ペルソナxPERSONA~Minds that Cross Time~   作:比例文

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いつもの小話に加えて、噂システムの例として小ネタを二つ掲載してます。
週明けまでにシステム導入希望者が多勢であれば実装予定です


小話④(ほぼ台本形式)

①『フィレモンとニャルラトホテプについて』

 

 竜司「結局、ヒレモンとナルラトなんたらってなんなんだ?」

 真「フィレモンとニャルラトホテプ、ね」

 双葉「ニャルラトホテプは知ってる。クトゥルフ神話のトリックスターで、無貌の神。創作の定番だ」

 達哉「奴はそう名乗っているに過ぎない。性質は似ているが違うものだ。普遍的無意識の負の部分、人間の無意識に潜む闇や影そのもの。それが奴だ」

 竜司「普遍的無意識ィ……?」

 モルガナ「リュージはもう話聞かないほうがいいと思うぞ」

 暁「昔、モルガナがそんなことを言っていたような気がするな」

 モルガナ「メメントスの時だな。あれはシブヤの人間の普遍的無意識の空間が……」

 竜司「だーッ! うるせえ! これ以上話をややこしくすんなって!」

 舞耶「わかりやすく言えば、あらゆるもののネガティブな部分を全部ひっくるめて一つにした存在」

 杏「つまり、シャドウの親玉みたいな感じ?」

 達哉「ああ。人のネガティブな側面にかかわるものであるなら、それは等しく奴の一部だ」

 克也「とはいえ、そう単純な話でもない。悔しいが、人が人として在るために、奴の存在は間違いなく必要なんだ」

 悠「どういうことです?」

 克也「例えば、憎悪や憤怒は一般的にネガティブな思考として扱われる。つまりニャルラトホテプの領域だ。仮に奴を人の心から除いてしまえば、何に対しても憎んだり怒ったりできなくなる」

 竜司「誰も憎まないのは良いことじゃねえの?」

 克也「例えば正義という概念は、何かに対する否定の心……怒りや憎しみがなければ成立しない。何も憎まず怒らないということは、どんなものも全て許容し素通ししてしまうことに等しいんだ」

 真「なるほど……」

 尚也「そんな大物だったんだ……危険なペルソナくらいの認識だった」

 達哉「そしてフィレモンは、ニャルラトホテプの真逆……普遍的無意識の正の部分、いわゆる光そのもの。だが、あいつの助力もそれほど期待しない方がいい。ニャルラトホテプとフィレモンは表裏一体の存在なんだ」

 双葉「ポジティブも行きすぎると大変ってことか……」

 悠「……」

 

②『狭い世界』

 

 真「あの、周防さん。新島という警察官をご存知ですか?」

 克也「どの新島さんかはわからないが、署に新島という人はいる。親しくさせてもらっているよ」

 達哉「知ってるのか」

 克也「ああ。最近、東京から珠閒瑠に赴任してきたんだ。娘が二人いて……」

 真「冴と真の二人姉妹、ですよね。私、妹の真です」

 克也「君が真ちゃん!?」

 真「はい。姉ともども子供の頃にお世話になったようで……」

 克也「待ってくれ、人違いという可能性は」

 真「カレーが好きな癖に辛いものが苦手、猫が好きな癖に猫アレルギー。見た目に反して趣味はお菓子作りで、よく私たちへのお土産に手作りのお菓子を持たせてくれた」

 達哉「間違いなく兄さんだな」

 克也「君が、あの真ちゃんとは少し妙な感覚だな。よく覚えていたね」

 真「達哉お兄ちゃんと克也お兄ちゃんのことを、お姉ちゃんはいつも嬉しそうに話してたんです」

 克也「達哉も一緒に居たのか!」

 真「はい。よく遊んでくれて、面白いお兄ちゃんだったと」

 克也「そうか……世の中は狭いものだな」

 

 双葉「パオじろーもそーじろーとなんか関係あるんじゃないか?」

 パオフゥ「ずっと気になってたんだがな、そのそーじろーってのは、もしかして佐倉惣治郎か?」

 双葉「言ってなかった?」

 パオフゥ「聞いてねえよ! で、そのその惣治郎ってのは今何してる?」

 双葉「へ? 四軒茶屋でルブランって喫茶店開いてる……ってパオじろー?」

 パオフゥ「お前ら、四軒茶屋に行くんだろ?俺もついて行くぜ」

 うらら「パオ、急にどうしたのさ。雰囲気変えちゃって」

 パオフゥ「狭い世の中だよ、まったく……」

 

③『ある女性の昔話』

 

ああ、これは昔の夢だ。十数年前、父があるところに赴任していたころ。二人のお兄ちゃんが私たちの面倒を見に来てくれていたのだ。

『せっかくの休みに、なんで子守りなんか』

『うだうだ言うんじゃない。お前は午前中だけでいいと言っただろう』

達哉お兄ちゃんはあまり乗り気ではなかったようで、克也お兄ちゃんに怒られていた。

 

『ううむ、困ったな……』

克也お兄ちゃんは勉強を見てくれたりしてくれたのだが、私たちがそれがつまらないとわがままを言ったのだ。

『そんな真面目なことばかりやって、子供が喜ぶもんか。……なあ冴ちゃん、芸人のブラウンって知ってるか?』

『うん!』

『よし。じゃあ、モノマネをしてやろう。よーく見ておけよ』

達哉お兄ちゃんの物まねを見て私たちが笑うと、達哉お兄ちゃんもまた微笑んだ。

 

『なんだ、大喜びじゃないか』

『大したもんだろ。モノマネなんてしばらくやってなかったから心配だったけど、なんとかなるもんだな』

 そんな達哉お兄ちゃんを、克也お兄ちゃんがどこか寂しそうに見ていたのが印象に残っていた。

『ああ……そうだな』

 

 父のいない一日はあっという間に過ぎて、気が付いたら夕方となっていた。

 

『む、そろそろ時間か』

『結局一日付き合ったな……』

『克也お兄ちゃんたち、もう帰っちゃうの?』

『ごめんね。でも、またすぐに遊びにくるよ。今度はケーキも持ってこよう』

『ほんと!?』

『もちろんだとも。なあ、達哉』

『仕方ないな……また新しいネタ仕入れてくるから、二人とも良い子で待ってるんだぞ』

『約束だよ!』

『ああ、約束だ』

 そう言って指切りをした後、克也お兄ちゃんは何かを思いついた顔をして。

 

『そうだ、最後にペルソナ様遊びをやらないか』

『ペルソナさま?』

『ああ。いつか君たちを助けてくれるかもしれない、おまじないだ』

そして、その日は最後にペルソナ様遊びをやって終わったのだ。

 

 ● ● ●

 

 夢から覚めて、新島冴はぐっと伸びをした。とてもよく眠れて、気分もいい。

「懐かしい夢を見たわね……克也お兄ちゃんに、達哉お兄ちゃん……元気にしているかしら」

 昔、しばらく珠閒瑠市に赴任することになった父についていった時、よく面倒を見てくれた二人だ。妹はもう家を出たようだが、妙に慌ただしく支度したような形跡がある。几帳面な妹にしては珍しい。それはそれとして今日は休日。特に予定も考えていなかったが、何をしようか。

 

 

④『噂:渋谷のゲームセンターにカジノコーナーができたらしい』

 

 暁「……」

 モルガナ「おい、ゲーセンの前で立ち止まってどうしたんだ?」

 暁「たしか噂が流れてた」

 モルガナ「噂? ああ、カジノになってるとかいう奴か。ナオヤとタツヤが必死に頼んでたけど、何の意味があるんだか」

 暁「入ろう」

 モルガナ「いやダメだろ! ワガハイたちに遊んでる時間なんて──」

 

――ゲームセンター内

 

 尚也「く、外した……!」

 達哉「ロイヤルストレートフラッシュだ」

 舞耶「ダブルアップチャンス! まだまだ行くわよー!」

 湊「…………また外れた」

 悠「よし、来い来い……」

 モルガナ「お前ら何やってんの!?」

 主人公ズ「「「「カジノ」」」」

 モルガナ「見りゃわかる! こんなことやってる場合かよ!?」

 暁「見ろ、モルガナ!」

 モルガナ「あー?景品がどうしたんだ?」

 暁「貴重なアイテムや装備品ばかりだ! 見たことないようなものまである!」

 モルガナ「もしかしてお前ら、それ目当てで?」

 尚也「各種石版が必要なんだよ。あと封神具も」

 達哉「強力な装備を集めるのにうってつけなんだ」

 舞耶「探索は他のみんなに任せてあるから問題ないわ!」

 モルガナ「問題しかねーよ!」

 湊「桐条先輩には呆れられたし」

 悠「陽介たちにも叱られたが」

 湊&悠「「ここは譲れない!」」

 暁「よし、俺も早速……」

 祐介「む、暁」

 暁「祐介、お前もここに居たのか」

 モルガナ「ユースケ……」

 尚也「封神具が欲しいんだってさ」

 暁「極貧なのにどうやってコインを…」

 悠「貸した」

 モルガナ「貸すなよ!」

 尚也「だって必死に地面に落ちたコイン拾い集めたり……」

 悠「店員に交渉してるの見てたら……」

 モルガナ「ユースケ、お前……」

 祐介「絵のモチーフにしたかった。手段はどうでもよかった。これから交換に行く」

 モルガナ「しかもめっちゃ勝ってやがる……」

 

⑤『噂:サトミタダシが全国展開を始めたらしい』

 

暁「サトミタダシ?」

尚也「いろいろ便利なものを売ってる、有名なドラッグストアチェーンなんだけど、知らない?」

暁「見たことないな……」

尚也「佐倉に頼んで全国展開の噂を流してもらったから、たぶんもう東京にもオープンしてるんじゃないかな。行ってみるといいよ」

 

(推奨BGM:サトミタダシのテーマ)

 

――サトミタダシ・渋谷支店

 

 暁「……と、言われて来たものの」

 杏「便利なものいっぱい売ってるって言ってたけど、なんでドラッグストアに宝玉や反魂香が……?」

 竜司「それにしても頭に残るな、このテーマソング」

 暁「尚也によると、頭良くて真面目な奴ほどハマるらしい」

 モルガナ「それじゃ、リュージは一生覚えらんねーな」

 竜司「なんだと!? こんなの楽勝じゃねえか、臨死体験仲間を助ける……」

 真「さっそく間違えてるじゃない。「瀕死大変仲間を助ける地返しの玉と反魂香♪」でしょ」

 杏「真……」

 春「マコちゃん、すごく楽しそう」

 真「なっ! 違うわよ、確かに覚えやすいし便利だし癖になるけど」

 暁「石化回復……」

 真「ディスストーン♪ ……はっ!」

 モルガナ「別に我慢しなくても良いんじゃないか?」

 

──サトミタダシ・ポロニアンモール支店

 美鶴「ヒットポイント回復するなら傷薬と宝玉で……」

 ゆかり「あの桐条先輩が何か楽しげに口ずさんでる……」

 南条「いかん、頭に残って離れん」

 乾「瀕死大変仲間を助ける……」

 アイギス「地返しの玉と反魂香♪」

 風花「楽しそうだね、アイギス」

 明彦「幻見たときゃパッチリGで暴れた時は鎮静剤。いつも戦うオイラの味方ァ、俺と兄貴のォ、俺と兄貴のォ、お薬屋さん」

 湊「コブシがきいてますね、先輩」

 明彦「この演歌風は気に入った」

 順平「複数バージョンあんのかよ……」

 

──サトミタダシ八十稲羽支店

 直斗「麻痺した時はディスパライズで……」

 雪子「病気を治すディスシック♪」

 千枝「雪子……」

 雪子「いい曲だよね、これ。気に入っちゃった」

 千枝「そ、そう。雪子がいいなら、いいんじゃない……?」

 直斗「いつも戦うみんなの味方、僕らの町の……うう、頭から離れない」

 悠「そういえば、ジュネスから見ればライバルになるのか?」

 陽介「扱ってる商品もだいぶ違うしなぁ。クマ、お前はさっきから何してんだ?」

 クマ「あの化け猫といいこのカエルといい……マスコット増えすぎてクマってばちょっぴりジェラシー」

 陽介「よそ様のマスコットに敵意向けんな!」

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