あけおめことよろです!
2026年初投稿です。
「‥なんだと‥!」
「はい。ここ最近は例の組織が邪魔を‥」
年老いた男と一人の若者が向き合い、状況を報告していた。洞窟の中なのか辺りは岩で覆われ岩肌から雫が滴り落ちる音が反響するほどの静寂さ
「おのれ‥!ジョウトで戦力を増強し、ゲーチス様と合流してプラズマ団の権威を高める策が台無しではないか‥!」
「いかがなさいますか?七賢人様‥」
七賢人の年老いた男が戸惑いを露わにするとその言葉が洞窟内に反響して辺りを震わす。七賢人の男は若い男の声を聞くと、徐々に落ち着きを取り戻し冷静に状況を整理していく。
「‥場合によっては奴らと事を構えるのも視野に入れておけ。P2ラボから連れてきた例のアレはどうだ?」
「は!時間はかかってはいますが、大きな問題はないかと あのロケット団のアジトが今も使えるのは幸いでした。」
男達はプラズマ団のイニシャルが入ったマントを羽織り、七賢人の男が先頭に立ち若い男がその後ろに続く形になり、洞窟内を歩いていく
「
「は!リョクシ様!」
「うむ。ではいくが良い」
リョクシと呼ばれた年老いた男が手を上げると、若い男は頭を下げてその場を立ち去る。洞窟内はリョクシが一人その場に残るのみだ。
プラズマ団七賢人が一人リョクシ。
彼は同じ七賢人のゲーチスに心酔し、古代の城にて太陽の神と揶揄されるウルガモスの献上を試るなどゲーチスへの忠誠心は誰よりも高かった。
彼はゲーチスの野望の為に、留置所から脱走してジョウトにて機会を伺っていたのだ。
「‥‥!!」
洞窟の岩肌から滲み出る水を手に取ったが、すぐにその水を壁の岩に勢い良く叩きつける。これまで溜まっていた怒りを発露していたのだ。
「全く忌々しい!支配したいのなら恐怖を撒き散らし、圧倒的な力で平伏させれば良い!なのに必要悪と言わんばかりに影に徹して正義の味方ぶるアウトロー共が‥!実に非合理的だ。所詮は崇高な理念を持たぬ掃き溜めのゴロツキか」
ジョウトに流れ付き、活動を再開させるもそこにいたのはカントーの裏社会組織ワビ組だ。ナワバリの拡大に伴い、ジョウトの権益を狙っているのだろう。プラズマ団とは違い、理念も無く群れるゴロツキ達に怒りを覚えていた。全く合理的ではない。
ただ低俗な者どもが集まり、群れをなしているだけではないか
「おのれ!ワビ組め‥!」
リョクシの思う非合理的な組織であるワビ組。
プラズマ団最大の宿敵がリョクシ達の前に立ち塞がろうとしていた。
‥
‥‥
ハーイ!
ヤバミィのかなりやばみな感じの時間だぞー!
‥は!
なんだ‥?急に意識が乗っ取られたような‥
過労で意識が朦朧としているのか‥
まあいい、だが今そんな事を考えている余裕はない。
何故なら私は今仕事でキキョウシティに訪れているからだ。
キキョウシティ
なつかしい かおりのする まち
さらにさらに驚くべき事に私の目の前には皆さんご存知で大好きで公式からも愛されている特別ゲストがいるからだ
さあ、今日のゲストはナニモンなんじゃあ?
「‥ふふっ‥ここの茶屋の抹茶アイスは最高ね‥!来るたびに感動を覚えるわ。」
パクパクと抹茶アイスを頬張るニコニコ笑顔が眩しい。あーかわいい。
私もパクパクですわー。ウマウマですわー
膝に届く長さの金髪に、黒いファー付きコートを着こなすモデル顔負けの美女。シンオウリーグチャンピオンの‥そう、シロナさんです。
いやいや‥ なんでおるんや‥!
確かにシンオウを旅していたときに軽くお会いしましたけども!なんでここに!?
あの時は緊張して目線が遠くにいったりして、本人を見る事が出来なかった。緊張のあまり無表情になっていた様な気がする。
最近ネームドの人と会ってばかりでお腹いっぱいなんですけど、あとこんな美人と一緒にいるなんて緊張するんですけど
「本当に奇遇ね。まさかこんな所で会うとは思わなかったわ」
「そうですね。あの麗しいチャンピオンと再会できるなんて思いもよりませんでしたよ」
「あら?口が上手いのね。まあ仕事柄そういう事も多いのかしら?ねえワビ組組長さん?」
はぁあああ‥!バレテーラ‥終わった‥!
スジモンスイッチオンじゃ!
クミチョーの ひらきなおる!
しかし こうげきは はずれた!
ふふふと美しい笑みを浮かべるシロナさん
超綺麗なのだが堪能する余裕がなさすぎる。キキョウシティに組の事務所を置く事になり、物件調査を進めた際にたまたまシロナさんと遭遇した。
なんでも、アルフのいせきの調査の一環としてジョウトに訪れ、キキョウシティの名物茶屋を贔屓にしているとか 私はその茶屋に連行された。組員には適当に事情を説明して席を外してもらっている。
「俺の事覚えていらっしゃってたんですね。それと今の俺の事も‥」
「‥当然よ。あのミオ図書館でのあなたの歴史考察‥とても面白かったですもの。アルセウスと大陸を作った巨人達との戦争説は今まで聞いた事ないから」
まじで!? あの時のモブの私を覚えてくださるとは!嬉しい!けど今はカナシィ!
なんかテキトーにレジェンズアルセウスの知識とか使って話しただけですのに。カンニング組長ですまない
「そんなあなたが今やワビ組の組長。カントー最大の裏社会組織とは想像もつかないわよ」
「‥‥」
はわわ‥ これは目をつけられている‥
ギンガ団の壊滅に関わったチャンピオンだぞ!これはワビ組の殲滅に関わる気満々ですね。
現シンオウチャンピオンのヒカリちゃん来たらそれこそもうだめだ‥おしまいだ‥!
もうここは思い切って聞いてみるしかない!南無三!
「‥でしたら、私をどうされますか?かつてのギンガ団の様に私を滅ぼしますか?」
「‥ワビ組はギンガ団とは違うでしょう?冗談にしては笑えないわよ。あなたも意地悪ね‥」
「‥‥」
これは大丈夫なのか?言葉をかなり選んでいる様に見えるが、泳がして悪事がわかり次第お縄にするパターンか!?
私がうーんと悩んでいるとシロナさんは私の腰を見つめていた。
あれ腰に下げたボール見てどないしたんじゃ?
「‥ボールが5個‥手持ちが増えたのね。その古びたモンスターボール‥シンオウにいた時も持っていたわよね?大事なものなのかしら?」
ん?これ?
私の手持ちは4体だがもう一つ古びたモンスターボールを下げている。これは宝物みたいなものだ。ホウエンで初めて野生のポケモンを捕獲しようとしたが、野生ポケモンにボールを壊されて捕獲できなくなった
その為このボールにポケモンは入っていない。初心を忘れない為にずっと腰から下げたままだ。
だがボールの開閉機能は生きている為、このボールにはホウエンで出会った
いやなんでもないな
「ええ‥とても大事な宝物ですよ。俺には勿体無い位に‥」
「‥そう。あなたにも大切なモノがあるのね‥安心したわ‥」
何故安心? あなたは私の保護者か何か?
だとしたら嬉しいです!バブゥ!(幼児退行)
「‥覚えているかしら‥かつてシンオウでのギンガ団の悪事を‥ あなたも多少ながら関わりがあったはずよ」
あ、はい
あのクソダサ素敵ファッション連中にスピアーやカイロスを馬鹿にされてボコした事はあるけど基本ストーリーにはノータッチっすね。
ホウエンでは伝ポケに会ったけど、シンオウでは無いな!つまり平穏や!楽しかったで!
当時会ったネームドもシロナさん位だし
「ここ最近ジョウトでも怪しい動きがあるわよね?わかっている筈よ。ワビ組組長のあなたなら‥」
あ、やべぇ‥完全に釘を刺してきてます。
「まさかわたしの目の前で悪事はしないわよね?やったら潰すわよ‥」って事かぁ‥悪事しかしてねぇよ‥
インサイダーとか闇金とか不動産に違法賭博にフロント企業の経営やら、みかじめ料とかあげたらキリがないわ‥ まぁカントーだしシロナさんの目の前じゃないからノーカンで!とはいかんよなぁ
ジョウトのジムリーダーにも目をつけられているのにチャンピオンにも目をつけられるとは、もうやってけんわ
「俺はそんな大それた事はしませんよ。それこそギンガ団の様にはね」
「‥どういう事かしら?」
ジョウトで悪事はしませんよ。てか出来ませんよ。デカくなりすぎましたので‥ ジョウト進出なんて私ではなく部下が決めた事なので!(責任転嫁)
上司の失態は部下の責任!部下の責任は部下のもの!
(最低最悪ムーブ)
「俺は平和が好きなんです。(私の)平穏の為なら、何でもします。例え俺の‥」
組員が犠牲になってもなぁあ!(組長の屑)
あいつらを犠牲にしても生き延びる!
私の平穏を守って見せるぜ!これぞ極道の道を外れし、極外道なり!!
「‥いえ何でもありません。これ以上は無粋でしたね」
「‥‥何を言おうとしていたの?あなた‥まさか‥!」
しまった!組員を捨て駒にして私だけ生き延びる最後の策がぁ! そりゃあこんなクズは放ってはおけませんよね!!
「‥それだけはダメよ‥!あなた何を言っているのかわかっているの!?」
「‥‥」
バァン!と机を叩き、私を睨みつけるシロナさん。目が血走り殺意を感じる‥ひょええ‥怖い。
そりゃおこんな外道を放っておくわけにはいかんわなぁ ちびりそうや‥ でも口に出したからには貫かねばならぬ! ええいままよ!
「なんとでも。私はやり切りますよ 絶対にね それでは失礼します」
「‥‥!」
あー完全に嫌われちゃったなぁ‥
何やってるんだよ私は‥ こんな美女を怒らせてフォローもせず帰る事になるとは‥
最低だ‥私って‥
side シロナ
(何で‥こうなっちゃったの‥ )
シロナは茶屋から出たワビ組組長の背をただ目で追う事しか出来なかった。彼の言葉の圧に歴戦のシロナも思わず怯んでしまったからだ。
(ジョウトで暗躍するプラズマ団‥ワビ組はプラズマ団と事を構えるつもりだわ‥彼の言葉それは「例え俺の身を犠牲にしてでも平和を守り切る」‥でしょうね‥)
ジョウト地方で暗躍するプラズマ団がポケモン失踪に関わりがある事はわかった。義理人情を大事にするワビ組とは相容れない事から対立は必至であった。抗争をしてでもプラズマ団を止める理由が彼にあるのだ。
(何が彼を強くかき立てるのか‥検討はつくわ‥ あなたの過去ロケットチルドレンのケジメか‥)
ロケットチルドレン。ロケット団の被害者でありながらロケット団の時期後継者として表世界への加害者側へと成り下がろうとした。彼はそれを猛省し、裏社会の人間として彼なりに表世界に仇なす組織と戦うことでケジメを取る考えなのだろう
(あなたの神話考察は学会を揺るがす程の衝撃だった‥その卓越した知識はプロジェクト:ヌルのデータをロケット団が秘密裏に入手した‥と考えるのが妥当かしらね‥)
プロジェクト:ヌル
異世界の侵略者からの防衛計画だ。誰が何の意図で作ったのか、詳細は不明だが人間の技術でアルセウスを作り上げて侵略者達の防衛手段に当てはめる内容だ。それ故にアルセウス関連への考察はとても深い内容になっているが、そもそも異世界や侵略者とは何なのか誇大妄想な内容だと理解を得られず、人知れず廃棄された禁忌の計画だ。アルセウスの考察については他の考察資料よりも群を抜いている。
(ロケット団はポケモンの遺伝子から人工的にポケモンを作り出したと言われているわ。その技術とプロジェクト:ヌルのデータを使ってアルセウスを作り出そうとした。その為の調査の一環として彼をシンオウに送ったのね‥!)
ロケット団が人工的に生み出したポケモンミュウツー。強すぎるサイコパワーと並の人間を凌駕する頭脳を持つと言われている。その技術とプロジェクト:ヌルの資料があればミュウツーを超える最強のポケモンが作れるのでは無いかそう考えていてもおかしくない
(おそらくギンガ団の調査とシンオウの地理調査も並行して行っていたのでしょう。脅威になる組織の力も削ぐ意味でも‥だから彼はあの時勝負を‥!)
シロナは彼と神話考察を聞いた後に、ギンガ団2人と二体一で勝負を仕掛けられている所を陰で目撃する。通常であれば不利な勝負になる筈なのだが、それを感じさせず、彼の手持ちスピアーとカイロスの二体で圧倒していた。ロケットチルドレンの戦闘技術は伊達ではなかったのだ。
(まさにあの勝負は一方的な蹂躙だった‥それにバトルの時どこか冷たい目をしていたわ。その前もそう‥わたしと歴史考察の話をした時もどこか遠くを見る様な無表情。まるで人形のようだった‥)
ロケットチルドレンとして余程厳しい訓練をしてきたのだろう。彼の顔は無表情で瞳に感情が無かった。人として大事な感情を失っていたのだ。
(アカギが目指す新世界は彼の様な人間を生み出す事でもあった‥ でもそんなの新世界では無いわ。彼は被害者‥ 自分の世界の為に他人を犠牲にするものでは無い!)
ギンガ団のボスアカギの目指す感情の無い世界がもし生み出されてしまったのなら世界は彼の様な人間で埋め尽くされる。それがどれほど世界にとって不幸かは想像を絶する。
(でも、気づいてるかしら‥あなたの一人称以前は「私」だった。とても固くて本当の操り人形の様だったのよ。でもあなたは「俺」と‥ 言ったのよ。それに大事な宝物もあると‥着飾ったあなたではなくようやく自我を出せたのね)
シロナは久しぶりに再会した彼と話した時、以前とは様子が違う事に気づいた。一人称の変化ではない。彼はカントー最大の裏社会組織ワビ組のボスになっていた。立場が彼を成長を促したのだろう。だがシロナはそれ以外にも理由があると感じていた。
(あなたは本来平和を愛する人間だったのね‥ だけどそれとは真逆の使命と運命を背負わされた‥表の世界では無く裏社会に入ったのも過酷な運命を受け入れて、影から守る事にしたのね‥)
なんて潔いのだろう
なんて清らかなのだろう。彼の精神性は
こんな優しい人間を争わせる大人が何と汚いことかシロナは怒りで体が震える程に
(だけどあなたは心の内で死にたがっている‥ 自分に価値は無いと言わんばかりに‥ロケットチルドレンの運命に縛られ、自身の幸せを求めようとしていないわ‥だからあなたは簡単に己の身を捧げることができる‥それが残酷である事がわからないの!?)
無垢でありながらも己の命を軽く扱う。自己犠牲に見えるがそこにあるのは破綻した己の在り方だ。そんな手段しか持ち合わせていないのなら彼にそれ以外のやり方があることを伝えなくてはならない。
(わたしはあなたを死なせないわ‥生きてこの世界を見届けて‥!あなたの素晴らしさを知る人は少なくともここに一人いるわ‥!)
(止めなきゃ‥!ワビ組とプラズマ団が本格的に抗争を始める前に‥最悪プラズマ団との心中もありうるから‥!)
ワビ組とプラズマ団が抗争に発展していくのも時間の問題だ。しかしシロナ一人では抗争を止めることができない。彼女は仲間を集い争いを少しでも減らす為に動くことを決意していた。
一方ワビ組組長‥
(仲直りしてぇええ! でも会うのもちょっとなぁ‥そもそも連絡先知らんし何も出来んな)
一人後悔の念に苦しんでいたとか‥
主人公‥手持ちは4体のむしタイプ使い。もう一つ腰から下げたボールはホウエンで出会ったあるポケモンから貰った大事な物を入れてある。無論死ぬ気はない。むしろ生きたい
シロナ‥元シンオウチャンピオン。
彼がシンオウを去った後にロケットチルドレンな過去とそこでの凄惨な生活から己の命に価値を見出せない(勘違い)事を知り、年上として導けなかった事に苦悩する。命を簡単に捨ててまで平和を守ろうとする組長はプラズマ団と抗争をするかもとかなり焦っている
リョクシ‥プラズマ団七賢人の一人で、BW本編だとただ影の薄い人。決してオリキャラではない。合理性を重視し非合理なものを嫌うゲーチス過激派の1人。
プロジェクト:ヌル
アローラ地方のエーテル財団が一時的に資金難に陥り、ウルトラホールとウルトラビーストの脅威とその対策として人造ポケモンを作り出す論文を出して資金援助を要請した計画である。
当然ウルトラビーストの存在など信じられず、資金援助する者などいなかった。その人造ポケモンのベースであるアルセウスに纏わる考察資料はそこそこの出来なので主人公の原作知識よりも考察は弱い。
後にこの計画を財団独自で練り直して作り出されたポケモンこそ、タイプ:フル 後のタイプ:ヌルである
ちなみにこのプロジェクト:ヌルに関しては都市伝説として語り継がれている部分が多く設定も盛られた。研究資料が流失したのは全くの嘘なので、ロケット団はこのデータを入手してない また冤罪です。
次回は主人公の過去話の予定です。