ペルソナxPERSONA~Minds that Cross Time~   作:比例文

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JOKERミツオは構想段階では堂島さんや身近な人々を狙ったりとか色々暴れてたんですが、展開が冗長になるし菜々子とその周囲がお労しい事になったりするのでカット…次回の本編投稿は未定です(小話の投稿は思いつき次第で)


殺人鬼JOKER

 大人たちが再会を懐かしんでいたそのころ、八十稲羽市では。

 

「本当に大丈夫かよ……」

 不安そうに陽介が呟く。自称特別捜査隊の面々に克也を加えた一行はジュネスのフードコートで待機していた。

 

 きっかけは、悠のこんな提案だった。

 

 ● ● ●

 

「噂を使って、次の殺人鬼JOKERのターゲットを俺たちの中の誰かに変えられないか?」

「できると思うが……そのターゲットに誰がなるんだ?」

「もちろん俺が……」

「いや、お前さんじゃだめだ」

 言おうとした悠の言葉を、パオフゥが遮った。

「なんでですか?」

「聞いた話じゃ、お前さんは八十稲羽に来て一年も経ってないらしいじゃねえか。そんなどこの誰かもわからん奴が標的になったって話題性が無い。噂にしたいなら、ある程度名の通った奴のほうが良いんだよ。どっかで恨みなんか買ってるとなお良いな」

「たしかにそうかもしれませんけど。有名で恨みを買ってそうな奴なんて──」

 一同の視線がある一人に向いた。

「……え、何?」

 

 ● ● ●

 

「パソコンの時もそうですけど、パオフゥさん、なんでか花村先輩に絡みに来ますよね」

「何か目を付けられるようなことでもしたのか?」

「してないと思うんだけどなぁ」

「すまないな、うちの嵯峨が。僕が付いているから安心してほしい」

「ありがとうございます、克也さん……こういう時、おまわりさんが居るとほんと頼りになるなぁ……」

 感涙する陽介を見て、一同が苦笑した。

「『次のJOKERの標的はジュネスの花村陽介』って噂は流したけど、本当に来るのかな?」

「こんな人の多い場所だ。普通の人間なら絶対に標的にしないだろうが……」

 その瞬間。ぞくり、とその場の一同の背筋に悪寒が走った。

「な、なに……今の……」

「ペルソナが何か訴えてる……?」

「ペルソナの共鳴って、こういうことか……!?」

「花村くん、危ない!」

【ジオンガ】

 克也が陽介を突き飛ばすと、陽介の居た場所を雷撃が襲った。

「来やがった!」

「あれ、邪魔されちゃった。それに……どこかで見た顔がいるなァ」

 この中にいる誰でもない声。一同に緊張が走り、声の主のほうを向くと──克也以外の全員の顔が驚愕に染まる。

「嘘だろ……」

「お前が殺人鬼JOKER……?」

「ま、どうでもいいや。ひ、ヒャハハハ! これで最後の神様の生贄だ!」

 返り血に染まったぼろぼろの入院着を纏い、ナイフを持って狂ったように笑うその少年の名前は久保美津雄。かつて自称特別捜査隊と戦った少年だった。

「知っているのかね?」

「久保美津雄……かつて、マヨナカテレビの事件で模倣犯をしていた少年です。廃人のようになった姿で発見されて、精神病院に入院したと聞いていたのですが」

「神様は俺に教えてくれたんだ、この世界は間違ってるって! だから正しくしないといけないんだァ! ヒャハ……ヒャーハハハ!」

 直斗の答えとミツオの言葉、そして記憶の中のJOKERを照合し、克也は確信する。

「間違いない、彼がJOKERだ!」

「完全にイっちまってるぜ、こりゃ……」

「JOKERが取り付いているなら、ベルベットルームで剥がせるはず。なんとか気絶させるんだ!」

「みんな、気を付けて! こいつ、なんだか妙な気配がする!」

 恐怖を滲ませたりせの号令に従い、一同はミツオを包囲する。

「いでよ、僕の仲間たち!」

 ミツオの号令に従って、幽霊のような悪魔が4体現れる。

「なんだありゃ、シャドウか!?」

「ショゴスだ! 放っておくと自爆されるぞ!」

「自爆!?」

「こんなところで自爆なんかされたら大変だよ!」

「りせは全体の指示を! 俺と陽介、千枝と雪子でミツオを抑える! 完二、直斗、クマ、克也さんはなんとかショゴスを自爆させないように抑えてください!」

「「了解!」」

 悠の指示を受けて二手に分かれ、戦闘が始まった。

 

「僕が真の勇者だァ! <JOKER>!」

【べノンザッパー】! 

 ミツオの雄叫びに呼応するように、不気味な赤黒い龍のようなものの背中から真っ黒な剣士の上半身を生やした異形の像が浮かびあがり、相対する四人を含めた周囲一帯を毒を帯びた剣が切り裂く。

「ぐあっ!?」

「いってェ! こいつ、前より強くなってやがる!?」

「JOKER……前に僕たちが倒した時と姿が変わっている……みんな、油断するな!」

 ショゴスに応戦しながら克也が叫ぶ。

「とにかく今は回復を! <アマテラス>!」

【メディアラハン】! 

「雪子、助かった! 次はこっちの番だ……<イザナギ・改>!」

【ジオダイン】! 

「いっくぜえ、<スサノオ>!」

【ガルダイン】! 

「まだまだ行くよ、<スズカゴンゲン>!」

【ブフダイン】! 

 ミツオに向け、雪子の癒しの力で立ち直った悠、陽介、千枝のペルソナが繰り出す雷撃と疾風、氷結の魔法が直撃するが、ボロボロになったミツオはなおもJOKERを召喚する。

「神様の光だァ!」

【光子砲】! 

 JOKERの竜の部分の顎が開き、そこから光線が放たれる。

「うおお!?」

 

「苦戦しているか……白鐘くん、巽くん、クマくん! 少しの間ここを持たせてくれ!」

「わかりました! 頼むよ、<ヤマトタケル>!」

「よっしゃあ! やっちまうぜ、<ロクテンマオウ>!」

「まーかせんしゃーい! ゴーゴー<カムイ>!」

【メギドラオン】! 

【マハジオダイン】! 

【マハブフダイン】! 

『『『GYAAAAAA!!』』』

 直斗たちのペルソナによる魔法攻撃がショゴスを消し飛ばした隙に、克也は悠とアイコンタクトを取りながらその場を離れる。

「みんな、ミツオをこっちに引き付けるぞ!」

【五月雨切り】! 

「電波電波ァ!」

【オールドメイド】! 

「何も起こらない?」

「こけおどしか? 行くぜ、ペルソナ!」

【JOKER】! 

「なんだ!?」

 陽介がペルソナを呼び出すが本来のペルソナの代わりにJOKERが出現し、爆風を巻き起こして悠たちを吹き飛ばした。

「何すんのよ花村!」

「お、俺じゃねえよ! ペルソナが勝手に……ていうか、JOKER出してなかったか俺!?」

「オールドメイド、ババ抜き……そういう意味か!」

 ババ、つまりJOKERをおそらくランダムに他人へと憑依させる技だ。憑依された陽介がペルソナを発動したため、JOKERが発現したのだろう。

「勝手に他人に乗り移るって、そんなのあり!?」

「ヒャ―ハハハハハ! やっぱり僕は無敵だ! 無敵で最強の、正義の勇者なんだ! ヒャハハハ!」

「このイカれ野郎……!」

 嘲笑うミツオを睨みつける陽介。その裏で、悠が克也に目線で合図を送る。

「みんな、よく引き付けてくれたな。……行きたまえ、<ヒューペリオン>!」

 悠たちがミツオの注意を逸らしている間に死角へと移動していた克也がペルソナを呼び出す。

【トリプルダウン】! 

「うわぁぁ!?」

 放たれた銃弾はミツオの体勢を崩し、ダウンさせた。その隙を悠は見逃さない。

「センパイ! 今がチャンスだよ!」

「ああ! みんな行くぞ!」

 ショゴスを倒した三人も合流した全力の総攻撃により、ミツオはようやく沈黙した。

 

 

「ひ、必死でやっちまったけど……死んでないよな?」

 肩で息をしながら、陽介。倒れたミツオの容態を確認していた克也は首を縦に振った。

「大丈夫だ、気絶しているだけで息はある。あとはベルベットルームに連れて行って、JOKERを取り除けばいい。それで元に戻るはずだ」

「まさか殺人鬼の正体がミツオだったなんてな……」

「でも良かった、これで変な予言も成就しなくなるんだよね」

 千枝が安堵の息を漏らした、その瞬間だった。

「──そうはいかねえよ」

【アギダイン】

 無残な状況となったフードコートに何者かの声が響き、強烈な炎が倒れたミツオを包み込んだ。

「これで予言通り『JOKER』が十四人目の生贄を捧げたわけだ……ひ、ヒャハハハ!」

 ひっくり返ったテーブルや椅子など、戦闘の余波を受けたフードコートの外に、一人の男が立っていた。

「貴様、須藤!?」

 サングラスで両目を隠しているが、その声と見た目は忘れようがない。2000年の珠閒瑠市に現れた怪人JOKER、須藤竜也その人だった。

「須藤?」

「須藤竜也……僕たちの時代で、珠閒瑠市に現れた殺人鬼のJOKERだ」

「抜け殻のゴミクズの分際で勝手にあのお方の名前を名乗りやがって……てめェは灰も残さねえ!」

【アギダイン】! 

 須藤は克也たちの反応も意に介さず、憎悪に満ちた表情で焼け焦げたミツオの体を睨み吐き捨てると再び激しい炎を放ってミツオの体を焼き尽くした。

「ひ、ひどい……!」

「貴様ァ!」

 呆然とする自称特別捜査隊と怒りに立ち上がり須藤を睨んで銃を構える克也に構わず、須藤が続ける。

「俺と殺り合うのはお前らじゃねえし、お前らを殺すのも今じゃねえ。お仲間に伝えときな、『ネメシス』で待っていてやるってよォ……ヒャ、ヒャーハハハハハ!!」

「待て、須藤!」

 狂った高笑いを上げる須藤を克也が追おうとするが、その手は届かず須藤は黒いプラズマに包まれて消えていった。

「くっ……!」

「みんな、しっかりしろ! それにしてもネメシスって一体──」

 歯嚙みする克也と呆然とする仲間たちに活を入れる悠。その時、一同の携帯が鳴り響いた。確認すると、ベルベットルームのパソコンから送られたメールだった。

『大変なことになった! 急いで東京に来てくれ!』

 内容はその短い一文だけだったが、それだけに異変の程度が察せられた。

「何か起こったんだ」

「行こうぜ!」

 一同は頷き合い、東京へと向かった。

 

 ● ● ●

 

『これはJOKERが我が神に捧げる贄である。十四の贄を捧げてから五度目の春、呪われた仮面とともに三つの塔が現れるだろう。仮面に選ばれし女王は偽りの世界を永遠の夜に包み、救世主に選ばれし民は神の船に乗り新世界へと旅立つ』

 

 2017年の春。東京は氷に閉ざされ、渋谷にはおよそ都会に不釣り合いな三つの塔が出現していた。

「待ってるよ、湊」

 凍り付いた渋谷の真ん中で、少女が呟いた。




別に見なくても大丈夫なペルソナおよび敵ステータス

イザナギ・改(Lv62)
電撃・呪怨・呪殺無効、弱点なし
ジオダイン マハジオダイン
五月雨斬り マハラクカジャ
マハラクンダ マハタルカジャ

JOKERミツオ
ペルソナ:JOKER(JOKER最終形態の背中から、顔のない真っ黒の『勇者』の上半身が飛び出してるイメージ)
銃撃・火炎弱点、呪殺・呪怨・破魔・精神無効
メギドラ ガルーラ 
ブフーラ ジオンガ
マグナス マッドアサルト
べノンザッパー ディアラマ
サマリカーム ファイアブレス
光子砲 オールドメイド
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