ペルソナxPERSONA~Minds that Cross Time~ 作:比例文
この作品では潰れたライブハウスと設定しましたが、スマル・プリズンって何の建物だったんでしょう?
作戦会議①『新しい拠点と代表選び』
「チハヤがJOKERで、アキラのシャドウがその側近……余計に放っておけなくなったぞ」
偽暁と奏に明かされた衝撃的な真実に立ち尽くす一同の中、モルガナが独りごちた。
「……こりゃ、今すぐお話って雰囲気じゃなさそうだ。どこか落ち着けるところに行こうぜ」
茫然自失となっている暁と湊を見て、パオフゥが提案する。
「この大所帯を収容できる場所ですか……」
「それなら良いところがあるぜ」
そんな中で、栄吉が声をあげた。
──2000年、珠閒瑠市。
栄吉が案内したのは、ライブハウスのような場所だった。
「なんですか、ここ……」
「スマル・プリズン。潰れたライブハウスだ。誰も使ってないみたいだから俺たちの溜まり場にしてる」
乾の問いに栄吉が答える。
「けっこう広いんだな」
「だろ?あとは布団やら椅子やら持ってこねえと……」
「手分けして、色々必要そうなモン持って来ようぜ」
「ガキの頃作ったヒミツ基地みたいで、なんか楽しそうだな」
「みんな、理想の秘密基地を作るわよー!」
「「おー!」」
克也をはじめとする一部のメンバーが暁、湊、美鶴の3人のメンタルケアを行っている間
各々が拠点にさまざまな物資を持ち込んだり、破損箇所を修復するなどして、数時間後には立派な拠点が完成した。
「湊くん、桐条先輩……大丈夫ですか?」
「……ああ、大丈夫だ」
「私も問題はない。ずっと、覚悟はしていたつもりだったんだ」
「アキラ、辛いだろうけど腑抜けてる場合じゃねえ。チハヤとお前のシャドウを止めるんだ」
「……わかってる。今度こそ千早を助けるんだ」
風花とモルガナの問いに3人が応えたところを見て、パオフゥが改めてメンバーを見渡した。
「さて、拠点も出来たところで、今度こそ情報の共有と整理といきてえんだが」
「本当に惣治郎さんそっくりの声だ」
「でしょ!? やっぱ生き別れのキョーダイかなにか──」
「違うっつってんだろ!」
「うっわ、南条くんもエリーちゃんも若い!」
「ポニテのエリーちゃんもリボンの麻希ちゃんもショートのユッキーも、みんなかわいー!」
「おい、あれアイドルのりせちーじゃねえか!? ペルソナ使いだったのかよ!」
「それに探偵王子もいる!」
「芸能人のブラウンまで……」
「リサ・シルバーマンって、あのアイドルグループの人だよね!」
「モデルの桐島絵里子だ!」
「園村麻希……あの『楽園の扉』の作者か。ぜひ会いたいと思っていたんだ!」
「おお、触ってもアレルギーが出ない! 素晴らしいぞモルガナくん!」
「す、周防サン。次は俺にも……」
「離せ! ワガハイは男に触られる趣味はねえ!」
「そうだ、そこにあるじゃがりこを取ってくれないか」
「ちったぁ大人しくできねえのか、お前らは!」
ワイワイと騒ぐペルソナ使いたちと、それを一喝するパオフゥ。その様子を意外そうな顔で見ている杏や竜司のもとに、克也と完二のもとから逃げ出したモルガナがやってきた。
「どうしたんだ、アン殿?」
「……なんていうかさ、私たちよりもずっと大人だと思ってた人たちにもこういう時があったんだって思って」
「それな。南条とか芸能人のブラウンとか俺とは違う世界に生きてる世界の人間だと思ってたのに、学生の頃は俺たちと大して変わらなかったんだな」
しばらくの混乱の後、心の怪盗団のメンバーは部屋の端に集まっていた。
「……というわけで、あの人数じゃ話がまとまらないから時代やグループごとに代表と補佐を用意して話し合うことになった」
「一理ある」
「無関係そーな顔してるけど、場を引っ掻き回したのはお前も同じだからな?」
暁の言葉に頷く祐介に竜司が突っ込んだ。
「代表はやっぱりリーダー、暁だよな」
「俺は構わないけど……良いのか?」
「異議なし」
「私も。これは他のみんなも同じだと思うわ。あとは誰を補佐役にするかよね」
双葉と真に続くように、メンバーたちは頷いた。
「とりあえずリュージ、ユースケは除外だな」
「なんでだ!?」
「おイナリは変態、リュージは頭悪いからだろ?」
「別にやりたいわけではないが、俺のどこが変態だ」
「やりたかねえし頭悪いってのも認めるけど、そうストレートに言われると腹立つな……」
「まあまあ……それはともかく、誰かやりたい人はいる?」
モルガナと双葉の言葉に反発する竜司と祐介をなだめながら、真はほかのメンバーを見渡した。
「私はパス……書記とかそういうの苦手だし」
「パスオッケーなら私も外してくれ! 見知らぬ人と会議なんて無理だ!」
「アン殿とフタバは除外か。残りはワガハイとハルとマコトだけど……どうする、アキラ」
杏と双葉がそれぞれ辞退し、モルガナが暁を見返す。
「真に頼みたい。あとモナも猫状態でカバンに入って着いてきてくれ」
「任せて」
「了解だ。ハルも、それでいいか?」
「あ、うん……私よりマコちゃんの方が向いてそうだもんね」
「それじゃ、これで決定だな!」
春があいまいに笑い頷くのを確認して、モルガナがそう言って話を締めた。