なんかすごい事になったなぁ…(他人事)
職質が無事に終わった後、グレイはホテルZへと戻ろうとしたが…
「…じー…」
「じぃぃ…」
「こんばんは!貴方が岩を壊したと言うトレーナーですか!?」
後ろにはストーカー(スイセン)とストーカーの見張り(リア)
正面からはムキムキマッチョ爽やかイケメンが大手を振って走って来る
前門のマッスル、後門の女子二名。
「ラルトス、テレポートって使える?」
「ラル?」
もぐもぐオレンのみを食べてるラルトスに、グレイはそう問いかけるも、ラルトスは覚えていないので首を振って答えた
「それじゃあ、一回ボールに仕舞うよ。ああいうのは面倒だし」
ズンズンと迫る爽やかイケメン…シローを見てグレイはすぐ側にある足場アスレチックに手をかけた。
「よっ」
「「えぇ!?」」
鉄パイプと足場を組んであるとは言え、普通に登ろうとすれば足場がある場所から登るだろう
しかし、グレイは違う
鉄パイプに足をかけ、そのまま勢い良く飛び上がるとすぐ上の手すりになっている鉄パイプに手をかけ、ひょいひょいと足場を使わずに身軽に登って行き、あっという間に屋上へと辿り着く
「なんと!?その身のこなし…貴方、何かの武術を学んでいましたね!?」
その姿を見てシローは感激した様に目を輝かせる
「貴方は重量的に無理ですね、貴方が剛なら僕は柔なので」
それでは、と屋上をかけて行くグレイをシローは興味があればジャスティス道場に来て下さい!と大声で勧誘し
「…あ!逃げられたぁぁ!」
「…というか岩を砕いたって何…?もしかしてあのポケモンの技でしか壊せない岩を砕いたの…?あの細さで…??」
スイセンは逃げられた事を悔しがり、リアはあの身なりで岩を砕いたという噂を鵜呑みにしてフリーズする。
そして、屋上を駆けるグレイは屋上に居る野生ポケモン達の間を縫う様に移動して行く
「キキッ!?」
「カゲッ!?」
「ポッ!?」
「ピィィ!!」
しかしそんなグレイに巻き込まれる野生ポケモン達は違う
ゴースはガスが漂う自分の真横を通り過ぎて走って行くグレイに驚き
寝ていたピジョンは起こされてブチギレて襲いかかるも吹っ飛ばされ
カゲボウズ達は驚かそうと前に現れるも、スライディングで避けられる
ミアレシティの屋上は夜の静けさに比べて騒がしかった。
あるポケモンはキレて、あるポケモンは興味が湧いて
そんな野生のポケモンに追いかけられているグレイはズタボロだった。
何せ野生ポケモン達からの技の嵐である、被弾しまくりな為にズボンはズタズタ、シャツも引き裂かれたりでボロボロだ。
初日から着ていた服は完全に限界だった
「流石にもう無理か…何処かに降りて買いに行かないとなぁ…」
しかし、走る先には人影が居た。
「そこの君!ちょっと止まっ……ヒャァァァ!?」
人影はマチエールだった。しかし即座に顔を覆う…がそれでも行き先が分かるように指の隙間から覗いているが
しかし、マチエールからすればズタボロな服装で肌が見え隠れする男がこちらに全力で走って来るという絵面だ。
顔を覆いたくもなる。
「すいません露出狂とかではないので!」
通り過ぎる際、グレイは念の為にそう言っておく
そして、やっと野生のポケモン達を撒いたグレイは屋上から飛び降り、ブティックに辿り着く。
「いらっしゃいま……ヒャッ!?お、おおお、お客様!?」
店員は顔を真っ赤にして顔を隠す
「すいませんホントすいません…野生ポケモンにこんな簡単に服ズタボロにされるなんて思ってなかったんですよ…」
そう言って黒いシャツとTシャツのセットと黒のスキニーパンツセットに着替えて代金を払って店を出て行った。
「お腹が空いたし何処かに寄ろうかな…」
グゥゥと鳴る腹をさすって、グレイは夜のミアレシティに消えて行った。
数日の間、ミアレシティの住民達にこんな噂が流行った
曰く、野生のポケモンを引き連れて襲いかかるトレーナーが居る…とか
露出狂が屋上の上を走り回っていた…とか
そんな噂を聞いたグレイは
「…嘘の噂話だとしても…酷くない?」
…と、言ったという。