イナズマイレブン〜サッカーと友情と恋と〜 作:Alice好き
俺がアイツのことを気にし始めたのはたぶん、あの時からだ。
いつも一人で登下校をして家の前でサッカーばっかりしていた。それでクラスで人気のあった円堂と気があいそうだとかサッカーは楽しいのかとか考えたこともあった。
あの時も一人でサッカーをしていたっけ。
「だから、サッカーしたいんだから、邪魔しないでよ」
「うるせぇ、玉蹴りなんかしないで、おとなしく言うこと聞けっての!」
…なにやってんだ?
そこには結構でかい、ランドセルを背負った男子二人と、サッカーボールを大事そうに持っている、同じく黄色のランドセルを背負っている女子がいた。
確かアイツ、隣にきた一個上のヤツだ。"ぎりのむすめ"になったとかいう…。えっと、ふうかっていったっけ。
「球蹴りじゃないもの。サッカーよ、サッカー!なに、お兄さん達知らないの?ダッサーイ」
…おい。なんでケンカ売ってんだ?アイツ、放っておいて欲しいんじゃないのか?
あんのじょう、男子達は「なめてんじゃねぇ」とか言い始めた…って、おい!
「あっぶねぇだろ、なに、女の子相手になぐろうとしてんだよ!」
「あぁ!?邪魔すんじゃねぇよ、クソガキ!女みてぇな顔しやがって、ぶっ殺されてぇのか!」
「誰が女だ‼︎」
「なんで守ろうとしたのよ」
「…」
「弱いのに。バカなの?」
「人が守ってやったのにそれはないだろう」
あれから数分後、俺はコイツの家にいた。
「…ありがとう、ね。ちょっと、困ってたから」
…へぇ、ちゃんとお礼言えるんじゃんか。って違う!
「なんで、からまれてたんだ?」
「…なんか、生意気だって言われたけど」
なるほど。ツンケンしてるからだ、そう見えて当然だ。
「お前、サッカー、好きなのか?」
「ふうか」
「へ?」
「名前。楓花ってちゃんと言ってくれないと答えない」
…生意気だな。でも、そっか。確かに"お前"は無かったな。
「楓花はサッカーが好きなのか?」
「うん、大好き。お日さま園でもやってたの」
「お日さま園?」
「前、いたところ」
…つまり、その頃からやってたから好きなのか。といっても最近来たばかりだけど。
「みんな、元気かなぁ?」
………。
「帰りたいか?」
「?ううん、ただ、もう一回会いたいなって」
「ふうん」
「ふうんって。自分から聞いといて、何その返事」
…確かになんで聞いたんだろう。ただ、スラスラと勝手に口が動いた。それだけだ。だって、コイツ、悲しそうな目をしてるから。
「なあ」
「?」
「俺と友達にならないか」
「友達?」
「あぁ」
「…別にいいけど」
「じゃあ、俺のこと、一郎太って呼んで」
「長いね、名前」
「友達からはいちくんって呼ばれてるぞ」
「じゃあ、いっちゃん」
「いっちゃんって…。別にいいけど」
「へへ、よろしくね、いっちゃん!」
そう言ってやっと笑顔になった楓花の顔をずっと見ていて気づいたんだ。もっと、もっと笑わせたいなって。
風丸くんの初恋。書かせていただきました!ありがとうございます!
楓花ちゃんはこの頃、慣れていない為にツンケンしているのです。いますよね、転校してきたばっかりの子が生意気っていじめられるの。風丸くんはヒーローみたいに登場しましたね。させたんですけど。
この頃からいっちゃんって呼ばれる風丸くん。小学2年生ぐらいをイメージしてます。結構、髪の毛が短くなってるといいなぁ。