ペルソナxPERSONA~Minds that Cross Time~   作:比例文

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今回は長めの小話一本だけなのでタイトルつきでムッシュウ。

特に反対意見などもなかったので、「噂システム」を試験的に実装しようと思います。採用予定の噂は活動報告で報告、即採用な噂は前書きなどでその旨を記載する形で投稿していく予定です。


小話⑤:強力な武器を求めて(台本形式)

 達哉「さて、動き出す前に準備が要るな」

 悠「そういえば、みんなろくな装備がないね」

 尚也「御影町で武器が売ってたらしいけど」

 パオフゥ「あそこは品揃えが悪い。全員分は揃わねえぞ」

 

 達哉「……なら、この噂を流すしかないな。みんな、覚悟はいいか?」

 

 暁「は?」

 達哉「これも一つの試練だ」

 栄吉「おい……まさか」

 達哉「ああ……」

 栄吉「お、俺たちと舞耶姉さんは平気なんだよな?」

 達哉「だめだ、ここは<こちら側>だ」

 舞耶「イヤァァァァ!」

 

『噂:クレール・ド・リュンヌでとても質の良い武器を取り扱っているらしい。しかし……』

 

 悠「何の話だ?」

 達哉「言いにくいことなんだが……」

 

「「「「ゲテモノ料理食わないと売ってもらえない!?」」」」

 

『武器を購入するためには、特別な料理を食べなければならないらしい』

 

 達哉「そういうことだ……」

 陽介「じょ、冗談だろ……?」

 栄吉「冗談じゃねえんだ……俺も食ったからよ。今でも思い出せるぜ、ラーメンしらいし……」

 うらら「ラーメンしらいし?」

 克也「<こちら側>では武器など売っていないぞ」

 栄吉「え、マジで?」

 舞耶「つまりクレール・ド・リュンヌ一択なの……」

 リサ「あっ、舞耶ちゃん……」

 陽介「で、でもよ。ちゃんと食えるものではあるんだろ?」

 舞耶「そりゃそうだけど」

 陽介「なら問題ないですよ!」

 悠「言われてみれば確かに……」

 千枝「なんでこっちを見てるのかなー?」

 

 順平「いやよくねーよ問題アリアリだよ。そんな罰ゲームじみたこと、ほんとにやらなきゃなんねえの?」

 リサ「でも、一グループに一品とかなら、まだマシかも?」

 湊「生け贄は一人で済むか」

 尚也「生け贄ね……」

 ブラウン「ちょちょ、なんで俺を見るのかなー!?」

 舞耶「ささ、こうなったらヤケクソよ! 腹くくってレッツらゴー!」

 

 

 

 ──クレール・ド・リュンヌ

 

 ギャルソン副島「いらっしゃいませ。おや、今日はまた大勢ですね」

 雪子「フランス料理店……?」

 春「こんなところで武器なんて売ってるの?」

 舞耶「さて、武器を売ってほしいんだけど」

 ギャルソン副島「ふむ。初めてのお客様が多いご様子。それに見たところ、皆さま全員同じ武器というわけでもないようで」

 舞耶「そうね。そうなるわ」

 ギャルソン副島「こちらもありとあらゆる高品質な武器を取り揃えておりますが、揃えるだけの苦労に見合った対価がほしいと思うのもまた人情」

 舞耶「新商品を試食しろってこと?」

 ギャルソン副島「察しがよろしいですな、マドモアゼル。最低でも合計七人、男性と女性最低二人に一種類ずつ食べていただき意見を頂けると助かるのですが」

 舞耶「わかった、わかったわ……」

 うらら「マーヤ、何青い顔してんのさ。フランス料理食べて、武器も買える。願ったりかなったりじゃない」

 舞耶「じゃあうらら、代わりに食べてよ。私はもう嫌……」

 うらら「?」

 ギャルソン副島「それではこちら。事件中に既視感を覚え完成させたくさやスパゲティでございます」

 舞耶「みんな頑張ってね!」

 杏「あ、逃げた!」

 うらら「マーヤ、ちょっと!?」

 ギャルソン副島「もちろん、完食が条件でございますのでムッシュウ……」

 双葉「む、ムシュウ!」

 美鶴「新商品というのは、そのくさやスパゲティだけなのか?」

 ギャルソン副島「いいえ。このたび新味を取り入れようと、他にも幾つか案がございまして。これがそのリストでございます」

 栄吉「なんでフランス料理屋にラーメンやギョーザがあるんだよ!?」

 ギャルソン副島「謎の既視感を覚えたのでムッシュウ」

 リサ「あ、悪夢だわ……」

 完二「あのー、すんません。このムドオンカレーとアギダインカレーって……」

 ギャルソン副島「ええ、それもなんとなーく思いついたメニューでムッシュウ。とても創造的でしょう?」

 陽介「おい、これってまさか……」

 悠「…………深く追及するのはやめよう」

 湊「なぜフランス料理店に弁当があるんですか……!?」

 ギャルソン副島「戦場で食した弁当の味を急に思い出し、郷愁にかられ作った一品でございます」

 

 

 尚也「さて。生け贄を選ばないとな」

 千枝「生け贄って言った!」

 悠「どうやって決める?」

 暁「多数決でいいんじゃないか」

 湊「よし……」

「「待った!」」

 達哉「どうした?」

 ブラウン「それじゃあなんとなく展開読めちゃってつまんねーよなおりん!」

 順平「え、突っ込むところそこ?」

 マーク「それに、どこだって被害担当っつーか不幸担当っつーか……そういうの居るし、公平にジャンケンでいいだろ」

 尚也「でも俺はブラウンに頼む」

 ブラウン「お、俺様ァ!?」

 南条「ふむ……稲葉あたりにやらせると思ったが」

 マーク「うるせー南条。何ならお前がやるか?」

 南条「こういうのは柄ではないな」

 マーク「けっ。ま、俺が被害受けないなら別に良いか」

 ブラウン「おいおい、良くないってそれは! イジメじゃん!」

 尚也「ブラウンなら、一番場を沸かせるような素晴らしいリアクションを取ってくれると信じてる」

 ブラウン「か、勝手に信じられても困るんデスけどね……!? でもそう言われちゃみんなのアイドルとしちゃ応えないわけにもいかねーし……くそう! ヒキョーだぞなおりん!」

 マーク「……そういうイベントじゃねーぞ?」

 

 栄吉「ええい、このミッシェル様がやってやらぁ! アンコギョーザ一つ!」

 リサ「おお、潔い」

 淳「いや、これはミッシェルの作戦だ! 一種類ずつ選ばなくちゃいけないっていうことは、レパートリーの中でも比較的マシなものを先に選んだ方が有利なんだ!」

 栄吉「そういうことよ! でも淳とたっちゃん、あとギンコにもちゃんと分けるからな。一蓮たく……タク、シー?」

 達哉「一蓮托生、だな」

 リサ「うええ……」

 淳「まあ……仕方ないね」

 リサ「舞耶ちゃんは……逃げたまんまかぁ」

 

 うらら「そういう駆け引きもあるの!? じゃ、バナナチャーシュー一つ! バナナと別々に食べればイケるでしょ!」

 克也「芹沢くん、自ら志願を……!?」

 パオフゥ「やるじゃねえか、頑張れ芹沢。骨は拾ってやるぜ」

 うらら「げ、つい勢いで……!」

 

 ゆかり「なんか駆け引き始まってる!?」

 湊「急がないと……というわけで頼む、順平」

 乾「順当ですね」

 明彦「適任だな」

 湊「よし全会一致。決定」

 順平「だよなー、まあわかってた……なーんて言うと思ったか! ジャンケンだジャンケン!」

 

 悠「さて、頼むぞ陽す」

 陽介「待ったァ!」

 悠「……ん?」

 陽介「俺は完二を推薦する!」

 完二「お、俺ェ!?」

 陽介「いいだろ、後輩! 漢見せて来い!」

 完二「い、嫌ッスよ! どんなもんか知りませんけど、何が悲しくてゲテモノなんか……」

 悠「……こういう時は、恒例のアレだな」

 陽介「アレか……」

 完二「望むところッス……」

 陽介「でもよ相棒、それならお前とクマ、あと女子もやれよ」

 悠「…………」

 クマ「うぇ!? な、なぜにクマ!?」

 陽介「なぜに、じゃねえだろ! 不公平だろが!」

 千枝「ちょっと花村! あんた女の子に押し付ける気!?」

 陽介「うっせー! ゲテモノ食いに男も女もあるか! 俺は今日だけ性差廃絶主義者(フェミニスト)だー!」

 りせ「花村先輩がなんかムズカしい言葉使ってる!」

 雪子「すっごいヤケになってる……」

 直斗「そんなに嫌なんですか……?」

 

 陽介「さぁジャンケン負けてもアレよりはマシ……だと思うから観念しろ!」

 完二「すっごい不安!」

 陽介「とにかく、やるぞ!」

「「「「じゃーん、けーん!」」」」

 

 ● ● ●

 

 完二「いよっしゃあああ!」

 千枝「あんだけ言っといて一回目で一人負けって……」

 陽介「ちくしょー、ここぞという時ばっかり勝負弱い自分に腹が立つ!」

 クマ「諦めろい。ヨースケはそういう星のもとに生まれてるんだクマ」

 陽介「うるっせー!」

 湊「あれ? 俺の負け? こういうのって本来、順平の役回りじゃ……あれ?」

 順平「勝った、勝ったぜチドリン!」

 風花「リーダー……」

 乾「基本的に運の悪い人ですからね……」

 

 祐介「さて……どうする?」

 モルガナ「わ、ワガハイは無理だぞ! この見た目で飯なんか食えねーだろ!?」

 竜司「あ、ずりぃぞ! 猫に変わるなんて!」

 暁「竜司。お前ラーメン好きだったよな」

 竜司「好きだけどゲテモノ食う趣味はねえよ!」

 暁「祐介は?」

 祐介「いいぞ」

 竜司「そう聞いて頷く奴がいるかよ……陽介たちみたく、大人しくじゃんけんに……ン?」

 祐介「料金はそちらがもってくれるのだろう? ならば、俺が」

 竜司「……ほんとに、いいのか?」

 祐介「ああ。独創的で美味そうだ」

 モルガナ「なら、決定か?」

 暁「決定だな」

 

 麻希「でも、女の子の試食者も二人ほしいそうだけど……うららさんのほかは誰が食べる?」

 美鶴「くさやスパゲッティを一ついただこう」

 風花「桐条先輩!?」

 美鶴「みんな気が進まないのだろう? ならば私が」

 春「でも……大丈夫ですか? その、臭いとか……」

 美鶴「クサヤというのはいわゆる乳酸発酵した魚だろう? ブルーチーズと思えば特段問題はない」

 ゆかり「さ、さすがの風格……」

 

 祐介「アンコギョーザとバナナチャーシュー、アンコタンメン……あとイチゴタンメンと……いや、このメニューを一通り、各一つずつ頼む」

 ギャルソン副島「トレビアン!」

 陽介「これ食ったら本当に武器売ってくれるんだろうな……?」

 ギャルソン副島「もちろんでムシュウ。不躾な輩を締め出すためでもありますので」

 ブラウン「ゆ、祐介の野郎なかなかやるじゃねえか……俺様も負けてらんねー! 俺も同じやつ頼むぜ!」

 ギャルソン副島「これはまたトレビア~ン! とっておきの武器を用意しておきましょう!」

 陽介「無茶だろブラウン……あ、俺は……」

 ギャルソン副島「残ってるのはムドオンカレーとアギダインカレーとお弁当でムッシュウ」

 陽介「げぇ、遅すぎた! ならせめて弁当を頼む! カレーは絶対嫌だ!」

 りせ「だから」

 千枝「どういう意味?」

 湊「ムドオンカレー一つ……」

 悠「(勇者がいる……)」

 

 ● ● ●

 ブラウン「…………」

 栄吉「うぇっぷ……食った、食ったぜ……!」

 うらら「オトナの底力見たかこんにゃろー……!」

 美鶴「ふむ、意外な組み合わせだったが美味しかったな」

 湊「…………」

 風花「リーダー! 返事をしてください!リーダー!?」

 悠「呪殺無効でも防げなかったか……」

 陽介「うぷ……湊もブラウンの奴も無茶しやがって……」

 

 祐介「さすが芸人志望。堂に入ったリアクションだ。有里も本当に気絶しているように見えるぞ。それはさておき、おかわり」

 暁「えええ……」

 竜司「無敵か、こいつ……」

 ギャルソン副島「いやはや、ご協力をいただきありがとうございました。こちら、当店自慢の武器となっております。好きなものをお選びください」

 パオフゥ「こいつァすげえ。品ぞろえも品質も見事なもんだ」

 克也「後ろめたくはあるが……これで武器のアテはついたな」

 うらら「勝手にシメてんじゃないわよ男ども!」

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