ナニモンなんじゃ? スジモンじゃあ!!   作:年中裸足の人

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タイトルの通りですが皆さんお待ちかねのあのお方が遂に本格登場します。




世界征服を企む巨悪とその筋の者(スジモン)

 

 

 

 

「先生、今日もよろしくお願いします!」

 

 

という事でいつもの様にリーリエとの特訓です。

リーリエの特訓を始めてから1ヶ月位経つのだが、メキメキと成長し並のトレーナーなら瞬殺出来るくらい強くなった。素晴らしい素質だぜ。

Nの指導もあるのだろう。そのNは今この場にはいないがね。

 

 

「さて、始めるか‥ん?」

 

 

UBの襲来があるかもなので、私達は今人里離れた山というか森の中にいるのだが何やら人の気配を感じた

 

スジモンレーダー起動!この気配は‥女性か?

気配からしてかなりの美女が近くにいるな!!

 

 

「先生?どうされましたか‥そんな険しい表情を浮かべて‥」

 

 

リーリエが首を傾げて可愛らしい仕草をするがそれよりも美女ですよ!麗しのレディは何処に!

 

 

「少し静かにしていてくれ。この気配只者ではない‥」

 

「え‥?先生‥それってどう言う‥」

 

 

ああ只者じゃねえ!これは相当な美女だな

素晴らしい女性のニオイがぷんぷんするぜ!

私はつい目を細めた時木の影からガサッ!と音が聞こえ、私とリーリエはそちらに目が向いた。

 

 

 

 

「流石はワビ組の組長‥わたし達の気配も察知するとは裏社会最強は伊達ではないわね」

 

 

現れたのは長い黒髪に切れ長の目をした美女だ。うひょおおお!!サイコー!

黒のホットパンツ衣装とグレーのロングブーツの間から見える絶対領域が絶景ですなぁ

例えるなら朝、山の端から顔を出した曙光のような‥そんな僅かな輝き。んぅ!強み分かってんねー!

 

 

‥ん?なんか胸元のロゴに見覚えが‥

‥てかその服装‥まさかね‥

 

 

「い、いつの間に!?先生はこれを見抜いていたのですか‥?」

 

 

まあそうです。女性の気配を察知するのはお手のもんよ。てかリーリエそんなに声震わせてどうしたの?

まさかリーリエも感動しているのか‥女性の美を堪能することに‥!

 

 

「ふうん‥結構いい男じゃない。サカキ様には劣るけどね」

 

 

「やはりサカキ様か‥」

 

 

私はそう呟く。まあそうだよね‥

胸元のR文字からしてロケット団とは察してましたよ

こんな素晴らしい妖艶な美女がスジモンとはね‥

褒めてくれて一瞬嬉しかったが真実は残酷だ。

なんでこんな事するの?悲しいじゃん

もう諦めるしかなくなっちゃったよ

 

 

「さてわたし達がここにいる理由わかる筈よね?Fallを渡しなさい。さもないとどんな目に合うか分かってるわよね?」

 

 

それは是非お願いします(前言撤回)

めちゃくちゃにしてくれると嬉しいな。

 

‥っていかんいかん!相手はスジモンだぞ!

リーリエを渡すわけにはいかん!さもないとアローラ組に殺されるからな(必死)

 

 

「魅力的なあなたの提案なら是非頷きたい所だが、Fall‥いやリーリエは渡せないな。それが責務でね。」

 

 

「あらあら振られちゃった‥中々の頑固者ね。でも意地を通す男は嫌いじゃないわよ。」

 

 

 

舌を出して小悪魔的でありながらも妖艶な笑みを浮かべるお姉さん。

うおおお!!まるでサキュバス!好き!美しすぎる!

なんだこれは夢なのか!?

 

リーリエ!あれすごいぞ!これヨウ君にやったらヨウ君イチコロじゃぞ!!参考までに見て勉強するんだ!

あのお方に弟子入りした方が絶対いい!!!

 

 

 

「え‥わたしがFall‥?Fallって別の世界からこちら側の世界にやってきた人の事を指すんじゃ‥」

 

 

 

‥ってあらら

何やら青ざめるリーリエ。私の顔を見るが気まずくなった私は顔を背ける。

 

あれ?ビッケさん話してなかったの?

てっきり知ってるもんだと思って触れなかったし、

スジモン業務と平行してて話す時間無かったんや。本当にすまん。

 

 

「リーリエ‥すまない。この事は中々話せなかったんだ(時間的に)」

 

「先生‥」

 

 

私が言い訳を考えようと俯いた時に背後でゾロゾロと人影が動いたのを感じる。おいおいまたかよぉ!

同じ人影ならヒトカゲの方が嬉しいんだがなぁ

 

 

「あなたが乗り気じゃないのなら仕方ない‥力づくでFallを頂こうとしましょうか!」

 

 

「覚悟しろやこの野郎がよぉ!」

「この前の借り返させてもらうぜぇ‥!」

 

 

 

私が顔を上げると黒ずくめの集団が木の影から現れ、私とリーリエを囲い込む。またしてもロケット団!?

ひょええ!なにこれ!囲まれちゃったよー!

 

私は怖気付き、ただ突っ立っているだけ!

やばいなここは冷静に深呼吸だ。

息を大きく吸って‥スゥー‥ハァァアアアァア!!

 

落ち着けるか!最後最早叫び声になってたわ!

 

 

リーリエはピッピが入ったボールを手に取るも体が震えていた。そりゃ前と違ってイブキさんいないしな‥

 

 

「サカキ様の為ならこの身を捧げるわ。クサイハナ!つるのむちで縛り上げなさい!」

「クサ!」

 

 

ちくしょー!いいなー!こんな美女に想われてよー!

さすがはサカキ様!羨ましいぜ!

 

私は美女の足の美しさに目を奪われ、吸い込まれる様に近づいたその時!足元の石ころに躓き、その勢いでリーリエを手で強く押し出してしまった。

こ゛へ゛ん゛な゛さ゛い゛!リーリエさん!!!

 

 

「うっ‥!先生何を‥!」

 

 

 

私がリーリエを押し出した時にクサイハナのつるのむちが私に当たり手足を拘束する。くそ痛え!

まじかよ!縛りプレイとか私の趣味じゃないぞ!

 

 

「へぇ‥彼女を庇うか。身を挺して女の子を庇うなんて本当に良い男ね。惚れ惚れしちゃう‥」

 

 

ありがとうございます! じゃあ解いてくださいよー

手足縛られて何もできないっす!

この状況で女王様プレイは社会的に死ぬ!!

 

 

 

「先生ごめんなさい‥!また先生の足を引っ張っちゃって‥!」

 

「‥大丈夫だ。リーリエの方こそ怪我はないか?」

 

 

リーリエははい!と返事して涙目になるも涙を拭い、その場で立ち上がるとボールからピッピを繰り出して戦闘態勢に入る。

 

 

「ピッピさん。今こそ特訓の成果を見せる時ですね。」

「ピッ!」

 

 

リーリエは私に背を向けていた。それはまさにピッピと共に戦場へと赴く漢女(おとめ)の如し‥

やだステキ‥ちょっとイケメン過ぎん?

私が女の子だったら絶対リーリエに惚れてたね。

 

 

 

「は!バカが!ピッピ如きで俺らに勝てるかよ!遊んでやるぜ!」

 

「ゴルバ!」

「チュ!」

「クサ!」

 

 

「先生‥見ていてください‥!」

「ピッ!」

 

 

ゴルバット、ラッタ、クサイハナに単身突っ込むリーリエ。おいおい大丈夫か?

何か打ち切り漫画の俺たちの戦いはこれからだ!みたいな演出になってるよ!

 

 

そう言ってリーリエは戦いを挑んでいった。

 

 

 

 

 

‥‥‥‥

 

 

 

 

 

 

「ハァ‥ハァ‥」

「ピッ‥」

 

「な、なんだよこの強さ‥!?ピッピが出して良い強さじゃねえだろ‥!」

 

 

 

結論から言おう。リーリエ強すぎぃ!

ピッピ一体でポケモンを何体も相手取り、同士討ちとか狙ったりしためちゃくちゃクレバーな戦闘でした。

 

脳筋系ヒロインになったかと思ったら頭脳系だったとはね。

 

とは言え無駄な動きはまだあり、何回か被弾してピッピさんかなりボロボロ。リーリエに至っては膝を付きかなり辛そうや。

 

 

 

「中々やるわね‥ でもまだこんなにいるのよ?降参した方が身の為だと思うけど。」

 

「‥ハァ‥!いいえ、まだわたし達は‥!」

 

 

 

確かにまだまだいるね。後ろにはざっとあと10人位見えた。リーリエやめろ!これじゃ本当に死ぬぜ!

それよりも私の手足解いてよ!結構情けない格好している師匠を助けてよー!だらしない師匠ですまない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待て。その娘をこれ以上傷つけるな」

 

 

「‥!!」

 

 

私が内心情けない声を上げている中、遠くから男の声が鮮明に聞こえてくるのが分かった。

周りのしたっぱ共もなんかビビり散らしとるぜ!

 

 

 

 

「良い腕だな。まだ粗い部分はあるが素質がある。良いトレーナーだ。そしてこの状況でも顔色を変えずに冷静でいる胆力‥弟子も弟子なら師も師という訳か」

 

 

「ボス!」

 

 

 

何やら渋いイケボが周りにこだましたかと思ったら、私を囲ったスジモン共が横にはけて列を作り、一本の道が出来上がる。その道の奥には何やら唯ならぬ雰囲気を持つ男と白い服を着たおっさんの二人。

 

二人はゆっくりと私の前まで歩くと立ち止まり私とリーリエを一瞥し、ふむと顎に手を当て思考していた。

 

 

 

「さて‥君がワビ組の組長だな?」

 

 

「ええ、そうですが‥まさかあなたが本当にボス‥?」

 

 

あ、すみません。手足縛られてて立ち上がれないっす。ギャグシーンに見えるが私のこの姿を見て笑わずに真剣な表情のオールバックダンディイケオジが私に向かって言葉を紡ぐ。

 

 

 

 

「いかにも!

全てのポケモンを利用して世界を治めるロケット団」

 

「復活の悪の花を生けるべく舞い戻ったリベンジ・レインボーロケット団。そのボスが私‥サカキだ!」

 

 

「この人がサカキ‥!ロケット団のボスですか‥」

 

 

やっぱりサカキ様や!

きゃああああ!サカキさまー!こっち見てるー!

かっけええ!!これだよこれだよ!

初代から続くまさに悪の覇道を征く男。カリスマと武人肌気質とか男の私でもメロメロになっちゃうね。

 

 

「!サカキ様‥!」

 

 

嬉しさのあまり声が震えてしまう‥!

やばい限界化しそうだぜ‥!こんな憧れの人目の前にして正気を保つなんてできねえよ!!

思わず背筋がピンとなり、座り直す私。

 

 

 

「先生‥やはりまだ‥過去に‥」

「ピッ‥」

 

 

リーリエとピッピは絶望した様な目線を私に向けて小声で呟くが、そりゃあ今まで自分を狙う組織の長がいたらそんな顔になりますわな。私だけ盛り上がってすまん。

 

するとサカキ様の後からなんか見覚えのある白衣着た小悪党フェイスのおっさんが現れた。

あれ?あんた何でここにおるん?

 

 

 

「不安定だったコスモッグが好調ですね。これもFallの力と言えるのでしょうかね?」

 

「ぴゅ!」

 

 

そして何とおっさんと一緒に見覚えのあるポケモンもいますね‥

その愛くるしいフォルムと鳴き声‥何者じゃろうの(すっとぼけ)

 

 

 

「ぴゅい!」

 

「な!?ほしぐ‥いえコスモッグ!どうしてあなたが‥?」

 

 

リーリエが驚愕の声を上げるのも無理はない。

そうほしぐもちゃんことコスモッグです!

何でここにおるんじゃい!まるで意味がわからんぞ!

 

今ヨウ君の手持ちにいるから、こやつは別個体じゃな!しかも何か鎖巻いてるがそれオシャレか?このおませさんめ!

 

初対面なのにリーリエの距離感近いとか人懐っこ過ぎるだろこのコスモッグちゃんはよぉ‥

 

 

 

「それはわたしのおかげですとも。」

 

「‥それにあなたも何故ここに‥!?」

 

 

小悪党フェイス浮かべるグラサンのおっさんはリーリエを一瞥するといきなり自己紹介を始めた。

 

 

 

「お久しぶりですリーリエ様。いいえこの世界では初めましてというべきですかな エーテル財団支部長のザオボーですよ。もう元ですがね。」

 

 

はいザオボーです。やたら自分の権力を誇示したがる元祖憎めない小悪党キャラだがサカキ様といるとか舐めとるん?(妬み)

 

 

「ザオボーさん‥!まさか降格された事を恨んで‥!」

 

「なるほど‥この世界のわたしは降格処分を受けたと‥ですがわたしは今やボスであるサカキ様の右腕!そんな称号はもう不要なのですよ。」

 

 

ザオボーはドヤ顔でリーリエを見ており、驚愕と怒りを合わせた様な表情を浮かべるリーリエは全身が震えていた。

私はサカキ様のご尊顔を拝謁した事もあって嬉しさのあまり震えている。

 

とまあ、私が色々と考えている間にサカキ様はザオボーに下がる様に指示すると大人しく後ろに下がり再び口を開いた。

 

 

 

 

「ザオボーの言う様にコスモッグは好調。更に自分から進んで近づくとは、これもFallたる君の影響力か‥」

 

「‥どういうことですか?」

 

「コスモッグは適度にストレスを与えるとウルトラホールを開くという。かと言って強過ぎるストレスはコスモッグを傷つけるだけで意味がない。」

 

「そこで私は考えた。効率よくウルトラホールを開く為にFallの放つエネルギーを利用できないかと」

 

 

すごい饒舌に喋りますねサカキ様

それとリーリエの問いに答えてませんよねそれ?

リーリエもさっきの戦闘で疲労困憊か顔色が悪いのでサカキ様、リーリエの体調を考慮してくれると嬉しいです。注文多くてすみません本当に

 

 

「‥‥」

 

 

「そもそもFallが何故UBを引き寄せるのか‥それはウルトラホールを通る事で、ウルトラスペースのエネルギーが体に付着し、UBはそれをウルトラホールと誤認する帰巣本能によるものだ。」

 

「そのエネルギーをコスモッグの秘めたパワーの燃料としてかけ合わせる事で別次元のウルトラホールを開き、あらゆる平行世界をこじ開ける事が可能になると私は踏んだ。」

 

 

ゆっくりとサカキ様がリーリエに近づくと足元にいたコスモッグに声をかける。

コスモッグはまるで引き寄せられる様にリーリエの肩に乗ると何と体が光り始めた。何の光ぃ!?

 

 

「さて始めるかコスモッグよ。ウルトラホールを別次元に繋げろ。」

 

「ぴゅ‥!?ぴゅー!」

 

 

サカキ様が命令すると鎖が光りだし、コスモッグが悲痛の表情を浮かべて叫び出す。

光ったコスモッグは何かリーリエから出るオーラというか光の粒的な物を吸い込むとそれをエレルギー弾に変えて空に打ち出すと空間に大きなヒビが入り、空は大きく割れた。

 

おいおいまじか!!

 

 

「う‥!これは一体‥力が抜けていきます‥」

 

 

「凄まじいパワーだ。まさかこれ程とは‥しかしこれだけのエネルギーを持つ彼女は本当にただのFallなのか?」

 

「サカキ様!これは成功です!」

 

 

リーリエはとても苦しそうな表情になり、サカキとザオボーは感嘆の声を上げていた。

 

さっきまで青かった綺麗な空は黒みがかった夜の様な空へと変貌を遂げ空に広がる3つの大きな穴が見えた

 

 

やべえウルトラホール開通したじゃん‥

ここから結構遠く離れた空に穴が空いているが‥

またUBくるんかよ。勘弁してくれ

 

来るなら異世界の大人のお姉さんがいいな

 

 

 

 

「ぴゅ、ぴゅい‥!」

「ほしぐ‥いえコスモッグさん!しっかりして!」

「ピッ!ピピ!」

 

「ぴゅぴゅい!」

 

「え‥!まさかこれはあの時と同じ‥━━」

 

 

 

 

コスモッグが大声で泣き出したかと思ったら青い光がリーリエとピッピを包み込んだ。その後眩い光が辺りを照らし光が晴れるがそこにリーリエ達の姿は無かった。

 

 

 

「!コスモッグとリーリエの姿が消失した‥極度のストレスによるテレポートか。‥想定外だな。」

 

 

「リーリエ!」

 

私は思わずリーリエの名を呼ぶが返事がない。

 

これはやばい!リーリエがテレポートでどっか行っちゃった!これ私ケジメ案件!?ふざけやがってぇ!

何で私がこんな目に遭わないといけねえんだ!

 

 

「ふざけるな!よくもやってくれたな‥!(これじゃアローラ組に殺されるだろうが!!)」

 

 

私は手足を縛られながらザオボーを見る。

サカキ様にやると殺されそうだからね(ビビり)

ザオボーはひっ!と小さく悲鳴を上げると小走りで逃げ出し、サカキの後に隠れる。子供か!

 

 

「‥なるほど凄まじい剣幕だ。その剣幕‥そして胆力といい彼女の育成手腕といい惜しいな。」

 

「?」

 

 

何やら関心する様に私を見るサカキ様。

いやーそんな事はー‥ってあかんあかん!

デレデレしている場合じゃねえ!何とかリーリエを探し出さないとあかんぞ!これは!

 

冷や汗ドバドバの危機的状況だが、まるで危険を察知しているのか今やけに耳が冴えている。

その証拠に空気を裂くような高音が聞こえてきた。

あと何かめちゃくちゃ周りの木が揺れている。この感じ‥嫌な予感がぷんぷんするぜ!

 

 

 

 

「悪く思わなければリベンジ・レインボーロケット団に‥む‥これは何の音だ‥?」

 

 

 

 

バキバキと木々を揺らし、木の間から現れた奴と更には空から轟音のジェット音響かせながらやってくる奴が姿を現す。もお!!勘弁してぇえええ!

 

 

 

「デンショック!」

「かがやふ!」

 

 

はい!皆様ご想像の通り!

テッカグヤとデンジュモクのUB二名様のご来店でぇす! おかえりくださいませー!

 

 

 

 

「素晴らしい‥まさに渡りに船だ。私の下にUB共が現れるとはな」

 

 

 

 

サカキ様は口角を上げて喜んでいるが私からしたら絶望色一色です。だって二体共バカデカいんだよ?リーリエの行方も気になるしさあ!

 

 

ああ、もうめちゃくちゃだよ

てか手足の拘束解いてくれええええ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは一体‥?わたしは確かコスモッグさんと‥」

「ピッ‥」

 

 

コスモッグと呼ばれるポケモンの突然のテレポートにによりワビ組組長と引き離されたリーリエ。

リーリエは顔を上げると目の前に広がる大海原を目にする。慌てて周囲を観察すると自身とピッピは砂浜に降り立ち、人気の無い無人島にいる事がわかった。

 

 

 

「ぴゅ‥」

 

 

囁く様な小さな鳴き声。

聞き覚えのあるその声を捉えたリーリエは再び周囲を観察しその声の主までふらつきながら駆け寄る。

 

 

「コスモッグさん!しっかりして!」

「ピッ!」

 

 

横たわるコスモッグを抱き止め体をペタペタ触る。

コスモッグは目を瞑り、すぅすぅと寝息をたてて休んでいる様子であった。

 

 

「よかった‥!無事の様ですね」

「ピー!」

 

リーリエはほっと胸を撫で下ろすとそれに同意する様に声を上げるピッピ。

ふと空を見上げると青空から黒き空へと変貌を遂げ、天を割りし大きな穴が目に入った。

 

 

「これはウルトラホール!さっきのコスモッグさんの力でこじ開けたと言うのでしょうか‥?」

「ピッ‥!」

 

 

眼前に広がるウルトラホールから溢れ出るエネルギーはまさに異質だ。一度ウルトラホールがこじ開けられたのを見たがそれ以上の強いプレッシャーを感じた。

 

 

そしてそのウルトラホールから黒い大きな影が飛び出し、リーリエの前に降り立つ。

 

 

「ぎゅるわぁあ!」

 

 

 

六角形のクリスタルの様な巨大な角

紫色の鬣に前傾姿勢で二足歩行ながらも古代恐竜を思わせる体形。

だが何よりもその顔立ちは北風の化身スイクンに酷似していた。

 

 

 

 

「こ、これはスイクンさん!?‥いや違う‥ウルトラホールから出てきたという事はUB‥!」

「ピッ!」

 

 

リーリエは首元に下げたペンダントをギュッと握り目の前のスイクン擬きのポケモンに目をやる。

敵はリーリエを敵対視しているのかその目つきは鋭く殺意に満ち溢れていた。

 

 

「ぎゅるわ‥!」

 

 

スイクン擬きのポケモンの口元に青白い光が集まりだし、リーリエに向けてそれを解き放とうとしている。

 

リーリエは回避体勢に移ろうとするが極度の疲労と恐怖心で足が固まり、回避行動に移れない。

 

 

 

(ダメ‥!足が動かない‥)

 

 

リーリエはコスモッグとピッピを抱き込み相手に背を向けて防御体勢に入る。

 

そしてワザが自身にぶつかるその寸前、聞き覚えのある透き通った鐘の様な神聖な叫び声が彼女の耳に入る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すすーい!」

 

 

 

 

一向にワザの衝撃がこない事に疑問を感じたリーリエはおそるおそる目を開けるとそこには自身を守る様に透明な防壁を立ててワザを防ぐ北風の化身がいた。

 

リーリエはスイクンの姿を見て驚きの声を上げるとその声に反応してリーリエに向き直った。

 

 

 

「スイクンさん‥なのですか?‥いえ、そのありがとうございます‥!助かりました。」

「ピー!」

 

「すい」

 

 

気にするなと言わんばかりに短く返事をするスイクン。スイクンはリーリエの側に近づくと帯状にはためく二本の尻尾をリーリエの手に巻きつけるとその尻尾が優しい水色の光に包まれる。

 

 

「‥!これはすごい‥さっきまでの疲労と恐怖が嘘みたいに消えた‥!」

 

「すいすすい」

 

 

リーリエを労る様に自身の力で彼女の体を癒したスイクン。目の前にいる古の姿形をした己を見て何か思う事があるのかスイクンはただ無言で見つめていた。

 

 

「ぎょるわあ!!」

 

 

スイクンが作った透明の防壁が崩れ去り直接相対する形となったスイクンとスイクンに似た異形のポケモン

 

 

 

「すい!」

 

スイクンはリーリエの横に立ち、様子を伺う。

だがそれは様子を見ると言うより、リーリエの指示を待っているかの様な佇まいであった。

 

 

「スイクンさん‥わたしと一緒に戦ってくれるのですか?」

 

「すい」

 

 

スイクンは当然だ。と言わんばかりに頷く。リーリエは自身には荷が重いと一瞬俯くが、それを励ます様にスイクンは優しく帯状の尻尾で彼女の頬を撫でる。

 

 

 

「ありがとうございますスイクンさん‥!よろしくお願いしますね!」

「ピッピー!」

 

 

「すいー!」

 

 

覚悟を決めたリーリエの意思を汲むかの様に雄叫びを上げるスイクン。

 

 

 

北風の化身スイクンと相対する謎の異形のポケモン。それはパルデア地方のエリアゼロにて観測された存在

 

パラドックスポケモンと呼ばれるそのポケモンは現地の研究者や有識者によってウネルミナモと呼ばれる古代のポケモンの一種だ。

 

スイクンとウネルミナモ

 

時代を超えた先に現れた鏡合わせの様な対決が今始まりを告げた。

 

 

 

 

 

 

‥‥‥‥

 

 

 

 

 

それはここイワヤマトンネル付近の平原においても

 

 

「これはUB?いや違う‥造形がまるで古の時代を予期させるものだが‥」

 

 

 

「ぐぉおおる!」

 

 

空の割れ目、ウルトラホールから現れし二体目のパラドックスポケモン。炎の皇帝エンテイと酷似した巨大なポケモンが咆哮を上げて佇む。

 

 

 

 

「ええーい!!」

 

 

 

それに相対するは炎の皇帝エンテイ。

己の威信を知らぬ不遜な輩に制裁を加えるべく皇帝も雄叫びを上げる。

 

 

 

「助けてくれてありがとう。エンテイと言ったね?よろしく頼むよ。」

 

 

緑髪の青年Nの中に眠る王としての‥はたまた英雄としての素質を見抜いたのかエンテイは彼に背を預ける様に佇み、エンテイと思わしき異形のポケモンと相対する。

 

 

炎の皇帝エンテイと対峙するパラドックスポケモン。

ウガツホムラと呼ばれる古代のポケモンもまた時代を超えて炎の皇帝と対峙していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥‥‥

 

 

 

 

 

 

そしてウルトラホールはここトキワの森の奥地にある広場の空にも開通していた。

 

赤髪の青年シルバーが相対するは首がキリンの如く長く、首の後ろから生えた鬣を顔の周りに巻きつけたライコウに類似した四足の獣。

 

 

 

「見たことのないポケモンだ‥造形はライコウの様だがUBなのか?」

 

 

「けぇええん!」

 

 

ライコウに類似したそのポケモンの咆哮はまさに強者を感じさせる野太い声色。

 

その声に応じたのか、シルバーを見下ろす大木の頂より一つの影が姿を表す。

 

 

 

「ららーい!」

 

 

稲妻の王君ライコウ。

その瞳はシルバーを案じ彼を臣下として、いやまるで旧来の仲間であるかの様な優しい眼で見つめていた。

 

 

「何!ライコウ!?‥俺に背を向けて何のつもりなんだ‥?」

 

 

ライコウは青年に背を向けて、眼前のポケモンと相対する。

まるで青年に采配を任せ、己を上手に使ってみせろ。と力量を押し量る様だ。

 

 

「‥なるほど背を預けるという訳だな。いいだろう‥かつて俺が求めた最強の力を預けてくれ!」

 

「らーい!」

 

 

稲妻の王君と類似した眼前の四足獣の名はタケルライコと呼ばれるパラドックスポケモンだ。

 

 

それぞれの地で北風の化身、炎の皇帝、稲妻の王君が相対するは古代のパラドックスポケモン達。

 

北風の化身(スイクン)英雄の卵(リーリエ)

炎の皇帝(エンテイ)かつて英雄を目指した者(N)

稲妻の王君(ライコウ)英雄の好敵手(シルバー)が操り人となる。

 

英雄達による戦いの火蓋が遂に切って落とされた。

 

 

 





主人公‥相変わらず女性に弱くそれが転じて醜態を晒す大間抜け。現在サカキ様に縛り放置プレイされている。

リーリエ‥Fallの事を誤解しており、主人公は自身を守る為に話さなかったのだと勘違いした。
そして初対面のコスモッグから何故か気に入られる。
何故でしょうね。

サカキ‥本来であればリーリエを拐った上でじっくりとウルトラホールを開けるべきだったのだが、コスモッグの力が不安定だが現在好調であること、更に異世界の食客たち(ザオボー含む)の存在が不安定になりつつあり元の世界に強制送還される事態を考慮し、組長がいるのにも関わらず決行した。
だがリーリエの持つエネルギーが強すぎた事でサカキより遠い場所にウルトラホールが3つ開通すると言う思わぬ誤算が生じた。

コスモッグ‥ザオボーにより献上された平行世界の伝ポケ。ザオボー特製鎖によって適度にストレスを与え更にはリーリエが放つFallエネルギーと組みわせる事で多次元世界のウルトラホールを開通。今回繋がった世界からパラドックスポケモンを呼び寄せた。






パラドックスポケモン達‥なんか気がついたら別世界に来ていた。エリアゼロのポケモンなのかは不明

三犬‥実は三犬と類似するパラドックスポケモンとの対峙を描きたくて出した。この三犬は今外伝において物語の重要な立ち位置的存在。ジガルデも負担が減ってさぞご満悦。


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