魔法科高校の流転者達-夢と現を見定める破壊神- 作:黒乃 柳
桜国ガイスト…あんまり話題に為らなかったけど発売当時は何百回とクリアし直したなー(笑)
——勇気が九重和尚と談笑していた頃、此処幻想郷でも一つの殺陣が行われていた。
[疾…ッ!]
夕焼けの太陽光を浴び色鮮やかに揺れる銀髪をボブカットにした半霊半人の少女、魂魄妖夢が摂る二刀の斬撃、剣に生きる道を突き進む彼女の生き様を現した様な太刀筋を最初の動作を以って悉く躱す金髪碧眼の少年、御劔 輝はどうしてこうなったとうんざりした表情で友人と知人が共同で作り出した特化型CAD-剣章-の試運転前の回想に耽ていた。
————
[よし…何とか完成したな、協力に感謝するぞ?にとり]
[いやいや、中々楽しい作業だったよ?其れにしても外の世界の技術も大分進歩したものだね…でも未だ未だ遅れは取らないよ!]
何やらペンダント型の機器を手に喜ぶ親友の炎と隣でにんまりと笑みを浮かべVサインをする河城にとりを既に宴会会場に黙認されてしまった博麗神社前で見掛けた、そう…此処迄は私は悪くない。
[最近良く見掛けるが二人とも何をしているんだ?]
元々一部の記憶を封じられたとはいえ大部分の記憶は残っている私と炎は互いに星は違えど1惑星の王家に所縁有る共通点もあり不思議と馬が合う、炎は才能の塊とも呼べる程多岐に渡り其の才を発揮しその才能の中の一つである機械弄り繋がりでにとりとも交友があるのは知ってはいたが最近は炎の恋人でもある古明地さとりが最近逢いに来てくれない…と愚痴を零す程なのでそれとなく様子を聞いて欲しいとさとりの妹であるこいしに請われ思い切って聞いてみる事にした。
[嗚呼、否…前々から輝に聞いていた技術を現在魔法で再現しようとしたが如何せん現在の想子に重点を置いた技術体系では完全に再現出来なくてな、にとりと共同で漸く形に成った…俺とにとりからの入学祝いだ]
[幻想郷処か外の世界とは違う世界で私達妖怪と人間が共存する世界の話も興味深いけど何より技術者として輝が話していた世界の技術は目新しいからね、勇気の分も作ってあるから早く来ないかな〜…あ、頼まれてたの持ってくるの忘れた!]
如何やら件の原因は私が炎とにとりに話した前世…と云う依り前世の世界で親しみ深かった{剣章}を作っていたからである様だ、勇気から整備を頼まれていた代物を慌てて取りに戻るにとりの背を見送り乍炎からペンダントを受け取る。…さとりとこいしには後で私から謝罪しておくとしよう…。
——剣章、其れは此の世界の時空軸とは異なるもう一つの地球に天人と呼ばれる異星人が逃げ込んだ事に依り現代魔法とは全く異なる技術の一つ。
現代魔法の観点から原理的に現すなら霊子と想子両方を扱う素養が無い者には起動させる事すら出来無いペンダント型の特殊CAD。
円卓と呼ばれる特殊な結界を張り一切の外部からの干渉を封殺し結界内で一対一の対人戦へと強制的に移行させるのだが結界内では近代兵器では無くヤイバと呼ばれる自身の力に成る事を誓う者達を幽体化させた直後に魂そのものを波長に合う武具へと変化させ闘う決闘技法。
ヤイバを扱う者をサムライと呼ばれる近代兵器では傷一つ負わぬ戦士とする為此の世界の…少なくとも現代魔法に重点を置く魔法理論では喩え戦略級魔法師が相手でもほぼ無敵に近い戦闘技術であろう。仮に此の技術が公に為れた場合…現代社会の基盤は呆気なく瓦解する、其れ程のポテンシャルを秘めた超兵器を一介の生徒と河童が再現したのだ、私は只々感服し乍親友からの贈り物を首に掛け笑みを浮かべる。
[有難う…大切に使わせて貰おう、三年前の沖縄海戦といい物騒だからな…]
[何、気にするな…俺も鈴音さんや那岐さんから入学祝いを貰ったしな]
気配りが良い姉を持って私は幸運の部類だと改めて思う、勇気も勇気で幸運だと思う…家庭環境は特殊だがユーモアのある兄と姉、愛らしい従姉妹達に恵まれているのだから。
———
暫く二人で談笑していた処何処から聞いたのか西園寺幽々子の御伴として宴会の席へと訪れた魂魄妖夢が[輝の本来の力…此の剣で斬れば理解出来るのでしょうか?]と、真顔で訊ねられ如何躱せば良いものかと考えている内に周囲から宴会前の前座として殺陣を行う様差し向けられた。
…色々突っ込みたい部分はあるし回想を終えたが矢張り私は何も悪くない…流石は幻想郷、実にフリーダム過ぎる成り行きだ。
[避けてばかりで攻めないのです…か…ッ!]
左胴から横薙ぎに繰り出される斬撃を後方に飛び退き乍徐々に苛立ってきている妖夢へと視線を向ける…無茶を云うな、本来の剣章と違い単機でも円卓は張れる様だが今現在私はヤイバを引き連れていない…其処らに居る精霊程度では力量が明らかに不足していて使役も出来無い、つまり手出しが出来無い状態なのだ、周りは周りで酒を呑みだした鬼や自称最強の⑨(バカ)が結界に入ろうと特攻を仕掛け何度も阻まれる…と云うか其の度に吹っ飛ばされ周りに指差され笑われる光景は実に滑稽だ。
さて…私は直接的な攻め手が無い為妖夢に負けはしないが勝てもしない、逆に妖夢も攻め手は緩めないが決定的な決め手に欠ける此の状況…どう対処したものか、…そう考えているとふと此方を見詰める視線に気付く。
———
[輝…大丈夫かな…]
私はお姉ちゃんやお空達と一緒に博麗神社に来ていた、尤もお姉ちゃんは炎が目当てだと思う…二人の成り染めは良くも悪くも壮絶過ぎて見ている私達が胸焼けを起こす程だから…ふと輝と眼が合った、普段の輝なら妖夢相手に苦戦はしないけど今日はあの機械だけで勝つつもりみたいだから見ていて不安になる…私が…輝の力に成れれば良いのに。
私がそう願った瞬間私自身の存在の密度が濃くなる感覚に包まれる…次の瞬間、私が私の身体を見詰めるという稀有な経験を体験した。
[こいし…!?]
[アキラ…?!]
こいしの身体から幽体が抜け出たと感覚で理解した瞬間、私の手の中には漆黒の両刃剣が握られていた、如何やらこいしの意志を感知した円卓が彼女をヤイバとして認証した様だ。言葉を交わさずとも互いの気持ちや考えが伝わる…自身の身を案じてくれる者との一体感に至福を感じる。
[…御熱い事で…少々苛つきました…ッ]
そんな私達を他所に何故か怒気を孕んだ袈裟斬りを繰り出す妖夢…だが、防戦一方の時間は此処迄だ…!
[…行くぞ、こいし…!]
[うん…!]
互いに意志が解るからこその鋭さと一撃の重さが勝敗を決した。
振り向き様に遠心力を活かした逆袈裟で刀身同士をぶつけ合う、ヤイバとサムライの生体エネルギー…覇気は相互干渉し合い互いが互いを護り合う障壁を生み出す為に妖夢の刀、一振りで幽霊10体を葬る楼観剣は障壁に依りこいしの刀身を傷付ける事も出来ず天高く吹き飛ばされる。
[…ッ…!]
[…諦めろ、今日も私の…私達の勝ちだ]
楼観剣を吹き飛ばされ尚勝負を捨てずに白楼剣を構えんとする妖夢の首筋に剣先を突き付ける…此れには妖夢も負けを認めたのか、かちん…と白楼剣を鞘に納め一言[参りました…御二人には]と弾き飛ばされた楼観剣を拾う彼女の邪魔をする理由も無い為円卓の発動を解除した。
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[…此処に居たのか…]
先刻迄妖夢と斬り結んでいた境内に私が探していたこいしは居た
[あ、アキラ…!今日はお疲れ様?]
月明かりに照らされたこいしは普段とは一味違う…一言で云えば妖艶な雰囲気を纏っており一人の女として魅力的に映る。
[…嗚呼、こいしも疲れただろう?…今日は助かった、有難う]
私はこいしに礼を述べる、正直予想外ではあったが彼女の介入無くばあの状態を今も続けていただろう…。
[あは、良いよ〜…でも、怪我しなくて良かった…]
ぽつりと呟き乍私に寄り添うこいし…前世では誰かといて安らぐ時間等無かった…地球の民全てを欺き遠ざけ…必要であれば少数の犠牲をも容認した最強最悪のサムライ王…其れが私だった、そんな私に温もりを与えてくれた彼女をどんな事をしても護り抜く…私は私自身の魂に誓うのであった。
投稿する度に本文が長くなるけど描写が粗くないか不安でありんす(苦笑)
叢雲のアキラ、知ってる人も居るかもしれませんし知らない人の方が多いかもしれませんが私は彼の生き様が好きですね…何かを犠牲にしなければならないのは現実世界でも有り得る話だし本編での彼は少数を犠牲にしてでも世界を護る…其の覚悟があり私は未だに彼が大好きです(笑)
と云うかアキラや彼の周りの人以外はあまり好きになれなかった気がする(苦笑)
さて、次話は龍道寺 炎こと最強のGS 炎と彼の周りに居る人の話を書こうかと思いますが一部自己解釈みたいな部分がありますので悪しからずm(_ _)m
では、また御逢い出来る日を