とんでもスキルでダンジョン放浪メシをするのは間違っているだろうか?   作:有頂天皇帝

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まえがき
今回からソードオラトリアのリヴィラでの騒動が始まります。本編で登場しなかったキャラたちの登場などによって色々と内容が変わっておりますがよろしくお願いします!そして活動報告にてフィルヴィスさんの魔法を考えてくれたカズミンさんと漫才C-さんありがとうございました!!カズミンさんの魔法早速使わせてもらいました!!おかしな点があれば修正しますのでどうかよろしくお願いします!!


第十二話 リヴィラの騒動1

ダンジョン18階層。リヴィラの街。ならず者たちによって成り立つダンジョンにある街にベルは従魔であるコクヨウたちとアーディは辿り着いていた。

 

「ここが18階層・・・!!」

 

初めて来た18階層【迷宮の楽園(アンダーリゾート)】の光景にベルは目を輝かせていた。異世界を旅し、この世界でもアルフィアやザルドたちゼウス・ヘラファミリアに同行して旅をして色んな景色を見てきたがそれでも初めて見るものは素直に素晴らしいと言えるのがベルの美徳であろう。

 

「じゃあベルくん。私少し用事があるから離れるけど危ないことはしないでね?」

 

「はい」

 

アーディはベルの頭をワシャワシャ撫でて最後にギューと抱きついてから名残惜しげにそう言って離れていった。それを遠目で見ていたリヴィラの街の冒険者たちは嫉妬のあまり何人か血涙を流していた。

 

ガネーシャファミリア団長のシャクティ・ヴァルマの妹であるLv.5冒険者【象神の詩(ヴィヤーサ)】アーディ・ヴァルマはかなり『モテる』女性である。大人の女性としての魅力を持ちながら、少女のような可愛らしさのある女の子。その相反するような2つの属性を持つ彼女は人も神も魅了してしまっている。

 

それ故に神々主体の様々な『ファンクラブ』なるものも存在し、最近では『アーディちゃんに調教(テイム)されたい会』なる団体が、シャクティ主体の憲兵団に検挙されている。

 

しかし、そんなモテる女性。アーディに大きな変化があった。

 

それが、ベル・クラネルの存在である。

 

ベルの容姿が『アルミラージ』の擬人化のような見た目をしていることとベルがアーディと同じく英雄譚が好きなこと、冒険者らしくない冒険者という新鮮さなど理由は諸々あるが気づけばベルのことが好きになっていたアーディはベルを見つけてはよく抱き着くか捕獲している姿が地上で目撃されるようになり、その光景を見たファン達は口から血を吐いては倒れ、【ディアンケヒト・ファミリア治療院】に搬送されるのが、ここ【オラリオ】の日常になりつつある。

 

そのため冒険者たちの中にはアーディと仲の良いベルに嫉妬するものもおり、ベルが地上で屋台をしていた時はイチャモンをかけたりしていたがそういった連中は全員埋められてからアーディに厳重注意をされ、ガネーシャと同じ部屋で1日共に過ごさせられてから解放されるということが何度かあった。

 

そしてこのリヴィラの街でもアーディファンクラブメンバーと単純に美少女と仲のいいベルに嫉妬した冒険者たちが先輩冒険者として教育してやろうとベルに迫り・・・・・・

 

「・・・・・・で、まだなにかありますか?」

 

「「「「「「「「「「「サーセンっした!!」」」」」」」」」」」

 

10分もかけずに冒険者たちを返り討ちにしたベルは顔が原型をとどめてないくらいパンパンに顔が腫れている冒険者たちに冷たい目を向けると全員が一斉に土下座をして謝罪をする。

 

リヴィラの街で活動する冒険者のほとんどがLv.1か2であるためにLv.5のしかもステイタスを限界以上に極めてからランクアップしまくっているベルに叶う訳もなくこの結果は当たり前のものであった。

 

「まぁ今回はコレで許しますけど次同じようなことしたら骨折りますからね」

 

「よ、容赦ねぇ・・・」

 

「え?何か言いましたか?」

 

「「「「「「「「「いえ!何も!!」」」」」」」」」

 

ベルはボコボコにした冒険者たちに回復薬(ポーション)をかけて傷を直しながらそう忠告すると冒険者の1人がボソリと小さな声で何か呟いたのを感じ、笑ってない目をした笑顔で聞き返すと冒険者たちは背中に冷や汗をかきながら即座に否定。伊達にこの兎は最凶ファミリアの女傑たちに鍛えられていないのだ。

 

その後ベルは冒険者たちから18階層のことを色々と聞いて散歩がてら少しだけ散策してからリヴィラの街にある酒場に向かってアーディと合流した。

 

「・・・・・・ベルくん。これ本当にベルくんが見つけてきたの?」

 

「?はい」

 

「そっかァ・・・」

 

アーディは机の上にあるベルの大量の収穫物を見て一瞬遠い目になる。机の上には1瓶数万ヴァリスはする水晶飴(クリスタル・ドロップ)が8瓶もあった。滅多に見つからないはずの子高価な希少(レア)ドロップアイテムを短時間でこれだけ見つけてきたベルの幸運にアーディは戦慄するしかなく、とりあえずほかの冒険者に奪われないように気をつけるように注意するのだった。

 

それからアーディはベルとの食事を楽しもうとしたところでベルが酒場の一角に目を向けていることに気づいてアーディもまたそれにつられてベルの見ている方に視線を向けるとそこには同じファミリアの団員である全身鎧(フルアーマー)装備のハシャーナ・ドリアスと全身をローブで隠している女性がいた。何故女性だとわかるのかというとローブ越しでもはっきり大きいものとわかる豊満な胸部が見えるからだ。

 

アーディは自身のそれなりに大きさのある胸部を見て敗北を感じつつまさかベルはあの爆乳に目を奪われているのでは!?と焦りながら声をかけようとしたら先にベルがアーディに声をかける。

 

「アーディさん」

 

「な、何かなベルくん!?」

 

「あの人、少し変な感じがするんですけどアーディさんはあの人のこと知ってますか?」

 

最初はベルが女性に見惚れていたのかと焦っていたアーディだが、ベルの真剣な表情を前にしてそれはないと判断して改めてローブの女性を見るが・・・

 

「ごめん。私もあの女の人は見た事ないかな。それでベルくんは何が怪しいと思ったの?」

 

ガネーシャファミリアの一員にして憲兵としてオラリオを守っているアーディは多くの冒険者の顔や名前を知っている。しかしそんなアーディでも女性のことは分からなかった。

 

「上手く言えないんですけど、あの人から妙な気配を感じて・・・」

 

「それってベルくんの勘ってことかな?」

 

「そうかもしれません。すいませんいきなりこんなこと言って・・・」

 

ベルは確証のないことを言ってしまったことに対してアーディに謝罪するが、アーディは改めてベルが怪しいと言った女性について考える。ベルは確かにLv.5の第一級冒険者であるがオラリオの冒険者としての活動経験は1ヶ月も満たない。しかし世界最強2大ファミリアであるゼウス・ヘラファミリア両方の血を受け継ぎ、その団員たちから鍛えられたベルの実力と戦闘経験はオラリオの英傑たちとも並ぶものであろう。故にアーディはある決断を下すことにした。

 

「よし!話しかけてみようか!!」

 

「えぇ!?あ、怪しいかもしれない相手にですか!?」

 

「うん!一緒にいるフルアーマーの男の人は同じファミリアの人だから何か知ってるかもしれないしね!!」

 

最悪あの女性が悪人だとしてもLv.5であるベルとアーディ、Lv.4のハシャーナがいるのだから何か起こった際に対処することも可能であるという判断から来たアーディの答えである。そしてベルとアーディはハシャーナと謎の女性の後をつけることにした・・・。

 

 

 

「あの黒衣の奴が言っていた通り、本当にイシュタルファミリアの連中がいるな・・・」

 

ベルとアーディがハシャーナと謎の女性の尾行を始めていた頃、18階層に辿り着くなり森の中を散策していたフィルヴィスは早い段階でイシュタルファミリアのアマゾネス集団を見つけていた。

その集団はフリュネやアイシャなどのイシュタルファミリアでも実力のあるものたちで構成されていた。唯一気になる点は極東由来の着物を着ている狐人(ルナール)くらい・・・。

 

「このまま連中の後をついていくか・・・。しかし連中は何をするつもりだ?」

 

フィルヴィスは友人であるヘスティアファミリアに所属している発展アビリティ【神秘】を持つ研究者に作成してもらった気配を消すローブで全身を隠してからアマゾネス集団を尾行し始める。Lv.6であるフィルヴィスにとってLv.5のフリュネやLv.4のアイシャは2人がかりで襲われようと敵では無い。しかし、流石にフィルヴィス一人で20人もの相手を同時にするには苦労するし倒したところで素直に吐くような性格をしていないことから尾行して連中の目的を探ることにした。

 

そしてフリュネたちが森の中を進んでいくのをフィルヴィスが尾行しているとフリュネたちは森が開けた場所に辿り着いたのを確認してからフィルヴィスは身を隠せそうな場所を探していると殺気を感じ、その場から勢いよく距離を取った。

 

「・・・・・・」

 

フィルヴィスが距離を撮った瞬間、先程までフィルヴィスがいた場所に巨大な大剣が叩きつけられ砂塵が舞う。そして砂塵が晴れるとそこには全身を黒い鎧で覆っている大男が大剣を構えて立っていた。フィルヴィスはヘスティアソードと短杖(ワンド)を構えながら臨戦態勢をとり、それに合わせて黒鎧の大男も大剣を構えるなりフィルヴィスに向かって突撃しながら振り下ろしてくる。

 

「ちっ!【浄化せよ、破邪の聖炎】!!カタルシス・ウェスタ!!」

 

フィルヴィスは流石にその一撃は受け流すことはできないとして回避に専念しながら自身の短文詠唱魔法型の炎魔法を詠唱し放つ。不意打ちの魔法であったために大男はかわすこともできず直撃した。だが大男はそれを意に返さずフィルヴィスに迫りその細い首を掴もうと腕を伸ばすが、それに対してフィルヴィスは冷静に対処すべく大男の手首にヘスティアソードを振り下ろしそのまま大男の手首を斬り飛ばす。

 

普通の人間ならば腕を切られたことに対して何らかの反応を起こすはずだが、大男は手を切られても痛みの声を上げずに執拗にフィルヴィスを狙ってただ襲いかかる。この時点でフィルヴィスは目の前の敵がただの人間では無いと判断し、そして過去に似たような存在と戦ったことを思い出しフィルヴィスはひとつ試して見ることにした。

 

「────【円陣(フローガ)】」

 

フィルヴィスはカタルシス・ウェスタの爆散鍵(スペルキー)を唱えると赤い炎を纏っていたヘスティアソードを地面に突き刺さすと炎は赤から青へと代わりフィルヴィスと大男を取り囲むように地面から青い炎が噴き出て2人を囲むような壁を作り出した。大男は最初は炎の壁を気にせずフィルヴィスへの攻撃を続けようとしたが、1歩踏み出した瞬間、纏っている鎧と手に持つ大剣から黒いオーラが垂れ流れてきたかと思えば大男は絶叫を上げた。

 

「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「やはりその武具は呪武器(カースウェポン)の類か」

 

腕を切られても声を発さなかった大男が絶叫を上げたのを見て確信を持ってそう聞くが、大男はその声が届いていないのか地面を転がりながらひたすら絶叫を上げていた。

 

 

────フィルヴィス・シャリアの最も得意とする魔法【カタルシス・ウェスタ】。炎を操る短文詠唱魔法であり、攻撃や防御、さらにはヘスティアソードに纏わせる付与魔法(エンチャント)として使えるなどかなり万能であるが、その本質はフィルヴィスの主神であるヘスティアが司る【悠久の聖火】に影響された呪いや魅了、毒など人体に害をなす性質そのものを焼き尽くす浄化の炎を操る魔法だ。基本的に武器に浄化の炎を付与して戦うが、爆散鍵(スペルキー)である【来獣(アンゲロス)】と【円陣(フローガ)】を使い分けることが可能。

 

爆散鍵(スペルキー)円陣(フローガ)】は本来ならば浄化の炎で敵の攻撃を防ぐ防御結界として発動しながら壁の内側にいる味方の状態異常を治療するためのものであるが、大男の武具が呪武器(カースウェポン)である可能性が高いと判断したフィルヴィスは敵を結界内に封じ呪詛(カース)を解呪する選択をとった。そしてフィルヴィスの予想通り、大男にかけられていた呪詛(カース)は解除され切られた痛みと浄化の炎によって呪詛(カース)が染み付いた身体を外と内の両方から焼かれる苦しみで悶え苦しんでいた。

 

「安心しろ命までは取らないでやる。解呪が終わったら貴様をリヴィラの街まで連行して所属ファミリアを明らかに────」

 

フィルヴィスは短杖(ワンド)の先を大男に向けながら続きの言葉を続けようとしたところでダンジョンが揺れた。フィルヴィスは突然の揺れに疑問と冒険者としての勘が異常事態の発生だと感じていた。

 

そしてフィルヴィスの勘が正しいと言わんばかりにダンジョンの揺れはより激しくなるだけでなく、先程まで快晴だと言わんばかりの明るさから一転して段々と暗くなり始めていた。

 

この十八階層は、天も地も煌びやかな水晶で満たされている。この水晶たちはそれぞれ光を放っているのだが、その光量は時間帯によって変化しているらしく、故にこの十八階層層には、擬似的ながら【昼】と【夜】の概念が存在している。

 

先程までは夏の最盛を先取りしたかのような快晴。気持ちの良い【昼】であった。それがいつの間にか、身震いさえしてしまうほど冷たく澄んだ暗い世界に。しかし所々はまだ明るいという、歪な【夜】に変わってしまっていた。

 

明らかな異常事態を前にフィルヴィスはヘスティアソードを地面から抜き取り周囲を警戒していたところでそれらが視界に入った。

 

「あれは・・・」

 

周囲を警戒しながら見渡していたフィルヴィスの視界にそれらは写った。天井に無数に生えている水晶の中でも十八階層の太陽とも呼べる程の最も巨大な水晶。その中で何か(・・)が脈動していた。

 

薄れていく光源。その真ん中で蠢くソレがこの街に影を落とし、気の早い夜を呼び寄せているらしい。強まる震動。深まる闇。そして、水晶内でどんどん肥大していくナニカ。

 

その光景にフィルヴィスが軽快をよりいっそう強くしていると、一際大きな震動が発生。常人や第二級冒険者程度では立っていられないほどの揺れが、フィルヴィスの脳内に極大音量の警鐘を掻き鳴らす。

 

危険だ。早急にアレを破壊すべきだ。

 

しかし既に、遅きに失しているのだと、フィルヴィスは理解していた。バリンと、硝子が粉砕したかのような音が鳴り渡り、無数の破片が十八階層の辺り一面に降り注ぐ。

 

幻想的ですらあるその光景に浸ることなど許されない。遂には、巨大な水晶が粉々に弾け飛ぶ。そして、ソレらは落下してきた。

 

「馬鹿な・・・」

 

フィルヴィスは目を見開きながら水晶から現れた存在────2体の【迷宮の孤王(モンスターレックス)】を見る。

 

一体は中層十七階層に出現する全高7Mにも届く推定能力Lv.4の灰褐色の巨人型モンスター【ゴライアス】。しかし今のその姿は軽く8Mを超えた黒肌に白髪の巨人であり明らかに通常種と異なっていた。

 

もう一体は深層三十七回層に出現する全高10Mを有する推定能力Lv.6の巨大な漆黒の骸骨型モンスター【ウダイオス】。しかし今のその姿は元の黒い骨の体が多くの血を吸ったかのような赤黒い色へと染まっておりその腕は六本に増えていた。

 

(くっ!?この男も放置できないが今はゴライアスたちをどうにかする方が最優先かっ!!)

 

フィルヴィスは一瞬大男をどうすべきか悩んだが、ゴライアスたちがリヴィラの街に向けて歩んでいく姿を見てリヴィラの住人たちを救助すべく大男の頭を掴んで勢いよく地面に叩きつけて気絶させてから近くの木に捕縛用のロープでしっかりと縛り付けてからリヴィラの街へと向かって走り出した。

 

 

────その姿を遠く離れた場所から見ていた存在がいた事にも気付かずに・・・

 

 

 




あとがき
フィルヴィスさんの具体的なステータスなどは今後作成していきますので細かい魔法の設定などはまた後日に・・・。というかダンまちの魔法こんな感じで大丈夫かな?今回登場したゴライアスとウダイオスは漆黒種?と呼ばれる存在で神威を出した神については数話以内に出したいと思います。それとまだ先の話になりますが次のソーマファミリア辺の話でリリルカの所属ファミリアをどうするか考えています。現在作者はヘスティアファミリアに改宗済みで話を考えようかと思ってますが、原作のような展開も捨て難いので今度アンケート取ろうかなと思ってます。ちなみにヘスティアファミリアに改宗済みにした場合リリルカとフィンはとある過去の出来事の影響でリリルカはフィンに苦手意識を抱き、フィンもまたリリルカに対して罪悪感を持って色々と影響されてたりします。次回はベル視点から物語を再会する予定です。

番外編候補

  • イレギュラー・オラトリア
  • アナザー・オラトリア
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