イナズマイレブン〜サッカーと友情と恋と〜 作:Alice好き
ーーソイツが俺よりも放課後遅くまで練習していたのはずっと前から知っていた。
「まだ、練習しているのか」
知っていたにも関わらず"また"ではなく、"まだ"と言ったのはコイツー楓花に気づかせないためだが、なぜ、気づかせたくないのかは俺にもよくわからない。ただ、
「え。あっ、豪炎寺!」
俺もアイツらと同じでコイツの笑顔には弱いことぐらいだ。
ー楓花が笑うと辺りにひまわりが見えそうな気がするんだ。
確か風丸がそう言っていた。その意味は俺にも分かる。コイツのコレは学校中の男子生徒が結構惹き付かれるようで、この顔を見たいがためにグラウンドに人が来ることも少なくはない。壁山達がコイツの笑顔で癒されると言っているのも聞いたことがある。
「あ、もしかして一緒に帰ろうってお誘いにでも来たの?」
「いや、違うが」
「が?」
「遅くまで練習すると危ないぞ」
……いろいろと。
俺の言葉の意味を知ってか、楓花はクスリと笑う。
ーおい、本当に分かっているのか?
「フフッ、ありがと。それでときどき気にしててくれてたんだね?」
ーなぜバレたんだ?
どうやら楓花は鈍感でも天然でもないらしい。単なるフリのようだ。
「…別に」
「ふぅ〜ん、そ〜なんだ〜?」
「…いつから気づいていた」
「最初から」
どうやら本当にキレると怖いのは楓花らしい。
「今、失礼なこと、考えなかった?」
「…いや?」
「そっ、なら、いいけど」
どうやら見逃してくれたみたいだ。
「なぜそんなに練習する?お前はずいぶん上手いだろう」
これは俺がずっと気になっていたことだ。遅くまで練習する必要は特にないはずだ。しかも女であるはずのコイツが。もっと練習すべきなのは俺達の方だろう。
「ん〜、好きだからかなぁ」
「は?」
「好きだからもっともっと上手くなりたいの。円堂や豪炎寺達に負けないくらい」
…なるほど。それでときどきライバルだとか言っているのか。
「それに」
「?」
「それにホラ、女の子って試合とかに出れないじゃない?しかも女の子で豪炎寺達よりも力、弱いし。その分、豪炎寺達よりも練習頑張らなくちゃって思ってさ」
「そうか」
負けず嫌いでサッカー好き、天然に見えて以外と頭がキレる。こんなヤツだが風丸や女子はよく聞くと言う。<ヒロト、約束だよ>と<気づいてあげれなくてゴメン>と言うコイツの寝言を。約束とは迎えに行くとかいうやつだろう。そして、このことを知った俺達は女子陣には知らせていない約束をしている。
<絶対に楓花を悲しませない。俺達の中の一人でも、楓花が幸せというものにめぐり合うまで、ずっとそばにいてやること。そして抜け駆けは禁止>
…正直、最後のはいらないと思う。少なくとも俺には関係ない。
「ね、豪炎寺」
「ん?なんだ」
「豪炎寺ってさ、ときどき私達に隠れてなにか考えてるよね」
「そうか?」
「うん。今も。一郎太達と何か私に関して隠し事してるでしょう」
…本当に鋭いことばかりつくな。
「でもまっ、深くは聞かないよ。想像はつくしね。言ってくれるまで待ってる」
「そうか」
「うん、だからさ、豪炎寺も」
「ん?」
「待ってるからそれまで私達から離れないでよ。エイリア学園の時みたいに。もう、やだだよ、ああいうの。約束だよ?」
「…ああ」
ああ。約束する。それがお前の幸せのためになるのなら。そしてお前の、俺達の好きなサッカーも守ってみせる。
やっぱり豪炎寺はかっこいいですね。私の中では無口で、でも性格は熱血で約束ごとや責任を大事にする人はかっこいいと思います。
次は誰にしようかな。吹雪か鬼道か、円堂や不動なんかも捨てがたいですね。みなさんからのリクエストも聞きたいです。