過去一長くなってしもうた‥ それ故遅くなり申し訳ない。
あとタグに曇らせ描写必要ですかね?
本編や外伝見返すと結構勘違いで曇っているキャラ多いので付けるか否か今更ながら迷いますね‥
皆のものー
ナニモンなんじゃ? スジモンじゃあ!!
と言うわけで皆様お疲れ様です。
言い換えるならハンシャのドーカツ屋を営んでおります。
え?アンシャ?ドーナツ?
ちょっと何言っているかわからないですね‥
さて話を戻すと、ホテルZを飛び出してタウニーちゃんの借金問題解決に向けて私はサビ組事務所に向かっております。
スマホロトムにいくつか仕事をしてもらいながら向かったので少し時間はかかったがようやく目的地に着いた。
「ここがサビ組か。」
私が目的地前に着いて思わず息を吐く。これがサビ組の事務所かぁ‥
デカデカと代紋ぶら下げてまわりには竹が生えてるし立派な建物だね。つまりヤクザ!ミアレなのに?ワビ組よりよっぽどヤクザだろこれ
ピュール君の前でカッコつけたはいいが、やっぱ怖いってばよ‥なんか見張りのスジモンも強面だしさぁ?
でもカタギに手を出すのはあかんし突撃しないとね
私はスジモンスイッチをオン!して見張りのスジモンに声をかけた。
(MZ団の)救いのヒーロー スジスジだいもん参上!
「おい、ここにMZ団の者が来なかったか?」
「あぁん?どちら様ですかぁ?MZ団なら中でご歓談中です。関係者以外は帰ってくださいよぉ」
てきの スジモンの にらみつける!
門の前にいる見張りのグラサンかけたスジモンにメンチビームを切られるが私はスジモンスイッチを入れているから致命傷は避けられた。
私は負けじと普段と同じノリで鉄仮面を崩さず言葉を紡ぐ。
「MZ団の関係者だ。
まあホテルZの宿泊客だから関係者だろ!(暴論)
私の言葉に目の前のスジモンは、はいはいそうですかと言わんばかりに言葉を吐き捨てる。
「今ボスが話してますんでお引き取りを。これは筋を通す話なので」
「カタギの衆に手を出す事のどこが筋だ。」
ボス直々にか。結構大問題じゃねそれ?
それよりも気になることがあって私は口を挟んだ。
この野郎‥カタギのお陰でお前達はスジモンとして生きていけるんだゾ!スジモンとしての矜持を忘れんじゃねえ!
ったくスジモン共は全く話を聞かねえな!
ワビ組もそうだが平穏に暮らしたい私の願いをいつも邪魔してくる事になんだか無性に腹が立ってきた。
あー爆発しそうだぜ⭐︎
「あぁん?そりゃあいくら何でも舐めすぎ━━
「いいから案内しろ。俺をあまり怒らせない方がいい‥」
「ひぇ‥!この圧ただもんじゃねえ!」
若衆スジモンを捲し立てる様に言葉詰めすると私のイカれ具合にドン引きし後ろに下がった。
クミチョーの やつあたり!
観光に来たのにワビ組の奴らの電話で寝不足だしスジモン業務の事考えなきゃいけねえ私の身になれやこのチンピラァ!!(八つ当たり)
私のクソみてえな怒りの声が聞こえたのか建物前にいるしたっぱスジモン共も私の下に集まってくる。
「なっ!この‥!カチコミか!?」
「まさか鉄砲玉か?それにしては妙に貫禄が‥いや!ここを通すわけには行かねえ!サビ組の怖さ思い知らせてやる!」
見張り含めて3人のスジモンに囲まれてクミチョーピンチ⭐︎これはまずいですね‥
カチコミはカタギに迷惑がかかっちまう!そうなれば私はブタ箱行き‥クソォ!観光ができなくなる!
話し合いどころじゃねえし、さてどうするか??
私がスジモン共にビビり散らす中、建物の中から見覚えのあるスジモンが姿を見せた。
「おい随分と騒がしいが、何かあったのか?‥‥ん?ってあの時のお兄さんじゃないっすか!?ここに何用っすか?」
「あ、兄貴!!」
「こいつ鉄砲玉ですよ!カチコミに来たんです!」
「知り合いですか兄貴!?」
あるぇ!?
この前助けた角刈りスジモンじゃないか!!
結構偉いポジなのかなって思ってたけど本当に偉かったんだぁ!?
兄貴と呼ばれたスジモンは舎弟達をあしらい私の前に来ると「何用っすか?本当にカチコミ‥!?」と睨みをきかせてくるのでそれを否定しつつ本題に入った。
「ああ、ちょっとサビ組のボスに用があってな。案内してくれないか?」
「え?いやでも今MZ団とカラスバ様達が話してて関係者以外は入れるなって口止めされてるんで、今すぐはきついっすよ!」
大事なお話中か。でもそんなの関係ねえ!
一応関係者なんだよ!!(暴論)
そうだ!この前の借りここで返してくださいよ。
私はスジモンスイッチを更に押し込み、挑発する様に言葉を発した。
「私はそのMZ団の関係者だが?‥なんだこの前の借りをもう忘れたのか?‥それじゃあ筋が通らないな。」
「!‥‥筋か。本来ならここでお兄さんを通すべきではないっすけど助けて貰った恩がある‥‥そう言われて引くほど俺は根性捻じ曲がってねえっす!
承知っす!MZ団の関係者なら仕方ないっすね。案内するっすよ。‥おい、お前らこの方を中まで案内しろ組の者としての矜持を忘れず粗相のない様にな。あとこの一件のケジメは俺がつける。いいな?」
私の寝不足によるイライラと世の不条理やらカタギを手にかける事への怒りを察したのだろう。
兄貴分のスジモンは覚悟を決めたのか。周りのしたっぱスジモン共に声をかける。
それに気圧されたのか、したっぱスジモン共は建物に駆け込んだり、私にスジモン式お辞儀をしたりと色々と対応を変えてこちらです!と道を譲ってきた。
「は、はい!どうぞこちらです!」
「よろしく頼む。そして筋を通してくれたあなたに感謝を。」
私は兄貴分であるスジモンに感謝の思いを伝え頭を下げると、したっぱスジモンに連れられ建物の中に入った。目線をキョロキョロすると受付らしきものが目に入るがその前に10人位の若衆スジモン共が整列してこちらを見ている。
てか女性スジモンもいるんすか‥結構強面っすね‥
さっきこの建物に駆け込んだしたっぱスジモン共が事情を説明した様で私を接待してくれてるみたいだね
そしてスジモン共が私に気付き、一斉に横にはけるとエレベーター前まで整列してスジモン式お辞儀をかましながら道を作り出す。
わぁ‥スジモンロードだぁ‥ワビ組でよくやる奴ぅ!
「「「「お疲れ様です。どうぞこちらへ」」」」
「‥‥‥」
私は怖くなり無視してエレベーターまで向かうと先導するスジモンがボタンを押すとボタンを指差しながら言葉を紡いだ。
「ボスの部屋は上の階になります。くれぐれも失礼のない様にお願いします。」
「ああ、先導ありがとう。」
そう伝えると先導スジモンはエレベーターには乗らずに私だけ乗せてエレベーターを動かす。
あれ?君乗らないの??ちょっと不親切だね?
普通案内してボスに紹介するまでが流れでしょうが!私が不満たらたらでブチギレている中エレベーターが止まりドアが開く。
「ここか‥立派な部屋だな。」
エレベーターを降りると目の前には枯山水みたいなバトルコートやらドドゲザンの像やら日本刀やらが置いてあるザ・スジモンルームに着いた。すげえ!広い!これ掃除どうすんの?
「お金の話でなあなあはアカンやろ?」
あら?何やら話し声が聞こえるわね。
私はキョロキョロと見渡すと奥の左手側のソファに座るスジモン二匹が目に入りそっちに目をやる。
メガネをかけたインテリ系と‥うわぁ‥チャイブみてえなデケエ体したモヒカンスジモンがいるよ。
てか何だその頬のトゲは?スパイク?武器?こわ!
まいっか。私は淡々と話を続けるインテリメガネスジモンに近づき声をかけた。
「お取り込み中失礼します。」
「‥ってな訳でお前達には‥‥!‥誰や?
今大事なお話中ですわ。部外者の方はお引き取りを。全く表の奴らは何考えとんのや」
「はいカラスバ様。表の若い衆には後でみっちり教育しておきます。‥‥そう言う事なのでご引き取りくださいますか?招かれざる御客人の方」
私が突然現れた事に驚く関西弁インテリメガネスジモン。てかなんやねんその毒々しさ満点のスーツは?
あとせめて電話で来客の事も伝えておきなよ‥部下の教育がなってないっすね。
私の前にぬっとモヒカンスジモンの巨体が立ちはだかるがチャイブに比べたらこわく‥‥いやこわいわ!
てかMZ団の関係者を名乗れば問題なくね?私は堂々と言葉を発した。
「MZ団の関係者なら問題無いのでは?
「いきなり来てなんやねん?‥なるほど、アンタも関係者で借金について話に来たと‥‥しかしいくら何でもそら暴論ですわ。この子達とはゆっくりお話ししてるだけやで?」
とぼける様に首を横に振るメガネスジモン。
えーほんとにぃ〜?
結構余裕ある感じで話しているが邪魔な奴が来たか‥
みたいな感じで私を見ている。そりゃあそうだよね。
だがここは先手必勝!相手が口を開く前に私は口を動かした。
「でしたら同席させて貰っても問題無いですよね?ただお話ししているだけなのですから‥それとも人には言えない事をされている‥と?」
私の言葉に黙ったメガネスジモンだが、あれはイラついてますね。余計な事言いやがって‥!みたいな態度が見て取れます。あー胃が痛い‥!
スジモン歴10年とは言えなれへんもんですわ‥
私が一歩も引かない様子を見たモヒカンスジモンはメガネスジモンの側に戻り耳打ちするとメガネスジモンは息を吐き思考に耽る。
「カラスバ様‥」
「‥まあええやろ。せやったらそちらの席にどうぞ」
メガネスジモンが観念したのか目の前のソファに座れと指示したのでそっちに目を向けるがそのソファには先客が二人いた。
私はその先客二人に目をやると驚いた様な目で私を見ている。
「タチバナさん!?どうしてここに?」
「タチバナさん‥」
「すまない、二人とも苦労をかけたな。」
そう、デウロちゃんとキョウヤ君の二人です。
私はソファの真ん中、二人に挟まれる形でソファに腰掛ける。うひょおお!このソファふかふかやん!
高級品じゃね?こりゃあ立ち上がれないわー
あーここで横になりてえな‥寝不足でイライラ治らんし。
とまあ変な事を考えている中、二人は逆にめちゃくちゃ不安げな表情を浮かべていた。なんかすんません。私は二人を励ます様に声をかけた。
「大丈夫だ、私が来たからそんな顔しないでくれ」
「うん‥うん!‥心強いですよぉ‥神様っていたんだ‥」
「すみません。タチバナさん‥」
キョウヤ君は申し訳無さそうな顔をしているが安心したのか笑みを浮かべている。デウロちゃんは目を赤くして涙を拭っているがそこまで怖かったんか‥
遅くなってすまんな。二人とも帰ったら頭撫で撫でしてやる。
だが、今はとにかく状況がわからないので教えて欲しいっす。二人とも何か教えて
「キョウヤ君、デウロちゃん今の状況を知りたい。そちらの方と何を話されていたのかを簡潔にまとめてくれないか?」
「あ、えーっと‥どこから話せばいいんだろ‥?」
「そうだね‥何から話すべきか‥」
私は二人に聞いたが私が来た安心感やらさっきの恐怖感やらのギャップで頭が回らなかったのだろう。二人はうーんと考え込んでいた。
それを見たメガネスジモンはニヤリと口角を上げると私を一瞥しながら言葉を紡ぐ。
「いや、それでしたらオレが説明するで。お前たちよりもわかりやすくな?‥さてそちらの関係者さんに事の経緯からお話ししますが、まずタウニーが━━」
あれ?あなたが説明するの?それ主観入るんじゃない?私が口を挟む暇すら無く的確に経緯を説明してくれました。
ふむふむ、つまり話をまとめると
・タウニーちゃんが人助けの一環でサビ組の人間を助けた。
・助けて貰ったお礼に困り事があったら何か手伝えないかと彼女に提案した。
・すると彼女はホテルZの宣伝動画を作りたいがお金が足りない事に悩んでいた為、お金を貸そうか?と提案したが、もちろんビジネスの一環である為利子付きでの返済になる事を説明した所、彼女は動画の再生数上げれば余裕だし!と了承して契約書にサインした。
・だがその利子がバチくそ高くて数日で100万に膨れ上がってしまいデウロちゃんも思わず怒鳴り散らしたらしい。
っていやいや!100万!?トイチどころじゃなくね?やばすぎるだろ!暴利過ぎぃ!舐めとるんか?
‥‥いやいや落ち着こう。頭を冷静にcoolに!
取り敢えず二人に話した内容の確認はこれで終わり、メガネスジモンは私に向き直り言葉を紡いだ。
「━━━と言う経緯なんですわ。
おっと自己紹介がまだやったな?オレはこのサビ組のボスを務めさせて貰ってるカラスバいいます。
以後よろしく頼むで?」
どんどん!(セルフ和太鼓効果音)
サビ組 組長 カラスバ
なるほどいわばサビ組の組長か。一応私も組長です。
ワビサビ同士仲良くやろうぜ!カラスバ組長さんよぉ
私も負けじと挨拶しようと口を動かした。
「こちらこそ、私はタチバナと言います。」
どんどん!(セルフ和太鼓効果音)
ワビ組 クミチョー
互いに一瞥するが私も相手もおそらく作り物の笑顔を浮かべているだろう。んじゃあ早速本題に入るか。
私はカラスバに目をやると言葉を紡ぐ
「早速ですが契約書を見せて頂きたい。その利子の記載が本当なのかの確認も兼ねてね。あとデータでは無く紙で出して欲しい。」
私の言葉にちょっと警戒する素振りを見せるがカラスバ組長はモヒカンスジモンに声をかける。
「‥‥なるほど。ええやろ、ジプソ印刷して持ってきてや」
「かしこまりました。」
モヒカンスジモンは一礼してスマホロトムをいじると奥にあるデスク上のプリンターが動き、そこから一枚の紙が印刷される。それを手に取り確認すると私にその用紙を渡してきた。
「どうぞ。こちらが契約書になります。」
私はそれを手に取って確認する。どれどれ
うわ、なんだこの文字の量は!?そして字ちっさ!
読みづらすぎるだろ!目が痛くなるわ!
利子の説明は‥‥あった!注釈もあるが読めん!
数日で100万に膨れ上がる的な事も書かれているが、こうしてみるとあまりにも暴利過ぎて草。
笑えないけど笑うしかないわ
私はその説明を見つけて契約書を一通り見通した後に小声で呟いた。
「‥確かに利子についての説明が書かれているな」
私の声に反応して隣に座るキョウヤ君とデウロちゃんが見せて見せてと言わんばかりに手を伸ばしてきたので二人に契約書を見せると驚きの表情を浮かべていた
「拡大しないと見えないけど確かに‥」
「こんなに小っちゃいなんて‥絶対見逃しちゃうよ!」
しかしこれはひどい。二人も言っているが、これ読ませる気ないでしょ‥紙と違ってデジタル媒体は文字を拡大する必要があるがここまでびっしり敷き詰められたら行間に見落としが生じ、どこの段を読んでいるのかがわかりづらくなり利子の説明に気づかないのよ
紙だと全体を俯瞰して見れるので比較的違和感に気付きやすいのだがデジタルだと本当に分からんわ。
話を聞く限りタウニーちゃんはスマホの画面上でサインしたのだろう。
まあよく見ないのが悪いと言われたらそれまでだが‥
私の呟きに対してほら言わんこっちゃない。と言わんばかりにカラスバは口を動かす。
「タウニーが見落としたんとちゃいますか?
オレらは懇切丁寧に説明したで。本当に契約してええんか?って念押しまでしてな。それに納得してタウニーはサインしたんや。文句があるっちゅう事は約束を反故にするって事やな。それはいくら何でも筋が通らへんとちゃいますか?」
こっちは忠告したが、忠告に応じないお前が悪いと言わんばかりの態度だぜ。
なるほど、ここまで堂々とされたら指摘出来ない筈だ。話だけ聞くと完全にこっちの落ち度みたいな感じするもんね。だから二人は言いくるめられそうになったのかもしれん。
私は二人に目をやると二人とも下を向き、まるでこれからの未来を怖がる様に震えていた。
「‥タチバナさん。これじゃあいくら何でも‥」
「やっぱり無理なのかな‥ブロスター漁船に乗せられるのは嫌だよぉ‥」
ブロスター漁船?そんなんあるんか?ロブスター漁船的な?知らんな‥
儲かるかわからんがシノギにはなるかもな
てか筋とか言ってたが正気か!?このインテリヤクザが‥カタギを嵌めやがって‥許せん
だったら筋の通し方を教えてやるヨォ!
道具用意しろ!指詰めろや!こんボケェ!
「筋だと?人を罠に嵌める様なやり方でよく言う」
「‥‥聞こえへんでしたか?タウニーは合意してサインしたんですわ。悪質なやり方として捉えるのはやめてや」
私の言い方に血管ブチブチみたいだね。
文字通り額に青筋立てているがそれは私もだよ!
こんなん悪質に決まってるだろ!しかしなるほどな‥だが詰みではないぜ!
闇金の教科書かって位典型的な奴だな。だからこそ、それが隙になるんだよなぁ‥
よしスジモンからのレクチャーだ。
心して聞いてくれカタギボーイにカタギガール!
ヤミキンバトルの時間じゃあ!(意味不明)
私は睨みを効かせる様にカラスバを見ながら啖呵を切った。
「いいや、これは明らかに悪質だ。利子こと利息の限度を大幅に超過している。本来利息は年15〜20%が限度だがこの書類だと10万の元本に対して数日で100万の利息‥単純計算して年利3000%だぞ?
出資法を超えた異常とも言える上限超過‥つまりこれは合意じゃない‥困窮につけ込んだ搾取だ。
利息制限法に引っかかり公序良俗にも反するからこの契約自体がそもそも無効。早急に弁護士を呼んでカタを付けるべきだな」
契約書がそもそもおかしいじゃねえか理論です。
ちなみに利息制限法ってのは法律で利息の上限は決まっててそれを超えた利息は法律違反で契約自体が無効になるって奴っす。
つまり100万の利子はおろか元本の10万も返済する必要なし。踏み倒しOK!サイコー!
あと合意したと言っても実際合意したのかの証拠がそもそも無いのよね。
チャカで脅されたとか人質を取られて泣く泣く書いたという捉え方も出来る。
カラスバの説明は主観が入っているしタウニーちゃんがこの場にいないからこそ実は合意は嘘で本当は脅して金巻き上げようとしたんじゃねえのか?この書類が証拠だろこの野郎!と因縁をつけた。
でっちあげにはでっちあげをぶつけんだよ!
困窮につけ込んだ搾取と言い換える事でこっちの正当性を主張したがどう返すんだ?スジモンよぉ!
「弁護士‥!確かに法律に違反しているのなら必要か‥これで一歩リードしたってことになるのかな?」
「難しい事を話しててわからないよぉ‥シュッシホウにリソクセイゲンホウ??とにかく法律違反ってことなの??書類自体が違法なら返済の義務は無くなる感じ?」
うんそんな感じ(適当)
二人ともむむむと考え込むが無理して実況解説しなくてもええんやで?
私がカラスバを一瞥すると、ニヤリと口角を上げてほくそ笑む。
まるで私が言ったことに対して想定通りやと言わんばかりの余裕ある笑みだ。
「搾取?心外やな。厳密に言うとこれは利息ちゃう、コンサルティング料として名目を変えて契約しているんや。形式上、貸金業法には抵触しないように作り込んである。弁護士が来てもこれは投資の失敗として処理されるだけや」
なるほど考えたな‥
あくまでホテルZの宣伝動画のコンサルティング料として書類に記載した事により、利子をホテルZの宣伝動画作成のアドバイス代として貰うぞと言う事に書き換えて違法貸付じゃねえ事を主張してきたか
これなら利息制限法にも引っかからない
これを使っての論破は無理になっちまったぜ
「ほんとだ!書類には、(コンサルティング料)って注釈が‥!字がびっしり詰まってて分からなかった‥これ読みづらくて初見だと無理だよぉ‥」
「利息ではないのなら‥これじゃあ法律を逆手に取るのも厳しいのか‥?」
二人は声を震わせて契約書を見ている。更にカラスバはどうする?と言わんばかりに私に対して挑発の笑みを浮かべ二人は更に狼狽しているがぜんっぜん問題ない
こんなのね‥‥赤子の手を捻るより容易いわ!
こちとらスジモン歴10年やぞ?闇金とか違法貸付とか散々やったわ!こんなのルーティン業務と一緒!
あ、もちろんカタギにはやってませんよ。同業者とかカタギを食い物にするスジモン相手にやってきたからセーフ!(言い訳)
同業者を甘くみた事を後悔させてやんぜ!
そのムカつくニヤけヅラ‥‥‥
ぶっ潰して二度と笑えねぇようにしてやるよ!(若感)
「名目を変えれば通るとお思いか?裁判所は『形式』じゃなく『実態』を見る。実態が貸付なら、名目が何であれ脱法行為。あなたのやり方は真っ先に挙げられている闇金の典型的な手口だ」
「‥‥」
私が発した言葉に何も言えないのか笑顔から一転して私を睨んで黙り込むカラスバ。おいおいどうした??サビ組だから頭錆びてんのかぁ〜??(煽り)
スジモン歴10年のベテランを舐めるなよ若造が!
年季が違うんだよ!年季が!
形勢がひっくり返った事に驚いたのか隣の二人の眼に光が宿る。
「そうか!この行為自体がそもそも法に触れているならそこを突けば良いんだ‥!」
「よくわかんないけどタチバナさんが押してる‥!
これなら‥!」
これで終わりじゃないよー
ヤミキンバトル(意味不明)はここからだぜ!私はカラスバと再度向き直ると諭す様に声をかけた
「賢明なあなたならわかるはずです。この10万のために我々と泥沼の裁判をやるコストがどれだけか‥‥
さてロトム。あれを見せてやれ」
『ロト!クミチョー!合点承知ですぜロト!』
私の声に反応するとロトムは袖の下からビュン!と飛び出してカラスバの目の前に浮く。
画面はカラスバの方に向いているがその内容を私は知っているので向こうの反応を待つばかり
「!個性的なスマホロトムだねタチバナさんのは‥ってクミチョー?タチバナさんのことなのか?」
「あ、そっかぁ、キョウヤは初めてみるんだよね?
なんだかロトムがやけに輝いて見えるよぉ」
突然のスマホロトムの参戦に驚くキョウヤ君。あ、知らなかったよね君。デウロちゃんは驚きながらも目を輝かせており、普段とのギャップにさぞ困惑しているだろう。私はカラスバを見ながらさあ、どうする?と選択を迫る様に言葉を紡ぐ。
「ご覧の通り、
つまり口座を凍結させる準備は整った訳だ。
それでも足りなければリーグ委員会にタレ込むが‥‥さあどうしますか?」
ここで間髪入れず脅しにかけてあげよう
スジモンにとって隠し口座は命綱に近い。これを出しにして争いの不毛さを説いてやるぜ!
もしも司法支援センターがサビ組と懇意の仲だとしてもリーグ委員会までは買収出来ていない筈。だってミアレにしかシマがないからそこまで規模はデカくないだろうし。これで下手な動きはできねえぜ?
ちなみにサビ組事務所に行く前にロトムに頼んだ仕事の一つがこれです。いやーやっておいてよかったわー
追い詰めすぎず、かと言って簡単に逃げれるような状況じゃないが‥まだやるんすかー??
「‥すごい剣幕だね。一人称も変わるくらいの圧‥!」
「う、うん。普段見ない一面だよね‥‥『俺』か‥
っ‥!なんだろう‥胸がドキドキして‥///」
あ、すまん!私の覇気か?(自惚れ)
スジモンスイッチ入ると周りを怖がらせてしまうのがたまに傷。デウロちゃんが胸を抑えるほどの恐怖を抱かせた事に申し訳なさの気持が浮かぶが、それは後じゃ!今はヤミキンバトルに集中しなくてはね
私がカラスバに目をやると足を組むと強気な表情を浮かべて威嚇する様に口を動かす。
「ふん、口座の一つや二つ予備はあるさかいな」
「一つで済むかな?彼女が作った宣伝動画にも効果はあるのですよ。この件を広めれば、あなたと仲良くしている人達も黙ってない筈。そうなればあなた方の所業も明らかになるな。10万の端金のために組織の拠点を潰すリスクを冒すと?」
スジモンは一つの組織で成り立っている訳ではない。
このサビ組も警察や市役所と言った公的機関やギャングと言った他のスジモン組織と繋がりがあるはずだ
今の時代闇金関係の不祥事をネットにあげるだけで、もう評判ガタ落ちよ。サビ組と関わりある組織からしたらたまったものではない。そんな組織とは手を切るに決まっている。
最悪、報復で組の拠点を潰される可能性もあるのでリスクが馬鹿でかい事であるのには変わりない。
そのリスクと土下座して借金チャラにするのだったらどっちを取るかって私が脅しをかけてるんですよ。
どうすんだよこのヤロー!
え?いつもの私と違う?なんか頼りになる?IQ高い?
これが私の普段やっている事なんだよ!わかったらもっと褒め称えたまえ!組長!最高!お前も組長最高と叫びなさい!
私がアホなことを考える中、カラスバは暫く黙り込み思考に耽る。その顔にはボスとしての覚悟や組の面子とのせめぎ合いに苦悩している様に見えた。
‥‥ん?ちょっと待てよ。
ここで私がサビ組を追い詰め過ぎると面子潰しやがって許さん!と報復される可能性もあるのでは?
それはまずい!
私が内心あわあわする中、カラスバは降参やと言わんばかりに両手を上げると、ため息を吐きながら言葉を発した。
「‥なるほど、費用対効果やな‥10万とサビ組の命運を天秤にかけたか。これは確かにどっちを取ればええかは明白やな。」
カラスバの言葉を聞くとスマホロトムが私の袖の下にヒュン!と潜り込むとスリープモードに入る。
カラスバは参ったと言わんばかりの眼だがこれじゃあ報復待ったなしじゃね?
タウニーちゃんの借金も納得する形で落とし前つけなくちゃならんしどうする!?
‥というかそもそも勝手に借金したタウニーちゃんが悪いし私は何をすべきか‥‥
うーん‥‥!せや、こうすればいんじゃね?
私はカラスバの意見を肯定しつつ言葉を紡ぐ。
「そうです。なので法律上は元本すら支払う義務もない‥だが契約書にサインした責任は彼女にもある。だから利子の返済は無しで『元本』の10万だけを返済する。‥これで手打ちにしませんか?」
「なんやと?」
「ここで一方的にあなた方を追求するのは簡単です。しかし借金を負ったのもまた事実‥筋を通す必要がある。ただし元本の支払いに関して3つの条件をつけて返済するという形にする事をご了承願いたい。」
「‥?」
「どういう事なんだろう‥?」
隣の二人は何やら困惑しているが無理もない。だって急に空気が変わったからね。だが致し方なし!
つまり私はカラスバに交換条件を提示した。
ここで追求せず手打ちにする事で相手の面子を保ち、サビ組からの印象低下を少しでも防ぐぜ!
私の身を守る為にな!
それに契約したタウニーちゃんのやらかしなのでそれを利用します。カタギに手を出す事はあかんがそもそもタウニーちゃんの落ち度でもあるので(強調)
これぞ掌返しの術!(最低)
でもこうするしかないんや!それにタウニーちゃんの為でもあるからさ。許して欲しい。
私の交換条件にカラスバは興味を示したのかゆっくりと口を開いたので、私は左手の人差し指を立てて話し始める。
「‥話してくれや」
「まず一つ目、借金を返済するのは原則タウニーです。彼女がお金を借りた以上彼女の力で返すのが道義ですからね」
私は考えた。
ここで私が元本の10万円PONと払ったとしてそれが根本の解決になるのかと。
さっきと同じことを言うがそもそもの発端はタウニーちゃんが誰にも相談せずに借金した事にある。
相談しなかった理由はおそらくお金に関しての知識が無く、甘い見通しをしていたからだろうね。
タウニーちゃんは人を疑う事を知らない。言い換えれば悪意を知らな過ぎる。それはある意味長所と言えるが、チームの皆を巻き込むのはダメだ。
つまり私がここで全部お金を返して解決したら彼女はまた私に頼ればいいやという考えになり今後も気軽に借金する可能性がある。
それではいけない。お金は使い方を間違えれば人の信頼をいとも容易く打ち砕くものなのだ。
だから彼女には痛い目に合って反省して貰わなくてはならない。
お金を借りる事がいかに危険でお金の返済がいかに大変かを身に染みて理解して貰う必要がある。
本来なら彼女と話し合う必要があるし、勝手に決めるのはダメなのだが今は一刻を争う。
これは彼女の今後の為にも必要な事だ。心を鬼にしなくてはな
私は続いて左手の中指も伸ばしVサインを作り二つ目の話に移った
「そして2つ目、借金返済の対価は現金では無くあなた方がやっている街の慈善事業の労働対価だ。10万に相当する仕事をいくつか提供してほしい」
さっきの兄貴分的な奴が以前話していたが、サビ組は一応街の慈善事業もやっているみたいだ。
ゴミ拾いとか野生ポケモンの対処とかやっている事を事務所に来る前念のためスマホロトムに調べさせた。それも任せた仕事の一つっすね。
それならタウニーちゃんでも出来ると判断した上での提案だ。急な話で粗があるが調べた限り意外とクリーンで驚きましたよ。
まあ法に触れるやり方をしたら私がリーグ関係者やらにリークするので問題なし。ワビ組で培った本当の脅しを教えてやるよオラァ!
と私の提案に耳を傾けるカラスバだが腕を組むと
ちょーまってんかぁ?と疑問を口にした。
「‥せやけど現状タウニーに連絡はつかんのやろ?せやったら代わりに働いてくれる身代わりが必要になりますなぁ?」
「ああ、それについては‥」
痛いところを突かれたな。保証人みたいな感じで代理人を用意しないといけないね。即興だときついか‥
MZ団の子にやってもらうべきだろうがこの子達は無罪。私の提案でもあるしここは無理やり言い訳をして私が代理人になるべきか仕方なし。色々と言った事が変わっちまってすまなく思う。
スジモンなので勘弁してくれや(言い訳)
それを感じさせない様にどう言い訳をするか、矛盾が生じねえ様にしないとね。
うーんと考える中、突如キョウヤ君が手を上げて発言した。
「‥だったら俺がタウニーが来るまでの労働対価になります。タウニーに連絡がつかない以上、今はそれしかありません」
「なに?」
私は思わずキョウヤ君に聞き返すが、キョウヤ君は怖気付かずになおも言葉を発し続ける。
「俺はタウニーに拾われた様なものです。タウニーがいなかったら皆にも出会えてなかった。タウニーの落ち度は俺の落ち度です。だから少しでも借りたお金を返すためにも俺を使ってください!」
「‥‥」
私は何も言えなかった。
あの目は覚悟が決まった漢の目だ。なんて奴だ‥!
この子本当にカタギなの?やっぱスジモンだろ。
ここまで啖呵切れるって相当やぞ。
ここまで言われたのなら私が取り下げるのは無粋かもしれんな。大人として情けない‥助けられちまったぜ
タウニーちゃんマジでキョウヤ君に土下座した方がいいよ本当に。まあ後でさせるが‥
「いいんだなそれで?‥わかった。君の覚悟を受け取ったよ すまないがよろしく頼む」
「いえ、俺の力で良ければ幾らでも。」
流石はキョウヤ様!主人公過ぎるぜ!
私の情けないスジモン振りに幻滅せずに頷くとカラスバの目つきがキョウヤ君に移り、面白い奴おるやん?と言わんばかりの好奇の目で見ていた。
「ほう‥?中々見どころあるやん。キョウヤ言うたな?丁度人手が欲しかったんや。タウニーに出来へん仕事はお前にやらせたるから覚悟としけよ。」
「はい!よろしくお願いしますカラスバさん。」
「ええ返事やな。それじゃあ遠慮無く使わせて貰うで‥安心せぇ、とって食うような真似はせんから」
なんか優しくね?カラスバが勝手にキョウヤ君の事認め出したぞ。スジモン同士だから惹かれ合う的な奴?
いかんいかん話を戻さねば。私は左手のブイサインから薬指を立てて3つ目の話に移った。
「話を戻そう。そして最後に3つ目、労働対価としての慈善事業は必ず法律に明記された合法な手段である事。俺が監視役として現場に赴き合法で無いと判断したのならその仕事はさせない。カタギの二人に手を出したり、犯罪紛いの汚れ仕事をさせたら‥‥
分かるな?」
さっき言った通り意外とクリーンな事業だがここで釘を刺しておきます。寝不足のイライラも込めて語彙強いに主張する事でいつでもタレ込むぞ。とあくまでこちらが上である事を思い知らせます。
私のイライラが伝わったのかカラスバとモヒカン野郎は押し黙りました。すまんね。イライラ発散じゃ!
「‥!!」
「‥‥」
「す、すごい‥あの二人を黙らせた‥?」
「こわいけど不思議な安心感がするよ。すごいな」
覇気っぽく二人は捉えていますがこれに関してはストレスです。スジモンフェイスが活かされていたに過ぎないんすよ。そんな目を輝かせんといて‥ちびるから
取り敢えず以上がスジモンレクチャーです。
最後だしそれっぽい事言って誤魔化すか。あんまり下手に出ても舐められるし、かと言って相手の面子潰しもアレだしで程よい塩梅と言うのがムズイ!
「‥以上3つだ。破格でしょう?人助けが得意なタウニーの力も活かしながら借金もチャラ。そしてあなた方の慈善事業の仕事も割り振れてWin-Winという奴でかなりの温情ですよ?まあ条件が飲めないのなら全てバラしますがね。」
「わかってますわ。この子とタウニーには手ェかけへん。もちろんMZ団の皆さんも。そこは安心してや」
カラスバはやれやれと言わんばかりだが交渉はなんとか纏まった様で何よりですわ。
あー10年スジモンやってる経験が活かされましたね
この調子なら報復大丈夫そう?あーよかった
安心しきっている中、反対にカラスバは私を見たまま感心する様に言葉を紡いだ。
「しかしなるほど、これは貸しという奴ですか?
こんだけ大きな貸しを作って、それをだしにしようとするとはとんだ肝っ玉の座った御仁やな。こっちが飲まざるを得ない事がわかった上での条件提示と、その貸しを作らせるとは‥悪質過ぎるわ。アンタも人の事言えまへんな?」
「恐れ入ります」
ま、まあスジモンなのでね。悪質なのはお互い様って奴ですよ。もし悔しかったらカントーに来れば?めっちゃ鍛えられるぜ?
ワビ組のヤミキンバトルはもっと悪辣よ?
「中々えげつない事考えはるわ、こんなの普通はやらへんで?‥アンタ何者や?言葉遣いと溢れ出る貫禄といい只者じゃあらしまへんな‥」
「あなた達と同じです。その筋の者と言えるでしょうこちらが連絡先です。連絡はここにお願いします。
よし帰るぞ二人とも。」
ナニモンなんじゃ? スジモンです!
何やらカラスバは冷や汗をかいている様に見えるが、リーグにタレ込むという言葉が効いたんか?
あと貫禄ぅ?ただの寝不足とスジモンフェイスのお陰ですよ。
同じ反社者同士仲良くはしたく無いですが連絡先は渡しておくわ。
もしイタズラ電話してきたら逆探知して迷惑電話しまくったりスパムメッセージ送りまくってやるよ!1日1000件とかな!ワビ組の技術舐めんなよ!
取り敢えず話はおしまい!
帰るぞ二人とも。ザホームウェイ!
「あ、はい!お邪魔しました!」
「えっと、失礼します!」
律儀にお礼言うとかカタギは優しいね。
よし!エレベーター起動するか!
それにしてもまだ眠いわー
でもタウニーちゃんやMZ団の皆と話す必要あるし、寝るのは無理かぁ‥しょうがないね。
‥‥‥‥
side カラスバ
「流石やったなタチバナさんは‥終始あの人のペースに呑み込まれてしもうたわ。あれこそまさに人の上に立つ器と言えるなぁ」
ミアレの裏社会を取り仕切るサビ組のボスカラスバ。
MZ団リーダーのタウニーの借金についてMZ団メンバのキョウヤとデウロが話をつけに来たのだが終始こちらのペースに引き込み、利子返済にかこつけてタダ働きさせる一歩手前まで話を進めた。
しかしそこに予期せぬ来訪者が姿を現す。
それこそ着流し衣装の青年タチバナ。
彼は裏社会組織サビ組のボスであるカラスバと論戦を繰り広げる程の頭脳の持ち主で、彼に悉く論破されて終始タチバナのペースに呑まれた。
頭の回転の速さもさることながら、豊富な知識量と底知れぬ正に王としての風格にカタギに手をかける事を許さぬ義侠心。カラスバはこの未知の青年を恐れた。
まさに猛者にして王者。彼の座るソファーが玉座と言わんばかりの風格に気圧され冷や汗が止まらなかった
カラスバが呼吸を整える中、隣に佇むカラスバの右腕であるジプソが疑問を口にしていた。
「という事はあの方は本気ではなかったという事なのですかカラスバ様?」
「おそらくな。本気でやればオレらを潰す事もわけないやろ。全てはあの人の手のひらの上っちゅう奴やな
法律の抜け穴を熟知しているのもそうやが、何よりオレらの顔を立ててくれはった。‥全く、高く貸し付けてくれたなぁあの人は‥」
本来であれば法外な利子はおろか借金の元本10万円の返済もしなくてよい。法に触れた違法な利子を指摘すればそれで契約自体が無効になるからだ。
だが彼はサビ組の面子の為に敢えてそこを深く追求せずサビ組の事業を手伝わせると言う名目での返済を提案した。つまりサビ組の面子を重んじて顔を立てたのだ。
裏社会組織において組やボスの面子を潰される事は組織において最も恥ずべきものである。看板を何よりも重んずる極道組織はそれがなお強い。しかもカタギの前で恥をかかされたとあってはそれを知るものは全て排除しなくてはならない程の強い屈辱である。
しかし彼はカラスバやサビ組を辱める事はしなかったそれを出しにして脅す事が出来たのにも関わらず。
つまり彼はカラスバ達に貸しを作ったのだ。表向きは借金の返済という形でチャラにしたが、そんなものでは到底チャラには出来ない。それほどまでの大きな貸しである。
なぜ貸しにするのか。それはこの件を貸しにする事でサビ組の動きを牽制しMZ団を守る為であるからだ。
まるで裏社会のルールに精通しながらも表社会を尊重し、義理と人情を是とした裏社会で王と称される男の様に━━
カラスバはなるほどと息を吐くと彼の正体に確信をつく様にゆっくりと口を動かした。
「流石はタチバナさん‥‥いやワビ組の組長さんや」
タチバナと呼ばれたあの青年の正体は裏社会最強組織であるワビ組の組長だ。
数々の神算鬼謀の伝説を持ち、カントー、ジョウト、アローラの三地方を僅か10年程で平定した裏社会の王。今や彼以上の傑物は存在しない為、裏社会の王という呼び名から裏社会の皇帝という呼び名が相応しいのではという声が上がる程の圧倒的な実力を持つ。
カラスバの確信づいた発言にジプソは目を見開くと狼狽するかの様に体を震わせてカラスバに問う。
「‥!まさかあの御仁が裏社会の王と呼ばれる‥!?」
「せや、生ける伝説‥ワビ組の組長。
噂の服装にあの知識量といい俺らを試すあの態度‥!そうとしか思えんわ。数々の逸話からしてもっとデカい大男で歳を重ねた人かと思うとったが‥人を見た目で判断するんはよくないっちゅう事か」
「‥‥」
衝撃の事実にジプソも開いた口が塞がらず、額から冷や汗が吹き出す。
カラスバも例外ではない。これまでの彼との会話を振り返った時、無礼な言葉使いや態度が多かった事に戦慄し冷や汗が止まらず、気持ちが滅入っていた。
カラスバはそれを顔に出さない様に必死で隠しながらジプソに釘を刺すように言葉を紡ぐ。
「おいジプソ。あの方に無礼があってはならない様に今から若い衆集めて言い聞かせろや。もし下手うってワビ組と抗争になってみ?サビ組は一瞬で壊滅するで‥」
「え、あ、はい!承知っす!」
普段から鉄仮面とも呼べる程に表情を崩さないジプソも言葉使いが乱れる程に焦燥していた。
ジプソにとってもワビ組の組長の存在はかなり大きく目指すべき人間の一人であるからだ。
カラスバはため息を吐くと額に手を当てながら今後の振る舞いについて思案しながら言葉を発した。
「‥‥口調しっかりせぇや、動揺し過ぎやろ。まあ、オレも人のこと言えへんな‥裏社会最強組織のボスがまさかミアレまで足を運ぶとは‥これは生涯最大の転機にして最大のピンチとも言えるなぁ‥!」
サビ組にとって一番の正念場は後にも先にもこのワビ組の組長との邂逅であるだろう。
何故彼がミアレを訪れたのか。その理由はわからない
だが確実に言える事は組長の気分を損ねたり彼を害する事があれば、ワビ組との抗争に繋がりかねないという事だけだ。
もしそうなれば戦力差から見て三日いや半日でサビ組は壊滅するだろう。
それ程までに強大な組織と事を構えるのは自殺行為であるとカラスバは理解しているのだ。
ちなみにカラスバは今日から胃薬を毎日飲むようになったとか。組織の長は辛いのである。
‥‥
‥‥‥‥
「なるほどそんな事が‥しかし皆さん無事でよかったです‥!」
「うん、本当に無事でよかった‥!このままだと本当にタダ働きさせられていたかもだからねぇ‥」
「タチバナさんすみません。
ご迷惑をお掛けしてしまって」
という訳でデウロちゃんとキャウヤ君を連れて無事にホテルZに戻り一息ついております。
報復も無く戻れてよかった。
ホテルZに戻ってピュール君に事情を説明したのだが今は心底安心したのか椅子に寄りかかり笑みを浮かべている。デウロちゃんとキョウヤ君も緊張が解けたのか比較的リラックスしている。
私は頭を下げて謝罪するキョウヤ君の肩に手を置き、気にするな!と優しく声をかけた。
「気にしないでくれ。
むしろ君一人に押し付ける形になってすまない。
キョウヤ君、悪いが彼女が戻るまでよろしく頼むよ。私がいるからサビ組も悪どい事はしない筈‥そこは安心してくれ」
むしろすんません。
キョウヤ君こと主人公様のお手を煩わせてしまって‥このケジメは後ほどつけるんで!(タウニーが)
私が謝りながらキョウヤ君に向き直るとキョウヤ君はいやいや!と両手を振りながら私に言葉を紡ぐ。
「い、いえ!ここまでしてもらってありがとうございます。もし、タチバナさんがいなかったらどうなっていたか‥」
「確かに‥もしタチバナさんがいなかったらって考えただけでもゾッとするよぉ!」
デウロちゃんにもフォローされてしまった。だらしない大人ですまない‥
私が考え込む中、キョウヤ君は少し余裕のある表情に戻ると軽快な口調で言葉を発した。
「でも案外カラスバさんなら何とかしてくれたりして」
「!ちょっとキョウヤ!?カラスバを見てそう思えるなんて異常だよ!下手したらMZ団とサビ組で仁義なき抗争に‥!」
デウロちゃんがめっちゃキョウヤ君に詰め寄るが、無理もないよね。ホテルZでポケモン大会する事になったらやばいだろうし。
てかカラスバの野郎キョウヤ君の事気に入り過ぎだろ!さすが主人公にしてスジモン!
二人がぎゃあぎゃあ騒ぐ中、咳払いしたピュール君が割り込む様に言葉を紡いだ。
「しかし、タウニーがいないのに勝手に決めて大丈夫だったのですか?」
「あの場に来ないあの子が悪い。君たちに借金を押し付けた様なものだぞ?一度あの子には痛い目を見て貰わないとな。あの子の場合普通に10万返すよりもサビ組の元で働いた方がいい薬になる筈だ」
私は淡々と考えを述べた。これぞ責任転嫁の術!
本来ならタウニーちゃんがあの場にいるべきなんだよね‥ 言い方悪いがあれだと夜逃げと一緒だぜ?
膨大な利子付き契約をしたサビ組が元凶だと思うけどあれはまずいっしょ‥
それを言ったらスジモンである私も同罪と言えるかも知れん。すんません同業者が‥
私のタウニーちゃんに対するスパルタ過ぎる提案にデウロちゃんもドン引きしながら言葉を発する。
「タチバナさんは怒らせない方がいい人だって事がわかったよぉ‥カラスバより怖かった‥」
私を見て体を震わせるデウロちゃん。悪かったって‥スジモンスイッチが入っただけなんよ
怯えさせたのは本当にすまない。
私を怒らせない方がいいとはわかってるじゃないか
さすがはマブダチ!
ちなみに最近は怒ると3日間ふて寝して反抗します。
怒る元気もない程歳を取ったのかもしれん。
デウロちゃんは腕を組み、私を見るとむむむ?と首を傾げながら口を開いた。
「‥それにしてもあのカラスバを黙らせるなんてタチバナさんってばやっぱりすごい人?」
「私は凄くないさ、まあロクでなしの極悪人だからな近づき過ぎると痛い目を見るかもね」
極悪下心満載のスジモンです。
サビ組と関わった事がきっかけで、私の素性が割れたらマジでまずい。スジモンバトル(抗争)にカタギを巻き込むのは本意では無いのでガチで近づかない方がいいぞ。(ガチ忠告)
「極悪人ならあたし達の事助けないですよぉ!‥本当に感謝しかありません!」
うっ‥!こんな純粋なお礼が一番心に来るかもしれん
スジモンに純粋な好意は眩しいのであります。
ま、まあカタギを罠に嵌めるやり方が気に食わなかっただけだし?貰えるなら貰っておこうかな!
それに皆には世話になっているのでね。(汚い)大人として子供にお礼を言われたらちゃんと答えないとだね
「いつも世話になっているしね。君たちはもっと大人に頼りなさい。私は君たちの味方だ‥」
どの口が言うんだ!と思うかもだが、ダブスタはスジモンの常識なんですわ(逃げ)私はみんなの目を見て言った。
こんなくそどーしようも無いスジモンである私ですが子供は大人に頼ればいいんだよぉ!それが大人の役目でもあるしなぁ! スジモンなりの矜持じゃあ!望んでなった訳じゃねえけどな!
カタギを夢見る哀れなスジモンたる私
‥早くカタギになりたい。いつになったら戻れるんすか?
私の発言に三人は嬉しそうに声をあげていた。
「心強いです!ありがとうございます。」
「‥はい!でしたらもっと頼らせてもらいます。
タチバナさん」
「‥カッコいいな。あたしもこんな大人になりたいよぉ‥もっと自分を磨いて相応しい人になる‥!」
いやそれはあかん。どんな目をしておるんじゃ?
まさかダメンズ好きか?今すぐやめろぉ!
とくせい:したごころ持ちの私になるのだけは何としても避けなくてはならない。デウロちゃんはもっと素敵な大人のお姉さんを夢見てください(切実)
とまあこんな感じで色々と話していると後ろの扉がガチャリと開くと軽快な足音が近づいてきた。
私達はそれに気づいて振り向くと皆驚きのあまり目を見開いていた。
「あれ?皆集まってるけどどうしたの?まさか作戦会議?珍しくタチバナさんもいるけど‥」
「!タウニー!」
デウロちゃんが驚きの声を上げるが、タウニーちゃんは首を傾げて疑問の念を露わにした。
帰ってきたちゃんタウニー!略してちゃタウ!
おいおいその開き直りは一周回って大物だぞ!
取り敢えず謝罪会見の時間だね。
次回タウニーケジメをつける!
ケジメスタンバイ!
主人公(タチバナ)‥桐生さんと違いスジモン適正があり過ぎる人。つまりカタギ以外は割と何でもできる男である。下心満載だがカタギを大事にしたり、冷徹にもなれるしシノギも卒なくこなせるので実は天職なのでは?本人はかなりやめたがっているけどね
カラスバ‥ヤミキンバトルでタチバナに負けた人。タチバナを裏社会最強のワビ組の組長と認識した。会えて光栄だが機嫌を損なうとサビ組を潰されるのでは?と胃がかなり痛い。
ジプソ‥実はワビ組組長の大大大大大ファン。フラダリと同じかそれ以上に憧れている。噂に聞く組長と会えて限界化しそうだが何とか耐えてる。
兄貴分スジモン‥以前タチバナが助けたスジモン。この人がいなかったら組長とサビ組で抗争が始まっていた為やばかった。つまり影の英雄。それを考慮して今回ケジメはつけずに済んだ。よくやった。
デウロ‥タチバナが来るまではZA本編と同じ流れで話が進む。今回の一件でますますタチバナへの想いが強くなり、以降カフェの店員さんと話すタチバナを見てモヤモヤする事が更に増えた。
キョウヤ‥ZA本編だとタウニーの代わりに利子の返済を手伝わされたが今回それが無しになりタウニーに出来ない仕事だけ負担する事に。それでも本編よりは仕事量はかなり減った。
タウニー‥戦犯
おまけ サビ組とワビ組比較
縄張り
サビ組:ミアレシティ(カロス地方)
ワビ組:カントー地方、ジョウト地方、アローラ地方
同盟関係や協力関係を結ぶ組織
サビ組:なし
ワビ組:アロハ会(傘下)
エーテル財団(相互協力協定組織)
シルフカンパニー(相互技術協定組織)
※シルフカンパニーとは相互に技術交換をする密約を交わしている。ワビ組の最新技術の一部をシルフに提供し、シルフはワビ組に対して一部市場を優遇したり市場の情報を流すなどWin-Winの関係でもありズブズブの仲に
シノギ(資金調達)
サビ組:ZAロワイヤル、闇金、街の慈善事業、暴れる野生ポケモンの鎮圧、迷惑観光客対応、トレーナー育成塾、用心棒など
ワビ組:闇金、闇市、不動産、的屋、用心棒、船舶ビジネス、インサイダー取引、マネーロンダリング、サファリゾーン、フロント企業を使った経営、海外組織(アロハ会)から仕入れた物品の流通、芸能関係(ネット配信者事業、地下アイドル、大人のお姉さんビデオなど)、マイフォン社の配当金etc
資金量
サビ組:大企業クラスの資金量を誇るがMSBCには及ばない
ワビ組:大企業どころか財閥を5つは買い占める位の財力がある。クエーサー社を買収するのもお手のもの。制覇した各地方に根付き経済を回している部分もあるので影響力はかなり強い。
サビ組が100の財力だとしたらワビ組は5000以上
実力
サビ組ボスカラスバ‥ジムリーダークラス
カラスバの右腕ジプソ‥ジムリーダークラス
ワビ組組長タチバナ‥してんのうクラス
ワビ組若頭チャイブ‥ジムリーダークラス
兵隊
サビ組‥ミアレシティの兵力のみなので約50人程
ワビ組‥カントーの兵力約6000人(本家ワビ組)
ジョウトの兵力約4000人(分家ワビ組)
アローラの兵力約500人(アロハ会)
合計約10500人
戦力差約210倍