ナニモンなんじゃ? スジモンじゃあ!!   作:年中裸足の人

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リアルが忙しくなったので遅れました
申し訳ない!
しばらく更新遅くなるのでよろしくです。



くノ一修行を受ける弟子とその筋の者(スジモン)

 

 

 

「ふむ‥やはりリーリエさんはあのエーテル財団代表のご令嬢だったか‥」

 

「何故組長があの少女に拘るのかようやく分かりましたよ。エーテル財団に恩を売り、そこからパイプを繋げてワビ組の海外進出も進めていくと‥」

 

 

ワビ組クチバ事務所に二人の男がソファーに座り、それぞれ意見を述べていた。

話題はここ最近組長が面倒を見ているリーリエと言う少女についてだ。

 

 

「それもあるだろうが、そもそも組長はカントーやジョウトの秩序を裏社会側から守る為にワビ組を立ち上げた。今回は例のUB(ウルトラビースト)から守る為にリーリエさんに接近したのだろう」

 

「え?どう言う事ですか?」

 

 

奥に座るベテラン組員が手前に座る若手の組員に意見を述べると疑問符を浮かべる若手の組員。ベテラン組員はそれに構わず言葉を続ける

 

 

「UB.つまりアローラに襲来した異世界の怪物達‥エーテル財団や国際警察の連中から極秘のデータをハックして分かった事があるんだ。」

 

 

「なんです?」

 

 

「UBは異世界からこの世界に迷い込んだ。彼らからすればこの世界は未知の世界だ。そんな世界に迷い込んだら当然パニックを起こし、暴走状態に陥るだろう。」

 

「しかしそんな時‥自分達と同じエネルギーを発する存在がいたらどうだ?帰巣本能に従い、その存在に近づく筈だ。」

 

 

相当なデータ量を調べたのだろう。ベテラン組員は若手組員に簡潔に説明する。若手の組員は相槌を打つ様に頷きつつもそれがどう繋がるか疑問符を浮かべる

 

 

「‥と言うと‥?」

 

 

「UBが生息するウルトラスペースとそれに通ずるウルトラホール。何らかの手段でそれらを行き来すると体にウルトラスペースのエネルギーが付着し、オーラを発するという。おそらくUBはそれを故郷の匂いと勘違いしているのだろう。」

 

 

「‥‥」

 

 

ベテラン組員の的を得た推察に若手組員も腕を組み、考え込むが、ベテラン組員はなおも言葉を続ける。

 

 

「そのエネルギーが付着した人間を国際警察はFallと呼んでいる。その一人がアローラのチャンピオンだ。彼はウルトラスペースに行ったとの極秘データがある。それに同行した人物もな。」

 

 

「‥まさか!その人物は‥」

 

少し前にアローラ地方でポケモンリーグが発足した。そして初めてのチャンピオン。その人物と懇意にしていたある人物がいた。

その人物は誰なのか。若手組員の脳内でパズルのピースが当てはまる様に真実が明らかになっていく。

 

 

 

「‥察しが付くだろう。組長が撃退したUBテッカグヤと保護したウツロイドはその人物に引き寄せられた‥そうとしか思えん。」

 

「つまり同行したリーリエさんはFallだ。おそらくこれからも多くのUBを引き寄せる事だろう。カントーに多くのUBを引き寄せる危険性を持つ人間だ」

 

 

ようやく全てのピースが繋がった。

何故彼女がUBと鉢合わせるのか。なぜカントーにいるのかを若手組員は理解した。

その驚きの反応を待たずにベテラン組員はなおも説明を続けた。

 

 

「このUBが持つオーラはアローラではぬしポケモンと呼ばれるポケモンが持つなど、アローラでは自然な事なのだそうだ。」

 

「だがカントーでは異物に過ぎん。それ故にUBと同じオーラを発するリーリエさんを野生のポケモン達は恐れたのだろうな。最初にオニドリル達に襲われたのもオーラでパニックを引き起こしたからと言える。」

 

 

「まさか‥そんな事が‥組長はそれを見抜いていたと言うのですか‥?」

 

 

若手組員はゴクリと唾を飲む。

これまでの組長の行動全てが計算され尽くされたものである事に驚きを隠せなかったのだ。

ベテランスタッフもその言葉に頷き肯定の意思を示す

 

 

「おそらくな‥俺たちが調べる前から独自に調べ上げ、見当を付けたのだろう。全く恐ろしい程、先が見えるお方だ‥」

 

 

まさに予知めいた動きである。

ベテラン組員は放心する若手組員とは違い、なおも考える事をやめずに組長の真意を理解しようとした。

 

 

 

(リーリエさんを野放しにするとUBの襲撃時に対応が困難になる。だから組長がリーリエさんと同行する事でUBへの襲撃に対応出来る様にしたのか。)

 

(アローラから来て右も左も分からずにいる所を助けて信頼を勝ち取り、違和感なく同行出来る立ち回りを作り出すとは‥全くもって抜け目がない‥)

 

(更に彼女を弟子にする事で自衛の力をつけさせて、組長の負担を減らす事も考えたりと無駄が無い。

率先して面倒ごとを引き受けるとは頭が上がりませんよ。本当に‥)

 

 

ジョウトの裏社会制覇も終え慢心してもおかしくないこの時期に慢心せず、次の一手を打つ頭脳と先見性に驚きを超えて恐れすら抱く程。神算鬼謀とはこの事か

 

そして組長は現状解決に向けて次なる一手を打とうとしていたのだ。

 

 

 

(‥組長はそんな事百も承知だ。おそらくそれ以外に考えてることもあるだろう。チャイブのカシラにエーテル財団の接触を命じたのもこの為だったのか‥最早末恐ろしく感じる‥!)

 

 

つくづく敵ではなく自分たちの所属する組織のボスで良かった。そう認識せざるを得ない程の頭脳の持ち主に仕える事に誇りを感じていた。

 

 

(組長。俺たちはどんな事があろうとあなたに着いて行きます。もしあなたが道を踏み外す事があるなら‥)

 

(いや‥そんな事はない。組長はいつでも筋を通すお方であるからな。)

 

 

不意によぎった最悪の展開。

それは組を裏切り、カタギに手をかける事。

さすがに組長はそんな事をする筈がない。ベテラン組員は疲労で考えが鈍ったと感じ、その場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥

‥‥‥

 

 

 

 

 

あの特訓から数日。

足の筋肉痛と修行メニューの考案やらの疲労で顔色がやばくなった感じっすね。

名付けるとするなら、うすいろクミチョウ状態っす。

 

特に糖分が不足しててさ、他に何もないからラムネ食べていた所をリーリエに見つかり気を遣われた。

すまんの。スジモンがラムネとか似合わんよね。

 

 

さて話を戻すが、あの時私が逃したウツロイドは組の若い衆の捜索で見つかり今はワビ組が保護している。

リーリエが捕まえたウツロイドも今の所落ち着いており暴れる様子もない。良い事じゃ。

 

そして私は何をしているのかと言いますと、セキチクジムにいる。

 

ワビ組が捕まえたウツロイドの神経毒の解析すればルザミーネさんの解毒に繋がるんじゃね?と思った私はマサキの野郎に連絡して毒のサンプルを渡そうとしたが、その前にセキチクジムリーダーのアンズさんの所に行けと言われた。

 

毒のスペシャリストにまずは見せた方が解毒のヒントに繋がるかもしれんとの事。

なんで?マサキは協力してくれへんの?

 

それに何か私に対して「頑張りや!アンズさんとそれこそ一晩中話すとええよ!」と笑顔でほざきやがる。

そんな事したら向こうの方が迷惑でしょ‥

 

 

 

 

 

「リーリエちゃん!そこの動きはまだ早い!あと数秒待ってからでも大丈夫だよ!」

 

「は、はい!アンズさん!」

 

「ピッ!」

 

 

 

 

まあ今は、くの一講座中なので話すもクソも無いですが‥

 

アンズさんに神経毒の解析を頼んだところ、やはりこの世界で使われる成分ではない事が分かり、解析は時間がかかるとの事で、こうした空き時間に特訓を兼ねたくの一講座を行っている。

これ完全にアンズさんの趣味でしょ?

 

リーリエも生足魅惑のメイド衣装見たいなセールスくの一みたいな格好で反応に困る。

にんじゃリーリエか、しのびリーリエか‥

うーむあだ名どうすべきか‥

 

実戦不向きな格好させるとかアンズさんって結構良い性格してらっしゃるね

 

 

「バトルで重要なものの一つが咄嗟の判断力と危機感知能力だよ!まずはそれを鍛え上げる為にもモルフォン達の猛攻を防ぎきらないとね!」

 

「モル!」

「フォン!」

 

「なるほど‥ニンジャの卓越した身体能力を活かす事も修行になるのですね。ピッピさん行きますよ!」

 

「ピー!」

 

一つじゃなくて二つ言ってない?間違いではないだろうけどさ‥

てか無茶ですよ。ニンジャなんて化け物揃いだからそんなのと一緒にしない方がいいかと

 

 

 

「そうだよ!その動き!」

 

「はい!」

 

 

 

 

ふむ‥アンズさんの衣装も胸揺れ素晴らしいな。

あの締め付けられた大きなふたご山が今にも噴火しそうでそれは‥『ロトロトロト!』

 

ナンジャ!良いところじゃぞ!

 

 

 

『クミチョー!電話ですぜロト!これは‥チャイブのカシラからですぜ!ロト!』

 

 

袖から勢いよく出るのびっくりするからやめてもらえる?周り狭かったら君がぶつかるんすよ?ロトム君。

 

 

 

それに‥チッ‥!チャイブの奴かよ。

今あいつカントーにはいないんだよなぁ‥

私もつい最近知ったがアローラに行ってやがった。

一人でバカンスとかいい身分だなぁ! 

 

この前船内通信で話していた例の件とか全部任せたけどよー

‥てか例の件ってなんだっけ?そもそもアローラだっけそれ?忘れた!

 

 

『組長!お疲れさまです——ザッ‥例の件で報告したい事が—ザザッ‥あります—ザッ‥』

 

 

相変わらず電波悪りぃな‥

こっちは10時過ぎだからアローラは前日の15時位の時差になるのか‥

時差あるのにわざわざかけてくるとかなんやねんこいつ‥

 

 

『カントー地方を襲った——ザザッ‥‥UBについてもあるのですが——ザッ‥以前お話しした——ザッ‥——ザッ‥財団と接触し、組長とお話して欲しい—ザッ‥人物がいるので』

 

 

 

 

財団?ああ‥!私がカントーに来る時に船内通信してた時のなんちゃら財団ね。例の件と関係あるっけ?

あの時は電波悪くて通信内容聞き取れなかったから、適当に返事してチャイブに任せたから私は何も知らん

つまり私のせいでは無い。(責任転嫁)

 

 

 

 

 

 

『‥——ザザッ‥初めましてですよね。あなたがワビ組の組長さんでよろしいですか?』

 

 

ん?おお!これは綺麗なお姉さんの声!

チャイブの奴でかした!この声はおそらく大人のお姉さんや!それも包容力ある感じの声やね!

うむ!予期に計らったな。画面が映らず、声だけなのが残念だが‥

 

ちょっと場所変えていい?

人前だと話せない事もあるしさ‥ぐへへ‥

 

 

 

「ええそうですが。あなたは?」

 

『大変失礼しました。——ザザッ‥自己紹介がまだでしたね。—ザッ‥私はエーテル財団支部長のビッケと申します。よろしくお願いします。』

 

 

 

 

は? えええ! ビッケさん!?

チャイブの奴が言ってた財団ってエーテル財団かよ!

そっか!アローラで財団といえばエーテル財団や!

しまったぁあ!!なんという迂闊!

でもビッケさんと話せて嬉しいわ!

 

‥てか例の件ってエーテル財団との接触の事だったのー!?

 

 

 

‥‥‥

 

 

 

 

『‥—ザッ‥なるほど‥PARASITEは保護済み。交戦したBLASTERは逃してしまったと‥』

 

「ええ。力及ばず申し訳ありません。」

 

何やら重大な話っぽいので場所を移して色々と話した

 

私がUBについて話すと名前を知っていた事に驚かれるなどのうっかりが発動したがなんとか誤魔化し、

チャイブがアローラに行った理由とかその他UBについてとかリーリエの事を話したりした。

 

てかチャイブ優秀すぎん?お前いつから頭脳派になったんだよ。めんどくさいからって私が勝手に投げた筈なのだが、上手く立ち回るとか組長こいつで良くね?

 

 

『‥いいえ。—ザザッ‥流石は組長さんです。Fallであるリーリエ様を守って下さり、本当にありがとうございます。』

 

よせやい!筋金入りのスジモンですから!

ん?これって誇れる事なのか?マーイーカ!

 

 

あ、そうそう!

そして一番の驚きがなんとリーリエはFallでした!

 

なんだっけ?確かウルトラホールに行くと体にウルトラビーストの匂い的な奴が付くから、それをUBが感じ取って同族意識持たれて執着されたり、刺激を受けて暴れたりとかな奴だっけ?うろ覚えですまん。

 

 

『—ザッ‥こちらは襲来したUBの捕獲がようやく完了したのですが——ザザッ‥今度はカントー‥何者かがカントーの地で—ザッ‥ウルトラホールを開通させたとしか考えられません。』

 

 

そうなんだー

SMでは確かルザミーネさんがコスモッグを使ってUBを呼んでいたが、ルザミーネさんは昏睡中。

 

カントーでは誰がウルトラホールを繋げたのか‥

マッシブーン辺りが自慢の筋肉で空間をこじ開ける位しか思いつかん。筋肉は全てを解決するからな

 

 

『‥状況は理解しました。——ザザッ‥エーテル財団も協力を惜しみません。—ザッ‥UB捕獲用のウルトラボールの供与—ザザッ‥それから財団職員を何名か派遣します——ザッ‥』

 

 

お!まじ?助かーる

財団職員さん来るんか! 女性職員の服装いいよね!

代表はいいセンスしてる!それが来るのか‥

ぐへへ‥!楽しみだぜ!

 

 

『それから—ザザッ‥神経毒のデータまで送って下さりありがとうございます。—ザッ‥何とお礼を申し上げたら‥—ザザッ‥』

 

いやそれは知らん。

組の若いモンが勝手にチャイブに送ったのだろう。仕事を投げたから私の管轄外だ。責任はチャイブに取らせるから(上司の屑)

 

 

「私は何もしていませんよ。私より一番の功労者にお礼を言ってあげて下さい。」

 

『あら。—ザザッ‥ふふ‥そうですね。——ザッ‥一番の功労者はリーリエ様でした—ザザッ‥』

 

 

あ、そっかぁ‥ リーリエだったね最大の功労者は。

一番動き回ってたし、他のジムリーダーとも接点作ってコネ作りしてたし。意外と強か?

流石はルザミーネさんの娘‥!

 

 

『——ザザッ‥組長さんは中々のお人好しなのですね。——ザッ‥本当に裏社会の人間とは思えません—ザザッ‥』

 

 

なんかビッケさんが言うと皮肉っぽく聞こえるわ。

それに実際私何もしてないから耳が痛くてしょうがない。あー苦しいよー! 評価ダダ下がりだよー!

 

ここはリーリエを褒めて少しでも媚を売るしかない!

 

 

「彼女は自慢の弟子ですから‥素晴らしい才覚の持ち主です。」

 

『弟子‥—ザザッ‥なるほど—ザッ‥あのリーリエ様が‥—ザザッ‥更に成長されているのですね‥』

 

 

ああすごいぞ。でしリーリエは

幼少期の私以上に知識を吸収しやがるし、バトルはまだだが、経験を積めばおそらくかなり強くなるね。

 

次回作の主人公はリーリエに決定だね。

公式人気高いし人気投票も一位だったからいけるだろ

お前がナンバー1だ!!

 

 

『—ザザッ‥代表に代わって改めてお礼を——ザッ‥そしてリーリエ様をお願いします。——ザザッ‥リーリエ様によろしくお伝え下さい。』

 

 

やはり海外だと電波がなぁ‥しゃあないかー

ここで、ん?なんだって?は流石に聞く勇気ないから適当に頷くか

 

 

「ええ。彼女の事は私にお任せ下さい。」

 

『—ザザッ‥それではチャイブさんに代わります。ありがとうございました—ザッ‥』

 

 

『—ザザッ‥代わりました組長。——ザザッ‥この後カントーに戻る予定ですので組長もお気をつけて!』

 

 

あー!綺麗な鈴の様な声からスジモンボイスとか耳が臭くなるぜ! もーこいつといたくねぇ‥

ずっとアローラにいてくんねぇかな‥ん?せや!!

 

 

 

「待てチャイブ。折角アローラにいるんだ。少し羽を伸ばしたらどうだ?」

 

 

そうそう。そのままアローラに永住しちゃいなよ!

その顔面暴力はもう見たくな‥げふんげふん!

観光とかしてしばらく私の前から姿を消しなよ!

 

 

『観光‥—ザザッ‥ですか?しかし‥カントーが荒れている時に—ザッ‥そんな事をするのは‥』

 

 

「そんな時だからこそガス抜きをするんだ。アローラの南国の空気やカプと呼ばれる守護神や祭壇といった歴史にも触れておけ。Zワザを調べたりしまキングと交流するのもいいだろう。」

 

『組長‥』

 

適当抜かしたがこれくらいの事を言えば長期間滞在するだろ!ありがとうチャイブ。お前のことは忘れない

そのまま思い出の中でじっとしていてくれ

 

 

「これは命令だチャイブ。色々と持って帰ってきて欲しいものもあるのでな。」

 

お、そうだ。(唐突)

もし帰ってくるならアローラのアロハシャツとか南国の香水やらマラサダとかのお土産期待してるぜ!(熱い手のひら返し)

あと綺麗なお姉さんとコネを作って欲しいのでよろしく!

 

『——ザザッ‥わかりました!しばらくアローラに滞在します!——ザザッ‥組長も気をつけて!——ザザッ‥それでは—ザザッ‥』プツン!

 

 

 

 

よし!おわったな。

ジムから離れた静かな場所を探してそこで話していた為、周りは誰もおらんな。

 

 

『クミチョー!お疲れさまでしたですぜロト!ちょっと薄暗い所で話すとはさすがは日陰者の長ですぜ!ロト!』

 

 

 

いつの間にやら路地裏で話してたみたいや。

ロトムよ。ナチュラルに貶すのやめてもらっていい?

泣きたくなるから。

 

私はロトムをスリープモードにしてまた着流しの袖の中にぶち込み、辺りを見る。

 

ふむ。完全に路地裏に迷い込んだな。

会話に夢中になり過ぎて気づかないとか私も落ちたものだ‥

無意識の間にこんなところにいたとか怖過ぎぃ!

 

 

 

 

 

 

 

〈‥カツコツ‥〉

 

 

 

 

ん?足音?

 

なんか奥の曲がり角から聞こえてきたわ

そしてそこから怪しい人影が‥二人?いる感じだわ

 

 

‥ってん?何やら二人がこっちに近づいてきているが‥なに!?

 

 

 

 

「邪魔するぜぇ‥その着流し姿‥なるほどアンタがこのカントーの裏社会の王か‥」

 

「ワビ組か‥けっ‥調子に乗りやがって‥この世界では解散してるみてえだが‥俺たちがやった事を上手く掻っ攫っただけの火事場泥棒がよぉ」

 

 

 

「で?お前たちは何者だ?」

 

全身黒コーデの工作員の男2人にメンチ切られビビり散らすが、私は鉄仮面を崩さずに搾り出す様に声を出した。どっかで見た事あるような衣装だがね‥

 

 

「ハッハァ!俺たちを知らねえと聞くか!‥まあこの世界じゃ無理がねえ‥」

 

「要するにだ。ちょっと面貸せや‥組長さんよぉ‥!」

 

 

 

!!??

何がどないなっとんねん!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥

‥‥‥

 

 

 

「よし。じゃあ一息つこうかリーリエちゃん!」

 

「は‥はい!アンズさん!」

「ピィ‥」

 

 

セキチクジムの特訓場で二人のくノ一衣装の女性が向き合う。

特訓を終えてへたり込むリーリエとピッピを見下ろすのはセキチクジムのジムリーダーアンズだ。

 

アンズは座り込むリーリエに近づくと隣に座り、笑みを浮かべて話しかける。

 

 

「リーリエちゃんは中々スジがいいね。あたいが言うんだ。これはくノ一になるべきだよ!」

 

「あ、ありがとうございますアンズさん。ですがわたしは先生の弟子なので‥どうするべきでしょうか?」

 

「ふふ、そっかそうだよね。組長さんから獲るのはまずいよね‥けど、あの組長さんが弟子をね‥変わったんだね組長さんも‥」

 

 

 

会話に花を咲かせるアンズとリーリエ。リーリエの手持ちのピッピは疲れ果てその場で寝息を立てていた。

 

アンズが天井を見上げて過去を懐かしむ様に組長の事を呟いた事にリーリエは疑問符を浮かべている。

 

 

「アンズさん?それは一体‥」

 

 

「‥あ、ごめんね。‥組長さん昔は一人で己の責務を背負って進み続けようとしたんだ。裏社会の影として平和を守る為に‥でも今は違う。」

 

「‥‥」

 

 

裏社会組織ワビ組の組長はカントー統一以前は己の責務に邁進し、ただ一人その宿命と向き合っていた。

その事にアンズは心を痛めていたのだが、今は彼に寄り添う一人の少女がいる事に安心していたのだ。

 

 

 

「リーリエちゃんを弟子にすると言うことはおそらくあなたに可能性を感じた事もあるけど、自分の意思を後世に残す事も考えたんじゃないかな?」

 

「先生‥先生はそこまでわたしを‥」

 

 

「うん。だけどあの人に残された時間が少なくなっているのかもしれない‥体が限界に近づいているのか‥」

 

 

 

才覚があるリーリエを認め、己の意思を残す決断を取った組長。だがそれには彼の体の事情もあった。アンズが小声で呟いたその一言にリーリエはアンズに勢い良く迫り、その事実を確認しようとした。

 

 

 

「!?それってどう言う‥エリカさんが仰っていたロケットチルドレンと関係が‥?」

 

「‥やはり聞いているか‥この事はあたいの胸の中に隠しておくつもりだったけど‥これから話すのはリーリエちゃんが弟子だから話す事。他言無用でお願い」

 

「‥はい」

 

 

 

そしてアンズは口を震わせながらも彼の過去についての深掘りを語った。

彼はロケットチルドレンとして遺伝子を弄られて生まれた存在である事に。彼が裏社会で生きる為の冷酷さはとあるポケモンの遺伝子配列を組み込まれた為。

 

そして極め付けは彼という最高傑作が組織に逆らわず、敵対組織に渡っても情報の漏洩を防ぐ為予め寿命を短く設定されたという事を。

 

 

 

「な、なんて事を考えるのですかその人たちは‥‥!と言う事は今日顔色が優れずに白い薬錠を飲んでいたのも‥」

 

 

「!それほどまでに悪化しているんだ‥無理もないよジョウトの制覇を終えてUBとやらの騒動もあるし、休まる時間がなかったのかもしれないから。」

 

 

 

リーリエは驚きと怒りで強く拳を握り、眼からは涙が溢れ出る。それを見たアンズは優しく抱き止めリーリエを慰める。

無理もない。自身の尊敬する師匠の悲しき過去の詳細を知ってしまったのだから。

 

リーリエは顔を上げると彼が当初何故弟子入りを拒んだのかを理解し、強い罪悪感に呑まれそうになった。

 

 

「‥!だから当初先生はわたしを弟子にする事に反対したのでしょうか‥?先生の事情を知らずにわたしはなんて事を‥」

 

「ううん。それは違うよリーリエちゃん。リーリエちゃんだから弟子にして側に置いたんじゃないかな?あなたを弟子にしたい理由あたいにはわかるよ。それほどの可能性があるんだから!」

 

「アンズさん‥」

 

 

 

彼はリーリエの強い意思を汲み取り弟子入りを決意した。決して哀れみではない。リーリエの持つ才能を伸ばし、彼女の持つポケモンと人を繋ぐ力に惹かれ、それを知る為もあったのだろう。

 

アンズは才覚溢れるリーリエに思う所があるのか彼女から目を背け、自罰的な口調で語り出した。

 

 

「‥あたいね正直言ってリーリエちゃんが羨ましい。あなたが組長さんの隣にいる事に‥胸がきゅって締め付けられてたんだ‥」

 

「アンズさんは先生‥いいえクミチョーさんの事を‥」

 

「‥うん‥そうだよ。‥でもこの焦がれる想いはあたいには相応しくないのかも‥組長さんの様なすごい人の隣はもっと相応しい人がいいんじゃないかって‥」

 

 

アンズは組長に思慕の念を抱いている。それは出会った当初から変わらずにいる想い。

己の宿命を受け入れて影から世界を守る為にひたすらに進み続けるその儚い幻影の様な生き様から目を離せなかった。強く焦がれていたのだ。

 

アンズが下を向き、落ち込む姿を見たリーリエはアンズの手を両手で握ると彼女の目を見た。瞳から影が消え失せたその眼に光を灯す様に語りかける。

 

 

 

「‥アンズさん。わたしにもその‥心の底からお慕いしている方がいます。クミチョーさんの弟子になったのはその方の隣に立てる実力を持つ為でもあるんです。」

 

「リーリエちゃん‥」

 

「アンズさんとわたしは同じです‥!一緒に頑張りませんか?それぞれどっちが先に想いを伝えられるか勝負です!」

 

 

 

リーリエはアンズの眼をじっと見つめて彼女に自身の思いを告げた。リーリエの本気‥いわばゼンリョクの思いに応える様にアンズの眼に光が灯し出す。

 

 

「!‥ふふっ‥そっか‥うん!負けないよ。あたいもクミチョーさんの隣に立てる様になる!」

 

「リーリエちゃんありがとう‥!これじゃあどっちが先輩トレーナーかわかんないなぁ。」

 

 

あはは。と頬を染めて首を掻くアンズ。アンズはリーリエに手を差し伸べるとそれを強く握るリーリエ。

二人は立ち上がって体を伸ばして向き合うとリーリエは両手で握り拳を作り、笑顔でアンズに話しかける。

 

 

「アンズさん。クミチョーさん‥いえ先生を迎えにいきましょう!確か外に出て行ったのは見えたので!」

 

「‥そうだね。うぅ‥なんだか緊張してきたよ‥」

 

 

元気よく話すリーリエとは違い、紅く染まった頬を掻き俯くアンズ。リーリエは気持ちの整理も必要かとアンズに提案する様に言葉を発した。

 

 

「結構話し込んでいるみたいなので、少し時間を置いてもいいかもしれません。わたしはその間着替えてくるのでアンズさんも一緒に行きましょう!」

 

「うん!リーリエちゃん本当にありがとう。」

 

 

リーリエはアンズに頭を下げると寝ているピッピを一度ボールにしまい、更衣室に向かった。

 

アンズと仲が良くなった事や本心を知れた事が嬉しかった。それに組長の過去を知れた事が何よりの収穫と言えるだろう。

 

これからも組長の世話になるから彼の負担を少しでも減らせる事も考えようと決意したリーリエ。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方組長の方では彼の過去に関わりのあると言える組織の手が伸びている事をこの時の彼女は知らないのであった。

 

 

 





主人公‥くノ一衣装もアリかと思う変態。ネームドはあくまで推しである為、好意を抱かれてるとは微塵も思っていない。本当に女心学んだんか?コイツ。

リーリエ‥主人公の深掘りされた過去(勘違い)を聞いて、ロケット団アンチに覚醒しそうになる。話を聞かせてくれたアンズの恋を応援する事に。

アンズ‥リーリエと恋バナトークで盛り上がった。互いに想い人の為に頑張ろうね同盟を締結し、仲はより深まった。

ビッケ‥前支部長のザオボーが降格した為、繰り上がりで支部長に昇格した。リーリエを案じており、主人公に彼女の事を託した。

チャイブ‥今回のUB騒動を解決する為にアローラで力をつけて、それに必要なものを探せと勘違いし、アローラに滞在する事になった。
なるべく早くカントーに戻りたいと思っている。

マサキ‥毒のサンプルを渡せば分離の研究も進む筈だが、これを出しにアンズと接する時間を増やせば組長とくっつけるのでは?と後方でニヤニヤしていた。
ちなみに仲はそこまで進展せず、マサキの研究も進まないのでルザミーネの昏睡時間が伸びた。反省しろ

黒ずくめの男達‥全身黒コーデの工作員。胸に小さく虹色のRを模したワッペンを付けていたが‥





例の件‥外伝1話でちょろっと触れたアレ。エーテル財団に組が保護したポケモンを預ける事で金銭を得る新たなシノギ。組長も承知しているが財団としか聞いていなかったのでエーテル財団とは知らなかった。

組長はそれをきっかけにエーテル財団との間にビジネス協定を結びワビ組の海外進出を図ろうとしている!とチャイブは勘違いした為確認せず進めた。

ちなみにリーリエの件もありエーテル財団はワビ組との関係強化を更に深めようとしている。それを知ったチャイブは組長の謀略やべえ‥!と息を呑んだ

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