ナニモンなんじゃ? スジモンじゃあ!!   作:年中裸足の人

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感想ありがとうございます!
と言う事で組長の名前はタチバナです。

ミ荒れシティの住人とタチバナの交流を是非見守ってください
引き続き評価と感想頂けるとモチベになるのでこちらもお願いします!!



その筋の者(スジモン)ホテルZへ行く

 

 

 

 

 

「え?カントーから!?それは長旅でしたね。」

 

 

あのスジモン達を撃退してから目の前のギャル少女ことタウニーちゃんと駄弁っているのだが、やはりカントーから来た事に驚きを隠せないようだ。

 

私は驚くタウニーちゃんに更に声を紡いでいく。

 

 

「そうだね。時差ボケもあって大変だったよ。後は泊まる宿があれば尚よしなんだが」

 

 

空を見上げるといつの間にか夕焼け空へと変わりつつあり、このままだと野宿生活になる。流石にベンチ生活は勘弁してほしいので私は現状の悩みを吐露する様に彼女に伝えた。

 

 

「それはつまり泊まる宿を取っていないという事ですか?」

 

「ああ。色々とスマホで見てみたが現地で探すのも旅の醍醐味だからね。静かで落ち着けるホテルを探しているがやはり無いか‥」

 

 

スマホで予約すれば良いが海外だと写真と違うのがあるので直接見たかったんすよ。アローラで痛い目を見たのでね。

 

それに観光地だからホテルいっぱいあるだろうとたかを括っていたのもあるかもね。

 

落ち着けるホテルがあればいいが今はそうも言ってられない。取り敢えず一夜過ごせる宿が欲しい。

 

私が悩んでいる中タウニーちゃんはいきなりぐいっと顔を近づけ鼻と鼻がくっつく位密着してきた。

なに!気配無くゼロ距離まで接敵を許すだと!?

やはりアサシン‥か!

 

 

「!でしたらオススメのホテルがありますよ!静かで落ち着ける場所!そこにしましょう。いやそうするべきだし!」

 

 

ぐいっと私の顔に圧をかける様に近づくタウニーちゃん。近い近い。目が文字通り光り輝いている様に見えるぜ。大人のお姉さんなら嬉しいのだがね。

これは最早一種の圧です。私が思わず反射的に後ろにのけ反るほどの圧!

 

距離感近ぇな‥ それ同年代の子にやったら絶対勘違いされるからやめた方がいいよ。顔面偏差値高いから尚ね。

 

 

「‥じ、じゃあお言葉に甘えよう。案内を頼んでもいいかな?」

 

「うんまかせて!」

 

 

やめてくれ降参だ

彼女の圧に耐えきれず私は反射的に頷いてしまった。

タウニーちゃんは自信たっぷりに宣言するが、そんなにそのホテルが好きなのかね?

私からすれば渡りに船でありがたいが。

 

 

 

「ホテルのオーナーは初見だとびっくりすると思うけど優しくていい人なのは保証します!」

 

 

オーナーは変わり者ってことか?大丈夫大丈夫!

 

これまで私のけつあなを確定する奴とか(ワタル)

メガシンカ要求駄々っ子してんのうに(イブキ)

ポケモン結婚合法化野郎(N)

と接した事あるスジモンなのでもう怖くないね。

 

優しくていい人と言うあたりギャップがある事は確定!つまりもう何もこわくない。

 

流石に詐欺にしてもここまで手の込んだ事をやる人はおらんやろう。だが警戒はしておくか。

 

 

 

タウニーちゃんは「すぐ近くなのであたしについてきて!」との事で私はその後ろに続く。

 

そのまま裏道を通り抜けてトンネルらしき建物間を進んだ先に見えたのは年季の入った建物だ。なんか(つた)っぽいのが建物を覆っている様に見えるが気のせい?

 

タウニーちゃんはその建物の前で立ち止まると片方の手を胸に当てて綺麗なお辞儀をして私を迎える。その凛々しい顔つき、中々様になっているじゃないか。

 

 

「お客様 こちらがホテルZでございます。お客様のご要望通り静かで落ち着けるのが自慢のホテルです。‥まあ他にお客様がいないだけというのもありますが」

 

 

ホテルマンみたいな礼をしやがって。もしかしてここの従業員の方?これ紳士服着せたらもっと人気出ると思うがみんなはどう?

 

このイケメンな横顔は女性もメロつく事間違い無いね

 

 

「とまあ堅い話は抜きにして、ようこそホテルZへ!あたしに着いてきて下さい。」

 

「案内ありがとうタウニーちゃん。」

 

 

うむよきに計らえ。タウニーちゃんが扉を開けて中に入るので私もそれに続く。ここがホテルZかあ

 

邪魔するぜぇ 扉を開けて目に入るのはホテルのロビーだ。おお!意外に広くていい感じじゃないか。

 

古風で趣きのある空気感は全然悪くない!むしろこの雰囲気好きやわ。クラシック的な良さというかね

 

ロビーをキョロキョロ見回すと奥にはフロントに佇む蝶ネクタイにベスト衣装の白髪ノッポさんが‥

あれ?この人見た事ある様な‥隣のフラエッテもまさかあのキャラのポケモンじゃあるまいな?

 

そしてノッポさんは玄関扉の開閉音に気づくとこちらへ向きを変えて優しく微笑む。

 

 

 

「タウニー帰ってきたか。今日はまた随分と早いな」

「キュルル!」

 

「あ、タウニー!戻ったんだねぇ。あれ?隣の人は?」

 

 

んぅ?もう一人いるのか?

入って右手側には暖炉があり、その前の椅子に座る青いパーカーに黒髪の少女が手を振り元気に挨拶する。

タウニーちゃんのお友達か何か?

 

 

 

 

「ただいまAZさんデウロ。見て!お客さんを連れてきたし!」

 

「え!この万年客無しホテルに!?これはちょっと嵐の予感かも‥」

 

 

 

ゑ?なんか聞き覚えのある名前を聞いた様な‥

 

っていや、それよりもこのホテル私の他に客いないの大丈夫か? この黒髪パーカー少女はお客さんじゃないんか?まあそれはあとで聞くとしよう。

 

見た感じ隠れ家的で穴場のいい感じのホテルっぽいが、やっぱ世間だとホテルシュールリッシュみたいないわゆる5つ星ホテルが人気なんだろうか?

 

 

「じゃあ先にチェックイン済ませちゃいましょうか。あちらのフロントで手続きをお願いします。」

 

 

タウニーちゃんに催促されたので早速フロントへGO!背が高すぎて見覚えのあるおじいちゃんの元へ向かうがやっぱりこの人あれだよね。XYに出てたあの人やん!‥とまずは手元の書類に記入記入!

 

名前はクミチョー‥いやタチバナ!

職業は‥スジモン!ではなく何でも屋さんでええか。

 

すらすらーと名前を書いて顔を上げると目の前の男と目が合い身震いする。うわプレッシャーやば‥

画面の向こう側で見たその顔面は強面すぎた。

 

いやここでビビると相手に失礼だ。鉄仮面を外さず冷静に礼儀正しく挨拶をしようと声をかける。

 

 

「‥初めまして私はタチバナです。これからお世話になります。」

 

 

「ふむ。当ホテルのご利用誠に感謝する。わたしはAZ見ての通りの寂れたホテルだが旅の疲れを癒してくれご客人よ 当ホテルオーナーとして歓迎する。」

「キュルルー♪」

 

 

‥AZにゃん!?やっぱりAZにゃんじゃないか!!

まじで!?XY後にここで慎ましく暮らしている感じなの?めっっちゃええやん。

隣のフラエッテも体を回転させて歓迎している事からXYよりも仲が深まっている様に見える。

 

愛するパートナーと老後を共にか。何だか泣けてきたぜ‥!よかったなAZにゃん!

 

 

「よろしくお願いします。AZさんフラエッテ」

 

「キュルル!」

「ああ。こちらこそだタチバナよ。」

 

 

ふっやはりかわいいなフラエッテよ

AZにゃんがメロメロになる理由もわかるぜ。

 

‥てかこのフラエッテの花黒くね?XYの時からも黒い花だったっけ??もうかなり昔だから覚えとらんわ

 

 

「ん?フラエッテが気になるか?」

 

「あ、いえ。珍しい花の色をしているなって」

 

「‥確かに赤や青といった花を持つものが多いな。黒い花を持つのは彼女だけ‥つまりわたしに取って彼女はかけがえのない存在なのだ」

「キュルー」

 

 

 

惚気かよ!ひゅーひゅー!!

そんなに下を向いて恥ずかしがるなってAZさんよ!

とからかいたくなる衝動に駆られるがそれを我慢して私は呟く様に言葉を口にした。

 

初対面でテンション上げるとドン引きされるからね。

 

 

 

「‥そうなんですか。AZさんとフラエッテ‥二人は良いパートナーなのですね。切っても切れない運命の絆か‥」

 

「キュルル♪」

「‥ある意味3000年の仲とも言えるのか‥運命というのはわからないものだな‥」

 

 

私の呟いた一言にフラエッテは照れるわと言わんばかりに微笑みを浮かべてくるりとまわる。かわいい

AZにゃんは少し俯くが、すぐに顔を上げると口角を上げて微笑みながら言葉を口にした。

あんたそんな笑みも浮かべられるんだね。XYの仏頂面が嘘みたいすわ。

 

 

 

 

「AZさん今日はいっぱい話すねぇ。あの顔のこわいお客さんとはどこで知り合ったのタウニー?」

 

「ついさっきね。観光で来たみたいで泊まる宿を探してたから提案したの。そしたら是非行きたいって事になって案内した感じかな。ここの魅力が伝わった様で何よりだし!」

 

「それ多分タウニーがしつこくて根負けしたんじゃないかな‥」

 

 

何やら後ろの方で女子二人でヒソヒソ話をしているがおそらく私のスジモンフェイスにビビっているのだろう。警戒心が強いみたいで泣けるぜ。

 

 

 

 

「これがきみの部屋の鍵だ。部屋に行くにはそこのエレベーターを使うといい。あと屋上にテラス席もあるから是非使ってくれ。」

「キュルー!」

 

 

あ、ご親切にありがとうございます。

暫くお世話になりますわ

AZさんは微笑むとそのままフラエッテと共に受付の後ろの部屋に引っ込んでいった。

やっぱ体でけえから屈めないと入らんのか。大変やな

 

 

さてと時差ボケもあるしちょっと早いが今日はもう休むか。その前にどこかでご飯でも食べたいが

 

私がそう考えているとタウニーちゃんと隣の青パーカー少女が私に話しかけてきた。

 

 

 

「あのタチバナさん。この後ご飯作るのでタチバナさんもよければどうですか?」

 

「タウニーのご飯結構ご機嫌で美味しいんですよぉ。」

 

 

へえーそうなんだー。料理上手なんだねータウニーちゃんは!こりゃあ男女問わずモテますね!ええ事や!

私が関心していると青パーカー少女はあ、そうでしたと私に向き直ると自己紹介を始める。

 

 

「挨拶が遅れました。はじめましてデウロです!プロのダンサー目指してミアレにきました。」

 

 

デウロちゃんね。よろしく!

ダンサーというとXYのDD(ダンシングデブ)ことティエルノが思い浮かぶがまさか彼女はDDと関係ある感じ?

受け継がれるDDの意志‥

 

っていかんいかん私も名を名乗らればな。

私のスジモンフェイスを前にしてデウロちゃんもちょっと引き攣った笑顔になっているから少しでも緊張を解かねばな。

 

 

「私はタチバナだ。よろしく頼むよ。それにしてもプロか‥良い目標だな。プロとして有名になる前に今からサインを貰ってもいいかな?」

 

「はは‥ちょっと期待が大きいですよぉ。じゃあ今のうちにサインの練習でもしようかな?」

 

 

照れ臭そうに顔を掻いているがさっきよりかは大分マシな笑顔を浮かべていた。

ふむ‥少し緊張が解けた様だ。ちょっとは楽になれた様でよかったぜ。いきなりこんなスジモン野郎が来たら怖いよな。すまんかった。

 

 

ちなみにワビ組は今芸能界のシノギもあるから私の一声でデウロちゃんをダンサーとしてデビューさせる事も可能だぜ!カントー、ジョウトに行く羽目になるがなぁ!

 

 

とまあ私とデウロちゃんが駄弁っている中、タウニーちゃんは私達に向き直ると笑顔で話しかけてきた。

 

 

 

「じゃあ今から準備するから待ってて欲しいし。タチバナさんもゆっくり寛いでください。」

 

「ありがとう。お言葉に甘えるよ」

 

「タウニーありがとねぇ」

 

 

 

私とデウロちゃんに手を振ったタウニーちゃんは奥の扉に入り姿を消した。食事当番とかあるのかな?

デウロちゃんはここの従業員でタウニーちゃんはバイトリーダー的な?

 

 

それじゃあ出来上がるまでデウロちゃんとお話しの続きでもするか。色々と面白い事が聞けそうだしね。

 

 

それにしてもご飯楽しみだなー 何が出るんだろう? 

 

キッシュロレーヌかステックフリット?タルタルステーキ?エスカルゴ?前世でいうパリが舞台の街だからそれをモデルにした料理かポケモン世界の独自料理もありうるな。

 

何がきても私は受け入れるぜ!見た目が貧相な奴とかでもオッケー! それも旅の醍醐味よぉ!

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥‥

‥‥‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「食べてください」

 

「‥これは?」

 

「クロワッサンカレーです。ああ、観光でいらっしゃったから知らないですよね。ホテルZ名物と思ってください。」

 

 

場所を移しホテルZの暖炉の横にある小部屋にいるのだが私、タウニーちゃん、デウロちゃんの3人のみでAZにゃんはご飯いらないそうでいません。残念

 

大きなテーブルを3人で囲い今か今かと食事を待ち侘びていた時に現れた目の前の料理に私は驚愕していたのだ。

 

 

「‥‥」

 

 

なんだこれは‥ホテルZ名物だと?

クロワッサンで囲った中央に盛り付けられたビルの様に鎮座したライスとその上にカレーがかかった◯郎系みたいなこれが?

 

まさに炭水化物という名の暴力の化身‥!

盛大なもてなしだぜ‥!これがミアレのグルメかぁ‥

 

だが百聞は一見にしかず。私はスプーンでライスとカレーを掬い、クロワッサンと共に口に運んだ。

 

 

「‥!これは‥!」

 

 

ぐえええ!なんやこれ!?味が濃い!!

クロワッサンのバターの風味が強すぎてカレーに合わんし油が重い!まさに味が交通渋滞を引き起こしている!

 

あまりの衝撃に口元を手で覆い、吐き気をこらえる。

リバースしそう‥

 

 

 

 

 

「美味しいですよね?」

 

 

タウニーちゃんはまさに虚無というべきその眼を私の瞳に合わせて淡々と感想を聞いてくる。

何という圧力だ‥!束縛系彼女適正A +!

ヤンデレ監禁属性の可能性大!なんてこった‥

 

ここは下手な事は言えない。慎重に言葉を選んで感想を述べるとしよう‥

 

 

「‥今まで食べた事の無い味で衝撃を受けたよ。これはまさにアヴァンギャルドと言うべきか。」

 

 

アヴァンギャルド!!(皮肉)

コルサさんも鞭を投げ捨てる程のどうしようも無さ!

間違った事は言ってない。これは私の口に合わなかっただけの好みの問題だ。

つまり伝統を逸脱した個性ある味と言えるのだよ!

 

 

「!分かってますね。タチバナさん」

 

「うんおいしいよねぇ。疲れた体に染み渡るよー」

 

 

は?正気か???(辛辣手のひら返し)

まあ君たち10代には丁度いいかもしれんが私ももうアラサー。つまりおじさんにこのカロリー爆弾はきついんすよ。

 

しかし改めて見るとカレーとクロワッサンを組み合わせるとは中々狂気的な発想を‥(戦慄)

いや折角作ってくれたのだ。残すなど無礼にも程がある。彼女を落胆させる事は私の女性優遇道(レディファースどう)に反する事になるからな!!

 

胃袋よ!頼むもってくれ!うおおお!!

勝負は一瞬だ!全力で体が拒否を進めていく前に一気に口内に叩き込み勝負をつける!

 

 

これはまさに炭水化物のインファイト!

カレー、クロワッサンのバターの風味で味が渋滞した生ゴミの産業廃棄物やー!(超失礼)

 

 

 

「すごい食べっぷり‥作った甲斐があったし」

 

「‥ありがとう。ごちそうさまでした。」

 

 

タウニーちゃんが満足そうに頷いているが、私は頑張ってくれた自分の体に感謝の気持ちを伝えて労った。

よく頑張ってくれた。さあゆっくり休んでくれ。

 

しばらく手を合わせて体が暴走しない(リバース)様に願った後に顔を上げると再び雑談モードに入り食後の一服の時間に。あーしんど

 

 

 

 

「そういえばタチバナさんはカントーから来たんですよね?観光みたいですけど、どこか行く所とかあるんですか?」

 

「カントー!?それはまた長旅でしたねぇ‥」

 

 

デウロちゃんが驚いてこちらを見るがやはり珍しいのだろうか。確かに観光で来るには遠すぎるからね。

私は腹を摩りながら彼女達に向き直り声を紡ぐ。

 

 

「‥うぇっぷ‥まあそうだな‥主にプリズムタワーや観光地巡り‥そして他にも女性を探し‥‥あ、いや何でもない。」

 

 

 

あ、やべ。ゲップと欲望が溢れ出る‥!

女性こと大人のお姉さんを探して遊びたい欲が流れ出てしまった。この痛みを和らげる為にも早くミアレジェンヌを探して私を癒して欲しい。

 

私の発言に一瞬首を傾げたタウニーちゃんにデウロちゃんであったが、それを流して会話を続ける。

 

 

「?ミアレは色々な発見があって面白いですよ。最近だとZAロワイヤルが名物になるのかな?」

 

「ZAロワイヤル?確かクエーサー社主催と聞いたが?」

 

 

デウロちゃんの言葉に引っかかりを覚えた私は聞き直す様に質問する。なんかきなくせえんだよなぁ。クエーサー社といいZAロワイヤルといい。怪しい匂いがぷんぷんするぜ!

 

私の質問を耳にしたタウニーちゃんは私に向き直ると思いをつなげる様に言葉を発していく。

 

 

「そうです。ZAロワイヤル‥ミアレで流行りのバトル大会。あたしもエントリーしている最強のトレーナーを決める戦い‥タチバナさんも是非参加を!‥招待の通知は来ましたか?」

 

 

「‥通知?いや、そんなもの来ていないな‥まあもし来ていたとしても私は観光で来たんだ遠慮するよ。」

 

 

なにそんな昂ってんねん。通知とか来るわけないじゃない。ミアレは監視社会なのか?そんな怪しい大会に参加する訳ないだろ!

 

 

「え?変だし‥あれだけの腕前なら直ぐスマホに通知が来てもおかしくないのに‥」

 

 

腕を組み考え込むタウニーちゃん。いやいやおかしいのはそこじゃないでしょ!

何で連絡先教えてねえのにスマホに通知がくるんだ!

個人情報漏洩してんじゃねえか!!

 

 

「まあ運営側も忙しくて不備があったんじゃないかな?最近参加者も増えているみたいだしねぇ」

 

 

デウロちゃん!?いやおかしいから!

何で個人情報漏洩されてる事に誰も疑問符を浮かべない!? まともなのは僕だけか!?

 

そんなホイホイ情報流失させる感性どないなっとんねん!

 

まあ私のスマホは最新式に機種変し、ワビ組とエーテル財団最新技術による特殊機能であらゆるハッキングや見知らぬ相手からの通知を無効化するプログラムを組んでいる為、私のスマホロトムに通知が来る事は無いだろう。残念だったなクエーサー社!ジェットォ!

 

私が不用意にいじらない限り、解かれる事はない!(フラグ)

 

 

 

「タウニーちゃんご飯ありがとう。流石だったよ(素材を台無しにするそのセンスに)」

 

 

「こちらこそ!喜んでもらえて何よりです!」

 

 

ぶぶ漬けいかがどす?

エンジュで学んだクソ皮肉を織り交ぜるという大人気の無さ。それ程までに私の胃は決壊を迎えそうである

ボロを出す前に退散させてください

 

タチバナ もういい! (へやに) もどれ!

 

 

「さて、私は先に部屋に行って一休みするよ。時差ボケもあるしね。二人ともこれからよろしく頼むよ。ではまた明日」

 

「はは‥そうですよね。ゆっくり休んでください」

 

「後片付けはあたし達に任せてほしいし。大事なお客さんですので!」

 

「ありがとう。色々とお手数をかけるがよろしく頼むよ。おやすみなさい」

 

 

 

よし部屋に行くぞ。

さてさてどんな部屋だろうかね?

 

小部屋を出た私はエレベーターの前まで移動するとボタンを押してエレベーターが来るのを待つ。

扉からしてエレベーターも大分クラシックなんだなぁ

めっちゃいい!こんなホテル今時見ないぜ!

 

さてさて、どんな部屋なんだろう?楽しみやな

 

 

あ、ちょっとリバースしそう‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥‥

‥‥‥‥

 

 

 

 

 

side タウニー

 

 

 

「それにしてもよかったねぇタウニー。ホテルZにお客さんが来てくれて」

 

「うん。ようやくAZさんの恩返しに少しは貢献できたし!」

 

 

ホテルZロビーの暖炉前で会話に勤しむ二人の少女デウロとタウニー。

一人の青年と夕食を共にした二人であったが今は食事の後片付けを終え、休憩も兼ねた雑談をしていたのだ

 

話の内容はホテルZに宿泊利用で訪れた一人の青年タチバナについて

デウロは腕を組み、考える素振りを見せると難しい表情を浮かべて言葉を紡ぐ。

 

 

「雰囲気的に本職の人じゃないかと思ったけどわたしの思い違いでよかったよ‥それこそ噂のサビ組?って人たちとも関係があるのかなって‥」

 

 

タチバナの佇まいは他の観光客とは思えぬ風貌であった。黒いライダージャケットに白に緑色の刺繍が入った着流し衣装に黒いブーツは見るものに威圧感を与える。

 

素人目で見てもわかるほど身に纏う衣服は一級品そのものであった。

更に精悍で整った顔立ちで強面とも言える彼の雰囲気はまさに無く子も黙る噂のサビ組の関係者であると思うほどだ。

 

 

「?本職?‥まあタチバナさんは優しい人だし。因縁つけられてポケモン勝負を挑まれたのにその人たちを返り討ちにして諭すくらいにはね。」

 

 

タウニーがあっけらんと話してはいるが因縁をつけた相手を打ち負かし、更には相手を気遣うその余裕は正に強者そのものだ。

 

デウロは驚きの表情を浮かべながらも彼の醸し出す雰囲気が只者では無いという事を直感で理解した。

 

 

「え?すごいねそれ?優しくて腕っぷしも強いしで頼りになる人なんだねぇ。結構聞き上手だし、もっと話したかったなー」

 

 

当初デウロはタチバナに対して警戒を強めていたが、彼と話す内に徐々にそれが薄まった。

デウロ達を侮らず、最後まで話を聞く器の大きさや言葉の節々に彼女達を労る発言もあるなど紳士的な対応にはデウロも舌を巻くほどだ。

 

 

デウロが笑顔で話す一方でタウニーは神妙な表情を浮かべて思考に耽る。

彼と出会う前に因縁をつけてきた相手との会話を思い返していたのだ。

 

 

 

 

 

 

『ええいつでもどうぞ。あなたはさっき見た笑顔が一番似合う。もうこんな事はやめてくださいね』

 

 

 

ミアレシティでは近頃観光客に因縁をつけて荷物や金品を巻き上げる事件が多発している。

 

今回もそうだ。タウニーが街の住民の困り事を解決し帰路につこうとした中に一人の青年が3人の男達を束ねるリーダー格の女性に因縁をつけられていた。

 

しかし彼は男達の繰り出すポケモン達をスピアーだけで返り討ちにしたのだ。

 

下手をすれば己の身も危うい状況にも関わらずその後堂々と話す姿にタウニーは目が離せなかった。

 

 

 

(すごいな。自身を襲った人間に対してあそこまで優しくなれるなんて‥あたしには出来ないことかも。)

 

 

タチバナは被害者であるにも関わらず相手の長所を認め更にはこの様な悪事から身をひけと諭したのだ。

 

彼が声をかけるまで眉間に皺を寄せていた女性の表情もどこか柔らかくなり、最後には彼に感謝の言葉を口にしていた。彼女はもう悪事に手を染める事は無いだろう。彼の言葉と態度に救われたのだから。

 

例え相手が自身の身に危険を及ぼす存在であっても決して無下にはせず受け止めるその度量の広さはまさに理想の人間像そのものである。彼はなんて器の大きい人間なのだろうか。

 

 

(あれ程の腕を持ちながらもZAロワイヤルに興味を示さないなんて‥かなり謙虚な人と言えるし)

 

 

ミアレシティにおいて最強のポケモントレーナーを決める強者の祭典ZAロワイヤル。

タチバナの実力であれば上位にも勝ち進められる腕前であるが彼はそれに微塵も興味を示さなかった。

 

観光で来たと言っているがこの時期に訪れるにしては動機が弱い。おそらく別の理由がある筈だ。

それはさっき彼が不意に漏らした言葉の中にヒントがある。

 

 

(‥「他に女性を探している。」おそらくタチバナさんはそう言おうとしたんじゃないかな?‥人探し。あたしと同じ様にこの街に導かれた人かもね)

 

 

おそらく観光も目的の一つである筈だ。だが第一優先は探し人を見つけ出す事である。それ故ZAロワイヤルの参加に消極的なのだろう。

 

彼が参加しない事はとても残念ではあるがホテルZの宿泊客である以上無理強いはできない。

それがクレームになるのを恐れているからだ。

しかし彼はそこまで技量が狭い人間では無い。彼の雰囲気からそれは見て取れる。

 

 

 

(クロワッサンカレーを気に入ってくれたし、AZさんにフラエッテも楽しそうに話してた。初見だとAZさんを怖がる人も多いのに不思議な人‥)

 

 

ホテルZ特性クロワッサンカレーは人を選ぶ料理と言われているが彼は残さず文字通り平らげてタウニーを気遣ってくれた。口元に手を添えて感動に震えていたのがまさにそうだ。

 

更にはAZやフラエッテとも初対面とは思えぬ程に友好的に接しAZも興味を持つなど彼の人柄が垣間見れた。

 

初見時では冷酷な男の印象を持つが、内面は心優しく器の大きい人物である。そのギャップに魅了されるほどに。

 

 

(でも何だろう。あの人から感じるのはそれだけじゃないし。もっと別の何か‥いわゆる別の側面を持っているかの様な雰囲気は一体‥?)

 

 

 

しかし何かが引っかかると顎に手を当てて更に思考に耽るタウニー

彼の強さの正体や宿泊場所としてホテルZを選んだのには何か理由がある様に思えてならない。最早野生の勘に近い何かがタウニーを刺激する。

 

だが相手を詮索するのはあまり良いものではない。

タウニーは深呼吸してリラックスしようとすると、突如ホテルZの出入り扉が開きロビーに足を踏み入れる一つの影を見た。

 

その影はゆっくりと進み、デウロ達の前を通り過ぎようとしていた。

 

 

「あ!ピュール!戻ったんだね。おかえり!」

 

 

その影の正体は一人の少年。

茶色の髪を編み込み濃い肌色をした整った顔立ちの少年ことピュールの姿を見たデウロは彼に優しく声をかけていた。

 

 

「‥こんな時間にタウニーとデウロさんがいるなんて

珍しいですね。何かあったのですか?」

 

 

 

少年ことピュールはデウロの姿を眼に捉えると気怠げな表情を浮かべていたが、デウロとタウニーの雑談内容に興味を持ったのだろう。

彼女達に近づき、質問を投げかけた。

 

 

「うん聞いてよ!ホテルZにお客さんが来たんだよ!この万年客無しホテルに!」

 

「‥そうですか。それは確かに珍しいですね。」

 

 

ピュールはそんな事かと言わんばかりに顔を背ける。まるで期待した答えとは違ったと落胆するかの様に

 

ピュールの反応を見たデウロは彼の冷めた態度に首を傾げて疑問符を浮かべ彼を見る。

 

 

「あれ?それだけ?」

 

 

「別に誰が泊まろうとも宿泊客の一人に変わりはありませんからね。それよりもカナリィさんの配信があるのでぼくは部屋に戻ります。」

 

 

ピュールはデウロの問いかけに意にも介さない。

それよりも自分の趣味の時間を大事にしたいと言わんばかりにその場を立ち去ろうと歩を進める。

 

デウロはそんなピュールを引き止める様に声を上げていた。

 

 

「いやいや!気にならないの?ホテルZに泊まりに来る程の物好きな人だよ?DG4のカナリィより気になると思うんだけど」

 

「呼び捨てはやめてください!‥デウロさんくらいですよ。他人にそこまで興味を持つ人なんて‥ってしまった配信が!ぼくはここで失礼します。」

 

 

ピュールはその一言を耳にすると聞き捨てならないと言わんばかりに勢いよく振り向きデウロに反論する。

 

顔に皺を寄せて怒りを露わにするピュールであったが楽しみの時間が迫っているのだろう。デウロに反論する時間も惜しいのか足早にその場を立ち去っていく。

 

ピュールのそんな姿を見て、デウロとタウニーは狼狽える事なく冷静な態度で彼の背をただ見ていた。

 

 

「カナリィの配信の方が大事かー ピュールらしいね」

 

 

熱意ある彼の反応に苦笑するデウロであったがタウニーはいつもの日常だなと言わんばかりに優しく微笑む

 

そしてエレベーターの扉を見つめると部屋で休んでいるであろうタチバナの事を思い、タウニーは決意を固めようとしていた。

 

 

(どんな目的であろうとホテルZに来た以上観光は楽しんで欲しいし!ミアレを好きになって欲しいな。)

 

(時間があったら観光案内とかしようかな?タチバナさんが求めるものも一緒に探せればいいし!)

 

 

タチバナという男が何者であるのかはわからない。

だがホテルZを利用している以上このホテルをもっと好きになってもらいたい。更には大好きなミアレの魅力をもっとわかって欲しいとタウニーは思っている。

 

ミアレを守るMZ団のリーダーとしてタウニーはただそれを強く願っているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

一方宿泊客のタチバナは‥

 

 

(ぬおおお!?胸焼けと胃もたれで苦しい‥!)

 

クラシックな作りの部屋の内装に感動する暇も無く、ベッドに蹲り苦しんでいたとさ。

 

 

 

 





主人公(タチバナ)‥実はもうアラサーのおじさん。クロワッサンカレーで胃もたれを起こし軽くトラウマになった。

タウニー‥主人公(タチバナ)がZAロワイヤルに参加しない事を残念がっていた。ミアレには観光だけでは無く探し人を見つける為にも来たのでは?と勘違いしている。ちなみにランクは現在Yランク

AZ‥タウニーが連れてきたタチバナに礼を尽くした。過去の所業やらフラエッテとの出会いを思い出して若干曇ったがなんとか誤魔化した。
クロワッサンカレーは老体に堪えるそうで丁重に断ったとか。まあそうですよね。

デウロ‥最初は強面で噂のサビ組みてえなやべえ奴が来たと思ったが主人公(タチバナ)が聞き上手な事やタウニーの話を聞き警戒を弱めた。
タチバナがサビ組以上にやべえ組織であるワビ組の組長である事は当然知らない。


ピュール‥実家に一時帰省していたので、帰りが夜遅くになりホテルZの夕食に間に合わなかった。
もしあの場にピュールがいたら主人公(タチバナ)に同情の念を寄せていたかもしれない。

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