ナニモンなんじゃ? スジモンじゃあ!!   作:年中裸足の人

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最終話です。
本編はこれでお終いです。



その筋の者(スジモン)よ永遠に。

 

 

 

 

 

 

ワビ組がプラズマ団アジトに攻勢を掛けたあの抗争からおよそ10日。

 

 

ジョウトは平穏を取り戻しつつある。

ワビ組の活躍もありジョウトで活動していたプラズマ団残党の首領リョクシは逮捕された。

 

国際警察のハンサムと言う刑事に身柄を引き渡した後はプラズマ団員達も同じく身柄を拘束された。

何人か逃亡したプラズマ団員達もいる様だが、捕まるのも時間の問題だ

 

リョクシは最後までワビ組の組長にお礼を述べていた。自分を変えてくれた彼という存在がジョウトだけではなくリョクシ自身も救い出したのだ。

 

 

 

 

「全く彼にはいつも驚かされるよ。カントーの次はジョウトの裏社会も抑え込もうとしていたとはね‥」

 

「当然ね。わたしのライバルだからそれくらいやって貰わなきゃ困るわ。」

 

 

ジョウト地方にある観光名所いかりのみずうみ。

かつて赤いギャラドスが出現したと言われていたが、今は釣りの名所へと変わりつつある。

ワタルとイブキは湖のほとりに佇み、話をしていた。

 

 

「‥トラウマを乗り越えてまたメガシンカが使える様になったのはいいけど‥あのリョクシに使う必要はあったのかしら?話を聞く限り普通に戦っても勝てたと思うけど‥」

 

「‥あれでいいのさ。リョクシが初めて見せた己の意思‥それに彼は答えたかったんだと俺は思う。メガシンカしなかったらそれこそ無粋と言えるだろうしね」

 

「そ、それはそうだけど‥!」

 

 

イブキはリョクシとの勝負時に彼がメガシンカを使った話を聞き、トラウマを乗り越えて嬉しい気持ちだったのだがそれとは違う感情も抱いていた。

 

ワタルはため息を吐きながらもイブキにその感情について触れようとしていた。

 

 

「‥そんなにリョクシにメガシンカさせたのが嫌だったのかい?」

 

「!なによ!悪い!?初めてのメガシンカはわたしがよかったの!他のトレーナー相手にメガシンカ披露とかライバルとしてわたしの立つ背が無いじゃない!!」

 

 

(全く、妙な所で意地を張るな‥ イブキらしいと言えばそうかもしれないが‥)

 

 

イブキが彼に向けた執着は度が過ぎていた。

捕らえたプラズマ団員がワビ組の組長の悪口を言っていた時はそれに憤慨し、ライバルであるわたし以外が悪口を言うのは許さない‥!と睨んだりする程に。

 

初めて出来た対等なライバルだからこそ見ず知らずの人間が彼を語る事が己のプライドに傷を付けるとイブキは思っているのだ。

 

(俺としてはあのイブキにライバルが出来て嬉しいんだが‥今思うと彼に出会う前の強さばかり求めていた頃よりも面倒かもな。やれやれ‥前途多難だな)

 

「ちょっとワタル!聞いてるの!?」

 

 

思考を続けるワタルになおも声を荒げるイブキ。

その顔は紅潮し、息を切らす程ワタルに詰め寄るなど痴話喧嘩にも見える光景だが互いに従兄妹であり、同じ師の弟子であるからこその仲とも言える。

 

 

 

そのままワタルとイブキは雑談を続けていると背後から革靴のコツ、コツという足音が響く。

足音が重なって聞こえる事から二人の人間が近づいてくるのがわかった

 

ワタルとイブキはその音に反応して振り返るとスーツ姿の男性二名が立ち止まりワタルとイブキに挨拶をかわしていた。

 

 

「お疲れ様です!ワタルさん!イブキさん!先日の件ありがとうございました!!」

 

「ああ。君は若頭のチャイブ君‥だったよね。こちらこそだよ。プラズマ団の捕縛ありがとう。ポケモンリーグとして改めてお礼を。本当にありがとう」

 

「同じくジョウトの平穏に尽力して下さり、わたしイブキからもジムリーダー代表として感謝申し上げます。」

 

イブキとワタルは目の前のチャイブと呼ばれる男に頭を下げるも手を大きく振りチャイブは慌てた表情で恐れ多いからやめてくれと懇願していた。

 

 

「いえいえ!とんでもない!俺たちはただ兄貴‥いえ、組長の力になりたかっただけですから!」

 

 

チャイブと呼ばれる男はワビ組若頭。つまり組のNo.2だ。パンチパーマに強面のスーツ姿はまさに裏社会の人間としての風格と威圧感を醸し出している。

 

 

「そうか‥彼の容体はどうだい?」

 

「さっき様子を見てきたんですが、担当医曰く順調に回復してるそうです。ワタルさんやシロナさんが組長を担ぎ込んでくれたおかげですよ。」

 

チョウジタウンのプラズマ団アジトで首領のリョクシとの一騎打ち後に意識を失ったワビ組組長。

アジトはその後倒壊し地下施設は全て瓦礫に埋もれた

 

そんな危機的状況ではあったが、ワタルとシロナの二人によって組長はチョウジタウンの山間にある病院に担ぎ込まれた。

幸い命に別状は無かったものの丸2日寝たきりで今日より面会が許されたそうだ。

 

ワタルとイブキは互いに彼の容体が悪化していない事を喜んでいた。

そして容体が悪化していない要因としてワタルは一つの持論を述べていた。

 

 

「ミュウツーが彼にいやしのはどうを使ったおかげで多少は柔らいだのもあるだろう。それ程までにリョクシとの戦闘は壮絶だったのだろうね‥」

 

 

組長が意識を失った時の表情はとても安らかで、まるで眠る姿に見えたと言う。手の脱力具合や呼びかけても起きない様子からワタルとシロナは彼が事切れたと勘違いする程に。

 

しかし今、彼は息を吹き返している。それは彼が生きる意思を示した事とミュウツーの蘇生術によるものだろう

 

ワタルが口にしたミュウツーという言葉にチャイブは表情を強張らせてワタルに問いかけていた。

 

 

「ミュウツー‥やはり組長は例の‥?」

 

「ああロケットチルドレンだ。‥チャイブ君は知らなかったんだっけか‥」

 

「組長は過去について全く語ろうとしませんでした。そう言う事情があったんですね‥」

 

 

 

ロケットチルドレン。

ロケット団の時期担い手として洗脳教育を施された被害者とも言える存在である。

ワビ組の人間の中に元ロケット団の人間はいないが、ロケット団によって人生を狂わされ、裏社会に身を落とした組員もいる。

 

「ロケット団最大の被害者と言える立場だが、それを恨まずに邁進してるとは‥それに俺たちの為を思って‥本当に敵わねぇな‥兄貴‥!」

 

 

チャイブが彼の過去を知ったとてこれまでと何ら変わりはない。それ程までに真っ直ぐな男だった事を強く実感しただけだった。

 

 

組長が組員に過去の話をしないのはおそらくそういった人間に配慮しているのもあるだろう。己が一番の被害者であるのにも関わらずにだ。

ただひたむきに己の役割をこなす事が彼の思いとなっているのだろう。

 

(‥確かにロケットチルドレンではあるが、彼はあのミュウツーと同じいわば人造人間に近い存在‥というのはまだ話さなくて良いか‥俺とシロナさんのみ知るこの情報はあまりに刺激が強いからね)

 

彼が持つバトルセンスや敵に対する容赦の無さはミュウツーの持つ遺伝子配列によるものだ。

彼は人為的に作られた存在である事もチャイブに伝えるべきか迷ったが今はその時ではない。とワタルは判断していたのだ。

 

 

「レシラムだけではなく、あのミュウツーにも認められるなんて‥‥」

 

「レシラム?‥確か海外の神話のポケモンだったかしら‥?」

 

チャイブの後ろにいたもう一人のスーツ姿の端正な顔立ちをした若い男性が小声で呟く。

レシラムという単語にイブキは咄嗟に反応し額に手を置き、思い出そうとしていた。

 

イブキの考える素振りを見たその男性は咳払いをするとゆっくりと話し出す。

 

 

「真実の英雄レシラム― イッシュ地方に伝わる伝説のポケモンで、プラズマ団の王N様の手持ちです。」

 

「‥‥!」

 

「プラズマ団‥そう言えば国際警察の刑事が言っていたN‥!まさか組長君はそのレシラムとも関係が‥!」

 

驚きのあまり目を開くイブキ。ワタルは声を荒げる程の衝撃を受けていたが、それに続くように男は言葉を紡いでいく。

 

「ええ。組長が話してくれました。今から約2ヶ月前にタンバシティでN様と夢を語り合った事‥レシラムにバトルで認められレシラムの羽根を託された事‥」

 

「‥な‥!?レシラムに認められただって‥!つまり彼は英雄の資格があると‥」

 

「‥ふふっ全くあなたはわたしの予想の遥か上をいくのね‥益々超えるのが楽しみになってきたわ‥!」

 

ワビ組の組長は英雄の資格があるという事に、ワタルは驚愕の表情をイブキは当然だと言わんばかりの歓喜の表情を浮かべていた。

 

しかし、なぜ目の前の男はこれ程までにプラズマ団の事情について詳しいのか。ワタルはその事を問うと、男は黙り込んでしまい、チャイブが俺が話そう。とワタルとイブキの前に入り、理由を説明する

 

男は元プラズマ団員である事。リョクシ達が属するゲーチス派とN派の対立、再びイッシュ地方でゲーチス派率いるプラズマ団らしき構成員が姿を現しつつある事などをかいつまんでワタル達に話したのだ。

 

 

「そうか‥君はそのN派という事か‥」

 

「はい。俺はイッシュに戻ってN様の帰りを待ち、罪滅ぼしをするつもりです。だからケジメをつけてワビ組を辞めるつもりだったのですが‥」

 

「組長から破門を叩きつけられまして‥」

 

 

破門。

それは事実上組からの追放処分と言えるものだ。確かに組を辞める事は出来たが、これだと勘当され捨てられたのと同じ。

これまで組長に期待され、元プラズマ団としてのケジメをつけたのにあんまりではないかと落ち込んでいたのだ。

 

「俺に席を外して貰って、病室でお前と組長が二人で話していたのはそれだったのか‥だが組長は優しいな。」

 

「そうだね。俺もチャイブ君と同じ意見かな。」

 

「え?ど、どう言う事でしょうか?」

 

チャイブとワタルは彼の心配りに感激している様子であったが、破門を言い渡された男は何度も瞬きし、二人に目配せしたりなど状況が理解できていなかった。

 

チャイブはため息を吐きつつ男に向き合い事情を説明しようと口を開く。

 

「‥あのな‥組長がお前を破門したのは組の体裁を守る為だ。組抜けは厳禁である事は以前伝えたな?安易な組抜けは組の情報漏洩に繋がり、それが組長や組員の危機に繋がり組織が崩れる可能性がある。」

 

 

裏社会組織に属する様な無法者に表社会の法は通用しない。そんな彼らを縛るものが表社会より遥かに厳しい絶対的な鉄の掟だ。

その掟で無法者達を縛る事で、裏社会の秩序は形成されていく。

 

もし、その掟を破ったらどうなるか‥

それは死よりも恐ろしい制裁が待っている。

その制裁という罰が機能するからこそ無法者達は組織を裏切れず強い恐れによって纏まっているのだ。

 

 

「お前が元プラズマ団としてのケジメを取っても、それはお前の個人的事情で納得しない組員もいる。だからこそ破門という形を取り、組長の判断で組から追い出した。という体を為した方が都合が良い。それにお前も組を抜けた裏切り者と見られずに済むからな」

 

 

 

「‥組長はそんな事まで考えてたなんて‥俺はなんて浅はかなんだ‥!」

 

組長の彼も本来であれば盛大に見送りたい筈だ。だが裏社会の組織である以上組の体裁を守る必要がある。組織の長でありながら一人の人間にここまで心配りを見せた組長に男は己を恥じていた。

 

 

 

「‥さて、お前はもうカタギの人間だ。これ以上俺たちと話す事はない筈だ。‥組の人間でないのなら早くイッシュに行ってお前の進む道を行け!」

 

 

チャイブは男に発破をかけるように男の眼を見て叫んだ。チャイブの声を聞いた男は背筋を正してチャイブと向き直ると頭を下げて感謝の意を伝えた。

 

 

 

「‥チャイブのカシラ‥これまでお世話になりました!このご恩は忘れません!!」

 

 

 

 

頭を上げて涙を拭い男は踵を返すと、足早にその場を後にした。その後ろ姿が見えなくなるまで見つめるチャイブとワタル達。破門とは言え、彼の新しい門出を見届けようとしているのだ。

 

ワタルは男が去った後にチャイブの横に立ち、横目で話しかけていた。

 

 

 

 

「組長君があの男を破門にしたのには理由がもう一つあるんだろう?」

 

「‥ええ。俺もそう思いますね。組長が『絶縁』では無く『破門』にしたのはあいつの事を思っての事だと‥」

 

「?どう言うこと?その『絶縁』と言うのは‥?破門とはどう違うの?」

 

 

裏社会組織の中で最も重い処分が『絶縁』と言われている。破門は追放処分だが一時的であったり、組に復帰する事も可能ではあるが、絶縁は組に復帰する事は不可能。つまり裏社会組織から完全に追放され、社会的に抹殺されて関わりを持つことすら禁じられるのだ

 

チャイブは簡潔に説明するとイブキは「それがあいつの事を思っての事‥」ってどう言う事?と更に問いかける。

 

チャイブはおそらくですが‥と前置きを入れ、話し始める。

 

「もしあいつが今後、後が無くなりイッシュで居場所を失った時、組に帰ってきても迎え入れる為かと‥破門なら復帰の可能性もあるので‥」

 

組長はあの男の事を案じていたのだ。

N派の元プラズマ団とは言え、世間からは冷たい目で見られている。もしイッシュに戻っても上手くいかず全てが立ち行かなくなったのなら、また組に迎え入れる事も考えていたのだ。

何と言う度量の広さと器の大きさである事か。

 

ワタルとイブキは改めてワビ組という組織が強大になる理由を心から理解した。

ワビ組が裏社会最強の組織とも言えるその所以を。

 

(ロケット団が裏社会を制覇できなかった理由はいくつかあるが、組長の彼という存在が関係しているのだろう。)

 

 

それは彼の度量の広さ

してんのうに匹敵するほどの腕前

義理と人情を第一としカタギには決して手を出さない事を徹底し、必要悪としてカントーとジョウトを影から守る立役者として徹する事。

 

彼に憧れて裏社会の人間になる者が多いのも納得する理由であると言える。

 

しかし彼は組員のみならず、表社会の人間も魅了しつつある。ワタルはそれについて考えていた。

 

(彼と関わった人はみんな彼を助けたいというサカキとは違ったカリスマが彼の強みかもな‥)

 

(強い信念と力で魅了するサカキと不器用ながらも前に進み、弱さを見せながら周りから助けられるカリスマか‥)

 

己の不幸を呪わず更には自罰的になっていた彼。

サカキとは違い、彼は裏社会の人間に相応しいとは言えない部分がある。

それは優しさであったり、己に厳しい事であったり、自罰的であったりと過去に未だ囚われている。

 

それでも彼は己の為ではなく、組や友人、大切なモノや平和を守る為に傷つきながらも進む決意を示した。

 

そんな彼を見て周りが放っておく訳がない。

その彼の弱さこそが彼の強みでもあるのだ。

 

 

(良い天気だな‥ワビ組はいずれジョウトの裏社会も席巻するだろう‥そうなれば裏社会の秩序は更に安定し、犯罪も大きく減る。)

 

(これまで成し遂げられなかった事を君は成し遂げようとしているんだ。俺は君を応援するし、また力になれることがあったらいつでも頼ってくれよな!)

 

 

雲の切れ間から光が差し込み湖を照らしていく。

光の乱反射で幻想的な輝きを見せるその景色はとても美しく、彼の人生を賞賛している様に見えた。

 

 

まだジョウトの夜は明けたばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

‥‥

‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お控えなすって

手前生国と発しますはカントーにござんす。

稼業スジモンはクミチョーをしております。

こちらへは浅からぬご縁をいただき‥‥って

 

いつから私は狂客だと錯覚している?

 

 

と言うわけで丸2日大爆睡しておりました。

今は無事退院しましたよ。結局疲労とストレスが積み重なったものかもね。

早く大人のお姉さんと会いたい思いが強くて、医者の話全く聞いて無かったわ。まあ大丈夫っしょ!

 

夢の中ではまさにお花畑で美女やかわいいポケモン達に囲まれていたが夢が覚めたら、あら絶望。

ワビ組のモン達に揉まれたりして、私はブチギレそうになった。人の夢は終わらねえ!!

 

 

 

お、そうだ(唐突)

イケメンスジモンが私にケジメ(綺麗なお姉さんを紹介)しそうにないので、訳を聞いたらプラズマ団潰すのが俺のケジメなんです!とかほざきやがった。

そもそもあいつの願い事というのが組を辞める事だった事を話してくれたんですよぉー は?(ブチギレ)

 

私は激怒した。カッとなって思わず破門にしてやった

これであいつの顔を見ずに済む!あースカッとした。

そのまま帰ってくるなよな

 

これぞ破門!破門失踪(オーバードライブ)!!

 

 

 

‥と、その後は見舞いに来たジョウトジムリーダーのアカネさんに健康に気を使えだのと呆れられたり、ミカンさんが何故か泣いたりしたが私ってそんなに怖いのかな?

まあスジモンフェイスですし、しょうがないね

 

それからアジトで共闘したあるポケモンの影響で私に不名誉なあだ名がついてしまったのだ。

 

その元凶というのが‥

 

 

 

『?どうかしましたか?我がトモよ。まだ体が疼きますか?』

 

 

今目の前にいるミュウツーさんです。

宙に浮かび私の周りをウロウロと浮遊している。

 

 

 

 

ミュウツーが私を気にかける所を見たワタルとシロナさんがあの凶暴なミュウツー操るとかロケット団じゃね?的な事を言っていたのだ。

 

世代的にロケット団ではないのは誰もがわかる筈なのだがあの二人が言うのならとその噂が広がり、ロケットチルドレンとかいう不名誉なあだ名を付けられてしまった。

そんなアダルトチルドレン的な事いうなよぉ!

 

 

つまりワタルに嵌められた。

こうして私に無実の罪を着せて弱みを握り、取り消したければ、けつあなを確定させろと脅すに違いない!

 

シロナさんが協力する理由は知らんが、あの人はまだ私の事を許してないのかもな‥ すまねぇ‥!

 

 

 

さて話を戻そう。

私は退院したが体力低下が凄まじく、未だに病院に行き経過観察をしている。

 

山間の小さな病院で人目につかない隠れ家的な感じが最高に良くてテンションが上がり、屋上で一人黄昏ている時にミュウツーと鉢合わせて今に至る‥

という訳ダァ!

 

 

『ふむ。経過は良好‥体が疼く訳ではないのですね‥でしたら大丈夫です。』

 

 

私の体をペタペタ触るミュウツー。

やめんか!そのペタペタちょっとくすぐったいんだ!

ちょっと手が光ってる(・・・・)様に見えたがそれで私を検査してる感じかね?便利やなあ(他人事)

 

それと体が疼くとか厨二が再発したのか?

厨二になったりスジモンになったりブレブレじゃんよぉー!

 

でもこうして生きているのもミュウツーのおかげだから全然オッケーです。

 

「ありがとうミュウツー。君のおかげであの時は助かったよ‥ これのおかげなんだよね?」

 

私は腰に付けていた古びたボールを取り出して中から石ころを取り出す。あの時はめちゃ光っていたが、今は光を失いただの石ころ。

 

『礼には及びませんよ。その石ころがキミと私を引き合わせた‥そう考えたのならばその石ころのおかげ‥とも言えるでしょう。』

 

「‥‥」

 

つまりどういうことだってばよ‥

てかこの石ころは何なんだ‥?

ミュウツーに持たせるキーアイテムか?

はかいのいでんし的な持たせると強くなる的な?

 

『石ころに込めたワタシのパワーも尽きてしまった様ですね‥あの時石ころ本来の持つ不思議なパワーが増幅していなかったらワタシもキミの感情に気付けずにいたのかもしれませんね‥』

 

 

え?それまじ?

石ころの持つポテンシャルヤバスギィ!

ただの石ころなのに何でそんな不思議パワーがあるんだよ。隕石か何か? デオキシスの肉片?

 

 

てかやべえよ‥これから私をロケットチルドレンとか不名誉なあだ名を理由に私を襲いに来る人たちが増えるかもしれん。その為にも戦力が必要DA!

 

背に腹は代えられんが仕方ない。

私はミュウツーと正面に向き合って声色を変え、真剣な顔つきで話しかけた。

 

 

「ミュウツー突然だけど君にお願いしたい事があるんだ。」

 

『何でしょう?キミの望みならなんなりと』

 

「私の友達としてずっと一緒にいてくれないかな?」

 

『!!』

 

 

そう!ミュウツーを仲間にすれば万事解決だ!

最強とも言えるミュウツーがいれば私を攻撃した奴を迎撃できる!あのゲノセクトを倒せる実力があるから返り討ちにできるぜ!

 

私は興奮して思わず顔に出そうになるが、それを堪える。ミュウツーは驚いた表情を浮かべた後に優しい笑みで私を見つめ直す。

 

 

『‥ふふっ‥キミは本当に真っ直ぐですね。ワタシもその望みはとても嬉しく思います。』

 

「‥!じゃあ!」

 

『‥ですが申し訳ありません‥今すぐには難しい。まだワタシの力の制御は満足とは言えません。』

 

 

え? この流れだと仲間になるフラグだったじゃん!

会話の内容的に断るとかないよね?ね?ねね??

制御とかホウエンの時も言ってましたよねぇ?

そんなに大変なのぉおおお!?

 

 

『あの時の戦闘もワタシはかなり細かく制御しましたがあの制御でも持って2日か3日です。キミと過ごすとなると更に長期間制御する必要があり‥周りを考慮して強度な制御が必要になるかと思われます。』

 

「‥‥」

 

『ですから制御を完璧にするまではワタシはキミの手持ちにはなれません。トモの好意を無下にする事はとても心苦しいのですが‥』

 

 

トホホ‥ フラれてしもうた。

まあフラれるのは慣れっこだが、これは私の命に関わる事だから何とかしないといけない!

 

でもミュウツーの意思も大事にしたいしなぁ‥

どうしよ‥?

 

と私が悩んでいるとミュウツーがところでトモよ。と話しかけてきたので私は再びミュウツーの顔を見た。

 

 

『‥ワタシが今日キミと話したかったのは今話した事もそうですがキミと会わせたいモノがいるからです。』

 

「ん?合わせたいモノ?」

 

『はい。‥お待たせしました。さあ出てきなさい。』

 

 

 

ミュウツーが浮遊したまま手をゆっくりと上げるとミュウツーの前に謎の飛行物体が!

うお!風圧やば!飛ばされそう!

スカート履いたお姉さんがいればいいのに!

 

その飛行物体はミュウツーの前を通り過ぎると私の前にゆっくりと体を変形して降り立つ。

一面が真紅とも言える赤色が目立つそのポケモンは言うまでもないあのポケモンだ。

 

 

 

 

「まさか‥ゲノセクト‥!?」

 

 

 

 

「ギュオーン!」

 

 

 

まじかよ!なんでここに!?

病院だぞ!静かにせんか!

 

あわわわ‥!やっぱデカい‥!

並んでみるとミュウツーよりもデカいとかまじ?

 

私はゲノセクトのテクノバスターを思い出し、恐れで頭が真っ白になろうとしていた

 

ミュウツーはそんな事お構いなしに饒舌に話し始めた

 

 

『あの時倒壊する地下施設からゲノセクト達をテレポートで逃しましたが、この赤いゲノセクトはキミに興味を持ったようでして、その後話をしました。』

 

「ギュ!」

 

『人とポケモンのキズナと強い意思の力‥それをこの子は知りたがっている‥他のゲノセクト達は散り散りになり、行方知れずの様ですが‥この子はキミといれば何か掴めるのかもしれません。』

 

 

あわわ‥話が頭に入らんよぉ‥つまり何が言いてえ‥

状況が追いつけんよ。

 

 

「と言う事は‥つまり?」

 

 

 

 

 

 

 

『ええ。この子を手持ちにするのはどうですか?トモよ。』

 

 

 

 

え?何がどうなって、そうなったの?

てかゲノセクトもらっちゃっていいんすか?

戦力として申し分ない!これなら私を襲う連中も返り討ちにできるぜ!ありがとう!ミュウツー!!

 

まあ、あのおっさん捕まったし大丈夫か!

盗んだ訳じゃないし!永久に借りとくだけだから!

まあ今私はモンボ持ってないけどな!

 

 

 

‥ってあれ?ミュウツーさん?その手で浮かしているのってモンボじゃない?しかも何個か浮いているし、どこで手に入れたの?それ?

 

 

『このボールを使って下さい。ゲノセクト用のボールかと。ゲノセクト達を逃した後に地下施設にあったものをいくつか拝借しました。これをキミに預けます』

 

 

まじ!? 都合良すぎないそれ?

でもまあ貰える物は病気以外貰うぜ!

私はモンボ4個をポケットに突っ込み、そのうちの一つを手に取りゲノセクトと向きあった。

 

 

「ゲノセクト。いいんだな?私がトレーナーで?」

 

「ギュオ!」

 

よし。やってやる!

私はボールを投げずにゆっくりと近づけるとゲノセクトが手を伸ばしてボールに触れる。

するとゲノセクトはボールの中に吸い込まれていく。そのボールが私の手の中で揺れカチッ!とボールが閉まり捕獲成功のランプが光る。

 

『これでゲノセクトはキミの手持ちになりましたね。キミとゲノセクトの行く末に祝福を』

 

「ありがとうミュウツー。そしてゲノセクトよろしく!」

 

 

ゲノセクト!ゲットだぜ!

 

ヤッタァ!あの強敵が手持ちとかテンション上がりますね! これでミュウツーもいれば最高なんだがなぁ

ミュウツーとゲノセクトいれば最強だし!

無敵だぜ!これなら私に逆らう奴は出てこんぞぉ!

 

 

「‥ミュウツー。やっぱり私の手持ちにはなれないの?」

 

 

『‥はい。今はキミの手持ちにはなれません。‥ですがいずれまたキミの前に現れる事を約束します。その時にキミの気持ちに変わり無ければ‥キミが強く望むのなら‥』

 

 

 

 

『ワタシ、ミュウツーがキミの手持ちになる事を約束します。』

 

 

 

ミュウツーは曇りなき眼差しを私に向ける。

そうか‥残念だよ。本当に残念だよ‥

 

 

でもまあミュウツーの意思も大事にしたいし、それでいいっすよ! 縛り付けるのは趣味に合わんし。

ゲノセクトも私の仲間になったし、後で歓迎会だな。

 

 

『ではトモよ。いずれまたお会いしましょう。ワタシは必ず帰ってきます。』

 

 

I'll be back! つまり次会うときはターミネーターみたいな感じで戻ってくるってこと!?

ミュウツーの逆襲のあのフルアーマーミュウツーで参戦するという伏線か!!

 

 

「心強いよ。次会う時が楽しみだね。それじゃあねミュウツー!」

 

『ええ。また会いましょう。我が最愛のトモよ。』

 

 

ミュウツーはテレポートでその場から姿を消した。

 

うーん次はいつ会えるのかわからないか‥

それはそれで寂しいっすね。

 

 

 

 

 

さてと‥

体の調子が整ったら、またスジモン業復帰か

つらいわなぁ‥

 

しばらくジョウトに転勤か‥

ジョウト制覇までカントーに帰れま千!

何年かかるんやこれ‥

 

 

 

 

 

 

 

‥‥

‥‥‥

‥‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの病院の屋上でゲノセクトを手持ちにしてから、どれほどの月日が経ったのだろうか。

 

私は再びジョウトでスジモン業務に従事していた。

カントーとは違い、事務所設立や新たな組のシノギに着手したが上手く行かなかったりと悪戦する日々が続いている。

 

 

カントーと比べてジョウトはワビ組の名前を知らない人がまだまだいる為、組を知らず未だ私を舐め腐る奴は多い。

スジモンフェイスなのに絡むとかあのキリューさんに喧嘩売るカムロ地方の住人並みの恐れのなさですよ

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ?なんだてめえ?俺に何か用かよ‥!」

 

 

 

そして私は現在進行形でスジモンに喧嘩売られてます。はい

ジョウトからプラズマ団がいなくなった事をいい事に好き放題するチンピラスジモンが何故か増えた。

目の前にいるのは半グレの一種で黒スーツ姿の私に喧嘩を売っているのだ。

 

あーこわい!漏らしそう!

 

 

 

「おい大丈夫かよ‥あいつ‥!」

 

「相手は噂のワビ組組長だぞ‥!裏社会の帝王にして、あのプラズマ団を捻り潰した暴の化身‥!」

 

「カントーの覇者にして、ジョウトの次期制覇を見ている最強の男‥!あいつ死んだな。葬儀屋と墓の用意をしてやれ。」

 

 

カタギの皆さんがヒソヒソ話しているが、最早慣れっこです。

あ、すみませんね。皆さんの迷惑にならない様にするんで!

 

 

 

 

「‥この俺様に目をつけられたのが運の尽きだぜ‥この野郎‥!」

 

「‥だがその眼光‥只者じゃねえな。何者だテメェ?」

 

 

 

 

 

 

え?

そんなの決まってるじゃないか。

 

 

ナニモンなんじゃ? スジモンじゃあ!!

 

 

 

 

 





これまでご愛読ありがとうございました!
本編はこれで完結です!


皆様方から多くのアンケートを頂きました
ここまで続編希望に期待を寄せて頂き本当に嬉しいですし、とても光栄です!

ZA編だけチラッと書く予定でしたが、まさかのオリジナルストーリーにも興味を持ってもらえた事は本当に驚きでした!

両方書いて欲しいとの要望が圧倒的に多かったので、時間はかかるかと思いますが、書いていきたいなと思います。
もしかしたらZA編はポケモンの次期新作後になるかもしれませんね笑

ZA編は本編に結構絡む予定なので、ミアレの問題児達との絡みなど色々書いていきたいです。


一度アンケートは終了する予定ですが、他にもこんな回が見たい!とか組長とこのキャラが絡んで欲しいという要望があれば引き続き活動報告や感想欄でコメント頂ければと思います!
励みになるので書いてくれると嬉しいです。


これからも組長がしんどそうだから休ませて欲しいと思う方もいるかと思いますが、スジモンとしての彼の生き様を皆様の目で見届けてください。
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