‥‥
‥‥‥
「ワタクシの目論見が!世界の完全支配がっ!!」
「‥‥」
はい 野望を打ち砕いてやりました。
これで世界は守れました!英雄組長の誕生だぜ!
誰が何をしようと!私を止めることはできない!
何がどうなっているのかって?
スジモンをボコした(ポケモンバトルで)それだけだ
目の前にいるのはゲーチスモドキのスジモン
私がストレス発散でボコしたサンドバックだ
ホテルを出て36番道路に行った私だが
なんとキッチンカーはありませんでした!
手持ちのポケモンと戯れつつクレープを食べさせようとしたが見事に頓挫した。私の目論見が!
そしてブラブラ散歩していたら、チラシ配りをしていた黒ずくめのおっさんがいた。
そのおっさんにしつこく話しかけられたお兄さん達を哀れに思い、無視して通り過ぎようとしたら何故かそのおっさんに因縁をつけられバトルになり、今に至る。
通行人の皆様は私を見て、驚いた様子で蜘蛛の子を散らす様に逃げていった。まあスジモンですしね。
「どう言う事だ‥!ワタクシはこれからのプラズマ団を担う完璧な男なんだぞ!どこの誰ともわからぬつまらぬトレーナーなんぞに!」
モノマネ上手すぎない?
パチモンなのかスジモンなのか分からんぞこれ
見た目はまあそこそこ、口調はゲーチスにそっくりでビビったわ まあ本人見た事無いのだが
モノマネ芸人か何か?それとも野生のゲーチス?
「おのれ!プラズマ団としてマズイ‥!略してプラズマズイの状況ですな‥!ここは退散しましょう。着流しのトレーナー!この屈辱忘れませんよ‥!」
その場から立ち去るゲーチスモドキのスジモン
ゲーチスの口調でそのセリフはいかんでしょ
思わず吹き出しそうになったわ。
終始ゲーチス口調だから笑いを堪えるの大変だったんだぞ!スジモンで鍛えた無表情フェイスが崩れそうになるとは‥やるやんけ
もっと芸を凝らすといいぞ。首を回したりとかさ
前世じゃゲーチスの首を回す動画見て意味分からんくらい爆笑した思い出がある
「カイロスありがとう 戻れ」
「カイッ!」
カイロスをボールに戻してボールを見つめる。
なんか敵の攻撃がノーコンみたいで私に当たりそうになるのが多かったが偶々カイロスが間にいたおかげで私には当たらずに助かった。まあカイロスには効いてなかったが。
喧嘩殺法で戦うカイロスは強かった
何故か2対1になったのだが、カイロスだけでいけるやろと舐めプしたら見事にいけた。
奴の手持ちのバッフロンとキリキザンの顔面をコンクリの壁に叩きつけたり、落ちていた木材で顔面にホームランかます姿はまさに極道が如く。
まあゲーチス(パチモン)だし、大丈夫っしょ!
「へぇえー見事なもんやな 着流しのお兄さん」
「ん?」
ゆっくりと後ろから近づいてくる気配を感じ取る。声からして女性か?明るい感じの声だ!
私はその場で振り返る
「デカいカイロスやったな 変わった戦い方して、なんや映画のカイリューが如く。みたいや」
おお! これまたネームド!
赤いラインが入った白のトップス!
紺色のホットパンツ!
黒と紺のストライプ模様のソックス!
髪色は桃色!髪型はおさげ髪!
間違いない!トラウマを植え付けてきたあのお方や!
何者なんじゃあ?
「あなたは‥」
「おお突然ごめんな うちはアカネ コガネシティのジムリーダーやで!よろしくなぁお兄さん!」
はいアカネさんです!
元祖ダイナマイトプリティギャル!
大阪弁ならぬコガネ弁で話す明朗快活な女の子!
当時ミルタンクに泣かされたキッズは多い事だろう。私もその1人だ。ああ‥トラウマが蘇る‥
しかしほぉほぉ‥! まじまじと見てみると良い体付きをしておる‥!HGSSから月日が経っているからか
身長もすらっと伸びているし、足つきも程よくムチムチしておられる‥だが一番すごいのは‥
「‥ん? なんや?うちの体に何かついてる?」
胸がデカい!
HGSSの時もでかいがそれより成長している‥だと‥! まさにダイナマイト!なんやねんその胸。動くたびにめちゃ揺れるねん 目がいってしゃーない
今も腕や体を動かしているのだがその胸が悲鳴あげているようだ。胸部への虐待だ!私に一体何を見せつけているんだ
あんなに天真爛漫な美少女が今やこんな美女に!
なんて事だ‥ かわいいという言葉では言い表せない
これはダイナマイト プリティ レディや!
「ははーん さてはうちに見惚れていたんやな? それもそうや!コガネ一の美女やからなぁ プリティ過ぎるのも困るでー ほれほれもっと見いや!」
「ええ その通りです。その美貌に目を奪われてしまいましたよ。宝石の様に美しいですね」
あ、やべ
こっちを見透かした様な発言につい本音が出ちまった
体も最高だが、その瞳は何や!一点の曇りの無い光輝く瞳が美し過ぎる!
私の顔が反射して綺麗に見える位に!
つい瞳を見ながら暴露しちまったわ!
「‥!?ふ、ふーん‥ ま、まあそうやな。プリティだけでなく、ビューティフォーな所もあるもんな‥だ、大胆やなお兄さんは‥」
アカネさんは顔を逸らして下を見ながらぶつぶつと呟いていた。かわいいね! 何しても可愛く見えるのほんと卑怯やわ
私は何しても「ひぇ‥!」とか「殺さないで‥!」しか言われないからね
それが私の運命‥ 悲しい‥私は、悲しい(ポロロン)
「‥ああ!らしくないわ!うちらしくないわ!お兄さんのせいやで!」
ええ!? 急にどうしたん?
私の言葉に本気になっちゃった感じ?(煽り)
ざぁ〜こ、ざぁ〜こ(スジガキ感)恥ずかしくないのー?‥ってすみません!嘘ですよ!
私如きがネームド様にとんだ無礼を!
「‥そうですよね。それは失礼しました。」
「固いわ!もっとこう、『ええ!?』とか『何で俺!?』みたいに驚く場面ちゃうの!?」
「‥?」
「天然か!そこは『?』ちゃう!『うん わかった。』みたいに軽すぎる返しやろ!!」
いや知らんがな!
何でそんな返しせなあかんねん!
漫才しに来たわけちゃうやろ!キャラ崩壊してない?
「‥‥はぁ‥はぁ‥!」
「‥‥」
その後もあらかたツッコミ芸して勝手に疲れてるアカネさん。息を切らして肩で呼吸している。
顔も紅潮してるし、息遣い荒いので結構叡智だ。
うむ。これもやはり女性の美の一つだ!素晴らしい!
「全く‥調子狂うでほんまに‥まあ初対面やし、しゃあないと思うが‥」
「お兄さんはもっと感情豊かにした方がええよ!まあロケ━━」
ロケ━ なに?
アカネさんが急に下を向いて「しまった。」と言わんばかりに口を閉じた。何かあったのだろうか
「━━ッ‥!今のナシ。デリカシーの無い事言うたわ。ごめんな‥」
「?」
なに? どう言う事だ? つまり何が言いてえ?
いろんな言葉が頭に浮かんだが全部同じ意味です
ロケ?テレビとかの撮影的な?
つまりテレビ出て掛け合いやその根性鍛え直せ!ってこと!?
「感情‥」
「!?」
私は思わず呟いた。
感情豊かに‥ そうか!もっと感情を込めろって事か!
そりゃあ無表情でいたら、心配になりますわなぁ!
スジモンスイッチ入ってたから無表情過ぎたか?
怖がらせてすまんなぁ
それにしてもアカネさん何やら驚いている様だが‥
「いや‥その‥無理せえへんでええよ‥あんたも大変な思いしてきたんや‥無理して取り繕わなくてええ!自然体が一番や」
「?」
「‥‥自覚ナシか‥まあしゃあないか。なあ━━」
?どう言うこと? 何の自覚?大変な思い?
あ!スジモンね!そうなんですよ! 大変だったんですよ! 組長とかやりたく無いもんやらされて、辞めたくなりますよー
アカネさんから言われるまで全然自覚なかったわ
そうだよなー スジ畜じゃ無いんだよー
「━━お兄さん。いや、ワビ組の組長はん」
うそ、バレテーラ
何やら少し真剣な顔つきになるがやべえな‥やっぱ警戒されてるんだろうな‥ ああ、胃がキリキリする‥
「‥‥」
「ごめんな。人前で言うたらええか迷ったが丁度今はうちと2人っきりやからそう呼ばせてもらうで、まあ堪忍してや」
あ、確かに誰もいない
カタギの皆さんは逃げた様で誰もいないし私とアカネさんの2人きりだ。
ってまずいですよ!アカネさんが来たって事は私をジムリーダー権限で捕まえにきた感じ!?
なんて事だ!こんな状態じゃなきゃ素直に嬉しいんだが喜べねえ!どうするか‥
‥ってか何でアカネさんここにおるんじゃ?
散歩にしては遠すぎるし、買い物?
よく見たら‥リュックを背負ってる?結構重そうだし何が入ってるんじゃ? ミルタンク?
そうだ!また話を逸らす作戦に出よう!
時間を稼いで、逃げる準備を整えて退散する感じで!
それしかない!
「お気遣いありがとうございます。所でアカネさんは何故ここに?ここからコガネは遠い筈では?」
「ん?ああ、これや モーモー牧場の新鮮なモーモーミルクや!これを取りに行ってたんや。なんや最近物騒で、配達もやってへんみたいでな ジムスタッフ向かわせるのも気の毒やから うちが行ったんや。」
「‥そうなんですか‥」
よし、ここから話を逸らして逃げる態勢を整えよう‥
なるほど‥発育が良いのはそれのおかげ‥ん?
‥ってか物騒だと? 配達をやっていない?
おいおい どんだけやばいんだよ今のジョウトは‥目につく奴は片っ端からバトルする時代が平和に思えてくるわ 頭カムロ?それともここはカムロ地方だった?
「ですが、アカネさん1人で向かうのは危ないかと」
「んぅ? せやったら大丈夫やで!うちはプリティでビューティフォーなジムリーダーや! 襲われても返り討ちにしたるから心配ご無用やで!」
ふむふむ‥順調じゃな!さて‥どう逃走するか
がははっと手に腰を当てて大笑いするアカネさん
かわいい。豪快な所もあるけど、優しくて魅力的だ
やっぱりHGSSより大人びているけど根本は変わらないのだろう。まあ大笑いし過ぎて、後ろに倒れそうになったのだが。私は咄嗟に駆け寄り、アカネさんの手を取ってこちら側に引き寄せた。
ンンン!いい匂いですねぇ!そしてソフトな体!
って‥いかん!しまった!逃げるのが遅くなる!
つい、困った女性には手を差し伸べてしまう!私の癖が出てしまったあああああ!
「あ、組長はん‥おおきに! 助かったで」
まあ、多少匂いと体を堪能できたからええか!
うむ!私はアカネさんに怪我の有無を心の中で指差し確認‥怪我ナシ!私は逃走準備ナシ!出来てない!
「さて、そろそろ戻るわ。ジムの子も心配させたく無いし!色々とおおきにやで!組長はん。見送りとかええよ。あんたも仕事やと思うし」
あ、そっちが退散してくれる感じ? アカネさんは私の事を捕まえる気ないのかな?結構大らかな感じだったし めっちゃ優しい! かわいい!
うん!そうに違いない(単純)よかった!
そして私に手を振って背を向けたアカネさんだが、しばらくするとピタっと止まり、振り向かず背中越しに話しかけてきた
「組長はん 気いつけてな。何やら匂うからな‥」
え!?臭う!? そんなバカな!?
ちゃんと私は毎日風呂入ったり、スプレーとかで匂い
のケアには気をつけているが、そんなにひどいのか!?まさか汗か!さっきバトルしたしその時だな!
アカネさんの手に触れた時に汗臭いのがばれたんだ! くそ!なんたる失態!
「‥匂い」
「せや 何なら強い匂いやな 人の汚い部分を凝縮した様なひどい匂い‥それが蔓延しとる うちが苦手な匂いや‥」
まじすか!? それ相当匂ってますよね
アカネさんブチギレじゃ無いすか!
確かに匂い強い人って嫌だよね。私も経験した事がある。特に足とか脇の匂いはほんとにやばい
死者がでる。不快な思いをさせてすみませんでした!
「組長はん 無理し過ぎたらあかんで、あんたは大丈夫‥っていや、聞くまでもないな‥気にせんといて!」
やっば私の事気にかけてくれてる!好き!
優し過ぎる! あと私気になります。まだ匂いの処置間に合うって事だよね!? どうなんですか!?
「組長はん うちは基本コガネにいるさかい。なんかあったらいつでも来てや!歓迎するで 話があれば付き合うで!ほなな!」
これは匂いの事で相談したい事があれば来いって事ですか? まだ間に合う感じじゃない!? これ!!
よかった! 手遅れじゃ無いだけありがたい!
「ありがとうございました。その時は是非」
私がお礼を言うと片手をあげて返事する。
匂いか‥確かに自分では気づきづらいし直接教えてもらった方がいいかもな。
アカネさんは私に対してそこまで悪感情抱いていないみたいだし、今度コガネに行ってみるかな
side アカネ
(匂うな‥コガネに限らずジョウト全般で増えとるポケモンの失踪や誘拐事件‥人の悪意を感じるわ‥全く嫌やわ‥これだけはほんまに)
アカネは帰りの道中、最近ジョウトの治安が悪化の一途を辿っていることを懸念していた。ジョウトに渦巻く大いなる悪意を感じとり、これを防ぐ手立てはないのかと思案していたのだ。
(さっき会うたワビ組の組長はん。間違いなく白やなあの人に悪意はない カントーの次はジョウトに進出するとは思うてへんかったが)
カントーの裏社会はワビ組が制覇した。その影響かワビ組に潰された組織がジョウトで活動していたのだ。ワビ組がジョウトに進出した目的は定かではないが、そういった組織を潰す為にジョウトに来た可能性は高い。敵対する者は容赦なく潰す まさに冷酷無慈悲だ
(せやけど根本は子供の様に素直なのかもしれへんな
うちの渾身のボケをウチの目を真っ直ぐ見て賞賛するのは対応に困ったで‥)
アカネの社交辞令とも言えるノリを素直に捉えてしまう部分があるなど、世間知らずの様に見えるだろうがそれも仕方ない部分がある。何せ彼の出自に大いに関係があるからだ。
(ロケットチルドレン‥か あそこでの教育で躾けられたんやろな‥命令を守る為に冷酷に、素直なのは忠実に動くための駒として、感情を殺し続けていつしか失った‥いや、感情についてなんも教えられてへんのやろ‥ああなってしもうたんは哀れやな‥)
アカネはギュッと握り拳を作る。
それは彼に対する仕打ちへの怒りか
彼の壮絶な過去を汲み取れなかった己への怒りか
爪が手の平に食い込む程に握り続ける。痛みはあるが彼が受けた仕打ちに比べればなんて事はない。
(『感情豊かにした方がええよ!ロケットチルドレンでの事は気にせえへんようにな』‥最後まで言わなくてよかったわ‥組長はんに突きつけるのは残酷過ぎるしな‥)
彼は感情に飢えているのだろう。喜怒哀楽を知らずに育った 取り繕う事は出来るが本心から理解できていないのだ。感情について彼が考え込んでいる場面もあった。
おそらく心ある人間として生きようとしているのだろう
冷酷無慈悲なロボットが感情溢れる人に憧れ、必死で人間になろうとする姿はとても痛々しく残酷だ。見ていられなくなる程に
(義理と人情。それを大事にする事で少しでも感情ある人間に近づこうとしているんやな。だが無理はあかん!下手に追い詰め過ぎると心を壊し、己を見失うんやで‥!組長はん)
人間に近づく為にいや、成る為に彼は今も苦しんでいるのだろう。今は自然体でいい 一歩ずつ着実に進むこと。己を偽り否定し過ぎると壊れてしまうから
そういえば冷酷という言葉が思い浮かんだ場面があったな。とアカネは彼と話す前のついさっきの出来事を思い出していた。
(組長はんが戦ったあの黒ずくめの男‥まさか組長はんのカイロス一体で相手二体のポケモンを叩きのめすとはな‥ )
モーモー牧場の帰り道にポケモン勝負をしていた着流し姿の組長を見つけた。親友のミカンから組長について話を聞いていた為、興味本意で遠目から見物していたがその戦いはまさに異様としか言いようがなかった
相手ポケモンの顔面を地面やコンクリートの壁に叩きつける。落ちていた木材で攻撃する。あれは真っ当なポケモン勝負と言えるものでは無い
(まさに冷酷無慈悲‥何故ああしたのか‥おそらく制裁やな 今後逆らえなくする為の躾として‥)
ジムリーダーとして本来は見過ごせない状況である。
つい止めに入ろうかと思ったが、その時には既に決着はついていた。
ミカンから聞いた人物と違うではないか。そう思ったが一旦踏み止まり状況を観察した
ポケモン勝負は本来ルールを守って行うものであるが、もしかしたらそういう状況では無かったのでは?とアカネは判断する。そこからアカネが来た時の状況と現状をパズルの様に繋ぎ合わせて推理していく
(うちが来た時、他の見物人も逃げている様子やった。逃げるっちゅう事はあの男が見境なく攻撃してたんやろな‥更に相手は二体ポケモンを出し、あの男は組長はん本人にも攻撃を加えようとしていた。こんなんポケモン勝負どころやない!)
義理人情を大事にしようとする組長が無作為にルールを破る訳などない。
おそらく相手が先に破ったのだろう。他の見物人を見境なく攻撃し、トレーナー本人も狙う攻撃 更には申告無しの二体がかりの攻撃だ。
それに容赦するほど組長は甘く無い。
ただ冷酷に純粋な力で叩き潰す事で相手に格の違いを見せつけた。普通にポケモン勝負をしても相手を付け上がらせてしまう。だからカイロス一体で挑んだのだろう かつて受けたロケットチルドレンの躾を活かしたとも言える。
道具を使う事で勝負の異様さに拍車がかかり、相手はますます恐怖する。本来であれば許されざる暴挙とも言える。
しかしどれだけ注意喚起しても、ルールを破る無法者は存在する。どれだけ対策してもオタチごっこでキリがない。ワビ組の組長はわざと、ああいう形で痛い目に合わせて無法者達をのさばらせない様にしているのだ。
(戦っていた時の組長はんの目 凍てつく虚無の目‥そこには喜びも悲しみもない‥敵対する者には容赦しない獰猛なリングマの様な目つきや‥)
バトルの時のトレーナーの目つきは心境を表すと言われている。勝負を楽しむ目つきや勝たなくてはいけないと言う焦燥感に満ちた目。色んな目つきをするのだが、組長の目つきは全く異なっていた。
その目つきは相手からすれば得体の知れない相手と更に恐怖に映るだろう それも狙いであると言える。
(戦い終わった後、何やら組長はん、歯を食いしばっておった‥何かに耐えていたんか?‥いや、あれは怒りに震えていたんやろな‥関係あらへん人たちを巻き込んだ事に対して‥)
相手トレーナーに罵声を浴びせられた事に対する怒りではない。世間様に迷惑をかける事に対して怒っていたのだ。だから彼は裏社会の人間としてケジメをつける為に今回の暴挙を取った。手持ちのポケモンも辛いはずだ。だが彼の心境を理解して共に汚れ仕事をしている。なんという覚悟であろうか。
(本来こういうのはうちらの仕事なんやが、無法者達には言っても伝わらん。やっぱり力で
更にその後はアカネが重い空気を壊す為に明るく振る舞った事に対して怒る様子も無く、アカネのコガネ特有のノリには置いてけぼりだが、それに対して嫌がる素振りも見せていなかった
更には転びそうになったアカネを気遣う優しさも持つ
裏社会の人間ではあるがこの様な男が根から冷酷無慈悲と言えるのだろうか?
違う。ただロケットチルドレンとして冷酷にならざるをえなかった被害者なのだ
本来の人間性は誰よりも優しく素直なのが彼なのか。
(あんたは大丈夫やで!組長はん。過去は過去や 少しずつ、一歩一歩成りたい人間に近づいていったらええ!変わっていけばええ!その為やったらうちも協力したるわ!)
必死で人間になろうとする痛々しい姿。彼も彼で自分を変えようと必死なのだろう。ロケット団の罪を背負いながらもひたむきに 裏社会の人間として生きていく。なんて純粋なのだろうか
(全く‥協力したがる気持ちがわかるわ‥だからミカンちゃんも組長はんを気にかけるんやな‥うちはうちらしく接して感情を教えたる!覚悟せえや組長はん!)
やれやれと言わんばかりに肩をすくめるアカネ
感情を知れば組長の世界も広がる 過去よりも素晴らしい己に出会える。そう信じて━━
組長の事を考えながら帰路に着く際にふと組長と戦ったあの黒ずくめの男が頭をよぎった。
(そういえば組長はんと戦ったあの男は言うてたな‥なんやプラズマ団と‥遠くからでよう聞こえんかったが、以前イッシュで活動して今は解散した筈なんやが‥)
(ポケモンの解放‥イッシュではそれを名目に強奪事件が相次いだらしいが、最近のポケモンの失踪や誘拐はそのプラズマ団の仕業なんか?)
今は国際警察も目を光らせており、イッシュでは監視対象にもなっているそうだ。そんな組織が遠いジョウトの地に足を踏み入れたというのだろうか。
(ワビ組から逃れた密売組織や犯罪者集団もジョウトに逃れた‥そいつらとプラズマ団も関係あるんか‥?)
最近多発するポケモンの失踪や誘拐事件により、夜を歩くのが不安になる程、物騒になりつつあるが、その組織とプラズマ団は関係があるのだろうか。
(わからん‥ミカンちゃんは何やらこの事について探っとる様やが うちもうちで協力すべきかもな‥)
(なんや‥妙な予感がプンプンするで‥組長はん あんたも気いつけてや)
その予感は吉と捉えるか凶と捉えるか
ジョウトの波乱は始まったばかりだ。
一方ワビ組組長‥
(これ臭うかな? 臭わない? わからん!)
自分が着ていた服の匂いを確認して疑心暗鬼になるのだった‥
主人公‥連日のスジモンの仕事に嫌気が差し、胃薬が親友になりつつある。ゲーチスモドキのスジモンを見ても芸人か何か?と思い込んでいる為、プラズマ団員だとは気づいていない様子。
組長補佐‥ジョウト進出に伴い組長の秘書として同行。かつてバリスタを目指したが挫折し、荒れていた時にワビ組組長に助けられ恩を返す為にワビ組に入る
逃げた人たち‥カントーから観光に来ていた人たち。ワビ組組長を知っていた為、恐怖のあまり逃走。ゲーチスモドキのスジモンに手を出された訳ではない
アカネ‥元祖ダイナマイトプリティギャル。ロケットチルドレンとして感情を失い冷酷に育つが根は素直で、感情に飢えて人間になろうとする悲しきロボットが裏社会で奮闘する姿(勘違い)に脳を焼かれた。
HGSSよりも時が経ちボンキュボンな大人のお姉さんに。性格は明朗快活にプラスして内面が成長した事で思慮深くなった。距離感が近く、美人なので挑戦する男の子達の初恋を奪う罪な女の存在に。
ゲーチスモドキのスジモン‥ゲーチスのモノマネをする人。ゲーチスに深く心酔しており、ゲーチスはそんな彼を駒として影武者や囮に利用した。手持ちのバッフロンとキリキザンはゲーチス本人から「ワタクシの今後には必要の無い道具です。」と賜ったもの
ビラ配りは口の上手さからバイトと称してプラズマ団の団員を募る為にやったが「ん?ゲーチス‥?」とボソッと呟いた通りがかりの組長の一言に反応して絡む事に
プラズマ団‥かつてイッシュ地方で暗躍した組織。悪行に対して罪を償うN派と世界征服を企むゲーチス派に分裂した。海外の遠き地ジョウト地方でも活動しているみたいだが、活動目的は不明