遅くなり申し訳ありません!
今話ほぼオリキャラ回です。
「くっ!オーダイル!」
「オー‥」
「よくやった。戻れニドキング」
「ニドォ!」
夜の帳が下りて暫く経った平原に二人の男の勝負に決着がついた。赤髪の青年シルバーが繰り出した最後の手持ちポケモンオーダイルが地に伏し、勝利を飾るのはサカキの手持ちのニドキングだ。
サカキとシルバー
親子であり、共にポケモントレーナーである二人は再会早々ポケモン勝負をしていた。
それは
「なるほど‥良い腕だが道具の使い方が甘いなシルバーよ」
「‥チッ」
サカキとシルバーは互いに手持ちのポケモンをボールに戻すとサカキはシルバーに皮肉を込める様に諌めていた。シルバーは舌打ちするとサカキから目を背け、悔しさを打ち消す様に拳を強く握りしめている。
「‥だがそれがお前の強さの原動力と言える。あの男の様な甘さがな‥」
「‥あの男‥確か例のロケットチルドレンの成功体と呼ばれたワビ組の組長の事か‥?」
サカキが不意にこぼしたその一言にシルバーは反応する。それはワビ組の組長たるあの男がロケットチルドレンである事だ。シルバーが嫌う弱者が徒党を組んで強者の佇まいを偽る集団。ロケット団の被害者たる組長についてサカキに問いているのだ。
「そうだ。あの歪な計画の唯一の成功体にして被害者があの男‥組長だ。」
「‥Nは王と言っていたが‥まさか奴は裏社会の王として親父に立ち向かおうと‥?」
彼はロケットチルドレンという被害者であり、サカキの尖兵となる洗脳教育を受けた筈だが、その男が言わば裏社会をまとめ上げサカキに反旗を翻そうとしている。それは彼が過去から脱却せんと足掻いている為か
サカキはシルバーを一瞥すると口角を上げて不敵な笑みを浮かべていた。
「そうか‥奴が‥ それは面白い。奴の意地もそうだが王とはな。必要悪と言われた組織がこうも大きく出るとは実に面白い。」
サカキも世界征服に乗り出している絶対悪の首領だ。
必要悪と言われるワビ組と絶対悪たるロケット団。
どちらが王に相応しい組織かサカキは強者との決着を望んでいた。
サカキはシルバーに向き合うとその甘い考えで、彼と同じ様に私を止めてみろと言わんばかりに挑発の笑みを浮かべる。
「‥強くなれシルバーよ。その腕で私を止めてみろ」
「‥‥」
そしてサカキはシルバーに背を向けるとそのまま夜の闇へと消えていく。
強大な悪の侵攻と底知れぬ野心にシルバーは放心し、無力とでも言うべき状況にただ立ち尽くすのみであった。
‥‥
‥‥‥
「どうした?まだ俺のポケモンは倒れていないぞ?」
「やっぱ強えな兄貴は‥!」
「ルチャ‥」
「ギュオー!」
皆さんご機嫌麗しゅう。スジモンです。
目の前にいるのは顔面暴力傷跡スジモンのチャイブ!
という事でサカキ様と飲み会した後にチャイブの野郎に勝負を仕掛けられて今に至るが、現状私のボロ勝ちである。
先発は私のグソクムシャが相手のゴロンダをアクアブレイクで叩きのめし、次鋒のドクロッグはメガヤンマのエアスラッシュで粉砕し、三体目のジャラランガ(初見)はカイロスのカウンター(虎落とし)でぶちのめし、今四体目のルチャブルをゲノセクトのテクノバスターでぶっ飛ばし一体も欠ける事なく蹴散らした。
まさにパーフェクトゲーム!!誇り高き肉片にしてやるよお!
「ギュオー」
うむよくやったぞゲノセクトよ。苦しゅうない
後でマカロン漬けの刑に処す(ご褒美)
ゲノセクトとは定期的に交流を図ったからかそれなりに仲良くはなれたがまだぎこちないのよね。
指示は聞くんだけどな‥まだ信頼を勝ち取るのに時間がかかるかもしれん。
だらしないトレーナーですまない‥
心の中でゲノセクトに褒め言葉を89359104649回言った後にボールに戻して相棒のボールを手に取る
「頼むコノヨザル!俺に力を貸してくれ!」
「‥ノァ!」
「スピアー頼んだ」
「スピッ!」
チャイブの奴は相棒のコノヨザルを出してきた。
相棒同士のミラーマッチだ。自慢の愛ポケのサビにしてやるよおらぁ!(意味不明)
「兄貴‥さっきから俺の問いにはだんまりですよね‥そこまで俺には話せない事なんですか‥?」
「‥何が言いたい?」
あぁん? そりゃあバトル始まってから同じ質問何度もされたら嫌になるわ!しつこい男は嫌われるぜ!
「ロケット団のサカキ‥言わば敵組織のボスと何を話す必要があるんですか‥?」
「言った筈だ。お前がそれを知る必要はない。‥卑しい話になるからな(性癖談義)」
卑しい‥卑しい〜!そりゃあそうだろ!
あんな性癖暴露大会語れるわけ無いじゃん!
まさに卑しい話そのもの‥お前が知る必要は無い。私が社会的に死ぬからな!
「やはり兄貴はサカキと繋がっているとしか‥だが手持ちはほとんどやられた‥俺に兄貴を止める事は‥」
何をごちゃごちゃ小声で言ってやがる‥
スジモンならはっきりと声に出しやがれ!そう言いたいが逆上されると怖いので黙っときます。はい
私が怯えている中チャイブは顔を上げると覚悟が決まったのか頬を叩いて私を見る。
「いや、ここで諦めたら全てが終わりだ‥今こそ全てを出し切る時‥!」
「俺は兄貴の背を追いかけた。遥か高みにいるあなたに届きたくて‥ 今修行の成果を見せる時です!」
何やら腕にバングルみたいなものをつけているがあれ見覚えがあるなー そしてコノヨザルの首のネックレス‥ゲームSMに出てきた奴じゃん!名前は確か‥
「それはZリング‥そしてZクリスタルか」
「ええ。兄貴が俺をアローラに送ったおかげで知る事が出来たゼンリョクの極技!Zワザ!」
まじか!チャイブお前Zワザ覚えたんか羨ましい!
て事はポーズも覚えたんやな!やるじゃねえか‥!
私にはあれ覚えられる自信が無いんだが‥
間違えて別のタイプのポーズしたらどうなるんやろ?
「行くぜコノヨザル!ぜんりょくむそうげきれつけん!」
「ノォア!!」
おおー!
腕で円を描く動きをして拳を突き出す怒涛の感謝の正拳突きの迫力やば杉!
チャイブがやるとめっちゃ怖いなぁ‥
でも少年少女がやる動きをスジモンがやるというギャップに笑っちゃいそうになるんすよね。
動きからしてあれはかくとうタイプのZワザやな
スジモンがやるからあくとうタイプと言った方がいいかもしれんが‥
「うおおお!!」
「ノォアアア!!」
「スピー!?」
なんと言うラッシュ!オラオララッシュみたいに拳を突き出しまくる姿はまさにスジモンスタープラチナ!
スピアーは拳をまともに浴びるが問題はない。
「ノォアァ!!」
コノヨザルの最後の拳で土煙が立ち込め地面が大きく抉れている。Zワザやば!人死ぬで!
やっぱポケモンはこわい生き物ですね‥(恐怖)
「凄まじい破壊力だ‥だが相性が悪すぎたな。」
「スピ!」
だが無駄無駄無駄ァ!
効かないねえ‥むしだから!(タイプ一致0.25倍)
あのバンギラスのストーンエッジにも耐えたんだぜ?
土煙が晴れるもそこには羽を動かして余裕の表情を浮かべるスピアー。
やっぱこいつ頭おかしいわ(褒め言葉)
そして今回はスピアナイトを入れ込んだ首飾りをつけており装飾品が月光で反射している。
「ゼンリョクを見せてくれたのならばこちらも応えなければ無作法というもの‥ スピアー!ゼンリョクで行くぞ。メガシンカ!」
「スピー!!」
最近やってなかったメガシンカ。リハビリも兼ねてやってやるよ! 私は懐からメガネックレスを取り出してメガシンカを始める。
スピアーの周りを強烈な光が覆い、光が晴れるとメガスピアーが威圧するようにチャイブを見る。
「これが兄貴とスピアーさんの絆の結晶‥メガシンカか‥!」
「ノォ‥ア!」
感動中失礼します。疲れるから速攻で終わらせるぜ!
私はスピアーに指示を出しコノヨザルに狙いを定めた
「メガスピアー ドリルライナーで貫け」
「スピ!」
「ノォア!?」
ドリルを回転させてそのままコノヨザルに突っ込むメガスピアー。威力はZワザよりも高いのかコノヨザルを吹っ飛ばし地面に何回もバウンドさせた。
コノヨザルはあまりの威力に立ち上がることが出来ずにそのままひんしに。いや強すぎ!
「くっ‥!コノヨザルが一撃でやられた‥!やっぱり
すげえな‥ だが俺には止められなかった‥ 」
チャイブは膝を地に付けてめちゃくちゃ悔しがっていた。イブキさんは負けると地団駄踏むし揶揄うと反抗が楽しいのだが、それと違ってチャイブはなんか見てて痛々しくてこっちが辛いわ。
話す必要の無い事だがそんなにも知りたいのか(困惑)
ならば語らねばなるまい。
「‥チャイブお前は俺がロケット団ボスと何を話したのかそんなにも気になるか‥?」
「‥‥」
チャイブは下を向き静かに頷く。うーんかなり重症やな‥まあ聞いた手前ここで引き剥がすのは薄情やからさわりだけでいいか(性癖談義を)
「何故話さないのか。お前には話す必要が無いと思ったからだ。(女性の)ありのままの美しさについてなどな‥」
「え‥?」
チャイブは驚いたのか顔を上げる。
くそ‥!私は何を話しているんだ。チャイブに女性の美しさを語るとは私も堕ちたものだ‥
だがここで引いてはスジモンの名が廃れる!
ええいままよ!
「あの人の言う(女性の)征服など支配に過ぎん。カタギ(の女性)に手を出すなどもっての外‥ 自由であるからこそ美しさが際立つのにな‥」
「‥‥」
あれ?思ったりより反応悪くなくね?
否定されたりそんな事話していたのか(呆れ)みたいな反応するかと思ったが‥お前も興味がある感じなのか‥?(疑心暗鬼)
‥っていかんいかん!結論言わないとな!
私の考えを押し付けるのは良く無い!サカキ様とは分かり合えなかった事とか今後について考えないとな!
「‥つまりあの人とは分かり合えなかった。(性癖が)ならばどうすべきか‥」
そんなの決まってる。口出しはなるべくしない!
相手の性癖はどんだけ歪であってもそれは自分の価値観でしかないからな!口出しは今後しない様に振る舞わないと!(フラグ)
私が喋り終わった後にチャイブはおそるおそると言った感じで口を開く。
「兄貴‥それってまさか」
体震えてね?これ実は引いてる可能性がある?
ダメみたいですね(諦め)確かにいきなり上司が性癖を暴露するのはやばいよね。とち狂っててすまない
ここは話を変えるべきだな‥ どう変えるか‥せや!
「それよりもチャイブ。まずはお前は組長である俺に逆らった事に対してケジメをつけろ。」
お、そうだ(唐突)おいチャイブ!
スジモンである以上ケジメを付けてもらうからな
ひとまずアローラの大人のお姉さんを紹介する所から始めろ。エンコ詰めとか古いんだよ!
組織である以上徹底的にやるぞ
上の者はな下の者の気持ちは汲んでも顔色は伺っちゃあかんて某漫画で教わったからね
「!はい‥申し訳ありませんでした兄貴‥いえ組長‥」
私に土下座する勢いで頭を綺麗に下げるチャイブ。
よしよしさすがはスジモンだ。礼儀作法が潔い‥!
さぁてと。ケジメをどうやってつけさすべきか考えなくては‥えーとそうだな‥うーん‥
ん?
‥いやちょっと待てよ
もしここで厳しい事しちゃったら‥
私に対して反感抱いて下剋上をしてくる可能性があるかも!? こりゃあいかん!
前言撤回!全力で下の者の顔色伺います!(腰抜け)
だって私の命が惜しいんだもん!しょうがねえだろ!
「‥と言いたいが今回この場にいるのは俺とお前だけつまり他言無用だ。いいな?」
「え‥それってどう言う」
「俺に同じ事を言わせるなチャイブ。これは決めた事だ」
有無はいわせん!この話は終わりだ!終わり!
こんな情けない姿組員に見られる訳にはいかないだろ!!
「‥!も、申し訳ありません!軽率でした‥!」
「俺は一人で戻る。後はお前の好きにしろ」
チャイブが私の圧に引いているのか反射的に謝罪して来るが、叛逆されるのが怖いので退却します。
大人のお姉さんに会えなくて寂しいぜ‥
ルザミーネさんに慰めてほしーなー 甘えたいよー!
おんぎゃあ!!(デスボ幼児帰り)
‥‥
‥‥‥
side チャイブ
「やはり兄貴はリベンジ・レインボーロケット団を相手取る覚悟が出来たって事か‥」
若頭のチャイブが決死の覚悟で組長に戦いを挑んだあの夜から四日が経過した。
今チャイブはヤマブキシティのワビ組本部の事務所の一室で思案していた。
依然としてその強さは健在の組長
彼の手持ちを下せず、メガスピアーに一撃で倒された事で格の違いを改めて理解し、あの夜の組長の行動を一つ一つ整理していたのだ。
(おそらくあの夜兄貴はロケットチルドレンである事を理由にボスであるサカキに従えと脅された可能性が高いが結局の所破局したんだろうな。兄貴は分かり合えなかったと言っていたが‥)
(‥征服‥特にカタギの衆に手を出す事が兄貴からしてみれば許せなかったんだろうな‥それが分かり合えなかったという事か‥)
あの夜組長がこぼした思いから彼はやはり義理人情に溢れる人間であるとチャイブは認識した。
一人でサカキと落ち合ったのは過去を断ち切り、己の明確な意思を伝える為。
カントーの人間や日向の世界に生きる人達を思い、正に断腸の思いで断ったに違いない。
(ありのまま‥人が自由に生きる世界こそが美しい世界‥兄貴はそれを卑しいと思っていたのか‥兄貴の過去を知ればそれが卑しく見えるのも無理は無いが‥)
これまで彼はロケットチルドレンとして闇の世界を生きていた。それは束縛された不自由な世界であり、彼はそれしか知らなかったのだ。
人がありのままに自由に生きる世界など彼からすれば卑しいと思う他ない筈だ。
だが彼はそれを受け入れて前に進もうとしている。何と強靭な精神である事か
(俺は兄貴の意志を汲み取れなかった‥ 力を手にしてそれに溺れただけ‥これで何が組のNo.2だ!)
チャイブは拳を強く握り壁に叩きつけた。彼は組を結成してから変わっていなかったのだ。行き場の無い裏社会の人間を受け入れ、裏社会に秩序をもたらす事で世界を影から見守り表社会の人間を助ける任侠組織
己の過去に囚われサカキに屈して世に仇する外道に成り下がる事など微塵もなかったのだ。彼の真意を汲み取れず己の勘違いから引き起こした失態にチャイブは腹の底から自身に向けての嫌悪を強めていた。
(兄貴はそれをわかった上で俺を叩きのめしたんだ。兄貴があの場で弁明すればその場逃れだと俺は兄貴を信用出来なかったかも知れねえ‥
俺を叩きのめす事で正に聞く耳を持たせた状況を作り出したのは流石としか言えねえな‥!)
彼はそれを知った上でチャイブの勝負を許した。必要であればすぐに弁明すれば良い筈だ。だが彼は言葉を濁す事でチャイブに本気を出させ、更には実力を図ると同時にチャイブを倒し彼の言葉が確実に耳に入る状況を作り出したのだ。その策は見事に嵌りチャイブの信用を一瞬で取り戻した。
チャイブの心を理解しながらも瞬時にその状況を作り出す彼の柔軟さは末恐ろしく感じるほどに。
(本来ならば俺はケジメを取るべきだが兄貴はそれを許さなかった。生きてあなたを補佐する事が俺のケジメだって言うんですね‥!)
チャイブは組のNo.2の若頭だ。トップである組長に勝負を挑むのは親への反逆に等しい重罪である。
しかし彼はそれを不問にし、今後も右腕として支え続ける事を条件に許した。改めて彼のその壮大な器にチャイブの心が大きく震えていた。
「失礼しますカシラ!報告したいことが!今よろしいですか?」
突如扉を叩く音にチャイブは意識を扉に向けると部屋に入るように促した。頭を下げて入室したのはいわゆる若衆と呼ばれる構成員の一人だ。
「どうした?何かあったか?」
「奴らのアジトの場所が判明しました!場所はナナシマ‥!旧ロケット団倉庫跡地に奴らのボスが潜んでいるそうです!」
チャイブの問いかけに若衆の男は声を荒げて報告していた。リベンジ・レインボーロケット団の隠れ家たるアジトの場所を突き止めたのだ。敵対する組織の尻尾を掴んだ事にチャイブは喜びの表情を浮かべて若衆の男と向き合う。
「‥そうか!わかった。戦力を整えてカチコミをかける時が来たな‥!いや組長の指示があるまで待つ必要があるな‥」
「‥その組長についてですがそれについても報告が‥」
ロケット団アジトの殴り込みを視野に入れたチャイブに顔色を伺う様に恐る恐る言葉を紡ぐ若衆の男。
嫌な予感がする。そう感じたチャイブは唾を飲み込み更なる報告を話す様に催促する。
「‥なんだ?」
「く、組長は護衛も連れずリーリエさん達とナナシマへ向かいました!おそらくカチコミに!」
「な‥!それは本当か!?俺たちも向かうぞ!船をだせ!」
その予感は的中した。彼はリベンジ・レインボーロケット団アジトを襲撃するつもりだ。
同伴者がいるとはいえ、下手をすると組長も打ち取られる可能性が高い。チャイブは組長を助ける為、若衆の男に掴みかかる。
「!ですが今からですと準備に時間が!」
「いいから出せ!最悪俺だけでもいい!早くしろ!」
「は、はい!!」
チャイブの鬼気迫る表情に若衆は怯え戸惑い、逃げ出す様にその一室を後にする。
チャイブは一人部屋に残り組長の動向について推察していた。
(まさか兄貴‥!兄貴は一人で過去の因縁を断ち切るつもりなのか?)
おそらく彼はロケットチルドレンという過去の因縁に終止符を打つべく動いた。
これは自身の問題であり組とは関係の無い事だと言わんばかりに。
だがそれにしてはあまりに短絡的過ぎる。
チャイブは更に思考を深めて彼の考えを理解しようとする。
(‥いやそれだけでは無い筈。兄貴は何を見て動いているんだ‥?)
彼は何処を見て動いているのかがまるで読めない。
だがチャイブは確信していた。彼は皆を守る為に動いているのだと。
チャイブは組長の元へ馳せ参じる事を決意してその場を後にするのであった。
‥‥‥
『なるほど。その様な制御方法があると‥感謝致します。流石はアローラの守護神‥力の使い方をここまで心得ているとは‥』
カントー地方から遠く離れたアローラ地方北西部に位置するメレメレ島の象徴的な洞窟テンカラットヒル。
洞窟を進んだ最奥空洞と呼ばれる広大な広場にいるのは破壊の遺伝子ミュウツーだ。
「カプゥココ!」
そのミュウツーと対面する形で雄叫びを上げるのはメレメレ島の守り神カプ・コケコ。古くからアローラ地方を守護する存在だ。
カプ・コケコはミュウツーに対して身振りを交えて会話を試みる。二人はまるで旧知の友であるかの様に穏やかな時間を過ごしていた。
『‥何故そこまで力の制御に固執する‥ですか?約束したのです。彼は‥トモはワタシを求めている。その為にもワタシは力を自在にコントロールする必要がある』
「カプコッコ!」
ミュウツーの強固な決意を見たカプ・コケコ。まるで協力は惜しまないと言わんばかりに強く頷いていた。
カプ・コケコの反応にミュウツーも嬉しくなったのか慈愛に満ちた瞳で見つめ返す。
『ええ。ワタシの思いは彼と共にある‥人とポケモンを一つにする強い意志の力。それこそが世界の在り方であると‥』
「カプゥ!」
『これは?‥なるほど。キズナの絶技Zワザ‥それの結晶体か‥』
カプ・コケコが差し出した紫色の小さな水晶。
アローラ地方では絆の象徴とも言えるZクリスタルをミュウツーに託したのだ。
まるでミュウツーが話す「彼」との信頼を証明してみせろ。その為に制御するのだろう?と言わんばかりに
『しばらくの間お世話になります。カプと呼ばれる皆様方のお力添えに感謝致します。』
「コッコ!」
カプ・コケコはミュウツーを激励する様に雄叫びを上げると流星の如く空を翔けてその場を後にする。
残されたミュウツーもサイコパワーで宙に浮き上がると自身の思いを口にしていた。
『トモよ‥ 制御にはまだまだと言っていい程に長い時間がかかるかも知れません。ですがアナタにはスピアーをはじめとする強いナカマ達が‥そしてゲノセクトがいる。どうかあの子を導いてあげてください。』
ミュウツーは胸に手を当てて目を瞑り、彼とその仲間たちへの無事を祈っていた。
人とポケモンを繋げる強固な絆。彼とミュウツーには確かに絆が存在するのだろう。
だがゲノセクトはどうだろうか。絆を何よりも知りたがってはいるが傷つく事を恐れて、一歩が踏み出せずにいるのかもしれない。
だがミュウツーを惹きつけた彼であるならばおそらく絆を教える事も出来るはずだ。
そしてミュウツーはカプ・コケコの後を追う様にその場から姿を消す。
彼とミュウツーの再会はいつになるのか。
おそらく遠く無い未来にそれは叶うと信じて━━
主人公‥性癖暴露大会を遂に部下にした男。ロケット団アジトにカチコミをかけたらしいが‥
チャイブ‥主人公はサカキの手を取るどころか実はそれを拒否して世界を守ろうとしていた事(勘違い)に気付き反省し、主人公への忠誠をより強めた。
ジャラランガ‥元祖弱い訳がないのだ!さん。ジャランゴの時にチャイブのコノヨザルに敗北し、強くなるため手持ちになったが、主人公のカイロスが使うカウンターという名の虎落としのカモになりナレ死した
サカキ‥実力はしてんのうクラスで本来ならば息子のシルバーの方が強いのだが、彼の心の隙を突いて勝利した。
シルバー‥チャンピオンクラスの実力を持つ猛者だが父との対峙は内心穏やかでは無く、その隙を突かれて敗北した。
ミュウツー‥ジガルデに続きアローラでバカンス(修行)中。アローラに伝説来すぎじゃない?
カプ神‥なんかアローラに来ていた謎の人造生命体から人とポケモン達を守る為(と言う建前で本音は戦りたい)殴り合いになるがその強さを認め仲良くなる。
ミュウツーが毎回話題に出す彼こと主人公の話が多く内心ちょっと引いているとか
※虎落としとは龍が如くシリーズの主人公である桐生さんが使う最強のカウンター技。
作品毎に威力は異なるが強い事に変わりはなく、一部の作品では虎落としゲーと言われる程習得すれば無双できるやばい技。
この世界で呼ぶならライコウ落としかレントラー落としになるかも?
あと数話で今外伝は終了予定です。
その後のZA外伝もありますのでそれまで気長にお付き合い頂けますと嬉しいです!