ポケットモンスターZA もう一人の観光客   作:モフモフ毛玉

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vsスイセン

 

「行くよ!ライチュウ!」

 

少女はハイパーボールから、ライチュウを繰り出した。

しかしそのライチュウは尻尾をサーフボードの様にして浮いている…アローラでのみピカチュウが進化できるリージョンフォルム、アローラライチュウだ。

 

「フカマル、任せる」

 

「フカッ!…フカ???」

 

モンスターボールから出て来たフカマルは、相手であるアローラライチュウを見て、今一度、グレイに確認する様に振り向く

 

自分が、アレとやるんですか?と小さい手をパタパタさせ主張する。

 

「…そうなる、というか…勝つ見込みが低い、足掻くだけ頑張るから、フカマルもお願い」

 

「…フカァ…」

 

グレイのその言葉に、フカマルも諦め、改めてアローラライチュウに対峙する。

 

「先手は譲るわ」

 

「なら遠慮なく…の前に」

 

グレイはスマホロトムで、フカマルが何の技を使えるかを確認する。

 

フカマル♂

レベル20

すなじごく

たいあたり

じならし

りゅうのいぶき

 

「…うん、ギリギリ抗えそう」

 

「そろそろ動いて貰える?」

 

律儀に待つ少女を見つめ返し、グレイはフカマルに指示を出す

 

「フカマル、すなじごく」

 

「ライチュウ、なみのりで突破して」

 

ライチュウの足元に砂が集まると強風が巻き起こり砂嵐となってライチュウを逃さない檻となる

 

しかし、ライチュウはすなじごくの中でも慌てず、その尻尾をサーフボードにして高く浮き上がる。

するとライチュウの浮いている場所に水が集まり始め、それは大きな津波の様な波となって、すなあらしを掻き消しながらフカマルへと迫る

 

「フカッ!?」

 

フカマルにはどうする事も出来ず、その津波の様な波に飲み込まれた

 

波が無くなれば、そこには目を回すフカマルが居た

 

「……一撃…まぁ仕方ないか」

 

フカマルをボールに戻し、賞金を渡そうとするも、少女が止める

 

「いいえ、まだ二匹いるでしょ?勝負は終わってないわ!」

 

「コイキングとラルトスだよ?勝てる見込みがない」

 

「そんなのやってみなくちゃ分からないでしょ!?」

 

そう食ってかかる少女に、グレイは頭を抑えて溜め息を吐く

 

「挑戦と無謀は違うんだよ…はぁぁ…」

 

「今回はあんたの負けだけど、あんたは絶対にあたしよりも優れているわ

 だって、あたしの直感がそう告げてるもの!」

 

そう言って胸を張り笑う少女に、グレイは面倒な相手だと判断した

 

「…優れてる、ねぇ」

 

「ええ!認めなさい、自分の才能と実力を!あんたが本気になるまで、絶対に逃がさないから!」

 

そう言ってグイグイと近寄る少女に、グレイは後退りした。その時

 

「ちょっとアンタ!見てたわよ!無理やり勝負をさせてたでしょ!」

 

スピアーを連れた少女が、怒りを露わにしながら、真っ黒コーデの少女に迫る

 

「あんた、そこそこの実力者でしょ!?それなのに今の勝負の仕方は何!?強引に勝負させて、フカマルを一撃で倒しておいて、まだ勝負させるつもり!?」

 

「部外者は引っ込んでなさいよ!あたしはあんたに用はないの!」

 

ギャーギャーと言い合いになっているのを見たグレイは、丁度いいとその場を離脱した

 

「部外者ですって…?あんな弱い者虐めみたいな勝負をするあんたに言われたくないわ!ランス!あのライチュウにミサイルばりよ!」

 

「スピッ!」

 

「やろうっての!?受けて立ってやるわよ!ライチュウ、十万ボルト!」

 

「ラァイ…」

 

ランスと呼ばれたスピアーの放つミサイルばりと、思う所はある様子のアローラライチュウの十万ボルトが衝突した。

 

技のぶつかり合いによる爆発音を聞きながら、そそくさとグレイはその場を離れる

 

「…ダメだ迷った」

 

肝心のスマホロトムはロトムが寝ている為に使用不可、ミアレシティの地図なんて持ってる訳もなく、途方に暮れる

 

「おや、そこの君、もしかして道に迷いましたか?」

 

途方に暮れていると、黒色のインバネスコートに身を包み、左目に片眼鏡を付けたシャンデラを連れた男性が心配そうに話しかけて来た。

 

「えぇ、ミアレシティに来て2日目ですけど迷いました」

 

「おやおや…行き先はどこですか?」

 

「ホテルZですね…」

 

「それならこの道を真っ直ぐ歩いて、突き当たりを右に歩いて行けば、露店とポケモンセンターが見えて来るはずです。その近くにホテルZがありますよ」

 

「ありがとうございます」

 

グレイはそう言って男性に頭を下げた。

 

「いえいえ、紳士として当然の事をしたまでです。それではお気を付けて」

 

そう言って男性とシャンデラに見送られながら、グレイはホテルZへと歩いて行った。

 

 

そして、その頃…戦っていた二人の少女はと言うと…

 

「あんた、中々やるわね…ジジーロンまで出されると思ってなかったわ…」

 

「そっちこそ…私の自慢の虫ポケモンをここまで追い詰めるとは思ってなかったわ」

 

お互いに息を切らした少女達はポケモンをボールに戻すと、握手した。

 

「良い勝負だったわ!」

 

「ええ、あなたもね…良ければ名前をお聞きしても?」

 

「あたしはスイセン!」

 

「スイセン…良い名前ですね、私はリアと申します…こちらはランス、私の相棒です」

 

そして、二人は発端となったグレイが居ない事に気付く

 

「…あれ、そう言えば…あの人は何処に?」

 

「…どさくさに紛れて逃げたわね…逃がさないわよ…」

 

リアとスイセンは何処かへ行ったグレイを探す事にした。

 

 

 

「……謎の寒気が…イヤだなぁ…」

 

そして捜索されているグレイは

 

「…夜は冷えますからね…では改めて、何故90万以上の大金を持ちながらも旅行カバンの中に大量のきんのたま、しんじゅが入っているんですか?

それにこの大量のモンスターボール、ポケモンを密輸しようとしてはいませんか?」

 

「きんのたまやしんじゅは旅先で路銀が尽きた時の念の為の換金用ですよ…念の為の…

モンスターボールはポケモン捕まえるの下手くそなんで…数があれば当たるだろうと…ノーコンなんですけど」

 

結局迷って、職質を受けていた。

 

 

 

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