イナズマイレブン〜サッカーと友情と恋と〜 作:Alice好き
FFIから5年。私は就職も進学もせずにそこらへんのカフェや本屋で働いていた。高校時代は帝国と合同合宿をしていたので佐久間や不動、源田と仲良くなっていた。あだ名や下の名前で呼ぶくらいには。
「で、学校帰りにわざわざ学校から、寮よりは遠いカフェに来た不動くんのお話ってなんですか?」
「美味いな。ここのアイスコーヒー」
話を聞け。
高校時代から髪を伸ばしている、明王の肩に触れそうなくらいの髪をいじってやりながら、私達は話をしていた。
突然の訪問に驚いたが、「終わるまでカフェにいる」というので、4時に仕事を終わらせた。そんな私に感謝もせずにアイスコーヒーの感想しか言わないとは何事だ。少しは変わったと思ったのに。
「ん、ちょっと、アンタの顔見たかっただけ」
「はひ⁉︎」
「…冗談」
あ…。最悪。
クックッと肩を振るわしながら笑う不動を恨めしく思う。
「あ〜、やっぱ明王ちゃん変わったわ」
「明王ちゃん言うのやめろって言ったよな」
マジギレしてないのがなによりの証拠だ。
「そりゃあ、俺人間ですし。人間というのは変わるんだっつーの」
「明王ちゃん、それ教えたの私」
「…感謝してます」
「よろしい」
まあ、そういう私だって変わったところはあるけど。ナルシストになったとか、コイツらと仲良くなったとか。
「明王ちゃん、進学するの?」
ガン
…シーン…。
…頭、ぶつけたよな。思いっきりテーブルに。
「それ、佐久間にも聞かれた」
「へぇ、そうなんだ」
「…俺さ」
「ん?」
「俺、イタリアに行く」
は?
「い、イタリア?だ、大丈夫?1人で行ける?ついてったげようか?」
「なぁ、アンタ俺のこと子供だと思ってるだろ。てか、つっこむとこ違うし」
う…。図星つくの、やっぱ上手いなぁ。明王ちゃんは。
「止めたりしねぇのか」
「してほしいの?」
「いや、違うけど」
「じゃあ、しないよ。明王ちゃんは私に言いたいことがあるわけじゃなさそうだし」
「…よく分かったねぇ。なるほど、そうやって風丸クンをフったの」
「言っとくけど、私もこれでヒロトにフられたからね」
「ふぅん」
あー、ムカつく顔するなぁ。
風丸やリュウジが私に恋愛感情を持っているのは知っていた。ただ、気づいても知らないフリをしていたらヒロトへの気持ちを裏切らないことになるんじゃないかと思ったから。だから、フられた後の私の卒業式に風丸に告らせてフった。最低だとは思ってる。でも、ああするしかなかったんだ。
「…佐久間達がアンタを止めると思うから言いたくないの?」
「俺、佐久間クン達に言ってないって言ったっけ?」
「アンタが私のとこに悩み事持ってくる時は、大抵佐久間達が絡んでるでしょうが」
「そうだっけか」
「そうだよ。…佐久間達は止めないと思うよ。逆にがんばれって言うんじゃない?」
「はん、そん時はそん時でお前らもなって言うわ」
素直じゃないなぁ。
その後、不動は私を家まで送って帰って行った。そして卒業式の次の日にイタリアに行った。もちろん、円堂や鬼道、私や佐久間達に見送られて。
不動くんの回でした〜。私の中では不動くんは、悩み事があっても自分の中で解決してばっかりの人で、友人ができた後はときどきは話すんじゃないかなぁという人です。要するにツンデレさんです。この話ではそんな印象を十分に出せたと思います。
楓花もだいぶ、設定通りになってきました。最初は素で鈍感に見えたので設定と違う!と感じたので、ここではそれもただの演技ということに。豪炎寺くんが頭が一番キレていて、怖いのは楓花ではないかと感づいた通りになれてよかったです。
さて、次回はバレンタイン番外編か、美花×葵になると思います。それまでお楽しみに!