ペルソナxPERSONA~Minds that Cross Time~   作:比例文

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「愚か者!ここは戦場だ!」

全員集合まであと少しです。


聖槍騎士との闘い

 扉を開けた先では、航空機を模した人型の機械のようなものが、槍を手にエルミンの制服を着た女生徒を追い詰めていた。

 機械の胸元部分には8の文字が刻まれている。

「くそっ……」

『クフハハハハ! まさか再び会えるとは! 運命に感謝せねばな……!』

 エルミンの生徒──ゆきのの体はボロボロで、機械の方はほとんど無傷。

 至る所にある攻撃の跡が激戦を物語っていた。

「意味のわからないこと言って……気色悪いんだよ、ロボットが……!」

『変わらぬ女よ。星を掴むも、一人で私に挑むも、貴様の夢も、全て無謀! 諦め地に這いつくばるが運命よ!』

「冗談じゃないね……人の夢まで笑いやがって。こんなところで、死んでたまるかぁ!」

『ふ、ペルソナも出せぬお前にはもう何も出来ん……これまでだ、この世から去ねぃ! 「させるか!」ぬぅ!?』

 槍を振るおうとした機械の言葉を遮るように克也が銃弾を浴びせて怯ませる。

「警察だ! そこの機械、銃刀法違反および殺人未遂の現行犯で逮捕する!」

「その人から離れなさい! ペルソナ<イシス>!」

【ガルダイン】! 

 銃撃とペルソナの風撃が機械を襲い、機械を吹き飛ばした。

「なんでここに居るのかわからないけど……相変わらず弱い者イジメが好きみたいね、ロンギヌス!」

 舞耶の言葉を受けながら、機械──ロンギヌス8が立ち上がる。

『来たか、フロイライン……しかしこの程度。我ら聖槍騎士団、対ペルソナ用の特殊装備で身を固めている事、忘れてはおるまい?』

「ロンギヌス……あれはX-1じゃないのか?」

「ええ。一応、パワードスーツ着てるドイツの人で……えっと、ラスト……ラスバ……オバタ……」

「ラストバタリオンか?」

「それそれ!」

「なんですか、それ」

「ラストバタリオン……最後の大隊。第二次世界大戦でヒトラーが演説で言及していたという、謎の軍隊だ。真のハーケンクロイツの日にユダヤを倒し世界を支配すると言われているが……」

 杏の質問に克也が答えると、ゆかりが怪訝な顔をする。

「なんでそんなものがここに?」

「僕もわからない。天野くん、もしや“向こう側”の敵か?」

「ええ。それが、みんながトンデモ本の内容を鵜呑みにしちゃってヒトラーが復活して、文字通りトンデモないことに……」

「えええええ……」

 道中で各員のこれまでの経緯や遭遇した異変について共有していたものの、舞耶の説明を受けて一同は噂の現実化というものの恐怖を改めて実感した。

『ふ、我らは今や<運命の教団>の親衛隊、聖槍騎士団ロンギヌス13! 教主JOKERの命により、貴様らを排除する!』

「みんな、疑問はいっぱいあるかもしれないけど後にして! まずはこいつをぶっ飛ばすわよ!」

「「「了解!」」」であります」

 舞耶の言葉に仲間たちが同調し、士気を上げる。

「天野くん、ぶっ飛ばすは流石に……とはいえ! まずは貴様の現逮だ!」

「周防刑事……」

 ツッコミながらなおボケる克也を、直斗が呆れた顔で見つめていた。

 

『【ガイスティブブリッツ】!』

 ロンギヌス8の槍から放たれた雷が舞耶達を穿った。

『話をしている場合か? 愚か者! ここは戦場だ!』

「か、体が痺れて……!」

『Gute Nacht……』

【ロンギヌスコピー】

 動きを止めたゆかりの身体をロンギヌス8の槍が突き刺す。

「ゆかりさん!」

「あ、あれ。何ともない……なら反撃! <イシス>! ……あれ?」

 傷も異常もない自分の体を認識してペルソナを呼び出そうとしたが、何も起きない。

「ペルソナが出ない!?」

「ゆかりちゃん、動けるわね? いったん下がって! 

 みんな、あの槍に刺されちゃダメよ! しばらくペルソナが使えなくなる!」

「致命的じゃん!」

「なるほど……似ていると思ったらそういう意図が……!」

 克也はゆかりをペルソナと銃撃でフォローし、舞耶と杏とともに距離を取らせた。

 直斗と克也とアイギスは接近する形で後衛組のカバーに入る

『距離をとっても無駄なことよ!』

【MG 34】! 

 ロンギヌス8のマシンガンが火を噴き、後衛たちを狙う。

「マシンガン撃ってきた!」

「ゆかりさん下がってください、私が盾になります!」

「よそ見をするな!」

 アイギスが盾になり、克也が発砲するが、銃弾はパワードスーツに阻まれる。

『そのような豆鉄砲が通じるものか!』

【マハアクエス】! 

「ちィ!」

「今よ、<アルテミス>!」

【クレセントミラー】! 

 水撃魔法で反撃される克也だが、そこに隙を見出した舞耶がロンギヌス8に一撃を叩き込む。

 怯んだ隙を突いて、克也が杏に目配せする。

「杏くん、アレをやるからタイミングを合わせてくれ!」

「アレ……了解です!」

【アギダイン】→【マハラギダイン】

「合体魔法……!」

【 灼 熱 獄 炎 】 ! 

『侮ったか……だが、お前は……く、ククク……!』

 合体魔法の強烈な火炎に包まれながらも、アイギスを見て嘲笑うロンギヌス。

「ゆかりさん曰く、こういう時はこう言えば良いそうですね。──『こっち見んな、ヘンタイ』」

「正解よ、アイギス」

「なんかよくわかんないんだけどさ……あたしのペルソナから伝言だよ、ロボット」

 そこに、ダメージから立ち直ったゆきのが怒りの表情を向けた。

「『気持ち悪いんだよ! とっとと闇に帰りやがれ、このストーカー野郎』!」

【マハジオダイン】! 

『もはや流れは止まらぬのだ……』

 その言葉と共に、ロンギヌス8は雷光の中に消えた

 

 激戦を終え、一同は肩で息をしながら思い思いに休み始めた

「ふーっ……」

「君、大丈夫か?」

「ああ……ありがとう、助かった。私は黛ゆきの。あんた達は……」

「黛ゆきのって……貴女、ユッキー!?」

「また舞耶さんの知り合い?」

「そうみたいね……」

 杏の言葉に、ゆかりが少し呆れ気味に頷いた

「ゆっき……? な、何、なんですか!?」

「しかし、あちらは天野さんを知らないようですが」

 直斗の指摘の通り、ゆきのは戸惑っているようだった。

「そんな! 私、私だよ! 貴女の相棒の天野舞耶! 舞耶ちゃん! マーヤ! 覚えてない!?」

「でも知らないものは知らないし……」

「ユッキー、私達の友情はどこに行ったの!? あの漫才の日々を思い出すのよユッキー!」

「まんざ……何言ってんですか、あんた」

 その様子を見て、何となく何かを察した克也が声をかける。

「落ち着け天野くん。……あー、黛ゆきのくん、君はエルミンの生徒だね。学年は?」

 警察手帳を見せつつ、克也がゆきのに聞いた。

「三年ですけど」

「外見も少し若く見えるし……彼女は天野くんと知り合う前の黛くんなのではないかな」

「なるほど、確かによく見ると……でもどうして」

 克也の囁きに、舞耶が頷いていると、部屋にあったもう一つの扉──出口の方から声が聞こえた。

「その疑問には我々がお答えします」

「その声は……」

「南条……と、これまた随分な大所帯だね」

 南条の背後にいる大勢のペルソナ使いを見て、ゆきのが苦笑する。

 そして、一行の中に舞耶と克也の姿を認めたパオフゥとうららが前に出てきた。

「とりあえずはタイムスリップって認識しとけ。細かい違いは後で話す。あんまり混乱させんなよ、天野」

「メンバーはもうほとんど揃ってるっぽいけどねー」

「嵯峨、芹沢くん……」

 

「あと居ないのは誰だ?」

「うちの仲間は暁……リーダーとモルガナって猫が」

「園村が居ないな」

「淳と……たっちゃんか? でも忘れたまんまの可能性もあるし……」

「我々のところは山岸が居ないな」

「リーダーの鳴上先輩と、クマって着ぐるみが居ないっすね」

 パオフゥの問いに、それぞれ竜司、尚也、栄吉、美鶴、完二がそれぞれ答える

 

「最後はそいつらか。電車で行ける場所はだいたい回ったはずだが……」

「東京がまだだな。多分そこだ」

「今までのパターンからして、居場所は縁のある学校かどこかだと思うのですが」

「ということは……」

 

「秀尽学園!」

 

 次の行き先が決まり、一同は休憩を終えて再び動き出した

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