魔法科高校の流転者達-夢と現を見定める破壊神-   作:黒乃 柳

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タグ編集しなければと思いながらも正直作者の低スペックなお脳では上手く纏められそうにありません(苦笑)
今回はサブタイトルにあるように黒乃悠を中心とした話の流れです、入学編では名前が出て来ない筈の人物の名前も出て来ますが予めご了承下さいm(_ _)m




[にゃはは☆ほらほら、学生の領分は良く食べ、良く学ぶ事にゃよー?喧嘩はナッシングパパ28歳〜☆]

 

明らかにその場の険悪な空気をぶち壊す存在感を纏った白衣の男、その奇抜な言い回しに一科生は疎か二科生も仲良くフリーズしていた

 

[な、何なんだよあンたは…!]

 

だが直ぐに我に返った一科生は男の発言に怒りを隠せず詰め寄る…が、飄々とした男はその性格とは裏腹に全く無駄の無い動きで背後に回り込んでいた

 

(速ッ…!?)

 

(速いな…然も全く無駄が無い)

 

此の場に居合わせた武術の心得がある千葉エリカと司波達也はその動きを眼で追うのがやっと、他は何時の間に背後に立っていたのか解らないといった様に眼を白黒させている

 

[にゃふん…先生にそンな口を聞く悪い口は此れかにゃー?]

 

左右に頬を引っ張り次いでに脚かっくんを繰り出す自称教師の男…だが此の場に居合わせた二科生組ははっとした様に男を見る

 

[えー…っと、もしかして今年度から1年の二科生授業を受け持つ特別講師って…]

 

入学式の後、3年から1年の二科生全員に渡された資料の中には急遽指導教員を増やす旨とそれに伴い一科生と何ら遜色無く授業を行うという驚愕の一言に尽きる情報が書かれていた

 

無論、一科生や2、3年の二科生にとっては何かの冗談だろう…と半信半疑な者達も居たが入学式に全生徒の眼を引いた黒乃那岐(くろのなぎ)という女教師の存在が其れを否定していた

 

 

射干玉の如き美しい長髪に胸元を強調する乳房、括れた腰に年頃の男を誘惑為るような美脚…女として所謂美人の類ではあるが彼女から発せられた言葉が全校生徒に衝撃を与えたからだ

 

{本日から2年E組の担任を兼任しつつ2年二科生全体の指導教官役を受け持つ特別講師、黒乃那岐です、私(わたくし)の他に1年E組の担任を兼任しつつ1年二科生を受け持つドブ男が居ますが私とは血の繋がり以外は何も有りませんので皆さんもそのつもりで…もし忘れたら…_____しますからね♪}

 

…入学式早々にエキセントリックな挨拶に度肝を抜かれた生徒も多かったのをこの場に居合わせた生徒達は漸く思い出す…否、全力で忘れたい過去だったのだ。

 

 

何を如何忘れたいのかは聞いてはいけない…入学式の前、明美に絡んだ生徒"らしき"もの(無論死んではいないが到底人にはミセラレナイ)の様に成りたく無ければ速やかに記憶を抹消すべきだと本能がセーフティロックを掛けていたのである

 

 

 

[にゃりん☆そーにゃん♪せンせーの名前は黒乃悠(くろのゆう)、那岐とは二卵性双生児だけどあンな性悪女とは仲良く無いにゃんからそのつもりでにゃん…忘れたら_____して_____に為るにゃんよ?★]

 

 

(((本当は仲良いだろあンた等ッ‼︎)))

 

思わず深雪や達也でも心の中で突っ込みを入れてしまう生徒達、頬を引っ張られていた一科生は顔に思い付く限りの落書きを為れ泣きながら走り去ってしまった。

 

つくづく黒乃は不可解な一族であるという印象を刻み込んでしまう昼食となった

 

—————

———

 

[あははっ、悠せンせーッて面白いね?まさかあンな方法であの場を収めちゃうなんて流石の私もびっくりだわ]

 

昼食も終わり午後の授業に入る、もっとも午前中は悠のサボり(実際には違うが)でほぼ自習であった故遠隔実習の見学だが

 

[にゃん☆エっちゃんも面白いと思うけどにゃー?トシちゃん先輩やナオちゃんの妹ちゃんって事を抜きにしてもにゃん♪]

 

近くに居た千葉エリカは先程の身のこなしに興味を持ち話し掛ける、此れには興味以外にもある種の"近辺調査"の意味もあったが思いもよらぬ人物から遊び人の長男は疎か自分が親しく思っている兄の名も紡がれた事で眼を丸くする

 

[え?悠せンせって次兄上の事知ってるんですか?]

 

思わず人前で兄の名を口に出してしまう、思い出した様に口元を隠すも後の祭だ

 

[んー、知ってるっていうよりトシちゃん先輩は元々中学の時の先輩だしナオちゃんはその時の縁で何かと雑談し合ったりお茶為る中にゃんね?特にナオちゃんはあの通り真面目でちょびっと堅苦しいから昔からガス抜き役だったけど最近は…]

 

1を聞いたら10…とでも言うべきか、エリカが修次の恋人である渡辺摩利を苦手としている事を予め知っていた悠は途中で口を噤む、人の気持ちを汲む辺りただ軽いだけの教師では無い様だ。

 

何より、兄が常々"超えたい先輩が居る"と口にしていたのはエリカも知っている、先程の身のこなしからして少なくとも兄と同等の白兵能力を持っていると踏んだエリカは得心を得た様に頷く

 

[そっかァ…次兄上が勝ちたい相手って悠せンせなんだ…ね?今度私とも勝負してよ、次兄上が勝てない相手…興味有るから]

 

飄々とした立ち振る舞いはなりを潜め一人の剣士として果し合いを望む、兄が超えたいと願う男がどの程度の実力か識りたいという欲求から出た言葉だ

 

[にゃふー、模擬戦なら何時でも歓迎よん?でも今はまゆちゃんの遠隔魔法を見ておいた方が良いにゃんよ?——白兵戦がウリの剣士であれ知らないより知っていた方が今後の役に立つからにゃん☆]

 

そンなエリカを子供扱い為る事も無く一人の剣士としての模擬戦なら何時でも歓迎すると笑い乍弟と縁のある七草真由美の方へ顎をしゃくる

 

(んー…あの小悪魔ちゃんがかなりの美人さんに成長したにゃー…妖精姫、か。さてさて、勇気は昔の約束、守れるのかにゃー☆)

 

 

ふと此方の視線に気付いた真由美が手を振り近付いて来るのを何処か客観視し乍手を振り返し物思いに耽る…我が弟は色々な女の子に好かれるなー、と内心苦笑しつつ複婚した自分が思う事では無いか…と思考を最愛の妻二人に向ける

 

(…今日のご飯は何かなー、早く二人にもふられたいなー…お風呂入って×××したいなー…)

 

[あ、あの…悠お兄さ…黒乃先生、如何かしましたか?]

 

つい思考を妻二人に向けた事で10からなる指をわきわきと為せて妄想の世界にトリップしていた悠、何時の間にか側に来ていた真由美に声を掛けられ漸く我に帰る

 

[あ、まゆちゃんにゃ☆いやー、ちょっと夢の世界で妻達と×××してたんだけどどーかしたにゃんか?]

 

思わず本音が出た事でエリカからは何か薄汚れたナニカを見るような眼を、真由美からはこほんと咳払いされ一言[セクハラです]とジト目で見られる…ついでに周りの女子からもヒソヒソと陰口を叩かれるという三重苦だ

 

[…今日の夕方、ゆーく…黒乃勇気君の事お借りしても構いませんか?単刀直入に言うと生徒会に勧誘したいんです、…先生なら解りますよね…この意味]

 

取り直すように再度咳払いを為る真由美

 

然し其の眼は明らかに此の時、此の瞬間を待ち望んでいたとばかりに輝いていた

 

[あー…小さい頃の約束だっけかにゃ?別に問題はにゃいけど…多分覚えてないんじゃにゃいかなー?子供らしく結婚する〜、とかなら薄っすらと覚えてるかもだけどまゆちゃんと勇気との約束は少し大人びてるというか…うーん…]

 

幼い頃は遊ぶ事が多かった女の子が傷付くのはいたたまれない、何より勇気も完全に立ち直ったとも言えない…どうしたものかと悩むと真由美は首を振る

 

[…それでも構いません、彼の頃の私はゆー君に"護られていた"のだから…今度は私の番です、約束を守らせて下さい]

 

 

優しく微笑む真由美に悠は息を飲む、母親の死で塞ぎきってしまった弟が母との約束を守る為に…強くなる為に捨てたものの中には確かに有ったのだ

 

——優しい記憶と繋がりが

 

 

[…解った、勇気の事…宜しくお願いするよ]

 

彼女の真剣な迄の想いに素面へと戻り深々と頭を下げる、此の場に居合わせた生徒達は何事かと顔を見合わせエリカはその天性の感から面白い事になってきたと内心うきうきしている…尤も、それと同時に首を突っ込むのは良く無いと自生為る理性も働いてはいるが。

 

 

真由美は小さく頷き一礼した後教室へと戻る

 

 

唯一つ、胸にある想いを秘めて

 

 

(…待っててね、今度は私が…手を差し伸べるから)

 

 

 

 




最近他作品に力を入れていましたが私の中でそれなりに満足のいく流れは作れたので自己満足という形で満足しております(笑)
記念すべき10話ですが作中黒乃家の母は既に他界している事が御解り頂けると思います、此れに関しましては他作品の中でも触れていますし今後も少しずつ掘り下げます。興味のある方は其方の作品も御拝見頂ければ幸いですm(_ _)m
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