誤字のご指摘と多くの感想ありがとうございます!
励みになります!
今作のカラスバさんは割と胃痛キャラになりそうですね‥ お労しわボス上
「騒がしいけど、何かあったの?」
きたか タウニー
お前の借金俺によく馴染むぜ
という事で帰ってきて早々おとぼけのタウニーさん。
MZ団のみんながサビ組に出向いた事すら知らないのか首を傾げて質問してきた。よく帰ってこれたな‥
君の面の皮厚すぎない?
ピュール君とキョウヤ君は呆気に取られた様な表情を浮かべていたがデウロちゃんはタウニーちゃんの前まで近づくと声を荒げた。
「タウニー!あなたの借金の件であたし達大変だったんだよ!」
「え?何で知ってるの?でも借りた額はそんな高くないし。だって10万だよ?動画の再生数で何とかなるし!」
おいおいマジか‥ お金について無知すぎん?
10万大した事ないとか金銭感覚やばいやろ‥
最近の10代ってこんな感じなん?それとも私がおかしいのか‥
デウロちゃんはタウニーちゃんの危機感の無い言葉に絶句しながらも顔を顰めて怒鳴る様に更に声を荒げる。
ひえぇ‥
あんま怒らんといてや‥私がビビるから(泣き顔)
「そう言う問題じゃない!なんであたし達に相談無く借りたのかを聞いてるの!!」
「ど、どうしたのデウロ‥?そんな事で声を荒げて‥」
デウロちゃんが何故声を荒げているのかわからないのか、ひたすら困惑するタウニーちゃん。そして彼女が発したその一言がついにデウロちゃんの逆鱗に触れ、彼女の目は怒りと失望に染まり目からは涙が溢れていた。
何もわからずにいるタウニーちゃんを問い詰める様に睨みつけながらデウロちゃんは言葉を紡ぐ。
「!そんな事ってなに!?勝手に借金して勝手にいなくなって‥!MZ団のみんなだけじゃ無くてタチバナさんにも迷惑かけて!もういい!もうタウニーの事なんか━━!」
「よすんだデウロちゃん。感情的にならないでくれ」
私は咄嗟にデウロちゃんとタウニーちゃんの間に入った。デウロちゃんがタウニーちゃんに対して口に出そうとしたその一言はおそらく二人の関係に決定的な亀裂を入れると思ったからだ。
こんな子供達にそれを経験させるのはまずいっすよ。全年齢作品っすよ?プレイしている子供がいたらトラウマになるだろうがよぉ!
それに私のスジモンソウルがやめろと囁いていたのでね。
「‥あっ‥そ、その‥ごめんなさい‥」
私が間に入ると自分が何を言おうとしたのか冷静になり俯くデウロちゃんとポカンとするタウニーちゃん。
最早修羅場と化したこの空気にピュール君とキョウヤ君も何も言えずにいた。
しんどくて胃が痛くなりますよー
私はデウロちゃんにハンカチをそれと無く渡して、彼女を近くの椅子に座らせると唖然と立ち尽くすタウニーちゃんに声をかけた。
「タウニーちゃん場所を変えようか。色々と話を聞かせて欲しい」
「‥あ、はい。わかりました」
屋上へいこうぜ‥‥‥
久しぶりに‥‥‥‥キレちまったよ‥‥
という事で彼女をエレベーターに連行し、無言で屋上まで向かう。二人っきりで腹割って話そうや‥
エレベーターが止まり、屋上に着くと私は外の景色を一瞥した後に彼女と向き直って言葉を紡いだ。
「何であんな事をしたんだ?タウニーちゃん」
「‥えっと、借金の事ですか?それはホテルZを宣伝してもっとお客さんに来て欲しかったんです。AZさんが喜ぶかな‥‥って」
悪びれることもなく、ただ問われた事に答えるタウニーちゃん。
うーむ根底にあるのはAZにゃんへの恩返しなのね‥
悪意は無いみたいですね。純粋な子供みたいな善意でありますがその善意が人を傷つける事があるんすよ
どう話すべきか‥
彼女に寄り添いながらも何がいけなかったのかを聞いていくとするか。
「そうか、それは良い事だ。君は大切な人を思いやれる素直で心が美しい人間だと私は思う。けど今回それは通用しないんだ。何故か分かるかい?」
「いえ分からないです。借りた額はそんなに多くない筈だし‥動画の再生数で借金を返せると思ったんです。確か10万円だから動画以外でもZAロワイヤルとかで‥」
やっぱ金銭感覚おかしいっすよ!たかが10万みたいな言い方しおって!社畜からしたらその10万も大金なんだよ!!‥‥っていかんいかん。
彼女はそれを知らない人間だ。私の価値観押し付けは良くないね反省反省。
しかし彼女の口ぶりからして利子の件知らない感じだよねこれ。まずはそれ知った方がいいっすよ。
私はタウニーちゃんにゆっくりと確認を促す様に声をかけた。
「しっかりと確認したかな?君の手元にはそれがある筈だ。確認してみるといい。」
私がスマホを出せやと催促すると彼女はスマホを起動して確認する。
宙に浮くスマホロトムの画面をタッチして目で追うと顔面蒼白になり絶望した表情で呟いた。
「え?うそ!たった数日で利子100万にまで膨れ上がっている!?‥よく見ると細かい字で利子の注釈が‥」
「そうだ‥だがまあ私がサビ組に直談判してなんとか利子は無しにしてくれたから10万の返済だけで済んだ。そこは大丈夫だ。」
サビ組と話したばかりだからまだ改訂されていないみたいね。明日には改訂版へと修正されるだろ多分
私が彼女に借金の件を説明し、利子の件は解決した事を伝えると彼女はほっと息を吐き、安心したかの様に私にお礼の言葉を口にした。
「ありがとうございます!じゃあ10万の返済だけでいいんですね?じゃあお金を工面して‥‥」
「‥‥」
あの、お礼を言うべき相手間違ってますよ。‥ってか謝罪が先ダルォ!?MZ団の皆に謝るのがスジじゃ無いんすかぁ!?
私よりもまずは皆への謝罪と尻拭いしてくれてありがとうの二段コンボをしましょうぜ!
これはAZにゃんブチギレ待ったなしですね‥‥
3000年前だったら怒りのあまり最終兵器ぶち込まれていたかもしれんぞ。残念ですが さようなら
私が黙り込んでいた事に対してタウニーちゃんは首を傾げて疑問を露わにした。
「あれ?どうかされたんですか?みんなもあたしに何か言いたげだったし‥?」
「いや、今の君の姿を見たらAZさんは悲しむだろうなと思っただけさ」
私はついそう零した。
これAZにゃんとフラエッテ姐さんが知ったら絶対に詰めるゾ。なんでデウロちゃんが怒っていたのか本気でわかっていないみたいだからね。こんな時にみんなの事を引き出してもわからないかもしれん。
ここは彼女が親の様に慕うAZにゃんを引き出して理解らせてやる!
「‥え?どうして‥」
「あの人は君を実の娘の様に心から愛している。今回の借金の件も心配していたぞ。そしてAZさんだけで無く君を助ける為にMZ団の皆も動いてくれた。
特にキョウヤ君は君に代わって返済を肩代わりすると言うほどに身を粉にして尽くそうとしたんだ。」
「‥‥」
私の言葉にようやく理解が追いついたのかタウニーちゃんは黙り込むと下を向いて震えていた。
ようやく状況を理解したか‥
やっぱりAZにゃんの事を引き出すと耳の穴が開きますねぇ。このまま何が問題なのかもっとわかって欲しいので危機感を煽る様に冷たい声色で言葉を発した。
「だが君はそれに感謝もせず軽い謝罪で済ませようとした‥皆は苦しむだろうな。そしてその原因が君にある事をAZさんが知ったらどう思う?」
「‥悲しむと思います。相手の事を思わず、自分勝手な事をしたあたしの事を‥」
そうだ、よくわかったな
漸くその気持ちがわかったのだろうか。おそらく彼女は人助けという行為が目的になっており、何故困った人を助けるのかという根本を見失っていたのかもしれない。
遠くにいる人ばかり助けていたから、身内の事に気づいていなかった。だからデウロちゃん達が怒っていた事も分からなかったに違いない。
これから彼女に言う内容は酷だが、彼女が気づかないとまた繰り返すかもしれん。
未来ある少女に嫌われるのは辛いがこれも彼女のためじゃい!
私は重い口を動かして彼女に真実を伝える様に言葉を紡いだ。
「そうだ。君がやったのは人の信頼を裏切る行為に等しい。相手からしたらさぞ悲しく苦しい思いを抱かせるに違いない。君が信頼していた相手からそんな事をされたら嫌だろう?
‥じゃあ君はこれから何をしたらいいと思う?」
「‥謝ります。MZ団のみんなに‥そしてAZさんとフラエッテに心配かけた事を‥そして自分勝手な振る舞いをした事に‥」
淡々と今やるべき事を口にするタウニーちゃん。
ちゃんと言えたじゃねえか‥‥
せや、それでええ。君はまだ引き返せるぜ。私みたいに後先考えないとスジモンに成り果ててしまうのでな!
カタギはガチスジモンになったらアカン!これから頑張ればええんじゃ!!
私はよく自身の気持ちと向き合えたなと頷く様に肯定した。
「その通り。まずは謝るそしてありがとうを必ず言うんだ。君を助ける為にみんな動いてくれたのだから」
「うん‥でも許してくれるかな‥」
ショボーンと下を向いて落ち込む彼女を見て私の罪悪感スイッチは強く押し込まれた。
ああ、辛いぜ‥ 未来ある少女にこんな顔させたくないが、ここで放っておいたら闇落ちしてミアレを滅ぼす可能性がある(極論)
私は彼女の頭に手をポンと置き撫で撫でする。
すまんな。こんなおっさんの頭ポンポンとか嫌かもしれんが許してくれや!!(ガチ下心無し)
「それはわからない。でも今の君なら思いは伝わる筈だ。それにもし皆が許さなくても私は君を許すし傍にいよう。だから泣くな」
「‥っはい‥!」
さて謝罪会見と行こうじゃあねえか
みんなに謝りに行くぞ、来い。
この子一人だけに行かすのはあまりに酷だし傍にいてやるか。
それにこんだけガン詰めしたからこの後一人になったら彼女はさぞ落ち込むに違いない。
励ましてやりたいが‥‥せや!丁度行きたい店あるしそこ付き合えや!私はそれを提案する様に口にした。
「大丈夫。私も一緒に行くからそんなに怯えないでくれ。これが一段楽ついたら皆でご飯いくぞ。超極上の寿司ネタをご馳走しよう。ローリングドリーマーをな」
「え‥ス、スシ!?‥いいんですか?」
バッ!と顔を上げて犬みたいに見えない尻尾を振りながらこちらに迫る。
ちょうど寿司行きたかったしMZ団で寿司行こうぜ?
ご機嫌やさかいなぁ 一人20貫で許したるわ
勿論ワビ組の経費でな!
スシー!
オレハ スジー(モン)!
「私が行きたいからに決まっている。行かないんなら君の分は無しだ。その分私が食べる。」
「ええ!?ズルい‥!行きます行きます!食べたいです!」
ワビ組の経費で豪遊!まあこれくらいなら必要経費で落ちるだろ!バレたらケジメをつける必要があるが、みんなのためじゃい!
私のわがまま発言にタウニーちゃんも明るい声を上げたがそれでええ!
「ようやく笑顔になったな。そう気負わずでいい、君には笑顔が似合うからな」
「え?‥あ‥うぅ‥」
突如として顔を赤らめて私から目を背けるタウニーちゃん。可愛いじゃねえか。こやつめ、ハハハ!
これならみんなの元に行っても問題ないな!
私はタウニーちゃんと向き直ると彼女は私の目を見て感謝の言葉を口にした。
「あ、そのありがとうございます‥」
「ああ、どういたしまして さてみんなの所に戻ろうか」
私の言葉に無言で頷くと再びエレベーターを使い、下に降りていく。ロビーまで降りるとまだMZ団のみんながそこにいたが、タウニーちゃんの顔を見るとみんな気まずさから目を逸らしていく。
めちゃくちゃ嫌な空気だが、タウニーちゃんはMZ団のみんなを一人一人見た後に思いっきり頭を下げて謝罪した。
「その‥‥ごめんなさい!
あたしが考えなしに行動したからみんなに迷惑をかけちゃった。みんなが支えてくれる事を忘れてあたし本当どうかしてたよ‥」
「あたしの為に動いてくれてみんなありがとう。
キョウヤ‥あなたもあたしの為に動いてくれてありがとうね。」
タウニーちゃんの目からは涙が溢れ出る。
みんなもタウニーちゃんの言葉に感化されているのかさっきまでの嫌な空気が浄化され、彼女に注目が集まる。
そして彼女は決意を固め宣言する様に言葉を紡いでいく。
「タチバナさんに言われてわかったの。あたしの考えの甘さとみんなの事を考えてなかった勝手さに。リーダーとして情けない姿を見せちゃったよね。幻滅させちゃったと思う‥」
「だからこんなあたしを支えて欲しいし!みんなと一緒にミアレを守る為にも!みんながいないとMZ団じゃないから!お願いします!みんなが必要なの!」
それは彼女の願いにして一つの思いであるよね。
私も歳をとったのか涙腺が緩くなったモンだぜ‥涙が出そうになる。娘がいたらこんな感じなのかね?成長してくれてまじ感涙。
そして彼女の思いが伝わったのか、デウロちゃんがタウニーちゃんに近づくと言いづらそうに言葉を発した
「‥‥タウニーあたしの方こそごめん。感情的になり過ぎたよ。今後はみんなで考えながらさ、やっていこうよ!」
「‥!うん!ありがとう!よろしくね、みんな!」
「仕方ありません。みんなで協力しましょうか」
「そうだねピュール。俺もできる事をするよ」
デウロちゃんとタウニーちゃんが仲直りしたのを見て安心したのかピュール君とキョウヤ君もその輪に入り束の間の団欒になる。
よくやったぞタウニーちゃん。後でもっと褒め倒してやる。しかし彼女はリーダーとして大事な物を持っているようだね。さすがはMZ団のリーダーや!
若者の団欒におっさんがいるのは無粋だな。
スジーモンワゴンはクールに去るぜ。
さてと、一段楽ついたし‥‥
大人のお姉さんのとこ遊びに行こーっと!
待っててね!ジョーイさぁーーん!!
お、そうだ(唐突)
ちなみに後日タウニーちゃんはAZにゃんとフラエッテにも謝罪しました。
AZにゃんは許したそうだけど、フラエッテ姐さんは結構怒ってたとか。まあそうよね。
‥‥
‥‥‥
「「「「「お疲れ様です!組長様!!」」」」」
タウニーちゃんの謝罪会見から二日後、サビ組から連絡が入り指定された場所にやってくるとそこには20人前後のスジモン供が列をなして出迎える光景が。
ええ‥(困惑)どうした急に?
ってか私の事組長ってバレたんか!?何故に??
サビ組の情報網凄すぎだろ!たった二日でここまで判明するとかまじ?これワビ組以上では?こわいわー
私が戦慄する中、先頭にいたスジモンが私に近づくと吃りながら声を出していく。
「お、おお、お疲れさまです!タチバナ様‥いや組長様!!」
「ん?あなたは‥」
おやあなたはいつぞやの角刈りスジモン!
サビ組訪問の時に私を招き入れてくれた兄貴分スジモンじゃないか!
なんかめちゃくちゃよそよそしいと言うか額から汗が吹き出しているが病気かな?病院行って、どうぞ
「えっと‥その以前はすみませんでしたっす!!まさかあなたが本物のワビ組の組長様とはいざ知らずあの様な無礼な態度を!!ケジメはつけるっすので!
さらば、おれの小指!うおおおおぉぉお!!」
「別に気にしてないから詰めないで欲しい。
それよりもそんな大声出すと周りの目が気になるから控えて欲しいのだが‥」
何やら急に土下座したかと思ったら大声出して、どこでもエンコセットを取り出しケジメをつけようとしやがる。
えぇ‥(ドン引き)何のケジメなんですかねぇ‥裏社会の王とかやめてくれよ‥
私の呆れた声に反応すると更に頭を地面にめり込む程擦り付けるながら声を張り上げていた。
「は、はいィィっすぅぅ!控えるっすうぅぅぅ!!」
「‥‥‥」
いや控えてないんだわ。
カタギの皆様の迷惑になるからやめなさい。そこの筋は通しましょうよ‥
サビ組は頭錆ついた奴しかおらんのか‥(偏見)
私が呆れかえる中したっぱスジモン供の後ろから一人の男が姿を現すと、その男が通れる様に道を作り出していた。軍隊かな?
「やめや、通行人の皆様に迷惑がかかるやろ」
現れたのはカラスバでした。インテリスジモン!
カラスバはため息を吐きながら現れると私の前で足を肩幅に開いて中腰になると膝に手を置いて頭を下げるスジモン式お辞儀で出迎える。
額には冷や汗を流しながらも洗練された動きには組織の長としてのプライドがそこにあった。
「お疲れ様ですわタチバナさん‥いやワビ組の組長さん。オレからも謝罪を 先日はとんだご無礼をお許し下さい」
何故か裏社会の王として祭り上げられる裸の王です。
無礼?そんな事したっけ?
カタギに闇金させる方がよっぽど無礼だろ!
だが私は全然気にしてないっす。慣れっこですわ
私は気にしてないアピールをしようと余裕ある声で言葉を発した。
「気にしないで欲しい。‥それに組長と呼ぶのはよしてくれ」
「せやけども‥アナタ様は裏社会の王‥オレらにも立場があるんや。アナタに無礼があってはオレらも生きていけへんのですわ」
いやいや!私は神輿なんですわ。
担ぎ上げられただけ!カタギに戻りたいだけなんよ。
今回のミアレ訪問もそうだし?組長として扱わんといてくれる?
「それだったら尚のことだ。私は組長としてミアレに来たわけではない。」
「‥どう言う事ですか?ミアレ‥いやカロスの裏社会も平定しに来たわけちゃうと?」
はいそうです。(即答)
ミアレに来たのはカントーのスジモンから逃げる為‥つまり観光という名の現実逃避とミアレジェンヌだ!
私は誤解がない様に言葉を選びながら思いを口にした
「ああ、私は今回観光で来てるだけ。組長としてカロスを制するつもりは微塵もない。」
「観光やと?‥ワビ組の組長さんは冗談がお上手ですなぁ。‥新たなシノギやシマ拡大で来たわけやないと?」
んな訳ねえだろ!
イブキさんにも言われたけどさぁ‥まじで私の事何だと思ってるの??
シノギとかシマはもう充分なんですわ。私いなくても回るくらいチャイブがやってくれてんですわ
それにそんな事したらカタギに迷惑だろうが!
「そんな事したらカタギに迷惑がかかる。それは私が望むものではない。‥目当てがあって、それを見に来ただけだ。(ミアレジェンヌ)」
「目当て?なんやお目当てのもんを探しに来たと?‥欲しいもんがあるんならワビ組の力で奪うのも容易ちゃいますか?」
目当て‥ミアレジェンヌを目にする事ですよ。いっぱい遊んだしクミチョー満足。もっと遊びたいです。
奪うとかいかにもスジモンだね。そんなもん望まんよ
だって彼女が可哀想だろ!カタギの人生はカタギのもの!彼女の人生を奪うのは私の意義に反するからね。
カタギはカタギ同士でスジモンはスジモン同士で恋愛べきだと思うの
あ、その理論だと矛盾してるね。大人のお姉さんと遊んでばかりいるし(最低)
「奪うか。それは私の望むものではない。
そうだ。彼女ことミアレジェンヌの人生に失礼やね
あれ?彼女だと一人に限定しちゃう感じになるな‥彼女達と言うべきだったわ。
訂正するの恥ずいのでここで訂正します。すんまへん
私の言葉に何かを察したのかあまり突っ込むことはせずにゆっくりと言葉を紡ぐ。
「‥そうですか。では組長さんのお目当てというのは何ですかいな?それさえ分かればオレらも協力できる思うんやがいかがです?」
「‥申し出はありがたいが控えさせて頂く。私にもブライパシーはあるのでな」
うん嫌だ。
私のプライバシーに関わる事なのでね。
大人のお姉さん口説くのにスジモンの力とか必要ねえんだよ!
カラスバはあ、やべ!見てえな表情を浮かべるとガチで悪い事したわみたいな顔で深く頭を下げて言葉を発した。
「‥なるほど、そら大変失礼しました。
さて、早速やけど本題ですわ。今回タウニーに任せる仕事についていくつか下見する形でええですか?」
「ああ、だが本当に大丈夫なんだろうな?ちゃんとカタギにも斡旋できる内容か?」
それについてはガン詰めさせて頂く。
ちなみに今日1日を使ってタウニーちゃんの借金返済ことサビ組の慈善活動が何なのかを確認しどんな感じでやるのか、彼女にも出来そうかチェックをします。
事前に知る事でイメージが掴みやすいし、法律に違反していないかわかるしなぁ!
私が威嚇する様に声を発するとカラスバは勘弁して下さいやと言わんばかりに言葉を紡ぐ。
「裏社会の王に適当こく度胸をオレらは持ち合わせておらんのですわ。そこに関してはご安心を。さてまずはあちらの現場を━━」
という事でスジモンツアーにレッツゴーー!!
スジモン共と一緒に行くのは嫌やがしゃあなし。
いっちょやったろうやないかい!
‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥
side カラスバ
「これでメガカケラの清掃は終わりや。ご苦労さん」
「‥ふぅ‥!お疲れさまです。カラスバさん」
毒々しいスーツ姿に眼鏡を着用するサビ組のボスカラスバと向き合う形で話をするのはMZ団リーダーのタウニーだ。
タウニーはホテルZの宣伝動画作成の為にサビ組から10万円を借金し、現在はその返済の一環として街の慈善活動に従事している。
数日前から始まった慈善活動は屋台でイタズラをする野生ポケモン退治から始まり運搬業、下水道の清掃など多岐にわたるがどれも法律上問題の無い仕事であった。
体力に自信のあったタウニーであったが、多くの肉体労働で疲労が積み重なり、彼女の顔にも強い疲労が見られる程に。
そんな彼女の姿を後ろから見ていた着流し衣装の青年タチバナとカラスバは労う様に声をかけた。
「タウニーちゃんよく頑張ったな」
「ようやるなぁタウニー。今回の働きから残りを差し引くと次で最後やな。中々仕事が早くて助かるわ」
「はい!頑張ります!」
タチバナの優しい声色に気持ちが高まったのか彼女の顔に自然と笑みが生まれる。それは頼れる兄の様に自身を導いた彼だからこそなのだろう。
隣に佇むカラスバはスマホロトムを取り出すと画面をタッチしながら借金返済分の働きが出来たのかをチェックしていた。
その動作を確認したタチバナはカラスバとタウニーを見たあとに言葉を紡いだ。
「今日も問題なしで何よりだ。さて、私は一足先に失礼する。供はいらないからな」
「承知しましたわ。帰りの道中お気をつけて」
タチバナが背を向けて立ち去るが、その後ろ姿が見えなくなるまでカラスバは深くお辞儀をしながら見送っていた。
タウニーはその光景を見て何も言えずにただ立ち尽くすのみ。
そしてタチバナの姿が見えなくなるとゆっくりと頭を上げてタウニーを一瞥すると彼女の目を見ながら言葉を発した。
「なんやタウニー?そんな目で見おってからに」
「あ、いえ!タチバナさんに対してその‥かなり丁寧なんだなって‥他の組員の方もかなり敬意を持って接してたし、ずっとそれが気になってたと言うか‥」
タウニーの借金返済に向けたサビ組の慈善活動全てにタチバナは立ち会っているのだが、同行するカラスバと組員はタチバナに礼儀を尽くしている。
彼の正体を知るサビ組の人間からすると礼節を尽くすのは当然であるがタウニーは当然知る由もない。
まるで彼を上司として、いや崇拝する神に畏敬の念を抱く様な態度に疑問を抱き続けているのだろう。
しかしここで彼の正体を明かす事は彼の望むものでは無い筈だ。何故なら彼は正体を隠して行動しているのだから。
その事に触れない様にカラスバは慎重に言葉を紡いでいく。
「‥まあ色々とあの方には誠意を尽くさなあかんからなぁ‥オレなりの仁義っちゅう奴や」
「へぇ‥そうなんですか。タチバナさんサビ組からも敬意を抱かれるなんて流石だし!‥けど何者なの?」
目を輝かせながらタチバナに尊敬の念を抱くタウニーだが彼女の純粋な疑問に答えると色々と追求されてしまいタチバナの正体に辿り着く可能性がある。
カラスバは彼女の疑問に反応せず、咄嗟に話題を変えようと口を動かした。
「せやタウニー。組‥‥タチバナさん何でミアレに来たか聞いてへんか?お前結構あの方と話すんやろ?」
「え?‥その、観光でミアレに来たって言うのは聞いたんですが詳しい事は‥‥あ!そうだ、確か探し人がいるみたいな事は聞きましたよ。」
話を逸らす為に始めた会話だが純粋な疑問がカラスバの脳内をよぎった。
そもそも何故彼がカントーから遠く離れたミアレに来たのか。彼は観光で来たと冗談を言っていたがやはり別の目的があったのだ。
もしかしたらその探し人の事を知れば彼の力になれるかもしれない。そう考えたカラスバはタウニーに追求する様に言葉を返した。
「探し人ぉ?何や随分けったいな話やな。目星とか付いとるんか?」
「うーん、それに関しては何とも‥‥女性という事は分かっているんですけど、その事をマチエールさんに依頼してないみたいだし、マチエールさんの話をした時や街の事をやけに懐かしがっていたし、何もわからないんですよね‥‥」
彼には探し人がいる。それが彼の言う
その事にも疑問を感じたカラスバだがそれよりもマチエールやミアレの街を見て懐かしがっていた事の方が気になりその事についてタウニーに追及した。
「ほぅ?そないな事が‥それよか今の話しやとマチエールさんとタチバナさんはお知り合いに聞こえはるがそこんともどうなんや?」
「さぁ‥でもマチエールさんはタチバナさんについて何も知らなかったみたいです。タチバナさんが一方的に知っている感じだったし。
マチエールさんからはタチバナさんについて色々と教えてほしいとか言われたけど‥‥」
うーんと額に手を当てて考え込むタウニーであったがカラスバも同様であった。
タウニーが考え込んでいる中、突如として彼女のポケットからスマホロトムが着信音を鳴らしながら飛び出す。
タウニーはカラスバに失礼します。と距離を取ると、通話を始めた。
「あ、マスカットさん?‥はい、暴走メガシンカですね。数は‥2体‥?前より少ないですね。すぐに向かいます!」
「すみませんカラスバさん!ちょっと用事が‥‥
お先に失礼します!」
「‥?おう、気ぃつけや」
タウニーは通話が終わるとカラスバに向き直り謝罪すると足早に退散する。かなり重要な用事なのだろう。
カラスバは困惑しながらも了承し、彼女を見送った。
そして現場にただ一人残されたカラスバは再び意識を向け直した。
それは何故彼がミアレに来たのか、そして探し人とは誰なのかを整理しながら思考に耽る。
(タウニーも忙しいやっちゃなぁ‥
せやけどもマチエールさんと組長さんは知り合いちゃうんか。それにしては妙やな。
マチエールさんや街の話をして懐かしがっていたっちゅうんはどう言う事や?あの方はカントーの人間の筈やろ。まさかカントー出身でなくミアレの生まれなんか?)
彼はカントーの人間だ。ミアレの街を見て懐かしがるという思いに至る訳がない。
彼がもしカタギ‥いわゆる表社会の人間ならば過去に訪れた観光地の思い出に耽るといった解釈も可能だが裏社会の王が易々と海外に来る訳がない。
それはつまり彼の故郷はミアレの可能性が高いという事に繋がる。
カラスバはそれを踏まえながらも彼が求める目当ての人間について更に考察を深めていく。
(あの時組長さんは目当ての人物を彼女言うてたな。つまりタウニーの言う探し人がその目当ての人物か?せやったらその女は何者や?組長さんの女か?はたまたあの方の子供か血縁関係者か‥)
先日彼と話をしたカラスバは以前からその言葉に引っ掛かりを覚えていた。彼が求める女性‥彼女という事から身内の人間である可能性が高い。
それは彼の愛人か、はたまた愛人との間で出来た子供つまりは血の繋がった家族か。
いずれにせよ大事な人間である事に変わりはない。それ程の人物ならばマチエールに依頼しないのは何か理由があるのかもしれない。
するとカラスバは以前マチエールからサビ組の情報網を使った依頼があった事が脳裏に浮かび、その事について思い返していた。
(以前マチエールさんにミアレの裏社会の情報網を活かして他の組織について探るような依頼に、ロケット団との関係について聞かれたんやが、まさかそれとも関係があるんかいな?
まさか‥‥ロケットチルドレンについての探りを?
組長さんはその筋の人間やと聞くが、それを探っとるんか?オレが幼少の時に世話になったあの親分さんもあのロケット団のボスや。これは奇妙な縁やな)
ロケットチルドレン
かのロケット団が推し進めた狂気そのものと呼べる計画。計画の被害者たる子供達は悪事の露呈を恐れた団員達によって計画に関する記憶を全て消去された。
ワビ組の組長はその被害者にして唯一の記憶保持者であると言われている。
カラスバも幼少の時にミアレに来ていたサカキに生きる知恵や裏社会の在り方を教えて貰った事があり組長とはある意味因縁があると言える。
つまりマチエールは独自にロケットチルドレンについての調査を行っている。ミアレに来たサカキによって攫われた孤児達がロケットチルドレンであったと踏んだのかも知れない。
その為サカキと関係が深いカラスバに接触を図ったのだろう。では組長の素性も知っている筈。
しかし彼女は彼についての素性を存じている訳ではない。一方でタチバナはマチエールの事を懐かしく見る程に想いに馳せていた。この事に引っ掛かりを覚えつつあるカラスバだが考えても答えが出ない為、その事は一度頭の片隅に置き、組長がミアレに来た本当の目的についてを考察していた。
(あの方は組長という立場を捨ててミアレに来た‥‥それはつまりあの方の過去に関係がある言うことやな。ロケットチルドレンという過去の清算‥散らばったかつての同志を探しに来たと見てとるか‥)
彼の探し人は各地に散った同志たるロケットチルドレンの捜索なのだろう。
ロケット団解散後にカントーにある各孤児院で記憶を消去されたロケットチルドレンの保護観察が行われたのだが情報が錯綜し、海外の地方に散ったロケットチルドレンがいると言う噂も流れた。
確固たる証拠が無く当時の警察も動くに動けない状況であったという。
そして現在裏社会を平定した彼こと組長がついに動いた。組長ではなくロケットチルドレンの被害者として同志を救うべく極秘裏に動いたのだ。
おそらく彼は同志を救い出したい思いよりもその強い孤独を埋める為に動いたのだろう。寂しさを紛らわす為に邁進した結果、彼は裏社会の王と呼ばれる程の力を持つ程の悲しき行動原理によって。
カラスバは組長に同情の念を寄せ、彼の凄惨な過去に胸を痛めていた。
(無理もあらへん。噂やとかなり凄惨な過去みたいやからな。心の奥底では同志を救いたい一心なんやろな
記憶を消されていないあの方だけが唯一その業を背負い続ける‥‥過酷な運命やでホンマに)
この世界に彼の苦しみを理解できる人間は誰一人いない。彼と同じ苦しみを共にした人間は記憶を失い、世間の風評被害に晒され彼のみが唯一その業を背負い続ける
誰も本当の彼の姿を見た事も無く、彼についての記憶を知るものは存在しない。言わば世界に奪われた孤独な男であると言える。
彼に対して悲痛とも呼べるその過去に表情が曇るカラスバであったがロケットチルドレンの彼に関して記憶する人間がいないという事実に何か繋がりがある事を確信したカラスバは一つの結論に辿り着こうとしていた。
(ん?待ちや、記憶が無い?つまりタチバナさんだけが一方的にそれを知るっちゅう事はまさか‥‥探し人はマチエールさん本人なんか?‥彼女を見て懐かしがった言うとったし、彼女も確か孤児‥‥身寄りもあらへん。つまりマチエールさんも━━
━━━ロケットチルドレンなんか?)
カラスバの脳裏に浮かんだ一つの結論
それこそ彼とマチエールの関係性に納得のいく一つの答えであった。
カラスバは彼とマチエールの関係性について更に深掘りを進めていく。
(せやったら彼女がタチバナさんを一方的に知らない事についても辻褄が合うなぁ。
マチエールさんは5年前にある探偵さんに拾われるまで孤児やった言うし、当時のフラダリさんなら彼女を保護した筈や‥
つまりロケットチルドレンとして教育を受けたが、実践投入する前に記憶を消され、何らかの事情でミアレに帰ってこれたと見るべきやな‥)
ミアレ一の名探偵マチエールがロケットチルドレンならばこれまでの矛盾点も解消される。
更に彼女の身体能力の高さもロケットチルドレンの肉体改造であるならば道理であると言える。
イクスパンションスーツというスーツの性能によるものだと聞いたがロケットチルドレンとして記憶を失った彼女を守る為に彼女の恩人ハンサムは嘘をついたのかも知れない。
過去のトラウマが甦り自身を傷つけない様に
だがその記憶も甦りつつあるのか組長である彼との接触を果たした。マチエールは己の過去と向き合う覚悟ができたと言うのだろうか。
(タチバナさんはマチエールさんのトラウマが甦らない様に遠目から守っているんやな‥カタギとして生きる彼女の邪魔をせん様に‥
あの時言うとった『
彼は彼女を見て懐かしく思いつつも自身の過去を打ち明ける事はしていない。それは闇の世界から解放され光の世界に生きる彼女を巻き込まんとする為に。
同志を求めて秘密裏に動いた組長であったが、彼女の人生の幸せを守る為に深入りは避けたのだ。
なんと言う慈悲深き男であるのか。
心の中では誰よりも自身を理解する人間を欲していたのに他人の幸せを優先する高潔さこそ彼の本当の魅力であると言えるのか。
(アカンな。裏社会の王の過去の詮索なんぞするもんちゃうがな。せやけどあの人の目的が分かればサビ組も先回りして動ける。今度マチエールさんに会うた時それとなく聞く必要があるやもな)
カラスバは眉間に皺を寄せて考え込む素振りを見せるとその場を後にした。
裏社会の王たる彼を手助けし借りを返す為だけでは無い。一人の人間として彼を支えようという思いに駆られたからだ。
だがカラスバは後に知る事になる。
マチエールと組長の関係はロケットチルドレンという偽りの同志としての繋がりでは無く血の通った本物の家族であるという事に‥‥
‥‥
‥‥‥‥
一方ワビ組組長ことタチバナ
タウニーがメガカケラ清掃活動をした日より三日が経過した。
彼女は最後の慈善活動を終えて借金の返済を完遂したのだが人助け活動や暴走メガシンカポケモンとの対応で無理がたかり体調を崩していた。
本来であればタウニーがこの場に赴く筈であったが彼女の姿は無い。
タウニーが赴いたであらうこの場には十数人のグループ。そしてそれらと向き合うクエーサー社の社長と側に寄り添う着流し衣装の青年がいた。
グループの先頭に立つ目の澄んだ男が抗議の声を上げるとクエーサー社社長ジェットは宥める様に言葉を紡ぐ。
「繰り返し申しあげますがご心配には及びません」
「なにか裏があるのではないですか!?
増え続けるワイルドゾーン‥‥‥
これが都市開発計画真の目的じゃないのか?」
目の澄んだニット帽の男はジェットに強い口調で不信感を露わにした。
ミアレシティに凶暴な野生ポケモンが集い、都市開発の一環として多くのワイルドゾーンを設置するクエーサー社に疑いの目を向けた市民団体ミアレを守る会の代表が社長に抗議したのだ。
今にも暴動に発展するかの様な不穏な空気にジェット社長の側を守る様に佇む着流し衣装の青年が代表の男の肩に手を置き声をかけた。
「おい、今の話もう一回言ってくれないか?」
「なんだと?
ボディガード風情が偉そうな事を言うな!」
着流し衣装の青年ことタチバナは代表の男に手を振り払われ、睨みつけられるなど現場は一触即発とも呼べる緊迫感が生まれた。
代表の男とタチバナは暫く睨み合うが、この緊迫した空気に新たな人物が二人現れる。
「あの二人は‥‥これは珍しいというか初めて見る組み合わせですね」
「確かに奇妙な組み合わせやんな クエーサー社の社長とそれに‥‥タチバナさんのお二人方か。何でこんな大人数に囲まれてはるんです?」
建物の影から現れたのはMZ団のキョウヤとサビ組のカラスバだ。
カラスバはタチバナに絡む代表の男を冷たく一瞥した後にジェットとタチバナに状況説明を依頼するが、その言葉に対して代表の男の後ろで佇むグループの一人の若い女性が声を上げた。
「街に野生ポケモンがやってくるのはクエーサーの仕業というがあるでしょ?だから社長を問いただしていたの!」
カラスバはホンマなんですか?とタチバナに目線を移すとタチバナはやれやれと言わんばかりに呆れた表情を浮かべながらカラスバに言葉を紡ぐ。
「タウニーちゃんの頼みでな。
彼女の代わりに私がジェット社長の身辺警護を任されたと言うわけだ。」
タチバナの正体は裏社会の王。
カラスバがボスを務めるサビ組よりも強大な組織ワビ組の組長だ。
そんな組長にまるで使いっ走りの様に仕事を依頼するタウニーに眩暈がする程の呆れや怒りが浮かぶがそれを隠す様に咳払いすると呟く様に言葉を発した。
「‥‥そないやったんですか。タチバナさんも大変ですなぁ‥全く勘弁せぇや」
カラスバの声に反応したのかミアレを守る会代表の男がキョウヤとカラスバの元まで近づくと威圧する様に声を荒げた。
「お前達こそなんだ?
おれらの正義のジャマをするんなら自慢のポケモンで追い払うぞ!」
「なにが正義やねん。勝手ゆうてからに
なぁキョウヤ 手伝おてくれへんか?オレ爆発しそうやねん。あの方に舐めた口叩いたアイツにな‥」
カラスバは余裕の笑みを浮かべているがその目には光が宿っておらず明らかに代表の男に対して静かな怒りとも言うべき感情を発露した。
カラスバの隣に佇むキョウヤもタチバナを馬鹿にする目の前に男を一瞥するとカラスバと同意見だと言わんばかりに言葉を紡ぐ。
「カラスバさん‥ええ!手伝いますよ。きっちり責任を取らせましょう!」
「言うやないか。お前はホンマにおもろいなぁ
さてお二人さん、今のうちに安全な所へ!」
求めていた答え以上の返答に気分を良くしたのか、キョウヤの評価を更に高めたカラスバはジェットとタチバナにこの場から離れる様に叫んだ。
タチバナとジェットは急いでその場から離れようと、歩を進めるが周りをミアレを守る会のグループに囲まれてしまいその場からの退避が難しい状況に陥る。
「さてアナタの相手は私たちよ。ボディガードさん?」
「‥‥あなた方に手をかけたくない。ここは引いてくれませんか?」
二人を包囲すると一番前にいた若い女性がボールを取り出してタチバナと対峙する様に挑発的な態度で言葉を発する。
タチバナは諭す様に声をかけ、包囲を止める様に懇願するがそれを見た女性は包囲された事に弱腰になったと勘違いしたのかタチバナに対して更に強い口調と態度で声を荒げる。
「へぇ‥言うじゃない?でも安心して。何も社長を手にかける訳ではないわ。私達の正義を示すだけ!」
女性の声に反応すると二人を囲うメンバー達もボールを取り出しまさに一方的な正義という名の暴力によって蹂躙される未来が思い浮かんだ。
ジェットは暗い表情を浮かべていたが側で佇むタチバナは全く怯まず余裕ある態度を崩さずにいた。
カラスバは裏社会の王の堂々たる姿を見て流石や。と言わんばかりに口角を上げるとタチバナに対して言葉を紡いでいく。
「面倒な事になったなぁ‥
せやけどしゃあないわ。ワビ組とサビ組の共同戦線と行きましょか?タチバナさん!」
「‥‥ああ」
裏社会最強組織ワビ組の組長たるタチバナとミアレの裏社会を牛耳るサビ組のボスカラスバによるワビサビ共同戦線。
ミアレの街の陰謀を巡り、二つの悪が手を取り正義を掲げる団体との小さな抗争が今始まろうとしていた。
(あのさぁ‥どうしてこうなった??
私は体調不良のタウニーちゃんに代わってある女性を守って欲しいって言われて来ただけだよ??
なのになんでカタギみたいなスジモンを相手取らなきゃならん訳?それに大人のお姉さんかと思ったら二回り以上も歳違うマダムだったんですけど?てか社長だし!)
(これやばくね?今回のタウニーちゃんの人助けってジェット社長の護衛だったとはね‥‥黒幕の警護とか笑えないんだが?)
体調を崩したタウニーの人助けをタチバナが請け負う事になり今に至るのだがこれには理由がある。
今回タウニーが体調を崩してしまい、ふらつきながらも人助けに行こうとした為、タチバナが無理は禁物とその役目を買って出たのだ。
まあタチバナはタウニーの人助けについて、大人のお姉さんをストーカーから守るみたいな感じで勝手に解釈しただけだが。
ちなみに裏社会の王をSP扱いするジェット社長にカラスバは気が気では無くカラスバの胃はこの後死ぬ。
無念也。
主人公(タチバナ)‥年下キラー。一応孤児院出身なのもあり年下を宥めるのもお手のもの。年下の女の子と接する時は基本下心皆無だし、割と誠で今回みたく年上ムーブをかますので数多の少女達の脳を焼き何人がその犠牲になった事か‥
タウニー‥タチバナに深い尊敬と感謝の念を抱き、異性としての好意というよりかは頼れる兄の様な想いを抱いているとか。つまり忠犬ポジ。タチバナに尻尾を振ることが増えた。
借金返済と人助けで無理がたかり体調を崩して、ジェットの身辺警護をタチバナに頼んだ。
カラスバ‥裏社会の王であるタチバナにめちゃくちゃ気を遣っておりかなり胃が痛い。まさかのワビ組組長との共同戦線に戦々恐々中。
キョウヤ‥やはりスジモン適正が高すぎる人。ゲームをプレイした一部の人間では出所したばかりの元囚人つまり主人公ならぬ囚人公説が唱えられていましたね
デウロ‥タウニーのやらかしにガチギレした。そりゃあ勝手に借金して、いなくなった挙句惚れた人に迷惑かけまくるタウニーに怒るのは当然ですよね。
マチエール‥カラスバにロケットチルドレンと思われた人。当然違います。これもサカキのせいなのです。
おまけ
ZA本編との相違点
・タチバナがサビ組の交渉で利子を取り下げたが元本の返済はサビ組の慈善活動での返済になった。
ゲームで言うとキョウヤがやった仕事をタウニーが請け負う事に。
※一部タウニーに出来ない力仕事などはキョウヤが請け負ったりもする。そこでキョウヤはカラスバからFことフラダリの話を聞いたり、カラスバはキョウヤの人間性に触れたりもした。
・タチバナがタウニーを説教し、今回の軽率な対応を戒めリーダーとしての自覚を促した。
→その為本編よりかは多少良識的になりつつある。
本当に多少です。
・タチバナがいる為サビ組が本編よりもMZ団に対して割と寛容。MZ団と懇意の裏社会の王がいるからね。事を構えるとサビ組滅亡待ったなしなのでかなり気を遣っている。
それはそれとしてカラスバはキョウヤの事を気に入り本編みたいな執着を見せる事もある。
・本編ではタウニーがジェット社長とミアレをまもる会と対峙する場面があるが体調を崩したタウニーに代わり今作では組長が一部引き受けている。
ちなみにカラスバはこの件で胃をかなり痛め、返済したタウニーにどう因縁つけるか悩んだとか。
そりゃ裏社会の王を一企業の社長のボディガードにさせるなんて正気じゃないっすよね。
・ちなみに女性主人公ことセイカであってもシナリオに大きな変化はない。ガイがタチバナに対して兄貴や兄さん!みたいな感じで接する感じになったりセイカを女性として紳士的に扱ったりする位。