ナニモンなんじゃ? スジモンじゃあ!!   作:年中裸足の人

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今回で年内最後の投稿になるかと
皆様良いお年をお過ごしください!



その筋の者(スジモン)と歴史の国から来た乙女

マーシュ

XYに登場するクノエジムリーダーだ。

XYに初登場したニンフィアを使うフェアリータイプ使いで、有名デザイナーでもあるとか

 

そっかー。さっき会ったキリカちゃんってマーシュさんのジムトレーナーだったのかー。頭の中のモヤモヤが晴れてスッキリしたぜ!

 

「ゴローン!がんせきふうじ!」

「デルビル!かえんほうしゃ!」

「ゴロ!」

「デビ!」

 

「スピアー 間をすり抜けろ」

「スピ!」

 

と私は回想していたが只今絶賛バトル中。相手の手持ちをそれぞれ残り一体にまで減らして今に至る

ナレ死ならぬナレ半壊

 

スピアーは4枚の羽を自在に動かし、飛んできた岩や炎も危なげも無くするりするりとかわしていく

当たれば痛いが当たらなければどうという事はない

 

「くそ‥!なんて素早さだ! 攻撃が当たらねえ!」

「何で当たらねえんだ!ふざけやがって!」

 

「ほんま見事やねぇ まるで舞いのようやんか。うちらも負けてられへんわな。」

「フィルフィア〜!」

 

ありがとうございます。お褒め頂き恐悦至極!

マーシュさんとニンフィアが感嘆な言葉を発しているが、マーシュさんの方こそですよ!

 

バトルは基本スピアーはただ飛んでるだけで、マーシュさんとニンフィアの美しき微笑みとは違った超攻撃的スタイルで制圧していくスタイル。私は何もしていない。つまり囮。囮役はもちろん私が行く

 

「ニンフィア ムーンフォースや」

「フィア〜♪」

 

「ぬお!?しまった!スピアーに意識向け過ぎた!」

「やべえ!これはかわせねえ!」

 

そしてマーシュさんがニンフィアに指示を出すとニンフィアの頭上に巨大な白い光が浮かび上がる。白い光はボール状の球体になり超スピードで相手のゴローンとデルビルの顔面にシュゥゥゥーッ!!

超!エキサイティン!!!

 

ズドーン!と爆発が起きた時の風圧に思わず戦慄する程だ。ひょええ‥!強すぎるわ‥このニンフィアたん

強靭!無敵!最強!

 

「くそが!デタラメだろあの威力!」

「やべえぞ!どうする‥?」

 

「ゴロ‥」

「‥デ‥ルビ‥」

 

奴らの足元にゴローンとデルビルが転がっている。一撃で粉砕しおった‥! さすがはジムリーダーだぜ

 

「あら、もう終わりかいな? もうちょっと踊りまひょ」

「フィルフィアー♪」

 

袖で口元を隠しながら挑発的な口調で語りかけるマーシュさん。ンンン!なんかいいですねぇ‥!

そしてマーシュさん鬼つええ!

このまま逆らう奴らぶっ殺していこうぜ!!

 

「くそ!こんな雑魚ポケやるよ!‥おい!撤収だ!」

「‥チッ!覚えてやがれよ」

 

プラズマ団達は足元に転がるポケモン達をボールで回収すると、私とマーシュさんが動くよりも早く目にも止まらぬ早さでその場を立ち去る。

林の間を忍者の様にすり抜けておったわ。

恐ろしく早い逃走 私だから見逃しちゃったね

 

残されたココガラも何がなんだか分からずに唖然としている。怖かっただろうに‥よう耐えた!それでこそや!

 

「逃してしもたか‥ほんまにごめんなさい。詰めが甘かったわ」

 

「いえ 謝る事はありません。私も油断していたので‥取り敢えずココガラが無事でよかった」

 

マーシュさんが落ち込む素振りを見せた為、慌ててフォローする。いやあんな逃走予想できないってムサシとコジロウ以上の逃げ足の速さだぜ?

やなかんじー!

つまり追いつける訳ないだろ!うん!しょうがない!

 

「‥ガァ‥!」

 

「大丈夫だ‥もう安心していいぞ」

 

安心して私に身を委ねるがいいぞ!いい羽毛だねぇ‥ちょっと触らせてや(ニチャァ‥)ってめちゃ怖がってる!流石にスジモンフェイスはポケモンも怖がるか!震えて私から後退りしているが‥どうする?

 

「‥コガァ!‥!」

 

「可哀想に‥怖がらんといて大丈夫やからなぁ‥ニンフィアお願いできる?」

「フィルフィ〜ア♪」

 

あ、ニンフィアさん尻拭いありがとうございます。ニンフィアのリボンの様な触覚がココガラを包み、癒しの力でココガラをリラックスさせる。ココガラは安心したのかニンフィアに包まれながら眠る様に意識を失い、ニンフィアは触覚を使って器用にマーシュさんにココガラを預ける。

 

「もう安心やな。この子も怪我せんでよかったけど、心ん中の傷が心配やわ。プラズマ団‥何が目的なんやろうな‥」

 

「‥‥」

 

「フィアー‥」

 

マーシュさんは抱っこしているココガラを愛おしい目つきで見つめ、頭を優しく撫でていた。

くそ羨ましい!ココガラ!そこ代われ!私もなでなでして欲しいです!よしよしして欲しいです!

おんぎゃあ!!!(クソデカデスボベイビー)

 

怒りで手が震える!握り拳に力が入り、血が出そうだぜ‥!っていかんいかん!こんな姿マーシュさんが見たら幻滅するだろう。平常心平常心。

 

「マーシュさんありがとうございました。ココガラ救出の手助けまでしてくれて‥さすがはカロスのジムリーダーですね」

 

「‥!さすがやなぁ。うちのこと知っとったんどすな?うちも有名になったもんやね」

 

うふふと手元で口元を隠すマーシュさん。かわいい

振袖の女神や。そら知っとるわ!ゲーム知識だからね

 

「ええ‥ポケモンをコンセプトにした自然美あふれる振袖衣装は有名ですので」

 

「あれまぁ‥お兄さんお口がお上手やねぇ お兄さんの着流し衣装も素敵やし うっとりやわ」

 

あーかわいい。ほんとにこの人現実に存在する人なの?目の前にいるけど。ほんわかしてて気持ちが緩くなるぅ‥

 

「ここで話してもええけど、お兄さんとはゆっくり話したいわ せやからエンジュに戻ろうや。なあ、ニンフィア」

「フィルフィア♪」

 

「わかりました ではいきましょうか。スピアー疲れてる中すまないが道案内できるか?安全な道を頼む。」

「スピッ!」

 

よっしゃ戻るでー!‥ってあ!こらスピアー!張り切り過ぎよ!そっちはさっき来た危ない道でしょ!

もっと安全な場所にしてくださいよー!

 

 

‥‥

‥‥‥

 

 

「あのありがとうございました! ココガラもお礼言ってね!」

「アガラーッ!」

 

「私の方こそありがとうございます。この子のポケモンが見つかってよかった‥!」

 

 

あれからエンジュに戻り、ミニスカ少女とそのお友達に何度もお礼を言われた。

私がココガラを探している間キリカちゃんが泣き崩れたミニスカ少女と出会い、事情をマーシュさんに説明しニンフィアの触覚で負と争いの感情を探し出してマーシュさんが私の元に加勢してくれたのだ

今もキリカちゃんが寄り添ったおかげでミニスカ少女のメンタルは安定している。

 

「改めてマーシュさん ありがとうございました。」

 

「ええよ。むしろこちらこそやわ キリカちゃんがお世話になったみたいやね。何やお兄さんの事を先生って慕うなんてちょっと妬けてまうわ、ほんまに。」

 

美味い!お茶が美味い!マーシュさんの笑顔もうまし!私は今マーシュさんと二人茶屋で寛いでます。

 

キリカちゃんはミニスカ少女達とお話ししており、それを遠目に見ながらでのお茶会デート。

うむ!保護者になった気持ちや。公園デビューする子供を後方から見守る父親の気持ちなり‥

 

いや、それだと私は父親を名乗る不審者となる

うわきも‥ すみません。自分で言ってて吐きそうになったわ。

 

「あの子には伸び代があります。5年‥いや10年後が楽しみです」

 

キリカちゃん絶対モテるね。XY時代のふりそでトレーナーみんな美人だし

あの肉体のポテンシャルといい、精神性といい、あの美少女の10年後の姿はとびっきりの美女になっているに違いない!将来が楽しみだぜ!

 

「‥ふふっ、キリカちゃんの見る目は確かやなぁ‥それにしてもお兄さんのポケモン勝負の強さ大したもんやわ」

 

「‥いいえそんな事は」

 

「お兄さんの実力やったら、かなりええとこまで行ける思うてますわ。カロスで言うたらメガシンカ、アローラのZわざも使いこなせるんちゃうかな」

 

買い被り過ぎぃ!今回のバトル逃げ回っていただけですよ!そんな大袈裟な‥

ええ所ってどこら辺?綺麗なお姉さんの所だといいな

 

それにZわざ、メガシンカねぇ‥

Zわざは知らん。しかしメガシンカの道具は持ってる。キーストーンとメガストーンだね

 

ホウエンでの旅の時、なんか困ってるおっさん助けたら貰った。そのおっさんにスピアー見せたら、何故か気に入られスピアナイトとキーストーンのネックレスを私に渡して来たんですよ。

 

見る目ねえなあのおっさん

何で私に渡したのかね?もっとスゴイ人に渡せばええんちゃうか?見る目なさ過ぎて笑っちゃうんすよね

 

初めての他地方の旅がホウエンだったからめっちゃ印象に残った出来事他にもあったなぁ 

いい意味でも悪い意味でもだが。ああ懐かしい‥!

 

「メガシンカ‥そう言えばホウエンを旅していた時にやった事ありますね」

 

「あれまあ?そないやったんやなぁ でもお兄さん、キーストーン持ってはらへんみたいやな」

 

「‥‥」

 

そう私は今メガストーンとキーストーンを所持していない。タンスの奥‥というか組長室に眠っているがね

私は今の所メガシンカを使う気はない。

それにはちゃんと理由があるのだ。

何故なら━━

 

 

 

 

 

 

めっちゃ疲れるんだもーん!あと着けるの邪魔や!

動きづらい!メガネックレス意外に重いし!

めっちゃ体力使うし、スピアーもでかくなって動きづらそうだし、やらんわ!だるい!!

 

非常時とかとびっきりの美女にせがまれたらやるけど、基本自分からはやらんね!メガお断り!

 

「今の私には不要ですので。相応しい人間に託したい位です。私には重い‥」

 

「‥!」

 

あのメガネックレスめっちゃ高級そうやもん。

私みたいな庶民だと浮かない?相応しくないから金持ちの人に譲りたいくらいだぜ!首から下げると物理的にも重いし、高級そうやから壊すの怖くて気持ち的にも重い。バングルとかの方が手軽でいいよね

 

「お兄さん‥あんた‥」

 

「‥‥」

 

マーシュさんにないわー。見たいな目線を向けられ、居た堪れない気持ちになる。まあ人からの頂き物をぞんざいに扱うのは今更ながら申し訳ないと思う。私が反省の気持ちで下を向くと、マーシュさんが私の手の上にそっと手を重ねてきた。

え!?やわらか!いい匂い!ありがとうございます!

 

「お兄さん。怖がることあらへんで‥ あんたとポケモンたちは間違いなく絆で繋がっとるんや‥ うちが保証するさかい。」

 

うお!肌白!

うお!すべすべ!

うお!手ちっちゃ!

 

手に集中し過ぎて話聞いとらんかった。

めっちゃ触り心地いいんだが。手の体温がじんわりと直に伝わるこの感覚はドキドキするよね。もっと握っていたいぜ。なるほどこれが手フェチか‥

まさに美の壺。

 

胸、足、尻、様々な聖なる探索を続けたが「手」というモノを見落としていた。普段見慣れているからこそ誰もが見落としがちなモノ。王道とはかけ離れているかもだが確かな存在があるモノ

灯台下暗しとはこの事か

 

世界は広いな。美と芸術の新たな可能性をありがとうございます。マーシュさん

湧き上がる感謝の気持ちで胸がいっぱいだぜ‥

 

私はマーシュさんの手を取りまっすぐ彼女の瞳を覗き込む。あらまあ綺麗やわ。宝石みたいな瞳!

アカネさんとは違った別の美がここにあり!

 

「マーシュさんありがとうございます。世界はあなたは美しい‥それを愛して進んでいきます」

 

「!?‥だ、大胆やね‥えっと‥その‥」

 

そうだ聖なる探索が出来る世界は美しい!

私はそんな世界が大好きだ!愛してるぜ!

え?前ミカンさんと会った時こんな世界なんて大嫌いだ!って言ってたって?んな事言わんわー!(手のひら返し)

 

女性の未知なる可能性を開拓するのは素晴らしき!スジモンやめてこっちの道に行きたい!

 

ん?マーシュさん?どうしたの?顔赤らめて?

ってあ!すみません!手を握りしめたままでしたね!

これはとんだ失礼を!言いづらいですよね!スジモンフェイスじゃ怖くて言えないのも無理はない。

私はするりとマーシュさんの手から離れる。

 

「‥‥ぁ‥」

 

「失礼しました。マーシュさん」

 

「‥‥」

 

なにやら自分の手をゆっくりと摩り私が目をやると気まずさからかサッと目を逸らすマーシュさん。すみません‥本当に申し訳ない。ネームド様になんて失礼な事を!筋を通さなきゃ‥さらば私の小指!

 

「‥ええとな‥別に気にせんといてや‥ただ驚いただけやさかい‥お兄さんやったら‥別に」

 

めちゃかわ!余裕のある態度を崩し目をうるうるさせる姿は庇護欲掻き立てられるぜ!

ただ私の顔にビビり散らすのはメンタルに来るという欠点もあるが私の無礼を許してくれる懐のデカさよ。さすがはマーシュさんだぜ。そしてすみませんでした

 

「‥‥」

「‥‥」

 

やべ気まず

何話していいのかわからん。私が目をやってもすぐサッと目を逸らすマーシュさん。嫌われてしまった様です泣けるぜ。自業自得だ

私がどうしたものかと周りをキョロキョロすると遠くからキリカちゃんが走ってくる音が聞こえた。あら何かあったのかしら。

 

「マーシュ様!先生!お話中失礼します!あの子達についてなんですが‥ってあれ?マーシュ様どうかされましたか?」

 

「キリカちゃん‥ううん。なんでもあらへんよ。どないしたん?」

 

「あの子達旅行やめてガラルに帰る事を話してまして、宿泊しているホテルまで送ろうかと思います。やっぱりさっきの出来事がトラウマになったみたいで‥」

 

確かに。手持ちのポケモンを奪われるって相当辛い。プラズマ団にとっては正義だが盗られた側はたまったもんじゃないわ。ゲーチス許さん!そのチートサザンドラ私によこせ!

 

「せやったらうちも行くわ。ジムリーダーもおったら安心するやろし、ガラルのリーグ委員にも話を通しておこか」

 

「はい!とても心強いです!では準備整えたら向かいましょう!」

 

キリカちゃんがマーシュさんに元気よく返事をした後にトテトテと私の方に向かいニコッと笑顔を浮かべた。うむいい笑顔だ!

 

「先生!短い間でしたがありがとうございました!先生の教えワビサビを大事にします!」

 

あれ?そんな事話したっけ? 覚えてねぇな‥

確か私がお寺だか庭園だかを泥だらけになりながらも掃除しているお姉さんを見て私が呟いた美しいという言葉に反応したキリカちゃんに対して適当に「あれが侘び寂びだ」的な事を言った奴じゃな!

すまん。侘び寂びちゃうわ。詫び詫びしかない。

 

あのお姉さん綺麗だったから仕方ないっしょ!

泥だらけになって働いて、お尻がパツパツな姿が美しかったんや!

 

「ふふ‥ええ事教えてもろたなキリカちゃん」

 

「はい!マーシュ様の教えと先生の信念を大事にしていきます!では先に戻って準備しますのでここで失礼します。先生!カロスにいらしたのなら、また教えてくださいね!」

 

キリカちゃんが私に手を振るとそのまま振袖を揺らして走り出す。ふむやはりかわいいな。将来が本当に楽しみな子じゃな。カロスか‥行けるのはいつになるのやら

 

「随分懐かれたなぁ‥お兄さん。さて、うちもお暇します。ここで別れるんはちょい‥嫌やけど、仕事やさかい」

 

「いえ。お話に付き合って頂きありがとうございましたマーシュさん。近頃物騒ですのでお気をつけて」

 

プラズマ団の奴らが何故ジョウトにいるのか‥

コスプレにしては気合い入ってるし、愉快犯的な奴らなのか?BW2でも出てくるがイッシュで活動してるからやっぱBW2のプラズマ団とは違うのかな?

うーん、わからん

 

「せやな プラズマ団には気ぃつけな‥ ポケモンを道具扱いしているみたいでうちはあんまり好かんな‥もっとお兄さんみたいな人がおったらええんやけど‥

 

何やらプラズマ団に対して怒り心頭みたいだ。

後半ぶつぶつ言っていて聞こえなかったが、お兄さんがどうとか言ってた。つまり私と同列にみなしている。勝手に女性の手を握り、変な事言ったらそりゃあ好感度急降下爆撃よ。小声で言われるのが辛い。

 

「ケジメをつけるべきか‥」

 

私は思わずそう呟く。マーシュさんに対して行ったことのケジメをつけるべきだと。しかし下手に動いて空回りするのも嫌だし、どうしよ‥

 

「ケジメ‥?お兄さん。あんたまさか‥」

 

やべ聞こえてたわ。はいもうここからどう足掻いても挽回出来ませんね。詰んだ!どうしよ!

 

「‥無理はせんといてや。根を詰めるとええ事ありまへんさかい‥」

 

あ、はいそうします。(即答)

なんだかんだ言ってマーシュさん私の事嫌ってはいないのか? いや本音と建前‥京言葉で言うぶぶ漬け食べますか?と同じかもしれん!

 

つまりこれまでの言葉は裏返しの意味になる

「もうあんさんと話すの疲れたわ。帰ってくれる?」という意味かもしれん!やらかしたわぁ!

 

「ほな失礼しますわお兄さん。キリカちゃんも言うてたけどカロスのクノエジムに是非いらしておくれやす盛大に歓迎しますさかい お兄さんとなら‥」

 

「いえ‥なんでもあらへんわ。ほな、また。」

 

まずいな‥言葉を裏返すと、来るなよ!絶対来るなよ!(フリ無し大真面目)ってことか!?

どうすればいいんだよ‥

私はマーシュさんに何も言えず、そのまま背を向けて歩く姿を見つめるだけしかできへんかった

 

 

 

 

 

 

 

 

side マーシュ

 

 

 

「‥ではお伝えした通りに。ほな、また」

 

マーシュは着流しのトレーナーと別れた後にジムトレーナーのキリカと共にガラルからジョウト観光に訪れた少女達が泊まるホテルまで送り届けた。

その後はガラル地方のポケモンリーグ委員にジムリーダーとして今回の騒動を報告した。

あとはリーグ委員の判断を待つだけ。他地方とは言え、ジムリーダーとして見過ごす事は出来ない

 

「マーシュ様!お疲れ様でした!お電話終わりましたか?では戻りましょう!」

 

「せやな。そやけどプラズマ団の事もあるし気ぃつかなあかんよキリカちゃん。」

 

マーシュは今回カロス地方、クノエジムのジムリーダーとしてジョウトに訪問してジョウトジムリーダーとの交流を図るという業務の一環で訪れていた。

またジョウトはマーシュの故郷でもあり、帰郷も兼ねての部分もあった。

しかし、それ以上の出来事があり気持ちは休まらずにいた。

 

「プラズマ団‥確かイッシュ地方の悪い奴らでしたよね?なんでジョウトにいるんでしょうか?」

 

「わからへんなぁ‥やけど、悪い事しようとしとるのんは事実や。カロスに帰るまでまだ時間あるさかい、できることはしよか。」

 

プラズマ団。イッシュ地方でポケモン解放を謳い、ポケモンと人を切り離そうと暗躍した組織。その組織がジョウトで水面下で活動していたのだ。プラズマ団はイッシュで解散した事になっているがジョウトで活動している。つまりこれが何を指すのかと言うと‥

 

(イッシュから逃げた組織の残党がジョウトで活動を再開したみたいやな‥まさか帰郷も兼ねたジョウトで出くわすとは思えへんかったけど)

 

プラズマ団の残党による活動

ジョウトではここ最近ポケモンの失踪事件が相次いでいたが、今回の出来事で確信した。プラズマ団が裏で手を引いていると そしてマーシュはプラズマ団と鉢合わせた時に出会ったあの男について思い浮かべていたのだ。

 

(あの場で出会ったんも偶然とは思えへんのよ。着流しのお兄さん。いや━)

 

(━━ワビ組の組長はん)

 

今日出会った着流しのトレーナーもといワビ組の組長。ジョウトのジムリーダー達との交流で聞いた外見的特徴と合致した。自分から組長と名乗らずにいたから今日はプライベートなのだろう。マーシュは知らないフリをして共に過ごしたが彼の片鱗はバトルで明らかになった。

その実力は正に予想を遥かに上回っていた。敵対したプラズマ団相手に手持ちのスピアー一体での大立ち回りは度肝を抜くほどに

 

(あの腕前‥レディの扱いがええなぁ お転婆なニンフィアに合わせて見せ場作るんが上手い環境を作っとるとはなぁ リード上手やほんまに)

 

着流しのトレーナーのスピアーの立ち回りはタッグバトルにおいて理想の立ち回りだ。こちらの意図を察して攻撃時はアシストを。防御の時は囮役を買って出る臨機応変な立ち回り しかも長年の阿吽の呼吸では無く、即興でのバトルでこちらのペースに合わせてきた。これは彼の経験と指示がずば抜けている証だ。

 

(実力はジムリーダーを遥かに凌駕しとる‥最低でもしてんのうクラスは持ち合わせとるやろうなぁ‥)

 

(さすがはカントー一園を支配するワビ組の組長はんどすなぁ これほどの腕やったら裏社会の頭張れるんは道理どすなぁ それにうちのことを知ってはったんはほんまに驚いたわぁ 流石の情報力やな)

 

マーシュはジムリーダーに就任してまだ若い部類だ。カロスならともかく他地方でそこまで知名度は高くない。ましてや海外でもあるカントーなど尚更だ。

だが彼はマーシュの事を把握していた。これはワビ組の情報力がずば抜けて高い事を示すものに他ならない。

 

(組長はんは攫われたココガラの事を思って怒りに震えてはった。ニンフィアも驚くほどに‥そしてケジメをつけるとも言うてはったが‥まさか!?)

 

手持ちのポケモンを盗られた事に対する怒りはあのニンフィアもたじろぐ程の空気だった。そして彼はプラズマ団に対してケジメをつけると言っていた。つまり彼は何をするのかマーシュは最悪の事態を想定していた。

 

(まさかプラズマ団と抗争始めるつもりなん?それだけはあかんで、組長はん!下手したらジョウト全体を巻き込んだ大騒動になるで‥!)

 

そう。プラズマ団とワビ組の抗争だ。

ワビ組はカントーを制覇した後にジョウトに進出した。そしてプラズマ団もジョウトにて活動を再開。相入れぬ組織同士が鉢合わせた時に起こる事 即ち組織同士の抗争。それしか考えられない

ジョウトに住まう民にまで被害が及び、最悪死人が出る可能性がある。その考えにマーシュは戦慄した。

 

「あの‥どうかなさいましたか?マーシュ様?」

 

「ん?ああ、なんもあらへんでキリカちゃん。組長さ━‥いや、あの着流しのお兄さんのことについてちょっとな‥」

 

マーシュが顔を顰めて考え込む素振りを見せた事にキリカは疑問を覚えていた。流石に思った事をそのまま口に出すと彼女も不安がるだろうと咄嗟に組長の名を出して空気を変えようとしたのだ。

 

「先生ですか!わたしもあの独特の美を教えてもらい感激しました。ワビサビというジョウト特有の美を!」

 

侘び寂び

それは質素で簡素なものと言ったものから不完全なもの、時間が経過して劣化したりといった変化の中に美しさや奥深さと趣を見出す、ジョウト特有の美意識である。豪華さや完璧さを求めるカロスやガラルと言った地方とは真逆の価値観だ。

 

「まさか‥あのような考えがあるとは‥汚さも視点を変えて美しきモノにするこの考えは斬新です!」

 

キリカは未だ見知らぬ美の価値観に感激していた。世界は広い。この言葉が当てはまるほどに目を輝かせていたのだ

 

(ほぉ…せやからキリカちゃんは組長さんのことを先生て呼んではんのやな…新たな価値観を与えてくれて、教え導いてくれはったさかいに…)

 

まさかここまでキリカが彼を慕うとは思ってもいなかった。この子は人に寄り添える優しい子だ。

そんな子に慕われる組長がジョウトを戦火の地にするのかと改めてマーシュは考えていた。

 

そして彼と話した事を思い返した時にある言葉が不意に頭の中をよぎった。

 

(そうや!メガシンカ!口ぶりから察するに組長はんはメガシンカも扱えるみたいやなぁ)

 

彼の口から出たメガシンカ。彼はそれを扱った事があるのだという。たが彼はメガシンカに必要なキーストーンを所持しておらず、話を聞くに手持ちのポケモンにメガストーンも持たせていない様だ。何故彼がメガシンカを嫌がるのかマーシュは察しがついていた

 

(おそらくメガシンカ状態での暴走を恐れてはるんやろな‥メガシンカっちゅうのはトレーナーと絆の繋がりが大事やからな‥)

 

メガシンカ。進化を超えたシンカ トレーナーとポケモンの心を通わせる事が最低条件と言われている。組長とスピアーはとても強く、その最低条件をクリアしていると思われる。しかしそれには彼の過去が関係していたのだ。

 

(せやな‥ジムリーダーの話し合いでも聞いたロケットチルドレン。まさか組長はんがその犠牲者とは思わんかったわ‥いかに効率よう敵を制圧できるかちゅう考えでは絆を作るんは無理やろな‥)

 

そう。ロケットチルドレンによって彼は全てを奪われた。任務を忠実にこなす為にいかに冷酷になるかが全て。そんな考えで絆など芽生える筈がない

 

(スピアーの主人に対する感情を無理やり解き放たせて、メガシンカさせたんやろ‥そんなふうに考えるのが妥当やね‥)

 

トレーナーへの強い信頼から生まれるエネルギーを使ったメガシンカを別の感情に置き換えたのでは無いかとマーシュは考察する。彼の過去から見るにさぞ冷徹に振る舞ったに違いない。そこから考えるに別の感情とはトレーナーに対する恐怖であり、苦しみと言った負の感情だ。

 

(ロケットチルドレンとしてホウエンに送られて、効率を高めるために負のエネルギーでメガシンカを試みたんやけど、失敗してしもたんやろな。組織の命令とはいえ、子供にやらせるんはほんまに酷やで‥)

 

子供はとても感受性が豊かだ。キリカがそうであったように全てを受け入れる柔軟力がある。手持ちのポケモンに負の感情を植え付け子供にやらせるのは相当なトラウマの筈だ。

現に彼はとても苦しんでいた。自分にはメガシンカさせる資格が無いと。逃げ出したくなるほどに

 

(組長はん。あんた、パートナーとしっかり向き合ったんやないの‥ そやからスピアーもあんたの言うことを聞くし、連携もめっちゃええんや。スピアーはもうあんたの過去なんて許してるで! せやから本来のメガシンカもできるはずや)

 

彼は己の過去と向き合い、それを克服しようとしているではないか。今は難しいかもしれない。だが時間が経てばメガシンカをする事が出来るだろう。そんな彼が無闇にジョウトを火の海にする筈がないマーシュはそう確信した。

 

(あの人の言うケジメは抗争とちゃう、別の何かやな‥プラズマ団をジョウトから追い出すんか、もしくは解散させるちゅうことなんやろか?ワビ組の力をフル活用して、ジョウトの人間を影から守るいうことは確かやな)

 

抗争を用いずにプラズマ団を組織的に活動不能状態にする事が彼の考えるケジメかもしれない。もしかしたら他にもあるかもしれないが、今思いつくのはこれくらいだ。

 

「そう言えばマーシュ様はあの時先生と何を話されていたんですか?」

 

マーシュが思案していた時に何か気になった事があるのかキリカがマーシュに問いかける。

 

「ん?あの時?」

 

「ええと‥わたしがあの女の子達と話していた時、マーシュ様と先生が話していましたよね?でもなんだか最後の方でマーシュ様と先生が黙っていたのが気になって‥」

 

「‥えっとなぁ‥それは‥」

 

マーシュは必死で思い出そうとする。ワビ組の組長と話していた時、そう言えば組長とメガシンカについて話した時、彼が気持ちを吐露して落ち込んでいた時に彼を心配して手を添えて励ました事があった。その後の事をマーシュは振り返り、ハッと顔を上げた

 

 

 

『世界はあなたは美しい‥それを愛して進んでいきます』

 

 

「‥‥//!」

 

彼の口説き文句の様な口上が頭をよぎる。思わず顔が紅潮しキリカから顔を背けてしまう程に動揺していた。思わず両手で頬を摩るとその想いが熱として手に伝わった感じがした

 

(あ、あかん!あの時のお兄さんの台詞が急に‥!あんなん告白やろ!なんであんな綺麗な顔で言うはるん!)

 

マーシュの手を取り、下心も無い純粋に真剣な表情で瞳を見つめられた事に驚きを隠せなかった。今までそんな経験が全くなかったのだ。

まるで子供向けの絵本に出てくるお姫様に告白する王子様の様なメルヘンな雰囲気。

 

組長の顔は強面だが、顔は整っている。ワイルドで強面な表情から見せない弱さの側面も持ち合わせながらも真摯に向き合う姿を見たマーシュの心は掻き乱されていたのだ。

 

(意識せんようにしとったんやけど‥あかんわ!不意に組長はんの顔が浮かんでくるんや‥!なんなんや‥これ‥)

 

「え!?どうされましたか!先生とまさか喧嘩したんですか!?」

 

「いや、ちゃうんよ。ちょっと体がふらついてしもうてな‥お兄さんとはその‥色々話してもうて疲れただけやから‥」

 

「え!?大丈夫なんですか!?でしたら、早く戻って休みましょう!」

 

「せやな‥そないしよか」

 

キリカちゃんに心配されてうちもまだまだやな。とマーシュは内心ため息を付いていた。それ以上に心が落ち着かない要素もあり仕事どころでなかったからだ。

 

(組長はん‥いや、お兄さん‥なんやろな‥あんたとはまた会える気がするわ。もしカロスに来てクノエに寄ってくれたら‥またお話ししたいなぁ。そしたら何か分かるかもしれんしなぁ‥)

 

この想いはなんだろうか。不思議と嫌な感じはしない。初めてポケモンを手にした時、或いはジムリーダーに就任した時の高揚感に近く、胸が高まる感じだ。

 

マーシュはこの想いに蓋をして胸に秘めたまま過ごしたいとも思ったが、彼と話すと更に胸が高まる気がした。もっと彼と会いたい。もう一度手を握って欲しい。この強い思いが形になって欲しいとも━━

 

それが身を結ぶ事があるのか、それは彼女のみぞ知る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃ワビ組組長‥

 

 

 

(カロスの旅か‥ミアレシティとか行ってみたいなぁ‥プリズムタワーとか見たいし、前世で言うパリが舞台だから華やかなんだろうな‥)

 

カロス観光ガイドブックを目にマーシュとは違った胸の高まりを感じていた。

 

後に彼はミアレシティを訪れるが、理想と現実のギャップに苦しんだり、ミアレのスジモンに絡まれたり、あるメイドラゴンに目をつけられるなど、ミアレシティでの大騒動に巻き込まれるのだがそれはまた別の話




主人公‥着流しでエンジュ観光の夢を叶えたがそれと引き換えに色々と問題を引き寄せた問題児。ちなみにスピアーはメガシンカを嫌ってはいないが、体がデカくなり普段とは違う動きをする必要がある為、戦いづらさは感じている模様。もっと特訓しましょう。
ちなみにタッグバトルの立ち回りはスピアーの独断がほとんどなので、主人公は基本ただ突っ立っているだけ

マーシュ‥主人公の告白まがいの言動に内心振り回された。初めての経験による強いショックで胸がドキドキしていただけで吊り橋効果に近い。後にそれは恋なのでは?と強く思ってしまった事で恋する乙女に変貌しつつある。チョロすぎる。
XYよりも若く、まだメルヘンチックな考えも抜けきれていないのも原因。もしXY時代に同じ事されても笑って流していただけで済んだ。

キリカ‥主人公の美の価値観(勘違い)に衝撃を受け、先生呼びをした人。自称生徒
次会うまでに美の価値観を高めて先生を驚かせたいです!と気合い十分。

ミニスカ少女たち‥今回の件でジョウトにいると危ない事を伝えられガラルに帰国。キリカとは友達になり、時々電話する仲になった。

メガシンカ道具くれたおっさん‥かつてはメガスピアー使いとして名を馳せたが相棒も死に、トレーナー業を引退し、メガストーンとキーストーンを手放そうとした。ある日、運悪くチンピラに絡まれた所を通りがかりの主人公に助けられる。主人公の腕前とスピアーとの関係性、更にスピアーの体の仕上がりを見て主人公にスピアナイトとキーストーンを託した。

プラズマ団のしたっぱ‥イッシュ地方からわざわざ来たが、マーシュと主人公にボコられたかませ犬。こいつらのおかげで一人の女の子が泣かされた事実があるのでワビ組がプラズマ団と戦う口実はできた。


ホウエン地方での旅
主人公が最初に旅した地方で3〜4年過ごした。ジムには挑戦せず、観光や聖地巡礼中心。時系列で言うとΩR.αS辺りなのでマグマ団やアクア団の活動を目撃し、伝説のポケモンとも会っているがストーリーに直接関わっていない為、ΩR.αSの原作主人公と会った事はない。ちなみにこの世界ではユウキが原作主人公である。
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