バカとテストと召喚獣 solitary breakers 作:KA2
「吉井、姫路ペア、始め!」
僕と姫路さんのペアが訓練を開始する。
手始めに現れたのは自立思考型召喚獣の大群。
でもこいつらは一体ごとが弱いから、僕の操作テクならなんてことはない相手だ。
問題は……。
「……っ! 危ない!」
咄嗟に召喚獣を屈ませると頭上を銃弾が飛んでいく。
僕だけを狙うスナイパーが遠くに確認できた。
あれを放置していてはまともに戦えない。
撃破しに行くべきだろう。
そのスナイパーがいるほうへ向かうと、目の前に何体かアサルトライフルを持った召喚獣が現れる。
僕は狙われる前にそのうちの一体に向かって走り、腕に掴みかかった。
慌てた敵は銃を乱射するが、それが周囲の召喚獣に被害を出す。
「えい!」
敵が射撃にひるんだ隙に姫路さんが残った敵を片付けてくれた。
あとはあのスナイパーだけだ。
「おりゃああ!」
スナイパーに向かって掴んでいた召喚獣を投げつける。
これで相手の視界は封じた。
一気に突っ込んで、投げ飛ばした召喚獣ともつれ合っている敵を切り伏せた。
すると次は何機かの戦闘機が出現する。
でももう少しで一分だ。
逃げ切るぐらいは(ザクッ!)━━
「すみません、手が滑っちゃいました」
僕たちの戦いはまだまだこれからだ。
☆
「ふぅ~、なんとか終わったよ」
あれから何度か挑戦して、やっと一分間生き延びることができた。
いろいろな手段で攻撃されたけど、一番厄介だったのは姫路さんの不意打ちだった。
「ワシもムッツリーニと組んでなんとかクリアできたわい」
「…………あれぐらいは余裕」
「あれ? ムッツリーニ、いつの間に来たの?」
「…………ついさっき」
「それまでは校舎に残ってたんだよね。何してたの?」
「…………準備」
「オーケー、なんの準備かは敢えて聞かないよ。その代わり今回は安くしてよね」
他にも、雄二もなんとか霧島さんから逃げ切ってクリアしたようだ。
来なかったFクラスのみんなはきっと、このあと鉄人の補習を受けることになるだろう。
「それでは教室に戻って自習だ」
召喚獣の操作訓練が終わって、僕らは自習をすべく教室へ向かった。
☆
「さてと、自習も終わったし、20時まで何しようか?」
「幸い鉄人はいねえんだ。ゲームでもしようぜ」
「そうだね。じゃあDSPのモンスターバスターでもやろうか」
「モンバスだな。秀吉とムッツリーニも呼んでくる」
雄二が秀吉とムッツリーニを呼んできて、僕らはひと狩り行くことにした。
「よし、行こうか」
「待った明久。スマンが回復薬を忘れたから分けてくれ」
「ええ!? しょうがないなあ。ハイ」
「すまぬ明久。わしは砥石を忘れてしもうた」
「秀吉も? ほんとに仕方がないなあ」
「しまった。防具も忘れちまった。明久、分けてくれ」
「分けられるか! 防具忘れるってもはやわざとだろ!」
「…………明久、武器を忘れた」
「それはそもそも装備から外せないからね!? みんな真面目に狩りに行く気無いでしょ!?」
「取り敢えず行くこうぜ、四人ならすぐに片付くだろ」
「……そうだね、いくら防具無しのバカがいるからって四人なら余裕だよね」
「そろそろモンスターがいるエリアに着くぞ」
僕ら四人は討伐対象のドラゴンがいるエリアにたどり着いた。
「今回のは随分と手ごわそうだね……! でも僕ら四人が力を合わせれば!」
ブシュー(←モドリ玉を使う音)
ブシュー(←モドリ玉を使う音)
ブシュー(←モドリ玉を使う音)
ブシュー(←モドリ玉を使う音)
「雄二、なに真っ先に逃げ出してるんだよ!」
「てめえこそ! しっかり戦いやがれ!」
モンスターそっちのけで雄二とのリアルファイトに突入する。
「アンタら、なにやってんの?」
すると美波と姫路さんが僕らの近くに来て美波が尋ねた。
「ちょっとDSPのゲームをやってるんだ」
「……最近のゲームはプレイヤー同士が殴り合うの?」
「そんなわけ無いだろ。明久が真面目にやらないからだ」
「雄二に言われたくないよ!」
「どんなゲームなんですか?」
姫路さんも少し興味があるらしく、僕らはゲーム内容について説明してみた。
「へぇ~。なかなか面白そうね」
「ちょっと残酷な気もしますけど、ゲームですからね」
「二人共、試しにやってみる?」
僕が誘ってみると、二人共せっかくだからとやってみることにしたようだ。
「それではひとつはわしが貸そう。わしのキャラは作るときに無理やり女にされてしまったからのう」
「…………これを使うといい」
女の子のキャラを作成していた秀吉のを美波に、同じく別に女の子のキャラを作っていたムッツリーニのを姫路さんに貸していた。
その後、二人に詳しい操作方法などを教えて僕らはモンスターの討伐に向かう。
「なんだか召喚獣みたいね」
「そうですね、武器も似ていますし」
美波は太刀、姫路さんは大剣を選んだ。
「ってあれ? 姫路さん、防具は?」
「あっ、よくわからなくて……。着てくるのを忘れちゃったみたいです」
「…………!? (ブワッ)」
「ムッツリーニィィィィ!!!」
姫路さん(のキャラ)のインナー姿を見たムッツリーニは、ゲームで討伐されたモンスターよりもグロテスクな姿になっていた。
それにしてもゲームのキャラぐらいでここまでなんて、やっぱりものすごく純情なんだね……