遅くなり申し訳ありません。
今外伝も後半に突入しました。最後までお付き合い頂けますと嬉しいです!
『‥—ザザッ‥なるほどそんな事が‥—ザッ‥アローラでのお仕事お疲れ様でした。カシラ!』
「ああ、アローラの新組織アロハ会については追って話す。色々ご苦労だったな。」
黒のダブルスーツに身を包んだ強面の男性チャイブ。
頬の傷やその屈強な肉体はまさに歴戦の猛者と言って良い重厚な雰囲気を漂わせていた。
彼は組長の指示でアローラに滞在していたのだが現在は任務を終えてカントーの帰路の最中だ。
高速クルーズ船の一室で携帯端末で自身の舎弟にアローラでの滞在の日々を語っていた。
「それから、エーテル財団のビッケ支部長と代表代行のグラジオ氏から色々と預かっているものがあってな。例のリーリエさんに渡して欲しいものがあるそうだ」
『——ザザッ‥リーリエさんですか‥彼女は例の組織に今狙われているみたいで——ザッ‥組長が今防備を固めています‥——ザザッ‥』
チャイブはトランクケースの横に置いた二つの細長い古びたポーチに目をやる。年季が入りながらも伝統的な装いの刺繍から重厚感が伝わってくる。
チャイブは意識を再び携帯端末に向け、現状の把握を進めいていく。
「そうか‥報告にあった例の組織‥リベンジ・レインボーロケット団。奴らの狙いがリーリエさんらしいが‥組長はそれをわかっていたのか?」
『‥おそらくは‥—ザザッ‥組長はリーリエさんがFallである事を初対面で見抜いたのでしょうね—ザッ‥カントーでウルトラホールを——ザザッ‥こじ開けた例の組織から守るために‥』
「初対面でそれを見抜き、その‥リベンジ・レインボーロケット団の事も予期するとはな‥組長は未来でも見えているのか?これもロケットチルドレンの‥」
『?チャイブのカシラ?最後何か言いましたか?』
「いやなんでもない。‥リーリエさんには常に目を光らせておけよ。それだけだ。」
通話口から聞こえる疑問の声にチャイブは咄嗟に否定し話を逸らす。ワビ組の中で組長の過去を知るのは現状チャイブ一人のみ。
余計な混乱を組内で起こさぬ為だ。
『かしこまりました!組長のお弟子さんたるリーリエさんも俺たちで守り抜きます!』
「ああ。クチバに着くのは今夜になるかもしれん。引き続き頼んだぞ。」
通信を終えて携帯端末の電源を切るチャイブ。
かつてカントー地方を震撼させたロケット団。組長こと彼はその組織の次期担い手としてロケットチルドレンの教育を受けていた。
彼の凄惨な過去に改めて同情の意を汲むチャイブ。
だがそれとは別で脳裏に引っかかる様な小さな違和感を覚える。
(ロケットチルドレン‥兄貴は未だその呪いに苦しめられて‥‥いや待て‥ロケットチルドレン‥)
チャイブは単語を復唱すると脳裏に浮かぶ違和感を突き止めようと組員達からの報告にあった状況を再度脳内で整理する。
(組員からの報告によると先日カントーでウルトラホールが開きUB達が現れたと聞く。その場にはロケット団のボスと兄貴がいたらしいが‥兄貴は奴らにUB達を捕縛させわざと譲り渡したというのか?)
報告にあったカントーのウルトラホールの開通現象。リーリエの特訓時にリベンジ・レインボーロケット団が現れ、コスモッグというポケモンによってウルトラホールがこじ開けられたという。
コスモッグは付近のリーリエとテレポートでその場から行方を眩ましサカキの手によってUB達は捕縛された。
それに対して組長は抵抗せず、UB達が捕縛されるのをただ見ているだけというのはあまりにおかしい。
チャイブは顎に手を当てて、思考を深める。
(UB捕縛を手伝う事とFallであるリーリエさんをロケット団に差し出す事はボスであるサカキへの忠誠に他ならない。洗脳されたロケットチルドレンの使命を果たす為に兄貴は‥━━)
違和感の正体
それこそ組長たる彼がロケット団と裏で繋がっているかも知れない疑念。彼の過去であるロケットチルドレンとしての使命がサカキへの忠誠を果たす事だ。
これまでの組長の突飛な行動がそれを果たす為だと言わんばかりに。
チャイブは組長への疑心を抱いた事に両手で頬を叩きそれを紛らわそうとする。
(‥!何を考えてるんだ俺は!兄貴がそんな事する筈がねえ!あの人は俺たちを‥誰よりも世間様の平穏を大事にしている!裏社会をまとめ上げ、日陰者である俺たちに居場所をくれたじゃねえか!!)
チャイブの強さを認めワビ組を作り、荒れに荒れた裏社会を席巻し日陰者達を救い続けた組長を疑った己を責めるチャイブ。深呼吸して息を整え気持ちを落ち着かせるも心のざわつきは一向に消えない。
(‥だが嫌な予感がするのは確かだ。クチバに着いたら兄貴の様子を確認しないとな‥ 兄貴待っていてください!)
一刻も早くカントーに戻り、組長の様子を確認する必要がある。チャイブは頬の傷を一撫でして窓の外の景色を見る。
遠くの空は黒く染まり、それは今にも雷雲が立ち込める不穏な空模様であった。
‥‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥
Hello
君はもうどっぷりたくさんスジモン捕まえたかな?
捕まえた君も捕まってケジメを付けられた君も
スジモンどこやコラ!に挑戦しよう!
イクゾーキリュー!!
という事でどうもスジモンです。
リーリエがコスモッグのテレポートで行方不明になったがその日の内に帰って来た事件から5日経過した。
リーリエが拾ったコスモッグを逃す訳にも行かず行きずりでそのまま保護する事になった。
ロケット団はどっから拾ってきたんやろな?
コスモッグに鎖みたいなネックネスがついたままだが外れる気配無くて今どう外すか模索中や。
当初は出張で来ていたエーテル財団職員に保護を任せるつもりがリーリエからピタッと離れず、無理に引き離すと暴走してテレポートするかもと言う事でリーリエが保護する事に。あー胃がいてぇ
「ふふ‥!くすぐったいですよ。つきぐもちゃん」
「ぴゅ!」
「やはりいいものだね。これが人とポケモンの目指すべき姿か‥」
遠目からリーリエとじゃれ合うコスモッグは目の保養になるな。Nもそうだそうだと言っています。
やはり美少女とかわいいポケモンとの組み合わせは癒しよな。Nよお前はやはりわかっている。
流石は人とポケモンと結婚する世界を作らんとする猛者じゃな。極道度満点!
あ、そうそう。コスモッグのニックネームはつきぐもちゃんになった。
お月様みたいに綺麗で無垢な瞳とアローラのほしぐもちゃんと重ね合わせているみたいね。
性格は人見知りでリーリエ以外にはあんまり懐こうとしないね。Nとはそこそこ仲良いみたいだが
組のモンがリーリエを見守っているし、Nもいるからこの場は大丈夫だろう。私は私でやる事があるのでこの場はお邪魔させてもらうぜ。サラダバー!
私のやるべき事‥それは大人のお姉さんの美の堪能の時間‥と言いたいがそれはまた別の機会やな。ぐすん
向こうから歩み寄ろうとするゲノセクトのメンタルケア(マカロン漬け)やら溜まりに溜まった通常スジモン業務(金貸し、違法賭博運営、ケジメ案件etc)をやらないとやばいやばい
「あら、いい服を着ているわね‥そこのお兄さん」
リーリエ達から離れて暫く経った時に声が聞こえた。
んぅ?この凛とした美しい声色‥女性やん!美声やな!声が聞こえた所を向くとそこには銀髪美女が!
むふぉおお!たまらん!ネームドやん!
黄色いキャミソールと白のロングパンツの服装が堪らなく美しい!ザ!大人のお姉さんって感じっす!
さてナニモノなんじゃ??
「あなたは‥まさか」
「まずは初めましてね。わたくしはしてんのうのカリンよ。よろしくお願いするわ」
「ええよろしくお願いします。カリンさん」
はい!してんのうのカリンさんです!パチパチパチ!
やっぱいいね!ネームド美女は!
イブキさんもいいけどこう言う大人の色気振りまく女性は本当に素晴らしい。
モデル体型でありつつお胸とお尻も大きいとか最高!
他にもエリカ様やシロナさん。ミカンさんにアカネさんにリーリエ(呼び捨て)それぞれの女性キャラの魅力や性格どれも被って無いのほんとにすごい。
見直したぞゲームフリーク
「流石にわたくしの事は知っているわよね?してんのうを知らない程世間知らずじゃ無さそうだもの」
「ええ存じ上げています。あなたのあの言葉は有名ですから」
つよいポケモン よわいポケモン
そんなの ひとの かって
ほんとうに つよい トレーナーなら
すきなポケモンで かてるように がんばるべき
あの名言に痺れない奴いる?いねぇよな!
私が誇らしげに話すとカリンさんは意外そうな顔になり私を見る。まあ私のスジモンフェイスから発するのはおかしいと思うが顔に出さんといてや。傷つくねん
「そう‥それは嬉しいわ。強さ‥特に力だけに縛られない柔軟な発想が大事‥イブキちゃんが言っていた様にね」
「‥‥?」
「力だけが本当の強さじゃない。彼女あなたからそう教わったと言っていたわよ?」
そんな事言ったっけ?忘れたわ(クソボケ記憶力)
てか何でその事知ってるん?まいっか!(適当)
‥あ、ちょっと思い出した様な‥
確かあの時自身の強みを忘れて迷走していた時期に私が言ったやつだったか?
豊満なバストつまり
「そうですね。イブキさんは己の強み(バスト)を理解した‥だからこそ
「最強?」
「ええ。あの強み(胸)は素晴らしい。周りよりも大きなモノ(胸)を持っている‥」
「その姿は眩しくもあり、同時に癒しでもある。バトルの度に目が離せない程に‥(胸が揺れて)」
あれはいいものだ‥思わず口角が上がるほどの美しさ。今の私はキモ微笑みを浮かべているのだろう。
あのデカ胸を‥言わば男のロマンから目を逸らすって確実にして絶対に不可逆的に難しいです。はい
「それだけ秘めた才を持っていると‥?確かに彼女の並外れた執着心‥言わばハングリー精神ならば最強に近づくのも夢じゃ無いわね。」
カリンさんが呟く様に言っているが、そこまでイブキさんは自身の強みを理解しているのか(困惑)
てか性癖談義に乗ってくれるカリンさんもヤバない?
それはそれでちょっと引くんだが(失礼)
「‥彼女への理解がここまで強いとは‥ライバルというのは本当の様ね。」
えっと‥それは向こうが勝手に言っていると言いますか‥恐れ多くてライバルの資格がないと言いますか‥
私が困惑している中カリンさんも息を吐くと愚痴る様に言葉を紡ぐ。
「‥全く彼女ったらあなたの話になると止まらないのよ?今度こそは勝つ!とか奥の手を使わせてやる!とか言ってね。」
あーそれね。駄々こねて子供みたいよねー
イブキさん本当にしてんのうか?
毎回私がメガシンカしない事に腹を立てて、結構前に「ねえ!してよ!メガシンカしなさいよ!」って言われた事がある。
それあなたの台詞ちゃいますがな‥ドラゴン使いという共通点はありますけども‥ 想像力が足りないよ。
りゅうせいのたきに帰って、どうぞ
てか?何でライバル発言の事知ってるん?
‥まさか‥嘘だよね‥?私の正体バレてる感じ??
「‥さて世間話はここまでよ。あなたには問い詰めたい事が山ほどあるの着流しのお兄さん」
「いいえ。ワビ組の組長さん?」
はぁああ‥(クソデカため息)やっぱりそうだよねー
特製おみとおしだよねー 嫌になるわ!
顔つきも何というかマジな表情になっちゃって、さっきの優しい感じが嘘みたいじゃな。
そりゃあそうだ!スジモンのヘッド見たいなもんだししてんのうにも睨まれるよね!(絶望)
ここは膝をついてやり過ごす以外になかろう
「リベンジ・レインボーロケット団。あのサカキを首領とする新たなロケット団‥」
「先日ウルトラホールをこじ開けたあの場にあなたとサカキがいたらしいわね。‥あなたは捕縛したUB達をサカキに引き渡した。だからこうして野放しにされている‥違う?」
「ロケットチルドレンのあなたならサカキを助ける義務があるのだから‥!」
おーおー好き勝手言いなさる‥!
私をロケット団関係者の様に捲し立てるのは辛いす。ロケットチルドレンとか不名誉なあだ名はやめろォ!冤罪だぁ!
ミュウツーと一緒にいた位で決めつけちゃってさあ!
腰に付けた古びたモンボは宝物なだけですぅ!
「あなたとロケット団は共謀してカントー、ジョウトを混乱に陥れるんじゃないのかしら‥?その為にワビ組を作ったと‥」
「!?」
いや誤解ですよ!
組を立ち上げたのはチャイブの奴で私がやったわけじゃ無いんだって!巻き込まれたカタギだよ私!
カリンさんが怖い顔して私をにらみつけるしてくるけど、そんな事する訳ないって!
ここは誠実にいかなくては!
「‥一体何を企んでいるの?」
「‥‥何も企んでいませんよ。」
「‥そんな言葉を鵜呑みにしろと?あなたは何を思っているの‥?」
ギロッと私を見るカリンさん。ひぇえ‥こわいよぉ‥
そうだよなぁ‥言い訳にしか聞こえないよなー
ああ!わかったよ!言うよ!思いを吐き出せばいいんだろ!吐き出してやるよ!ヴェオオオ!(嘔吐)
愚痴になるがいいんだな!?
「‥そもそもワビ組なんて作りたく無かった。ただ(己の)平穏を守りたかった。(己の)幸せの享受を願いたかっただけなのに‥」
「‥‥」
「サカキ様は私にとって(憧れが)強い存在です。だからこそ周りは私をロケット団だと勘違いする。本当はそんなにも深いものではないのに‥」
くっダメか!
殺伐とした表情から哀れむ目に変わっただけでそのプレッシャーは健在だ。くそ!私の見苦しい言い訳に哀れんでいる様だ‥こうなったら仕方ない‥!
奥の手だぁ!
「だからこそケジメを付けなくてはならない。大事な物(己の命)を守る為にも‥犠牲にするか‥」
チャイブを売るか‥(組長の恥)
奴と舎弟を犠牲にして私が生き延びるという提案をしよう。言わば企画一陣!必要な犠牲でした‥
これは苦渋の決断です。分かりますね?
「!?待って!‥本当はあなたは‥!」
私の外道宝具を察知したのかカリンさんが食ってかかる。これは詰められますね‥ 撤退だ!別名を転進!
「‥それではここで失礼します。カリンさんありがとうございました。」
逃げるんだよぉおお!
聡明な美女でしてんのうだぜ?権力側の人間だからこれ以上話してもボロが出て捕まるのは目に見えてる!
私はボヤキながら足早で立ち去りその場を後にする。
‥てかこの展開前にもあった様な‥
確かジョウトのプラズマ団騒動の時もシロナさんに目をつけられた事があったな‥結局有耶無耶になって忘れてくれたのか今はアローラのバトルツリーにいる。
グリーンもいるからカントーに戻ったら後が怖いぜ
やはり美女は警戒すべきなのか‥
女性の美は堪能すべきだし、色々と学ぶ事が多いが流石に反省しよう。カリンさんやシロナさんの二の舞‥いや三の舞はごめんやからな!
私が反省をして覚悟を決めた中、カツコツと遠くから足音が聞こえた。
「あら、失礼。そこのいい服を着たかっこいいお兄さん。ちょっといいかしら?」
うひょおおお!超美人な大人のお姉さん!?
こんな道端で!?なんすかそのドレス姿は!?
ボンキュボン!超綺麗な体型!まさにグラマラス!!(反省せず)
「ちょっとしたお願いというかお誘いなんだけど‥いいかしら‥?」
はぁーい!いいよー!!(四の舞)
お姉さんみたいなきれーな人ならなんでも聞いちゃうよお!!
やっぱり美女は最高やな!!
もうどうにでもなれーー!(欲望剥き出し)
‥‥‥
カリンside
「組長さん。あなたはあなたで‥もがき苦しんでいるのね‥」
白の着流しに身を包み、黒い羽織に袖を通した強面の青年。裏社会組織の長ワビ組の組長。
彼と雑談を通して真意を図ろうとしたカリンであったがその胸中は思いもしないものだった。
(イブキちゃんの強み‥それは諦めの悪さと強いハングリー精神とバトルのセンス。初見でそれが周りのジムリーダー以上に抜きん出ている事を言い当てたのは流石としか言いようが無いわね。)
してんのうの新参イブキ。彼女の持つバトルのポテンシャルはかなり高い。ジムリーダーからの昇格であるが以前は力を持て余し慢心していたと言う。だがワビ組の組長に完敗を喫してから心を入れ替えたのだ。
力だけが本当の強さじゃない
イブキが度々口走るこの言葉は組長がイブキに直接伝えたものだと言う。
当時力に溺れたイブキを宥めつつ、彼女の強みを引き出した彼ならではの教えなのだろう。
(彼女に向けた強い感情の発露は本物ね。彼女を大切な者と認識しているのは確かか‥)
彼はイブキとバトルをする度にそのバトルが自身にとって癒しであり、眩しくもあり目が離せないと話していたがそれは彼の過去と関係があるのだろう。
殺伐とした世界ではなく純粋に自身と向き合ってくれる彼女の存在が彼にとっては眩しく、楽しい時間であるのだろう。あの時の彼は人の美しさや強い何かに心惹かれている様な微笑みを浮かべていた。
(あれは到底演技とは思えない‥表情、声色、態度に嘘偽りは無い。あれが彼の本性‥)
つまりあの姿こそ本当の彼なのだ。
冷酷なまでに命令に忠実であろうとする仮初の姿は見ていて痛々しい程に。
カリンは目を瞑り指と指を絡ませて祈る様に胸の前に手を置き彼の真意を見極めようとする。
(わたくしは誤解していたようね。彼の言う通り本当はワビ組なんて作りたく無かったのかもしれない。ただひたすらに世の平穏と幸せを願っていたのか。)
(本来であれば彼は裏社会の人間として立つべきでは無かったと‥ロケットチルドレンという過去から神輿として担がれ、裏社会組織の長にならざるを得なかった。‥詰まるところ究極の被害者という事ね‥)
そうだ。そもそもロケットチルドレンとは悲劇の被害者では無いか。自身はしてんのうという立場に囚われ彼の事情を理解せずカントーの平穏を乱す罰すべき者としてロケット団と同じ括りにしていた。
だが彼はロケットチルドレンとしてサカキの期待に応えなくてはならなかった。今回もそうである。
本来であればサカキの命令に従いたく無い筈だが過去のトラウマがそれを許さない。なんと哀れな存在なのだろうか。
(期待に応えざるを得なかった‥ロケットチルドレン被験成功体なら当然よね。記憶もあなただけが持ち、その実力は常人を遥かに超えるのだから‥!)
カリンは彼の境遇と運命に思わず涙ぐむもすんでのところで堪える。
あくタイプ使いのカリンにとって悪とはもう一つの正義であると考えている。
性根は何よりも純粋であるが世間での誤解や偏見からあくタイプに分類されるポケモン達と彼を重ねて見ていたのだ。
生まれや過去から悪にならざるを得ないあくタイプの如く宿命を背負った彼。
イブキを思いやる優しさを併せ持ちながらもサカキの為に冷酷にならざるを得ない不器用な生き方はカリンの心を大きく動かしていた。
(本当に不器用な人‥それでいて純粋な心の持ち主か‥ だからこそイブキちゃんはあなたをライバル視する‥彼に魅了される人の気持ちがわかったかもしれないわ。)
純粋でありながらも不器用なその生き方はまさに女性の母性本能を引き出すのだろう。彼を一人にするとどこか遠くへ消えて居なくなる様な幻影の如き儚さを持つからこそイブキは彼を追うのだろう。
やれやれと言わんばかりに首を振るカリン。だが完全に彼の事を許した訳ではなく、その眼には漆黒の如く強い意思を映し出していた。
(でもまだ完全に気を許した訳じゃないわ。絆されたりしない‥もし牙を向けるのならその時はわたくしの手で容赦なくその牙をへし折る‥!その為のしてんのうよ‥!)
彼はロケットチルドレンだ。その境遇や運命には同情はしよう。それでも尚サカキと共に歩み続け、望まぬとは言えもし世の平穏を乱すのならば容赦なく叩く。
カリンはそう強く決意を固めた。
(それにしても‥ケジメをつける。そう言っていたけどそれはサカキに対して?それともロケットチルドレンである自分自身に?‥彼が呟いた犠牲にするって‥‥)
決意はしたもののカリンは不意に彼が最後に呟いた一言が脳内で駆け巡っていた。まるでその言葉が彼の今生の別れの様に強い覚悟の発露。
(‥!まさか‥あなたは己の身を犠牲にしてでもサカキを止めようとしているの‥?もしくは‥差し違えようとしている‥!?)
彼は己の身を犠牲にしてでもサカキを止めるとでも言うのだろうか。
彼の言うケジメとはロケットチルドレン‥言わばロケット団の時期担い手としてボスに引導を渡し、ロケット団を終わらせる事で世の平穏を守ろうとしていると言わんばかりに‥
(わからないわ‥彼には目を光らせる必要がある。引き続き情報を集めないとね。)
カントーの平穏の為にも必要以上に彼と関わるべきでは無い。今は一旦距離を置き彼の行動を客観的に判断する必要がある。
彼は果たして敵なのかそれとも味方なのか━━
その真実は彼のみぞ知ると言えるだろう。
‥‥
‥‥‥
一方ワビ組組長‥‥
(うっひょおおお!美人なグラマラスなお姉さんから夜のお誘い受けちゃったぜ!こりゃあ嬉しいねぇ!)
(シャワーも浴びたし、お姉さんに楽しんで貰える様な熱い夜にしたいぜ!‥ええっと場所は‥確かこの倉庫前か!)
太陽がその身を地平の彼方へと沈めると今度は銀色の月光が海原を照らし、クチバの埠頭に姿を見せたワビ組の組長が1人倉庫の前に佇んでいた。
組長はこれから起こる出来事に期待を寄せている様だが平静を装い普段の冷たい鉄仮面を被ったままだ。
彼が佇む中、背後からアスファルトを叩く大きな足音が近づいてくる。彼はその音を耳にすると背を向けたまま足音の主に声をかけた。
「‥いい所ですね。まさにあなたとお会いするのに相応しい場所だ‥」
「‥ほう。そこまで私と会うことを楽しみにしていたのか。」
組長の落ち着き払ったその声色にその足音の主は口を開く。その声は驚きと関心が入り混じる男性の声だ。
声を聞いた組長は錆びついた機械の様にぎこちなく振り返る。
(‥ゑ?何か聞き覚えのある渋い声が聞こえたんですけど‥嘘だよね?まさか何でここに‥?)
「さてこうして会うのは二度目だな‥ワビ組の組長よ。」
(サカキ様かよおおおお!あのお姉さんはいない!?マジかよっ!何で激シブイケオジと一緒にいなきゃいけねえんだああ!おねえさああん!出てきてよー!!!)
裏社会組織の長同士の二度目の邂逅はこの後の世界にどの様な影響を与えるのか。
カントーの運命は二人の手に委ねられていた。
「あれは組長?隣の男は確か組員が言っていたリベンジ・レインボーロケット団のボス‥何でコソコソと話しているんですか?‥兄貴‥」
「まさか‥兄貴は本当にロケット団の奴らと手を組もうとしているというのか‥?」
二人の邂逅を遠く離れた柱の影から見る一人の男性。
組長のNo.2である彼にとってはまさに青天の霹靂とも言うべき驚愕の事実であった。
主人公‥相変わらず女に弱い俗物。まるで反省していない。大人のお姉さんと熱い一夜は過ごせずスジモンと過ごす事に。どうなる組長?
リーリエ‥コスモッグことつきぐもちゃんの保護担当になった。ほしぐもちゃんより人見知り気味なつきぐもちゃんと仲良くなりつつある。
カリン‥主人公の境遇やら運命に同情しつつも世の平穏を乱すのなら容赦なく潰す事を誓う。それがあくタイプ使いとしてのプライドであり、彼と言う悪党への手向けであるから。割とデカい感情抱いてません?
サカキ‥愛人の一人を主人公の元に向かわせ再会する機会を作った。他にも愛人はいるので主人公が知ったらブチギレ間違いなし。
チャイブ‥しまキングハラの元で特訓を積みアローラでの役目を終えてカントーに帰還。
主人公の過去(勘違い)から実はサカキと内通し弟子であるリーリエを売り渡しロケット団の傘下に入るのか?と最悪の想定が脳裏をよぎるが同時に主人公への激強の忠誠心の間で揺れ動き、No.2として苦しい思いをしている。
アロハ会
アローラ地方に出張したワビ組若頭のチャイブを慕って集まった小規模なスジモン組織。
元スカル団やゴロツキ、更には島巡りの挫折者達と言った表社会に生き場所を無くした者達が組織の大半を占めている。
ワビ組の教えをチャイブが叩き込み、義理、人情を是とし密猟者達や迷惑観光客にケジメをつけるべく日々汚れ仕事に奔走する実質ワビ組アローラのすがた
カプ神‥(なんか一部の人間どもが新たな徒党を組んだ様だが我らを蔑ろにしないし、揉め事や汚れ仕事を率先して行い現地民と野生のポケモンの共生に役立ってるな‥よし!無罪!)